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NPO会報第24号(通算第40号)

      NPO移植への理解を求める会 会報第24号       

先進医療またも継続審議

修復腎移植 徳洲会が3度目の申請

修復腎移植の先進医療適用の可否を審議する厚生労働省の技術審査部会が3月16日、東京・霞が関の同省で開かれ、NPO法人移植への理解を求める会から向田陽二理事長と野村正良副理事長が傍聴しました。残念ながら「3度目の正直」はならず、昨年8月に続く徳洲会グループの3度目の申請は、またも継続審議となりました。                                            

深刻なドナー不足のため移植のチャンスがなかなかやって来ない透析患者の皆さんにとって失望感は大きく、10年余り運動を進めてきた私たちも「海外では絶賛されているのに、なぜだ」と怒りを抑えられません。いまだに先頭に立って反対する日本移植学会の無理解、理不尽さをのろわしく思います。徳洲会の安富祖副理事長は「患者のみなさんに申し訳ない。あきらめずに継続して努力する」とコメントしました。私たちも、一日も早く修復腎移植が再開されるよう、後押しをしていきたいと思います。

  新聞報道から                                   

病気腎再び継続審議 先進医療指定「評価体制不十分」

宇和島徳洲会病院(宇和島市住吉町2丁目)が臨床研究を進めている直径4センチ以下の小径腎がんを用いた「病気腎(修復腎)移植」について、費用の一部が保険適用となる先進医療指定の可否を判断する厚生労働省・先進医療技術審査部会(山口俊晴座長)の2度目の審議が16日、東京・霞が関の同省であった。2016年8月の前回審議で出た指摘を踏まえた研究計画の修正を評価しつつ、結果の評価体制などに「不十分な点がある」として再び継続審議となった。

病院側は前回指摘を踏まえ、申請医療機関を実質責任医師のいる東京西徳洲会病院に変更。「腎臓摘出へ誘導されかねない」「患者に分かりにくい」などとされたドナー(提供者)やレシピエント(移植者)への説明文書を見直し、ドナーとなり得る対象を「腎部分切除が困難」な場合に限定するなどとした。

部会には医療や法曹分野の14人が出席。修正を受け「一歩前進」としたが、研究計画で定めた

移植の有効性や安全性の評価方法などに曖昧な点が多く、院内の倫理委員会の体制にも改善すべき点があるなどと指摘。再修正を求めた。

徳洲会の安富祖久明副理事長は「一生懸命対応してきたのに非常に残念だ。臨床研究で修復腎移植をしてきたが、(移植者は)6、7年たっても人工透析をせずに済んでいる。継続審議は透析で困っている患者に申し訳ない」とした上で「指摘を点検し、諦めずに継続して対応する」と語った。

NPO法人「移植への理解を求める会」(松山市)の向田陽二理事長(59)は「期待していただけにショックは大きい」と早く認めるよう要望。えひめ移植者の会の野村正良会長(67)は落胆の表情で「米国など海外では修復腎移植が評価されており、日本も患者のことを考えて一日も早く前向きにとらえてほしい」と訴えた。(伊藤絵美、松本尚也) (3月17日付愛媛新聞)

                       

6月・松山で第9回定期総会

「修復腎移植と患者の自己決定権」

岡山大学名誉教授 粟屋剛先生がご講演

NPO法人移植への理解を求める会の平成29年度(第9回)定期総会を6月18日(日)午前11時から、松山市山越町の愛媛県男女共同参画センターで、また記念講演会を午後1時から同センターで開きます。講演会は当会の推進母体となっている、えひめ移植者の会(野村正良会長)との共催です。

定期総会では、前年度の活動報告、決算報告、本年度の活動計画、予算案などを審議します。 参加対象者の理事と正会員の方は、よろしくお願いします。

講演会では、まず岡山大学名誉教授で現在、岡山商科大学教授の粟屋剛先生(生命倫理学、医事法)に「修復腎移植と患者の自己決定権」のテーマで、お話しいただきます。先生は、海外での臓器移植の事情に詳しく、また修復腎移植の問題については「患者の自己決定権の視点から肯定されうる」として、求める会の活動にご理解、ご支援をいただいています。

講演の趣旨(粟屋先生のコメント)

修復腎移植は「医学的妥当性がない」という理由で否定されてしまう(倫理的に正当化されない)ものであろうか。「患者の自己決定」という視点からは、むしろ、修復腎移植―とりわけ、そのコンセプト―は肯定されそうである。

 この「患者の自己決定」という考え方は、アメリカ流の生命倫理(バイオエシックス)の中核概念である。現在、日本でも「患者の自己決定(権)」は医療のさまざまな場面で定着しつつある。なお、いわゆる「インフォームド・コンセント」はまさに、患者の自己決定権を担保するものである。

 本講演では、この「患者の自己決定」という視点からは修復腎移植のコンセプトは肯定されうる(倫理的に正当化されうる)ということを述べてみたい。

 あわや・つよし 1950年山口県美祢(みね)市生まれ。1969年山口県立大嶺高等学校卒業、1973年九州大学理学部卒業、1978年同法学部卒業、その後、宇部短期大学助手、西南学院大学大学院法学研究科博士課程、徳山大学経済学部教授等を経て、2002年4月より岡山大学大学院医歯(薬)学総合研究科生命倫理学分野教授。2016年3月、定年退職、同大学名誉教授。同年4月より岡山商科大学法学部教授、放送大学客員教授。

専門は生命倫理及び医事法。現在、日本生命倫理学会理事、日本人権教育研究学会名誉理事、日本医学哲学倫理学会評議員等。ほか、国際臨床生命倫理学会(International Society for Clinical Bioethics)副会長[前・会長]、アジア生命倫理学会(AsianBioethics Association)副会長[日本代表]

2006年11月、第18回日本生命倫理学会年次大会を主催。2011年11月、第41回日本医事法学会年次大会を主催。ほか、日本国内にて複数の国際学会を主催。

 1990年代、EBB(Evidence Based Bioethics) を標榜し、インド、フィリピンにおける臓器売買、中国における死刑囚からの臓器移植、アメリカにおける人体商品化などについての実態調査を行う。インドの臓器売買調査については、ワシントンポスト紙やロサンゼルスタイムズ紙にも紹介されている。中国の死刑囚移植については、1998年6月、アメリカ連邦議会(下院)に招かれ、証言及び意見陳述を行う。アメリカの人体商品化調査等については概要を『人体部品ビジネス』(1999年、講談社選書メチエ)に報告している。

著書は、単著、編著、共著を含めて約40冊。単著論文約100篇。それらの一部は、北海道大学、山口大学、高知大学などの入学試験問題としても使われている。最近では、2007年1月、アメリカの「生命倫理百科事典(Encyclopedia of Bioethics)」全5巻3000頁の翻訳[約300人の分担翻訳]を編集代表として出版。その後、生命倫理学の最高峰とされる 「シリーズ生命倫理学 全20巻」 [総執筆者約250人] を編集代表としてリリースした(2013年配本完結)。

教育面においては、教材として「生命倫理学/医療と法 講義スライドノート」を開発したほか、学生が選ぶ第1回岡山大学ベストレクチャー賞(講義名:生命倫理学入門[オムニバス形式])を受賞(201311月)した。

 社会活動(社会貢献)としては、2013年に主催した生命倫理国際シンポジウム(北海道釧路市)をきっかけに、北海道釧路市や釧路市医師会とタイアップして国際生命倫理サマースクールを総責任者として開催(年1回、8月)している。また、生命倫理の専門家として内閣府に招かれ講演したほか、科学研究費助成事業の審査委員も長く務めるなどしている。

「中国の『臓器狩り』について」

カナダの弁護士 D・マタス先生もご講演

粟屋先生のご講演に続いて、受刑者の生体、死体から臓器を収奪し、移植(臓器売買)をしている中国政府の「臓器狩り」をストップさせるための活動を進めている「中国での臓器収奪停止EOP国際ネットワーク」の創設者、デービッド・マタス先生(弁護士、カナダ在住)に「中国の『臓器狩り』について」(仮)と題し、お話しいただきます。

マタス先生は今年6月に来日し、国内で講演活動を予定しています。そこで当会の総会に合わせて、松山でもご講演をお願いすることになりました。

デ-ビッド・マタス 国際人権弁護士。カナダ・マニトバ州ウィニペグ在住。 2010年、カナダの民間では最高栄誉に当たるカナダ勲章を 受章。同年、アジア外交担当大臣デービッド・キルガ-氏とともにノーベル平和賞受賞候補にノミネートされる。 同氏とともに、2006年初め、国際人権団体の依頼を受けて、中国強制収容所における収監者からの臓器摘出売買の実態を調査。 2007年、 52件の医師や被害者の証言・証拠に基づいてまとめた調査報告書「戦懐の臓器狩り」を発表。続いて書籍「中国の移植犯罪国家による臓器狩り」「中国臓器狩り」を出版。同著書の中で、 2000年から2008年までに「無実の囚人」 65000人が臓器移植のために生体のまま臓器を収奪され殺害されたと指摘。さらに臓器狩りの犠牲者は主に中国共産党から迫害を受けている法輪功学習者であると断言している。

NPO法人移植への理解を求める会総会&記念講演会>

と  き 6月18日午前11時~午後3時

とこ ろ 松山市山越町450番地 愛媛県男女共同参画センター

089-926-1633)

内  容 

○総  会 午後3時~4時

   平成28年度活動報告/決算報告・監査報告

  平成29年度活動方針案 予算案審議 /その他

○記念講演 午後1時~3時 

講 師 粟屋 剛先生(岡山大学名誉教授、岡山商科大学法学部教授)

      テーマ 「修復腎移植と患者の自己決定権」

      講 師 デービッド・マタス先生(弁護士、EOP国際ネットワーク創設者)

      テーマ 「中国の『臓器狩り』について」

問い合わせ 河野和博事務局長まで。電話089-970-3943  

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中国の「臓器狩り」を考える会

国際ネットワーク 4月16日、松山で上映会

中国政府の「臓器狩り」をストップさせるための活動を続けているEOP国際ネットワークによる上映会と交流会を下記の通り、4月16日午後3時半から、松山市若草町の市総合福祉センターで開きます。

同ネットワークによると、中国の非人道的な移植の恩恵を受けている日本人は少なくないとみられています。さらに、中国の移植医は日本で移植医療を学んだ人たちで、免疫抑制剤も日本から輸入しているとのことです。これでは、日本が中国の非道な移植に手を貸しているようなものです。私たちが訴えている修復腎移植の再開に反対し、一方で、中国に渡って移植を受ける日本の人たちの便宜を図っている医療関係者がいるとしたら、私たちはこれを見過ごすことはできません。

同ネットワークはNPO法人移植への理解を求める会とその推進母体である、えひめ移植者の会の存在を知り、私たちとの接触を求め、中国の「臓器狩り」を告発するDVD「知られざる事実」の上映会と交流会の開催を打診してこられました。そこで「中国の『臓器狩り』を考える会」として会を開くことになりました。ご案内が遅くなりましたが、皆さんのご参加を期待しています。

<中国の「臓器狩り」を考える会>

と   き 4月16日午後3時半~

と こ 松山市若草町8-2 市総合福祉センター5階・母子児童交流室

        電話089-921-2111

内   容 「知られざる事実」上映会と交流会

講  師 エンヴァー・トフティー氏(元外科医、EOP国際ネットワーク顧問) 

通  訳 鶴田ゆかり氏(同ネットワーク日本担当)

主   催 NPO法人移植への理解を求める会、えひめ移植者の会

問い合わせ 河野和博事務局長まで。電話089-970-3943 

報第24

(通算40)2017年

4月 7日(金)発行

発行者 NPO法人移植への理解を求める会  理事長 向田 陽二

798-4101愛南町御荘菊川2290    電話085-74-0512

編集者                  副理事長 野村 正良

       〒791-8006松山市安城寺町1746-8    電話089-978-5434

発行所                  事務局長 河野 和博

       〒790-0925松山市鷹子町9282     電話089-970-3943



by shufukujin-kaihou | 2017-04-14 09:55 | NPO会報第24号(40号)
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