NPO会報第28号(44号)


    


NHK総合テレビ 「ノーナレ」/ 悪魔の医師か赤ひげか(ノーカット版)

2018.3.28 OA
NHK総合テレビ・ドキュメンタリー「ノーナレ」(25分間番組)にて全国放送されました。
この動画は、前半約12分と後半約13分の2つに分けて掲載しています。

 


6月・松山で第10回定期総会

「愛媛大学の移植への取り組み」

愛媛大学医学部講師 宮内勇貴先生がご講演


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NPO法人移植への理解を求める会の平成30年度(第10回)定期総会と記念講演会を6月10日(日)午前11時から、松山市山越町の愛媛県男女共同参画センターで開きます。

記念講演会は当会の推進母体となっている、えひめ移植者の会(野村正良会長)との共催で、午後1時からの予定です。

定期総会では、前年度の活動報告、決算報告、本年度の活動計画、予算案などを審議します。 参加対象者の理事と正会員の方は、よろしくお願いします。

記念講演会の講師は、愛媛大学医学部附属病院泌尿器科講師の宮内勇貴先生(腎移植医)です。東温市志津川の同病院では県内の移植医療の提供体制充実を目指し、この4月から「臓器・組織移植センター」の運営を始めています。

移植医療に関わる診療科が連携し、患者の受け入れ体制を整え              

宮内 勇貴先生     るほか、不足する移植コーディネーターの育成に力を入れるということです。

講演では先生に、同大学の移植への取り組みや移植の現状などについてお話しいただく予定です。多くの方々の参加をお待ちしています。なお、講演会の後、同じ会場でえひめ移植者の会の平成30年度(第29回)総会があります。

宮内先生略歴 1972(昭和47)年3月、松山市生まれ。松山東高、愛媛大学医学部医学科卒。同学部附属病院、松山市民病院、市立宇和島病院、市立大洲病院、東京女子医科大学泌尿器科勤務などを経て、2011(平成23)年10月、愛媛大学医学部付属病院泌尿器科助教及び講師、現在に至る。医学博士。

日本泌尿器科学会専門医・指導医、日本臨床腎移植学会認定医、日本移植学会認定医、日本透析医学会専門医・指導医、日本泌尿器内視鏡学会泌尿器腹腔鏡技術認定医、日本内視鏡外科学会技術認定医(泌尿器腹腔鏡)、日本がん治療認定医機構がん治療認定医。

医学博士論文は「腎癌に対する加熱による腫瘍縮小効果の検討」。

著書に「腎移植におけるサイトメガロウイルス感染症対策(今日の移植)」「ABO血液型不適合移植の治療法と管理について(最新透析医療 先端技術との融合)」など

高校時代からラグビーに親しみ、少し前まで学生のOB戦などで試合にも出場。


            <第10回定期総会と記念講演会日程> 

○総  会 午前11時~正午

    平成29年度活動報告/決算報告・監査報告

    平成30年度活動方針案予算案審議 /その他

○記念講演 午後1時~2時 

講 師 宮内 勇貴先生(愛媛大学医学部附属病院泌尿器科講師

      テーマ 「愛媛大学の移植への取り組み」

      問い合わせ 河野和博事務局長まで。電話089-970-3943  

○質疑・意見交換会

 

ノーナレ「悪魔の医師か赤ひげか」

NHKの修復腎移植特番好評

3月28日夜、総合テレビで全国放送


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万波先生らが取り組んでこられた修復腎移植の問題を検証する特別番組が3月28日夜、NHK総合テレビの「ノーナレ」(ナレーションなしの意)で、全国放送されました(午後10時50分から25分間)。

タイトルは悪魔の医師赤ひげか」学会やマスコミの激しい批判にさらされてきた修復腎移植が厚労省の審査部会で先進医療として認められるまでの10年余りを振り返り、関係者の証言などによって、分かりやすく解き明かした番組です。視聴者に大変好評で、4月15日深夜、再放送されました。

NHKのホームページから、番組の内容や制作したディレクターの思い、視聴者の感想などを紹介します。


<番組の内容>

宇和島市の万波誠医師は2006年、日本初の臓器売買事件で身に覚えのない関与を疑われた。さらに腎臓の病変を取り除き移植する修復腎移植を行っていたことでマスコミや学会から「人体実験」と猛烈なバッシングを受けた。一方、患者たちは万波医師の活動継続を訴え続け、国は修復腎移植を条件付きで認める方向に転換するまでに。医療の最前線で揺れ動く正義とは? 万波医師、批判の急先ぽうにたった医師、雑誌記者などの証言で描く。

                    ◇

病気(修復)腎移植を支持する生命倫理学者・粟屋剛は「うつってもいいから腎臓が欲しいという人の願いを、なぜ叶えてあげないのか。それは患者の自己決定だと思う」と話す。
 2007年2月、患者団体は病気腎移植の再開を求めて6万人の署名を集めた。
 病理学者・難波紘二は、病気腎移植について42例全てを追跡確認。修復腎(移植)の生着率は、生体腎・45%、病気(修復)腎・40%、死体腎・16%だった。
 病気(修復)腎は10年以上、一般の医療としては認められてこなかった。
 2017年10月、病気腎移植について厚生労働省の専門家会議は、医療費の一部が保険適用となる先進医療に条件付きで承認できるとする見解をまとめた。
 万波医師を批判していた大島医師は、「本当に大事な問題はドナーをどうやって増やすか。こんな議論、全然できないまま10何年過ぎた。1年か2年で、エネルギーをそちらの方になぜ向けられなかったのかという風に思う」と話す。
 万波移植を追跡調査した病理学者・難波紘二、万波医師を批判した日本移植学会副理事長(当時)・大島伸一、宇和島徳洲会病院泌尿器科医・万波誠医師のコメント。


 <番組ディレクターの思い>

【この番組を企画したきっかけは?】

新聞記者の友人から「愛媛といえば、万波先生というお医師さんと腎臓移植をめぐる騒動が

あった」と聞いたことがありました。当時、激しい批判を浴びていた報道が頭にかすかに残っていた一方で、患者さんたちに話を聞くと、「患者のことしか考えていない先生だ」と口を揃えて話されていました。どんな方なのか、興味と不安が入り交じる中で、勇気を振り絞って、万波先生に取材を申し込みました。

 【番組の見どころは?】
 騒動から12年。渦中にいた万波医師、その万波医師を「人体実験」と激しく批判した元日本移植学会幹部の大島伸一医師、それぞれが、当時騒動の中で考えていたことを率直に語って下さいました。
人間の行為を単純に「善」「悪」で割り切ることはできるのか?誰がその分断を生んだのか?
そして、立場を超えたときに見えてくるものとは・・・

 【見てくださる方に一言】
 私たちがこの取材を続けている半年ほどの間にも、テレビや新聞では、あまたの“悪者”と

“ヒーロー”が生み出され、世間を賑わせていました。そうした伝え方は、私たちの社会を本当に豊かにしているのか?そんなことを考えながら見ていただければ幸いです。
                          (番組ディレクター 池座 雅之)


<みんなのレビュー>(視聴者の感想)

▼過去の重大な出来事をきちんと誠実に取材されていて、問題提起もしつつ、とてもすばらしかったです。この番組、もっと続けてほしい。(まいきぃ)

▼大島先生の十数年なんだったんだろう、とのコメント、涙がでました。(chao

▼非常に良質な番組でした。あの病気腎騒動の後、当事者たち、あらゆる立場の人たちを取材し、何が正しかったのか、ストレートに伝わり、また、深く考えさせられました。(まあや)

▼当時は報道を鵜呑みにし何も疑わなかった。この12年間の経過を知れた事に感動。内容を理解した上で、もう一度見たいです。再放送をお願いいたします。(鵜)

▼重い重い主題で避けていた方が楽だろうが、非常にいろいろ考えさせられた。NHKにはこういう番組を作る創意と勇気を途切れさせないようにしていただきたい。とても良い番組。(殿)

▼「がんの腎臓を移植するなんて、ひどい先生」と、偏見と誤解で見られていた万波先生と修復腎移植。それがこの番組で分かりやすく解き明かされ、「万波先生って、患者思いのすばらしい先生なんだ」と視聴者の方々に分かっていただけたのではないかと思います。短い時間枠で、修復腎移植の事情をコンパクトに紹介した、すばらしい番組です。(MN)

▼医師としての信条、時の風潮に流されやすいマスメディアの報道の在り方等、改めて考えさせられました。(ミケランジェロ)

▼医療や科学に関する一方的な報道は、本質を見失ってしまう(八幡)

▼私は断然、赤ひげ先生だと感じました。眼の前で苦しむ患者さんを見てはおれん。医者として出来ることがあれば最善であろうと思える事を尽くす。それが医師としての倫理の根幹で、外野は黙ってろ。批判をした学会のお偉いさんも実は赤ひげ先生を内心羨ましかったのではないかと感じました。地位が上がる程保守的になるのは否めないが、人の命が掛かっているのに決断をされ実行された凄い。(カイアシ)

▼偶然の視聴でしたが、身に詰まされる内容で就寝直前の時で最後まで視聴しました!どちらかと言えば、赤ひげに傾きます。人一人の掛け替えのない人生に、医者も人生を掛けて命の重みに全力で向き合っている信念が感じられた内容でした。(コガラちゃん)

▼私の祖父は、万波先生の手術で助けていただきました。親族や知人にも同じく命を救われた人がいます。万波先生は純粋に人を助けたい、救いたいと真摯に思っている医師であり、職人でもあるように思います。地元では評判の高い万波先生の腕を信じて、診療を希望している患者さんが続々います。それが真実に思えてなりません。(mikan

▼臓器売買事件により、病気腎移植という先進的な医療を行っていたことが発覚したため、この移植も悪と見なされた観があります。このため日本の移植医療が思考停止となり、今日に至っていることが、よくわかりました。(ルル)

報道しっぱなしの現場の完結をみた。当時は悪いことと記憶してたけど、今は正しいことになっている。常識って何なのと考えさせられた。(しろ)

▼NHK 見直しました。ただ一言 究極の報道です。世に真実を判断する絶対の存在はありません。おそらく自分自身にもないと思います。あるのは信念と慈悲の想念、使命感のみなのでしょうね。批判は易いけれど芥川は、世に正義ほど怖いものはない、正義はひとを殺す、と言いました。 まさにその通りだと思います。(ゲンキカトちゃん)

▼見ることができて本当に良かった。夫にもみてほしいので再放送をお願いしたい。(ベンジャミン)

今、目の前で苦しんでいる人を助けたい」という純粋な気持ちで、病気(修復)腎移植した万波先生を責める気持ちは無い。「人体実験」だと言った大島先生も立場上、そうとしか言えなかったのも分かる。10年後の生着率を見れば、明らかに間違った事をしていなかった事がはっきりした。やっと時代が、万波先生に追いついた。これで、患者さんの命が少しでも永らえたら、それでいい。(みっちゃん)


 経済紙コラムから                                 

病腎移植は万波医師の完勝に!

NHK「ノーナレ」臓器売買騒動を検証

肉体労働で月給250万円! 者がすぐに豪邸を建て、高級車が趣味…。これはNHKが放送したドキュメンタリーの一幕だ。荒海で松葉ガニを漁獲する漁民の、欲と危険を「荒海ゴールドラッシュ」の題で描いていた。ナレーション抜きの「ノーナレ」という手法で。

3月28日放送の「ノーナレ」は「『悪魔の医師』か『赤ひげ』か」だった。宇和島徳洲会病院の万波誠医師(77)が主人公。1977年以降、腎臓移植に取り組み、推定で1200例を手術した。医師個人としては世界一の症例(本県の患者団体の話)と推定される。

ところが2006年10月、宇和島市内で日本初の臓器売買事件が露見した。1か月後には、病気摘出の腎臓を移植し、医師は「人体実験」と集中攻撃された。それから12年。あの騒動は何だったのかと、渾身のドキュメントだ。


売らんかな週刊誌、逮捕も期待

番組は宇和島漁港などで「万波医師を知っていますか?」と問いかけるシーンでスタート。前任の市立宇和島病院へ赴任してから47年経ち、知名度は市長より高い。会社役員の患者が、腎提供の女性と金銭トラブルが表面化し、万波医師にも仲介の疑いがあるとして、大騒ぎに。週刊誌は「『狂った神の手』を追い詰めた…万波医師の猟奇的犯行」などと書き立てた。

日本移植学会など4団体が「病気腎移植は医学的に考えられない」と声明を発表する映像も。もちろん同医師は逮捕も起訴もなかったが、圧倒的に不利な状況だった。厚労省は2007年7月、臓器移植法の指針を改正し、病腎(修復腎)移植を原則、禁止した。

週刊誌記者が取材に応じていた。「(万波医師は)サンダル履き、ポケットに手を突っ込み、キャラとして(取材対象としても)魅力あふれる人。名前もいい。…逮捕してもいいんじゃないか」と、雑誌を売るネタにしたと吐露していた。

万波批判の急先鋒だった大島伸一医師(当時、移植学会副理事長)は、病気腎移植を「ルールから外れた医療」と言いつつも「人体実験などの言い方はヒステリックだった」と反省の弁を漏らした。


ドナー足りず苦渋の廃棄腎使用

糖尿病性腎症などで、人工透析を受けている患者は全国で32万人いる。体に合わない人も多い。1万2000人が移植を希望しているが、圧倒的にドナー(臓器提供者)が少ないのだ。万波医師は苦しむ患者を目の当たりにして「今度の症例で最後にしたい」と苦しんだとか。それで治療で摘出した腎臓からがんを除き、縫合して腎不全患者に移植した。「ひょっとしたら何年か先に、がんが出てくるかもしれないよ」と念を押して…。

病理学者によると、悪性リンパ腫や膠細胞腫などの病気以外は、がんは別人では発生しにくいそうだ。患者にとって、透析を止めると1週間で命が危ない。将来のおぼろげな危険性よりも、リスク承知で腎臓が欲しい。番組は娘の片腎を摘出し、父親に移植する手術を写したが、廃棄腎があるなら健康体にメスを入れなくても済む。

番組は2017年10月20日付の「愛媛新聞」1面トップ「病気腎移植 先進医療 条件付き容認」を写し出した。それまでの10年間に、病腎を安全化する薬(?)が開発された訳ではなく、客観的な条件も一切、変わっていない。万波医師や患者団体側が、最初から正しかったのだ。


失われた10年、患者と国民が損

実は病腎移植はそれまでも行われていた。愛媛新聞社編集委員だった野村正良氏(69)は2000年8月、重度ネフローゼ(腎臓病)で摘出した病腎の移植を受けている。個々の免疫タイプが違うので、野村氏にネフローゼは発症していない。今も元気に「えひめ移植者の会」会長として活躍中だ。同紙が野村氏から十分に聴取したなら、論調はかなり違っただろう。

なお現在は移植した病腎にがんが見つかった場合、DNA検査でドナー由来のがんか、被移植者の体で発生したのか究明できよう。ただ42例の病腎移植に明瞭な発生例がない(番組)ので分からない。

この番組に大島副理事長(当時)以外、病腎移植に反対した移植学会の医師は登場していない。でも騒動の真の敗者は、移植学会ではなく、腎不全患者と全国民だ。

これまでの10年間、活用できたはずの摘出腎が捨てられ、移植を受けないまま他界した人がいただろう。国民も、1人年間500万円かかる透析費用を税金で負担させられた。無駄に費やした10年間を痛感させた番組だった。(客員論説委員・宮住冨士夫)

            (愛媛経済レポート20184月23日号・よもやまジャーナル)


 新聞報道から                                     

入院仲間(エッセイ)  ――――― 久間 十義

6年前、腎臓病(ネフローゼ)を患って東京都杉並区の河北総合病院に2カ月ほど入院した。地域の中核病院だけあって、そこには近隣の患者が集まってきていて、実にフレンドリーな入院生活を送った。今でもそのときの年齢を超えた「入院仲間」との交遊が続いている。

 特に仲がいいのは櫻井武憲さんと佐藤良典さん。フェンシングの猛者である櫻井さんは、私が出た札幌の高校の先輩と判明。以来、すっかり甘えてお世話になっている。佐藤さんは「ウィザードリィ」というゲームソフトの日本版の製作者で、中国や韓国に進出して会社を経営していたが、帰国した折に病魔にとりつかれた。

 お二人とも透析生活に入り、佐藤さんはその後、生体腎移植手術を宇和島の徳洲会病院で受けることになった。「修復腎移植」で知られる万波誠医師の病院である。この手術をテーマに私が2014~15年に本紙朝刊に連載した「禁断のスカルペル」は万波先生の手術を受けた佐藤さんの勧めによって執筆した。今秋には文庫になるが、河北病院の「入院仲間」が背中を押してくれたからこそ書けたものと感謝している。

 櫻井さん、佐藤さん、近々、また近場の温泉に行きましょう。あと、同じく「入院仲間」の玉枝ママの酒場に繰り出して、カラオケもいいかな!(ひさま・じゅうぎ=作家)

                

(日本経済新聞5月1日付28面<文化面>)

報第28号

(通算44号)2018年

5月15日(火)発行

発行者 NPO法人移植への理解を求める会  理事長 向田 陽二

798-4101愛南町御荘菊川2290    電話085-74-0512

編集者                  副理事長 野村 正良

       〒791-8006松山市安城寺町1746-8    電話089-978-5434

発行所                  事務局長 河野 和博

       〒790-0925松山市鷹子町9282     電話089-970-3943


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by shufukujin-kaihou | 2018-05-17 16:50 | NPO会報第28号(44号)
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