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NPO会報第30号(第46号)

      NPO移植への理解を求める会 会報第30号       

修復腎移植、学会が全面協力へ

国会議員超党派の会が成果報告会

先進医療推進へ意見交換

NPO会報第30号(第46号)_e0163729_12361466.jpg厚生労働省による修復腎移植の先進医療承認を受けて、与野党の国会議員の先生方約70人で組織する「修復腎移植を考える超党派の会」が7月13日、参議院議員会館で成果報告会を開き、先進医療の推進について意見交換しました。

 報告会には超党派の会の幹事長、衛藤晟一先生(参議院議員、首相補佐官)をはじめ、山本博司先生(参議院議員)、厚労省の担当課長、江川裕人・日本移植学会理事長、万波誠先生(宇和島徳洲会病院)らグループの先生方、徳洲会関係者らが出席。また患者団体を代表して向田陽二・NPO法人移植への理解を求める会理事長と野村正良えひめ移植者の会会長(NPO副理事長) が参加しました。  

内容は下記の14日付愛媛新聞記事をご参照いただきたいと思います。 

かたくなに反対を続けてきた学会ですが、新理事長の江川先生は、記録をきっちり残し公開することを条件に、全面協力することを約束しました。これでやっと、先進医療のスタート台に就いたと言えます。今後は一日も早く一般医療としての再開ができるよう、迅速に症例を重ねていただきたいものです。



衛藤先生(右)と山本先生
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江川日本移植学会理事長

  新聞報道から                                     

病気腎移植、前進に課題 超党派議員の会が報告会

 与野党の国会議員でつくる「修復腎移植を考える超党派の会」が13日、厚生労働省の先進医療会議による病気腎(修復腎)移植の先進医療承認を受けて国会内で成果報告会を開き、臨床研究を進めてきた宇和島徳洲会病院(宇和島市)の万波誠医師や患者団体らと今後の課題などを共有した。

超党派の会幹事長の衛藤晟一参院議員(自民党)が「日本には32万人の透析患者がいる。

承認で腎臓移植が飛躍的に進み、大勢が助かってほしい」とあいさつ。厚労省担当者が承認までの経緯を説明した。

 万波医師は「これで終わったのではなく、これからが大切。ドナー(臓器提供者)の提供病院をいかに増やせるかに全てがかかっている」と訴えた。

 

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病気腎(修復腎)移植の先進医療承認を受けて開かれた「修復腎移植を考える超党派の会」の

成果報告会=13日午後、東京・永田町


「えひめ移植者の会」の野村正良会長は承認を喜びつつ、生体腎移植を巡る臓器売買事件を機に

病気腎(修復腎)移植の先進医療承認を受けて開かれた「修復腎移植を考える超党派の会」の成果報告会=13日午後、東京・永田町

同病院の病気腎移植が表面化してから約11年が経過する中、多くの透析患者が亡くなるのを見てきたと悔しさも吐露。「ドナー提供病院が少なく、制約もあり、まだ時間がかかるかもしれない。一日も早く先進医療が進むよう、できることをやりたい」と意気込んだ。

 呉共済病院(広島県)元泌尿器科部長の光畑直喜医師は「ドナー提供に好意的な現場の医師が増えているが、日本泌尿器科学会などが消極的。学会があと一歩前を向くと提供病院が増えるはずだ」と指摘した。

 宇和島徳洲会病院は2011年10月、臨床研究として実施していた病気腎移植の先進医療適用を厚労省に申請したが、先進医療専門家会議(現・先進医療会議)が承認せず、再申請。先進医療技術審査部会が17年10月に条件付きで妥当と評価し、先進医療会議が18年7月、移植に反対してきた日本移植学会など関係5会の推薦者をレシピエント(被移植者)選定委員会にも参加させるとの追加条件を付けて承認した。

 厚労省によると、追加条件を満たしたことが書面で確認できれば、徳洲会グループの宇和島と東京西の2病院での臨床試験実施を告示する。7センチ以下のがんを切除した腎臓を透析患者に移植し、9年間かけて生着率やがん再発率、生存率、有害事象などを調べる。

「責務果たす」腎移植関係5学会が見解、ブログで   

宇和島徳洲会病院(宇和島市)が臨床研究を進めてきた病気腎(修復腎)移植が、7月に条件付きで先進医療として承認されたのを受け、日本移植学会が腎移植に関係する5学会を代表し「移植がサイエンスとして正しく遂行されるよう、アカデミアとしての責務を果たす」との見解(8月31日付)を公表した。

 厚生労働省の先進医療会議は、ドナー(臓器提供者)から腎臓を摘出して直径7センチ以下のがんを切除・修復し、腎不全のレシピエント(被移植者)に移植する病気腎移植について、移植に反対してきた5学会の推薦者をドナーとレシピエントの選定委員会に参加させることを条件とした。

 見解では、5学会ががん、倫理、移植各分野の専門家4人を推薦したと報告。「効果を正しく評価するためには、ドナーとレシピエントへの十分な説明とその選択に関する透明性・公平性の担保、全経過を通じた適切な記録と保持、情報公開が必須」とした。

 13日に「修復腎移植を考える超党派の会」の成果報告会で、出席者に見解が配布された。日本移植学会の江川裕人理事長は報告会で「組織としてエビデンス(証拠)を示す体制がきちんと整備され、第三者として学会も一緒に協議することが盛り込まれた。科学的に不備のない手続きと研究の進行を全面的に応援する」と述べた。

2018年7月14日付愛媛新聞)

愛媛大・県立中央病院で脳死腎移植

8月 60代の女性と男性、無事終了

 愛媛大医学部附属病院(東温市)は4~5日、臓器移植法に基づき中四国地方の病院で3日に脳死と判定された低酸素脳症の60代の男性から摘出された腎臓の移植手術を実施した。レシピエント(被移植者)は慢性糸球体腎炎の60代の女性。病院によると、女性の容体は安定している。

 日本臓器移植ネットワークや病院によると、摘出手術は中四国地方の病院で4日午後1時19分に始まり、午後6時ごろ終了。腎臓は陸路で搬送され、午後8時ごろ附属病院に到着した。移植手術は泌尿器科の医師ら4人のチームで実施し、5日未明に終了した。

 また、県立中央病院(松山市)は5日夕から6日未明にかけ、県立新居浜病院(新居浜市)で4日に脳死判定を受けた脳血管障害の60代の男性から摘出された二つの腎臓の移植手術を実施した。レシピエントはネフローゼ症候群の60代女性と糖尿病性腎症の50代男性で、手術は2例とも無事終了したとしている。

 県臓器移植支援センターの説明では、脳死判定を受けたドナー(臓器提供者)からの腎移植手術は附属病院分が県内5例目、中央病院分が6~7例目。

201887日付愛媛新聞)

  えひめ移植者の会から                               

今年も臓器移植推進街頭キャンペーン

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10月、県内3会場で実施

臓器移植普及推進月間中の10月、今年も県の主催により県内3会場で献腎(死後の臓器提供)を呼び掛ける街頭キャンペーンが実施され、えひめ移植者の会や愛媛県腎臓病患者連絡協議会、ライオンズクラブの会員らが臓器提供意思表示カードなどの配布に協力しました。

街頭キャンペーンの会場は8日が松前町のエミフルMASAK、14日が八幡浜みなっと、21日が周ちゃん広場(西条市)でした。

実施日には、それぞれの会場で、出入りのお客に、死後の臓器提供   を呼び掛けるチラシや臓器提意思表示提供意思表示カード、ゆるキャラ「みきゃん」のイラスト入りボールペンの入った袋役1,000セット前後を配布しました。皆さん、お疲れさまでした。

買い物客にチラシを手渡す会員ら(108日、エミフルMASAKI) 


「ダブル移植の語り部」ブログ好評

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橋本万紀子さん 夫婦間の肝腎移植体験つづる

肝臓と腎臓をダブル移植した橋本英紀さん(60)=東京、関東支部長=と、ダブルドナーとなった妻の万紀子さん(同副支部長)の移植体験を、万紀子さんが「ダブル移植の語り部」のタイトルでブログに長期連載し、評判を呼んでいます。

ブログを開設したのは2016年12月。以来、11月末現在で、掲載の回数は700回を超えています。

 酒類販売会社を経営していた英紀さんは平成25年9月、55歳のときに肝硬変と診断され、都内の病院に入院。翌26年4月、万紀子さんがドナーとなり、肝移植を受けます。ところが入院中、細菌感染による敗血症で腎不全となり、透析導入を余儀なくされました。そこで万紀子さんが再びドナーとなり、腎移植することを決断します。

しかし、リスクが大きすぎると、病院に断られ、途方に暮れたお二人は万波誠先生を頼り、宇和島徳洲会病院に連絡、直訴します。万波先生はこれを快諾し、27年9月、   

夫婦間の腎移植がかないました。予後は順調で、英紀さんは現在、東京から宇和島に3カ月に1度、泊まりがけで通っています。

万紀子さんがブログを開設したのは、ダブル移植にこぎつけるまでの葛藤や苦悩、医療の問題点などを多くの人に伝えたいとの思いからです。執筆は今後も続き、来年4月以降は移植医療への問題提起もしたいとのことです。

「ダブル移植の語り部」のアドレスはhttps://ameblo.jp/ishokukataribe/ です。

橋本英紀さんと万紀子さん


移植体験など募集 「命の贈りものPart3

当会は来年4月29日、発足30周年を迎えるのを記念して、小冊子「命の贈りものPart3」の出版を計画しています。そこで、この小冊子に収録する皆さんの寄稿を募集しています。

移植を受けた喜び、移植後の生活の様子などについて、文章を寄せていただけると幸いです。400字詰め1枚から10枚程度まで、自由に書いてください。写真もあればお願いします。締め切りは来年1月末。寄稿された方には出来上がった小冊子をご進呈します。

「命の贈りもの…」は100ページ前後、定価500円。創風社出版(松山市)から1000冊発行の予定です。

報第30

(通算46号)2018年

1130日(金)発行

発行者 NPO法人移植への理解を求める会  理事長 向田 陽二

798-4101愛南町御荘菊川2290    電話085-74-0512

編集者                  副理事長 野村 正良

       〒791-8006松山市安城寺町1746-8    電話089-978-5434

発行所                  事務局長 河野 和博

       〒790-0925松山市鷹子町9282     電話089-970-3943


by shufukujin-kaihou | 2018-11-30 12:48 | NPO会報30号(46号)
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