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NPO法人会報第17号(33号)



NPO移植への理解を求める会 会報第17号          

第2回口頭弁論は5月29日(金)
修復腎移植訴訟の控訴審

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高松高裁前で行進する原告団                    修復腎移植訴訟控訴審の舞台・高松高裁

e0163729_0145530.jpg 修復腎移植訴訟控訴審の第2回口頭弁論は5月29日(金)午後1時半から高松高裁で開かれます。
 第1回口頭弁論が開かれた3月20日には、愛南町から高松高裁まで送迎バスをチャーターし、約20人の方々が乗り合わせて現地に着き、法廷で傍聴していただきました。
また入廷に先立ち、高裁前で「修復腎移植を認めよ!」と大書した横断幕を先頭に行進し、私たちの願いをアピールしました。今回も多くの方々に傍聴にかけつけていただければ幸いです。
前回の口頭弁論では、控訴状と控訴理由書の提出、証拠申し出と野村正良原告団長の意見陳述が行われました。証拠申し出では高原史郎被告(日本移植学会理事長)の本人尋問と、厚生労働省の戸口崇・健康局長、原口真・臓器対策室長(いずれも当時)の証人尋問が申請されました。
これに対し、裁判長は次回口頭弁論で修復腎移植の保険請求についての説明を求めるとともに、証人申請については「検討する」と述べました。
第1回口頭弁論で即日結審となる可能性も予想されていただけに、私たち原告側にとって控訴審が継続となったことは意義深く、「逆転判決」への期待感が広がっています。
なお、今回も、開廷前に入場行進をしたいと思いますので、傍聴できる方は、午後1時15分までに高松高裁前に集まっていただくようお願いいたします。
…………………………………………………………………………………………………
<メモ>前回と同様、愛南町―高松高裁間で送迎バスを運行します。乗車を希望される方は5月22日までに事務局(河野和博事務局長)=電話089-970-3943まで、ご連絡ください。

 

意見陳述
                                      
                          原告団長 野村 正良
私たちは、この裁判で修復腎移植の妥当性を証明するとともに、虚偽の発言で修復腎移植を否定し、厚生労働省による臓器移植法のガイドラインの改正、つまり修復腎移植の禁止を誘導し、患者の治療の選択権と生存権を侵害した被告の先生方の違法性を明らかにするのが狙いです。
慢性腎不全のため透析生活を余儀なくされている人たちの状況は苛酷で、大きなリスクがつきまとっています。健康を回復するためには腎移植しかありませんが、国内ではドナーが極めて少なく、移植を望んでも大半の人がそのチャンスに恵まれないまま亡くなっているのが現状です。
そこで、ドナーの大幅な増加に大きな期待が寄せられている修復腎移植が一日も早く再開され、透析患者の方々が一人でも多く救われることが、私たちの願いです。
治療のために摘出され、捨てられている腎臓を修復して利用する修復腎移植は、移植を望む透析患者の方々にとって宝の山であり、また移植した腎臓が将来駄目になる可能性がある移植者にとっても、頼みの綱なのです。

この裁判の原告になっていただいた透析患者の方々も、修復腎移植に最後の望みを託し、松山地裁でその妥当性と被告の言動の違法性を訴えてきました。しかし、体調が徐々に悪化し、裁判の期間中に次々と亡くなられました。本当に悔しく、無念でなりません。
昨年12月には、最後の一人だった広島市の藤村和義さんが、3度目の脳梗塞を発症し、入院中の広島市の病院で亡くなられました。68歳でした。藤村さんには、裁判の期間中、不自由な体を押して毎回のように松山地裁まで足を運んでいただきました。昨年3月には本人尋問にも応じていただきました。
しかし,透析生活が10年近くと長くなり、血管の石灰化が進むなど、体調が悪化していて、心配していたところでした。
藤村さんが亡くなられたことで、7人の原告のうち透析生活を送っていた4人の方々が全員亡くなられました。ほかの3人は香川県の長谷川博さん、岐阜県の花岡淳吾さん、愛媛県の二宮美智代さんです。
また原告になることを予定していて、提訴の直前に相次いで亡くなられた広島市の下西由美さんと兵庫県の有末佳弘さんを含めると、「犠牲者」は6人になりました。残った原告はいずれも移植者で、愛媛県の向田陽二さん、田中早苗さんと私の3人だけとなりました。
このような事態をみても、透析生活がいかに過酷で、リスクが大きいかということがよく分かると思います。
亡くなられた6人の方々は、修復腎移植が禁止されなかったら、あるいは早期に再開されていたら、全員助かっていたかもしれません。これらの皆さんは、修復腎移植の悪宣伝を行い、厚生労働省の禁止方針を誘導した被告の先生方に見殺しにされたようなものです。先生方の責任は大きいと思います。

移植を望む多くの透析患者の方々は、移植がかなわないまま、今も日々亡くなられています。透析患者の方々には、残された時間はあまりないのです。
それにもかかわらず、被告の先生方は、透析患者の声に耳を傾けず、事実とは異なる理由を次々と持ち出し、修復腎移植を否定してきました。しかも、この問題が表面化して以来、これまで8年余り、自らの言動の誤りを省みることもなく、修復腎移植の可能性などについても検討すらしていません。
移植医療を先頭に立って推進すべき先生方が、大きな可能性を持つ修復腎移植に真剣に向き合おうとせず、他人事のような態度を取っているのはなぜでしょうか。その姿勢はあまりにも理不尽で、私たちには理解できません。

私たちが特に申し上げたいことは、宇和島徳洲会病院の万波先生らが進めてこられた修復腎移植は、手続きの面などで問題がなかったとは言えませんが、修復腎移植そのものには問題はなく、海外の移植学会では「ドナー不足を解消するすばらしい医療」と絶賛されていることです。
また国内では、70人を超す超党派の国会議員の先生方で組織する「修復腎移植を考える超党派の会」が「修復腎移植は第三者機関がチェックすれば、何ら問題はない。患者さんのために推進すべきだ」との趣旨の意見書を厚生労働大臣に提出しています。香川県議会、愛媛県議会、宮城県議会も相次いで同様の意見書を提出しています。
さらに当初、学会と歩調を合わせていた厚生労働省も、その後、大きくスタンスを変え、修復腎移植の臨床研究を促す通達を全国の都道府県や中核市に出しました。これを受けて徳洲会グループが臨床研究に取り組んできました。一昨日には、宇和島徳洲会病院で15例目の手術が行われたばかりです。
こうした状況にもかかわらず、被告の先生方は学会の看板を盾に、修復腎移植をつぶしてしまおうと、相変わらずヒステリックな態度で反対を続けています。その姿は異様としか言いようがありません。

万波先生らの執刀によって修復腎移植を受けた人たちは、ほとんどが健康を回復し、社会復帰しています。私もその一人で、51歳のとき、ネフローゼの腎臓による移植を受け、今年15年目を迎えました。現在までトラブルはまったくなく、腎臓の機能は正常です。おかげで健康的な生活を送ることができ、定年まで元気に勤めることができました。おまけにその後5年間、嘱託として勤めることもできました。本当にありがたいことです。
万波先生から移植の話があったとき、先生はこう言われました。「移植する腎臓はたんぱくがぼろぼろ出ていて、成功率は五分五分。ダメもとでやってみんかな」と。私は「移植した腎臓が2年でも3年でも持てばその間、透析をしなくてすむ。それ以上持てばラッキー。ほかに助かる方法はない」と思い、二つ返事で承諾しました。
結果は想像以上で、修復腎移植のすばらしさを身をもって実感しています。それだけに、修復腎移植が一日も早く再開され、多くの透析患者の方々に、私と同じように元気になっていただきたいと願っています。

こうした事実を検討していただき、公正な判断をお願いしたいと思います。
                                      以上

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控訴審終了後の原告団の記者会見 



ニュース報道から     
病気腎訴訟 控訴審  学会側 棄却求める

宇和島徳洲会病院の万波誠医師(74)らの病気腎(修復腎)移植をめぐる日本移植学会幹部らの発言で同移植を受ける権利を奪われたとして、県内外の腎不全患者ら4人が学会の現・元幹部5人に計2750万円の賠償を求めた訴訟の控訴審の第1回口頭弁論が20日、高松高裁(吉田肇裁判長)であり、野村正良原告団長(65)が意見陳述し、学会側は請求棄却を求めた。 
野村原告団長は「修復腎移植が一日も早く再開され、透析患者が救われることが願い。患者に残された時間はあまりない」と主張。口頭弁論後の会見で原告弁護団の薦田伸夫弁護士は「一審は修復腎移植について賛否両方の評価を並べただけで証拠に基づいて認定していない。改めてほしい」と話した。
 松山地裁は2014年10月、「被告の言動に違法性はない」などと原告の請求を棄却。原告側が14年11月、判決を不服として控訴した。一審の原告7人のうち4人が病死し、うち1人の遺族が訴訟を承継した。              (2015年3月21日付・愛媛新聞)


病気腎移植 親族間3例目実施 
第三者間含め15例 宇和島徳洲会 

医療法人徳洲会は18日、宇和島市住吉町2丁目の宇和島徳洲会病院で、臨床研究として進めている病気腎(修復腎)移植の親族間3例目の手術を実施したと発表した。第三者間も含めた病気腎移植は15例となった。
 同会によると、腎臓に小径腫瘍が見つかった東京都の40代の女性が、腎不全で人工透析を受けている都内の50代の兄に腎臓を提供した。18日正午ごろから、同院で万波誠医師らが執刀。腫瘍を除去後、移植した。ドナー(提供者)、レシピエント(被移植者)ともに術後の経過を慎重に観察する。
 万波医師らと臨床研究に取り組む聖マルチン病院(香川県坂出市)の西光雄名誉院長は「(病気腎移植は)科学的なデータを見ても問題はなく、理解はされてきていると思う。先進医療への再申請もできるだけ早期に行いたい」とした。     (2015年3月19日付・愛媛新聞)
<ひとこと>
親族間の生体腎移植でドナーに小径腫瘍が見つかり、一般医療としては移植ができないため、宇和島徳洲会病院で臨床研究として、腎移植を行ったというこのニュースは、修復腎移植の禁止が親族間の移植にも、大きな影を落としていることを示しています。
このようなケースは、以前ではレシピエントの了解が得られていれば、一般の移植病院で問題なく手術が行われていたはずです。しかし、修復腎移植が禁止された現在では、今回のように、臨床研究という形でしか手術は行えません。
このごきょうだいは県外在住ということで、わざわざ愛媛まで来なければならなかったことは大きな負担になっていることでしょう。それでも移植ができたのだから、まだよかったかもしれません。大半のケースでは医師から「手術はあきらめてほしい」と断られるでしょうから、当事者の悩みは大きいと思います。こうした親族間の生体腎移植の面からも、修復腎移植の禁止は早急に解除されるべきだと思われます。(係)


お知らせ                                    

5月31日・宇和島で 第7回定期総会

NPO法人移植への理解を求める会は、5月31日(日)午前11時から、宇和島市住吉町1丁目の市総合福祉センター(電話0895-23-3711)で、第7回定期総会を開きます。総会では、前年度の活動報告、決算報告、本年度の活動計画、予算案などを審議します。
 講演会やイベントはありません。参加対象者の理事と正会員の方は、よろしくお願いします。
問い合わせは事務局の河野和博さん=電話089-970-3943 まで。

          
会報第17号
(通算33号)2015年
4月27日
(月)発行発行者 NPO法人移植への理解を求める会  理事長 向田 陽二
〒798-4101愛南町御荘菊川2290    電話0895-74-0512
編集者                  副理事長 野村 正良
       〒791-8006松山市安城寺町1746-8    電話089-978-5434
発行所                  事務局長 河野 和博
       〒790-0925松山市鷹子町928-2     電話089-970-3943




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by shufukujin-kaihou | 2015-04-28 15:58 | NPO会報第17号(33号)