カテゴリ:会報第13号( 2 )

移植への理解を求める会 会報第13号の(2)


移植への理解を求める会 会報第13号の(2)


メッセージ・祝電                                       
▽衆議院議員 山本 公一様
第3回総会・NPO法人設立総会並びに記念講演会ご開催を心よりお慶び申し上げます。
関係各位のご尽力に敬意を表しますと共に、貴会の更なるご発展と、本日ご参会の皆様のご健勝、ご多幸をお祈りいたします。
 平成20年12月7日
      衆議院議員 山本 公一
…………………………………………………………………………………………………………                  
▽香川県議会議員 都村 尚志様
「移植への理解を求める会」の皆様、こんにちは。香川県議会議員の都村です。はじめまして。
本日は、NPO法人設立とのこと、誠におめでとうございます。ご案内をいただきましたが、地元で所用があり、出席できませんので、メッセージを送らせていただきます。
 私がこの修復腎移植の問題に興味を持ったのは、本年7月に香川労災病院の西先生から資料をいただいたことが発端です。それまでは、新聞報道を読むくらいだったので、当事者意識もなく、正直言って、別の地域の問題ぐらいにしか認識していませんでした。
 しかし、いただいた資料や本を読み、この問題について知れば知るほど、学会や厚労省の対応の理不尽さ、患者の皆さんの状況の深刻さを強く感じました。
現在の日本の透析患者数の推移や死体腎移植の現状を考えれば、修復腎移植について、タブー視せず、前向きに捉えるべきだと思います。何よりも、医療というのは、患者と向き合い、できる限りの手を尽くして患者を救うことが、使命だと思います。

皆さん、正論は通ります。どうせ通るのであれば、一日も早く通そうではありませんか。私は地方議員ですから、厚労省に対する直接の権限はありませんが、できる限りの応援を今後ともしていくつもりです。
最後に、今年の冬は寒くなると言われています。メンバーの皆さん、お体をご自愛ください。「移植への理解を求める会」の今後の活動の活発化を心からお祈りして、メッセージといたします。
                        香川県議会議員
                         都村 尚志 
………………………………………………………………………………………………………… 
▽愛媛県議会議員 横田 弘之様
 修復腎移植を求める大会のご盛会をお祝い申し上げます。
透析の苦しみに耐えながらご自分の生命を見つめておられる患者皆様のことを本当に考えるのならあらゆる可能性に全力をかける事は当然であります。
万波先生をはじめ修復腎移植に神の手を持つ先生方のご努力に感謝しつつ、その医療行為不当の謗りを受けないよう、命をかけた闘いがなされますよう、念願いたします。
NPO法人化が一日も早くなされることを併せて願っております。

                         愛媛県議会議長
                          横田 弘之

決議文                                   
私たちは、ドナーに恵まれない移植待機患者を一人でも多く救おうと、宇和島徳洲会病院の万波誠先生らが進めてこられた修復腎移植の推進と、先生方の医療活動の継続保証を訴え、これまで、署名運動や講演会開催など、さまざまな活動を続けてきました。
一方、万波先生らが進めてこられた修復腎移植は「ドナー不足を解消する画期的な医療である」として、海外の移植関係者から賞賛されています。またオーストラリアの病院では既に修復腎移植が日常的医療として実施され、大きな成果を上げています。
それにもかかわらず、日本の学会は修復腎移植の妥当性を全面的に否定し、これを受けて厚生労働省も、その可能性を検討することさえせず、原則禁止の方針を打ち出しました。この決定は、多くの患者の移植の機会を奪い、見殺しにするものであり、理不尽で、到底納得できません。
移植への理解を求める会は、学会と厚労省の誤った考えを正し、患者にとって大きな希望の灯である修復腎移植を一日も早く実施するよう、重ねて要請するとともに、その実現の日まで、強力な推進活動を続けていくことを誓います。
 2008年12月7日
                     移植への理解を求める会
                       代表 向田 陽二


お知らせ                                   
求める会ホームページがリニューアル
 移植への理解を求める会のホームページが、昨年11月からリニューアルしました。より見やすく、ビジュアルになりました。アドレスは(http://www.shufukujin.com/)です。ぜひこまめにのぞいていただきたいと思います。
 なお、旧ホームページ(http://www.kenkoude.com/ishoku/)もリンクしています。これまでの情報は、こちらをご覧ください。
ズバリ「移植への理解を求める会」で検索すると、新旧両方のホームページを見ることができます。旧ホームページは武田元介幹事が、新ホームページは井手広幸幹事が担当しています。

 事務局から                                   
 関係書籍在庫あり 事務局には、下記の出版物の在庫があります。希望される方はお申し出ください。実費でお送りします(送料無料)。
 ▼近藤俊文著「カルテの余白」(岩波書店、2,415円)

▼村口敏也著「否定された腎移植」(創風社出版、1,890円)

▼難波紘二著「覚悟としての死生学」(文藝春秋・735円)

▼青山淳平著「いのちと向き合う男たち~腎移植最前線」(光人社・1,680円)

▼えひめ移植者の会編「命の贈りもの」(創風社出版・1,000円)

▼えひめ移植者の会編「命の贈りものPart2」(創風社出版・500円)

会費納入について 移植への理解を求める会は今春をめどにNPO法人化を目指しています。そこで、会費はあらためて開くNPO設立総会後、お願いしたいと思います。なお、カンパと会員勧誘は歓迎です。
 
会報第13号  
2009年
1月29日(木) 発 行発行者 移植への理解を求める会 代 表 向田 陽二
     〒798-4101愛南町御荘菊川2290 電話0895-74-0512
編集者             幹 事 野村 正良
〒791-8006松山市安城寺町1746-8 電話089-978-5434 
発行所             事務局 河野 和博
〒790-0925松山市鷹子町928-2   電話089-970-3943
[PR]
by shufukujin-kaihou | 2009-02-01 16:35 | 会報第13号

移植への理解を求める会 会報第13号の(1)



移植への理解を求める会 会報第13号の(1)
           
移植学会幹部5人を提訴

修復腎移植の禁止導く

患者原告団治療の選択権と生存権侵害

修復腎移植の妥当性を否定する不当な発言によって、厚生労働省の修復腎移植禁止方針を導き、患者の治療を受ける権利と生存権を侵害した-として、透析患者ら7人の原告団が12月10日、日本移植学会幹部5人を相手取り、約6000万円の損害賠償を求める訴訟を松山地裁に起こしました。
 原告団は愛媛、広島、香川、岐阜の透析患者4人と移植者3人で、移植への理解を求める会から向田陽二代表、野村正良幹事らが参加しています。弁護団は薦田伸夫、岡林義幸、山口直樹(以上松山市)、林秀信、光成卓明、東隆司(以上岡山市)の各弁護士6人。被告は田中紘一前理事長、大島伸一前副理事長、寺岡慧現理事長、高原史郎現副理事長と相川厚現理事です。
訴訟は、修復腎移植を否定する学会幹部らの不法性を明らかにし、修復腎移植の早期実現(再開)を図るのが狙いです。訴状では、学会幹部らに対し「修復腎移植医療の正当性の判断にあたって、その意見が社会的影響力を有する立場にある移植医療、泌尿器系医療などの専門家であり、かつ関係学会の幹部の地位にある者が、修復腎移植に関して、真実と異なり、もしくは真実を歪曲した不利な事実、意見を社会、関係する官庁、議員、学会、報道機関などに流布させる行為は、民法上の不法行為における『違法な侵害行為』に該当するものである」と指弾しています。

「患者を守るための最後の手段」
 提訴後の記者会見で、原告団長を務める野村幹事は「移植への理解を求める会が、これまで再三にわたり、修復腎移植の妥当性を訴えてきたが、学会も厚労省も、かたくなな態度を変えようとしない。このままでは患者は見殺し。最後の手段として裁判の道を選んだ」と説明。また裁判を前に、原告団への参加を予定していた兵庫県加古川市のジャズピアニスト・有末佳弘さんと、広島県呉市の下西由美さんが相次いで亡くなったことを紹介し、「二人の死を無駄にしないためにも、修復腎移植が一日も早く実現するよう、頑張りたい」と決意を語りました。
弁護団長を務める林弁護士(求める会岡山支部役員)は「本来、患者さんを救うべき学会幹部が、まったくの的外れか、事実と異なる発言をすることで、患者の手術を受ける権利を侵害している」と指摘。修復腎移植の有効性を示す各種データを示したうえで、「学会は修復腎移植を正当に評価すべきだ」と強調しました。
原告の一人、長谷川博さん(香川県)は、「学会幹部は最初から結論ありきで、患者に対して移植する機会をあきらめるよう仕向けているとしか思えない。私はもっと生きたい。移植を受けるチャンスを与えてほしい」と訴えました。

原告団は、学会に追随する厚労省に対しても、同様の理由で国家賠償請求訴訟を準備しています。現在、与野党国会議員約80人で組織する「修復腎移植を考える超党派の会」が、厚労省に修復腎移植の容認を迫り、最終的協議を予定していることから、その結果を待って提訴するかどうかを判断する考えです。


NPO法人化を承認

12月7日 宇和島で第3回総会

修復腎移植訴訟の支援も


 移植への理解を求める会の第3回総会・記念講演会と、NPO法人設立総会が、12月7日、宇和島市のえひめ南農協会館で開かれ、会員ら約120人が参加。求める会のNPO法人化を承認するとともに、患者原告団による修復腎移植訴訟を全面支援することを決めました。

「修復腎移植医学的に検討すべき」
松屋先生(長崎医療センター泌尿器科医長)が講演

 記念講演では、長崎医療センター泌尿器科医長の松屋福蔵先生が「修復腎移植 その可能性と問題点」をテーマに、ご講演されました。松屋先生は長崎県内の透析患者と腎移植希望登録者を対象に実施したアンケート調査で、その半数近くが修復腎移植を希望していることを紹介。「4割以上の患者が移植をしたいと希望しているのであれば、修復腎移植は医学的にも検討すべきと言える」と強調しました。
また「医療不信が起きないよう、手続きを考える必要がある」としたうえで、「医療はだれのためにあるのか、ということを考えるべきだ。医師のためではない。医療界は修復腎移植について、もっとオープンに議論すべきだと思う」と締めくくりました。                                        

講演に先立ち、向田陽二代表と顧問の近藤俊文先生(市立宇和島病院名誉院長)のあいさつがあり、ともに、修復腎移植の推進を強く訴えました。続いて、愛媛選出の山本公一衆議院議員、都村尚志香川県議会議員、横田弘之愛媛県議会議長(求める会顧問)から寄せられた激励のメッセージが紹介されました。 
 総会では活動報告と会計報告があり、原案通り可決されました。 
 続いてNPO法人設立総会では、NPO設立の趣旨、定款、活動方針、予算案、役員案を、いずれも可決、NPOの設立を全員一致で了承しました。
 最後に向田代表が決議文を朗読、採択されました。
会では、今月中に愛媛県にNPO法人の認可申請を行い、今春にもNPO法人としての活動をスタートしたいと考えています。 

向田代表あいさつ                                      
移植への理解を求める会は、一昨年11月に発足して以来、丸2年を迎えました。私たちは、一人でも多くの移植待機患者を救いたいとの思いから、万波先生らが進めてこられた修復腎移植の推進と、先生方の医療活動の継続を願って、署名運動やシンポジウム、講演会活動などを精力的に進めてきました。
 おかげさまで、修復腎移植に対する理解は、当初に比べ、ずいぶん広がってきました。また超党派の国会議員の先生方が、厚生労働省に修復腎移植の容認を迫るなど、流れは大きく変わってきています。これもひとえに皆さまのご支援とご協力のたまものであり、心からお礼を申し上げます。
 ただ、学会や厚労省の考え方は、修復腎移植に対して相変わらず、かたくななまでに否定的で、厚労省の原則禁止の方針も、変わりそうにありません。また修復腎移植を実施した市立宇和島病院と宇和島徳洲会病院、それに万波先生らに対する行政処分の方針も、消えたわけではありません。
 そこで、私たちは学会や厚労省が修復腎移植を正当に評価し、多くの患者さんが救われる環境づくりを進めるためには、裁判で争うのが有効な手段の一つであると考え、患 者原告団による訴訟を呼び掛け、その支援を決めています。 
 また、修復腎移植推進の輪を全国に広げていくため、会のNPO法人化を目指しています。
 本日は、そのための解散総会とNPO設立総会・記念講演会ですので、どうか、最後までお付き合いいただきますよう、お願い申し上げます。 
私たちは、修復腎移植の早期実現に向けて、今まで以上に、力強い活動を進めていきたいと思っていますので、皆さまには、今後とも一層のご支援ご協力をよろしくお願いいたします。                       
 
講演要旨                                       
 修復腎移植 その可能性と問題点
      長崎医療センター泌尿器科医長 松屋 福蔵

修復腎移植について学会は「現在の医療から外れている」との見解を発表した。この問題が出た当初、私は腎癌の修復腎は移植できるのではないかと思った。ただインフォームドコンセント(説明と同意)はどうだったのだろうか、などと考えた。
 腎不全患者への治療は今から60年前に始まったが、今の医療が完璧というのはおかしい話だ。医療はまだまだ進行中であり、日進月歩である。修復腎移植は、献腎、生体腎移植に次ぐ第3の道となるのではないかと素直に思った。
 医学はサイエンスである。修復腎移植について医学的議論をもっとすべきではないのかと思っている。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――
今回の病腎移植についての学会のコメント
・ドナー、レシピエント双方に対して十分なインフォームドコンセントが行われていない。
・泌尿器科、透析、移植を単独で管理。
・第三者であるにもかかわらず、その中よりドナーを選択し、自らの透析患者よりレシピエントを選択。
・個人的な経験より、悪性を含めた病腎移植を決定。
・研究的治療にもかかわらず、倫理委員会に諮らず、説明承諾の記録は残していない。
学会の総括
・今回の病腎移植は現在の医療の倫理性、水準より外れた医療として
・きちんとした手続きが取られずに
・組織的、計画的に行われた
・現時点では認められない治療である。
腎移植ドナーの適応基準
1、以下の四疾患または状態を伴わないこと
1)全身性の活動性感染症 2)HIV抗体、HTLV-1抗体,HBs抗原、HCV抗体 3)クロイツフェルト・ヤコブ病およびその疑い 4)悪性腫瘍(原発性脳腫瘍および治癒したと考えられるものを除く)
2、器質的腎疾患がない(血液生化学、 尿所見などから)
3、年齢:70歳以下が望ましい

一般的にドナーとなれる腎臓はこのように言われている。修復腎移植についてはどうかと考えると、今までの学会や研究会での発表からも、腎動脈瘤等の悪性腫瘍(がん)でない病腎は、もともと移植をしていたものであり、問題はないと思っている。ネフローゼ腎についてはいろいろと議論があるところである。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
いわゆる病腎移植(腎癌の場合)に関するアンケート
日本の腎移植数は徐々に増加していますが、本来伸びるべき献腎移植は年間200例程度で停滞しています。
一方、腎移植の成績向上はめざましく、ドナー不足の解消は切実な問題となっています。病(気)腎移植は、その否定的な面を有してはいるものの、ドナー不足を補う医学的に可能性を秘めた問題でもあります。
ドナー適応拡大に関しては、医学的妥当性の検討、社会の理解などが必要です。しかし、何よりも腎移植を希望している透析患者さんが、この問題をどのように思っているかが最も重要な事項です。
今回、長崎県内の献腎移植希望登録更新者および一般の透析患者さんに対して、腎癌の場合に限定した病(気)腎移植に関するアンケート調査を行い、その問題点、可能性について考察する。

移植を受ける側は、がんがあった腎臓でもいいかどうか。
長崎県内の腎移植希望登録者103人と透析患者94人を対象に、修復腎移植を希望するかどうかをアンケート調査した。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――いわゆる病気腎移植(腎がんの場合)に関するアンケート
あなたは腎癌の腎臓(もちろん、がんの部分は摘出され90%の確率でそこから再発することはないと思われる腎臓)を移植したいと思われますか?
A、是非したい(家族の反対があっても) B、あまりしたくないが透析を抜けられるならやるしかない C、家族が賛成してくれるなら D、絶対に受けない E、その他(上記選択の理由やその他ご意見、自由記載)
……………………………………………………………………………………………                                                 
対象: 長崎県内で献腎移植希望登録更新者    2007・3
              (アンケート回収率:78名/103名 75・7%)
某透析施設の透析患者
              (アンケート回収率:87名/94名 92・5%)
男性47名 女性27名(未記入4名)    男性56名 女性31名(未記入0名)   
血液透析53名CAPD7名(未記入18名) 血液透析84名 CAPD3名(未記入0名)
 年代       原疾患             年代       原疾患
20歳代  7名 CGN      59名    20歳代  0名  CGN     49名
30歳代 14名 糖尿病性腎症 2名   30歳代  5名  糖尿病性腎症 18名
40歳代 27名  その他     3名    40歳代  8名  その他   20名
50歳代 22名  未記入    14名    50歳代 23名  未記入    0名
60歳代  8名                  60歳代

その結果、A、B、Cの条件付きながら修復腎移植を希望するとの回答が、移植希望登録者の43%、透析患者の47%-という結果であった。
 Dの絶対に受けないという患者は、ほぼ同様の40%大であった。
 この結果を20年4月下旬に日本泌尿器科学会総会で発表した。
 移植希望者が1割ほどではだめだが、4割以上の患者が移植をしたいと希望しているのであれば、修復腎移植は医学的にも検討すべきと言える。
 生体腎移植の当てもないまま、腎移植を待たざるを得ない患者さんやご家族の「移植できる腎臓さえあれば」との思いを切実なものとして受け止め、ドナーの適応拡大について議論すべきだと思う。

――――――――――――――――――――――――――――――――――
病腎移植(腎癌の場合)に関するアンケート:自由記載から
希望度A=ぜひしたい(家族の反対があっても) D=絶対に受けない
A、60歳代男性5日~10年 週3回の透析で体がきつい。食べ物の制限がつらい。
A、40歳代男性20年以上 データに基づき再発の可能性がないならよろしいかと思います。
D、40歳代男性15~20年 新たな不安を持って生きることに精神的苦痛を感じる。
D、20歳代男性5年未満 医者の言い分は分かるが、病気腎移植はどうかと思う。
D、40歳代男性5年未満 再発の可能性が10%でもあるのなら、その10%に自分がめぐりあったと考えると透析よりももっとつらい思いをしなければならないだろうし、家族も大変だと思う。
D、30歳代女性10から15年 何が何でも移植をと望む前にもっと自分の病気に向き合うべき。
D、60歳代女性15~20年 外部専門委員会で病気腎移植は不適切ということで今まで何となく不安だった気持ちができないということにはっきり思いました。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
修復腎移植(腎癌の場合)の検討事項
1、患者の意向の調査
1)レシピエント側:病(気)腎でも移植する意向があるの?
2、医学的妥当性の検討・社会への提示
1)腎癌の再発・転移の可能性の検討→腫瘍のサイズ(2㎝ 4㎝)は?
2)良性腫瘍の可能性→術中迅速病理診断→腎摘/腎提供中止
3)手術方法は:切除範囲 /腎茎部遮断法など
3、病(気)腎移植の手順 ドナーへの術前説明と同意
(最優先はドナーの自発的意思と安全)
(誰が行うか?第三者の立ち会いまたはコーディネーター)
4、修復腎移植の術後評価と違反時の罰則
――――――――――――――――――――――――――――――――――
修復腎移植実施に向けての検討事項 総括(小さな腎癌の場合)
1、患者意向のアンケート調査
1)レシピエント側:病腎でも移植する意向があるか?→半数は肯定的
2、医学的妥当性の検討→社会への提示と理解を
1)腎癌の再発・転移の可能性の検討→5%以下(危険性は定できない)
→適応腫瘍のサイズ径は?(2㎝? 4㎝?)小さいほど安全
2)手術方法は:腎摘→体外手術(腫瘍の部分切除)の方法は?
→ドナーの考えられる不利益は許容範囲か?
(腎茎部遮断法・良性腫瘍の可能性(20%程度)→術中迅速病理診断(提供中止)
→部分切除の範囲は(局所再発の可能性低減:正常部を5mmつける)
(ただし多中心発生の可能性は残る)
3)手術成績(ドナーの安全性:残腎機能/レシピエントの生着・生存率)の蓄積→保険適応の問題
3、修復腎移植の手順(想定外の第三者間での生体腎移植である)
ドナーへの術前説明と同意(最優先はドナーの自発的意思と安全性の確保)
(誰が行うか?第三者の立ち会いまたは移植コーディネーター)
4、術後の評価と違反に対する罰則(ルール作り 移植医療への不信再燃の危惧)

小さな腎がんのうち4センチ以下の小径腎がんについて検討してみたい。小径腎がんは、全摘出しても部分切除をし残しても、術後の成績は同じと言われている。
 学会が、万波医師らの腎摘の方法が違う(血管をしばってからとるべきである)、宇和島は移植用の取り方であり、ドナーに危険があったと非難したが、血管を縛ることにどれくらいのがんの転移に対して予防効果があるのかは疑問である。
 どれくらい医学的根拠があるのかもう少し冷静にコメントしてもらいたかった。
 過去の症例では、腎臓がんがあったドナーから偶発的に移植されたレシピエントで、生体腎で11例、献腎移植で300例あった。中央値は2㎝が一番多く、平均観察年は69カ月。
 ところが、がんの再発はなかった。生着率は1年で100%、3年で100%、5年で90%。
がんの部分をとって移植可能ではないのか、という報告が2005年にあった。今後症例を重ねる必要はあるが、小さな腎がんの腎臓は、移植に使えるというのは医学的にはある。
今後の問題として、ドナーに対してどのように説明するのかなどを検討する必要があると考える。ドナーを大切にしなくてはならない。
 腎摘出前に移植の話はいけない。ドナーあっての移植医療である。医療不信が起きないように手続きを考える必要がある。
 また一定の危険(転移)があるということも理解してもらうしかない。

――――――――――――――――――――――――――――――――――
生体腎ドナーからの腎摘出術の留意点
1、ドナーの安全性の確保
2、摘出する腎の保護
1)腎機能保護(急性尿細管壊死の防止)
2)腎血管、尿管損傷防止(移植後合併症の予防)
――――――――――――――――――――――――――――――――――
生体腎移植ドナーの医学的条件
ドナーを考慮した条件
1、全身状態(麻酔・手術が可能)
2、片腎提供後も健康を損なう可能性が最小限
レシピエント側を考慮した条件
1、移植後、腎機能の発現が期待される腎臓である。(年齢、既往症、腎機能など)2、移植腎を介して伝播される重篤な疾患(感染症、悪性腫瘍など)がない。

医療の現場では、部分切除でよい小さながんの場合でも、全部とってほしいという例は確かにある。
 長崎県での推計によれば、100倍すればよいが、摘出する腎臓は年間約13000個ぐらいと聞いている。その中で4㎝以下の小径腎がんは約4000個。さらにきつく計算しても、200個は安全に使用できる腎臓だと思っている。
 この4㎝以下、若しくは2㎝以下の小径腎がんの場合は、修復腎移植が可能と考えられる。
 医療はだれのためにあるのか、ということを考える。医師のためではない。医療界は修復腎移植について、もっとオープンに議論すべきだと思う。

まつや・ふくぞう  1951年、長崎市生まれ。長崎大学医学部卒。同医学部泌尿器科助手、講師を経て、1997年4月から現職(国立病院機構長崎医療センター泌尿器科医長)。1988年、腎臓保存の研究で博士号取得(水素クリアランス法による低温灌流腎の皮・髄質灌流量測定)。現在までに腎移植150例、腎がん手術約300例実施。現在、一般泌尿器科医として日常勤務、後輩の指導に当たる。
                        (要約・井手 広幸幹事)

 
13号の(2)に続きます。
[PR]
by shufukujin-kaihou | 2009-02-01 16:33 | 会報第13号