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NPO法人移植への理解を求める会 会報第2号


NPO法人移植への理解を求める会 会報第2号        

修復腎移植、3年半ぶり再開
宇和島徳洲会病院で臨床研究第1例

12月30日に実施 経過順調

 修復腎移植の臨床研究第1例が昨年12月30日、宇和島市の宇和島徳洲会病院で実施されました。翌31日、同病院で開かれた記者会見で、徳洲会本部の能宗克行事務総長が発表しました。

それによると、ドナーは50代の男性、レシピエントは40代の男性です。広島県呉市の呉共済病院で、光畑直喜先生らのチームがドナーの腎臓摘出手術とがん細胞切除を実施。宇和島徳洲会病院に搬送された腎臓を、万波誠先生らのチームが修復し、透析患者のレシピエントに移植しました。手術の経過は順調ということです。

修復腎移植は、日本移植学会などの見解を受け、2007年7月、厚生労働省が禁止の方針を打ち出したため、中断していました。しかし、昨年1月、同省が「修復できる腎臓なら特段の制限は設けない」として臨床研究を奨める通達を全国の都道府県や中核都市に出したことから、今回の臨床研究が実現し、約3年半ぶりの再開となりました。

この臨床研究の積み重ねにより、修復腎移植の妥当性(有効性と安全性)があらためて確認され、保険適用の道が開けてくることになります。また修復腎移植が日常的に行われるようになれば、移植のチャンスに恵まれない多くの患者さんたちの命が救われることになります。求める会では、臨床研究に大きな期待を寄せるとともに、今後とも、修復腎移植への理解を広く訴えていくことにしています。なお一層のご支援、ご協力をお願いいたします。


レシピエントの選定順位
NPO確認委員会で「問題なし」


修復腎移植の臨床研究第1例の実施に先立ち、NPO法人移植への理解を求める会は、徳洲会の依頼を受けて、12月下旬、松山市内のホテルでレシピエントの選定確認委員会を開きました。

座長の吉田亮三理事(愛媛大学経済学部教授)と事務局の河野和博理事、それに近藤俊文・市立宇和島病院名誉院長(内科医)・求める会顧問、大岡啓二医師(移植医・泌尿器科医)、野垣康之弁護士の5人の委員全員が出席。徳洲会から送付された5人のレシピエント候補者の選定順位について、点数化の計算に誤りがないかどうかを、チェックしました。その結果、問題がないことを確認し、同会に報告しました。


第4回口頭弁論は1月19日
修復腎訴訟


昨年10月20日に松山地裁で開かれた修復腎移植訴訟の第3回口頭弁論に続き、第4回口頭弁論が、1月19日(火)午後1時10分から、同地裁で開かれます。傍聴を希望される会員の皆さんは、開廷15分前までに、同地裁に隣接する坂の上の雲ミュージアム前に、お集まりください。

 訴訟メモ                                    
<原 告>
野村正良(原告団長、修復腎移植者、移植への理解を求める会副理事長)、向田陽二(生体腎移植者、同理事長)、田中早苗(修復腎移植経験者、透析患者)、二宮美智代(生体腎移植経験者、同)=以上愛媛県=、藤村和義(透析患者)=広島県=、花岡淳吾(同)=岐阜県=、長谷川フヂヨ(患者遺族、故長谷川博さんの母)=香川県=の皆さん計7人。

<弁護団>
薦田伸夫、岡林義幸、山口直樹=以上松山市=、林秀信(弁護団長、修復腎移植者)、光成卓明、東隆司=以上岡山市=の各弁護士の計6人。

<被 告>
田中紘一前理事長、大島伸一前副理事長、寺岡慧理事長、高原史郎副理事長と相川厚理事の計5人。

<訴訟の目的>
修復腎移植を否定する学会幹部らの不法性と、修復腎移植の正当性を明らかにする。

<訴状の骨子>
学会幹部らに対し「修復腎移植医療の正当性の判断に当たって、その意見が社会的影響力を有する立場にある移植医療、泌尿器系医療などの専門家であり、かつ関係学会の幹部の地位にある者が、修復腎移植に関して、真実と異なり、もしくは真実を歪曲した不利な事実、意見を社会、関係する官庁、議員、学会、報道機関などに流布させる行為は、民法上の不法行為における『違法な侵害行為』に該当するものである」としている。


「第3の道」の意義と闘病経験つづる

    林弁護士 「修復腎移植の闘いと未来」出版

NPO法人移植への理解を求める会理事で、修復腎移植12年を迎えた岡山市の林秀信弁護士(57)が、腎移植を待つ人たちの希望の灯である修復腎移植の意義と、自らの闘病体験などをつづった「修復腎移植の闘いと未来」を、このほど生活文化出版(東京)から刊行しました。

林弁護士はご存じのように、修復腎移植訴訟の弁護団長も務め、修復腎移植の推進に、患者として弁護士として、精力的な活動を続けています。

同書は「私の生体腎移植とRKT(修復腎移植)」「立ち上がった患者たち」「学会共同声明」「厚生労働省の策略」「国会議員の支援」「透析患者をめぐる状況」「RKTの医学的妥当性」など12章で構成。深刻なドナー不足の中で、献腎(死体腎)移植、親族間の生体腎移植に続く「第3の道」の移植として期待される修復腎移植について、その意義や背景を分かりやすく解説しています。また自らの闘病体験では、修復腎移植に出合うまでの苦悩と喜びが描かれており、移植を待ち望む患者にとって、修復腎移植がいかに大きな救いとなるかが、うかがえる内容となっています。修復腎移植を理解するための書として、1人でも多くの人におすすめしたいと思います。定価1、260円。

NPO法人移植への理解を求める会でも、同書の取り扱いをします(送料無料)。

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 修復腎移植の問題を取り上げた書としては、ほかに、次のようなものがあります。ぜひご一読ください

 ▼「いのちと向き合う男たち~腎臓移植最前線」 
 移植医療の第一人者・大田和夫元日本移植学会長と「病腎移植」を提起した
万波誠医師。移植医療をきずいた医師と患者の光と影を描いた熱き人間ドキュメント(帯より)
 青山淳平著、光人社、1、680円。
 ※著者は、NPO法人移植への理解を求める会幹事、作家、松山市在住。

▼「この国の医療のかたち~否定された修復腎移植」
 深刻なドナー不足の中、目の前の患者を救おうと行われた病気腎移植。しかしそれは学会の激しい非難を浴びることになる。医療は誰のためにあるのか-。地域で患者に寄り添う医師の姿を通して「医の原点」を見つめる(同)。
 村口敏也著、創風社出版、1、890円。
 ※著者はテレビ愛媛制作ディレクター。修復腎移植問題では、当初から患者の目線で取材報道を続けている。現在、報道デスクを務めながら、ドキュメンタリー番組を制作。

 ▼「医師の正義」 医学界・病腎移植、赤ちゃんポスト、代理出産、医療事故調査…。医師会と闘ってまで患者側に立つ信念の医師たちが突き付ける「医師の本懐」(同)。
4章構成で、第1章に病腎移植問題を取り上げている。「修復腎移植こそベストな移植法。救われる命も10倍に増える」(第1章より)。
 白石拓著、宝島社、1、200円。
 ※著者は愛媛県出身。科学ジャーナリストとして活躍する傍ら、ノンフィクションも手がける。


修復腎移植を考える講演会
透析患者の会が相次ぎ開催


修復腎移植を考える講演会が、10月18日、高松市で、11月22日、宇和島市で、相次いで開かれました。前者は香川県腎臓病協議会主催(NPO法人移植への理解を求める会協賛)の県民フォーラム「臓器移植-過去・現在・未来について」。後者は愛媛県腎臓病患者連絡協議会(愛腎会)の総会での記念講演会です。
 
県民フォーラムでは、全国と香川県内の臓器移植の現状について、沼田明・高松赤十字病院院長が講演したあと、堤寛・藤田保健衛生大学医学部教授が「修復腎移植の過去、現在の状況」について、林秀信弁護士が「修復腎移植体験」について、それぞれ講演しました。続いて、講師と患者、県議、マスコミ関係者らによるパネルディスカッションもあり、四国各県から参加した会員らが熱心に耳を傾けました。

 また愛腎会総会では、近藤俊文・市立宇和島病院名誉院長(求める会顧問)が「日本の末期腎臓病患者は幸せか」とのテーマで記念講演。透析医療と腎移植の歴史、脳死移植の問題、末期腎臓病患者を取り巻く現状、修復腎移植の可能性など、多岐にわたる内容について講演しました。

これら二つの講演会は、愛腎会と求める会の事務局長を兼ねる河野和博理事の働きかけもあって、開催の運びとなりました。これまで、あまり動きの見られなかった透析患者の会でも、修復腎移植への関心が高まりつつあることを示しています。



NPO会員を募集

NPO法人移植への理解を求める会は、昨年6月のNPO法人化に伴い、新会員を募集しています。会の趣旨に賛同いただける友人、知人の方に呼びかけをしていただければ幸いです。同居ご家族の場合は、家族で何人参加されても、会費は1人分です。

会員には、正会員と賛助会員がありますが、NPO法人の性格上、正会員は理事、監事と支部役員など、会で中心的に活動していただける方にお願いしています。て、それ以外の方は、賛助会員としてご参加いただければと思っています。

年会費は個人会員の場合、正会員が3,000円、賛助会員が1,000円。団体会員は正会員が30,000円、賛助会員が10,000円です。

申し込みは NPO法人移植への理解を求める会事務局
 河野 和博方  電話 089-970-3943


会報第2号  
(通算18号)2010年
1月15日(木)発行発行者 NPO法人移植への理解を求める会 理事長 向田 陽二
     〒798-4101愛南町御荘菊川2290 電話0895-74-0512
編集者                 副理事長 野村 正良
〒791-8006松山市安城寺町1746-8 電話089-978-5434 
発行所               事務局・理事 河野 和博
〒790-0925松山市鷹子町928-2   電話089-970-3943
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by shufukujin-kaihou | 2010-01-16 11:26 | NPO会報第2号(18号)