NPO法人会報第23号(通算39号)

      NPO移植への理解を求める会 会報第23号       

10年過ぎた修復腎移植推進活動

学会今もかたくなに否定

求める会高原前理事長らに質問状

移植への理解を求める会(2008年6月にNPO法人化)が修復腎移植の推進を訴え、2006年11月に活動をスタートしてから10年が過ぎました。しかし日本移植学会は今もかたくなに修復腎移植を否定し、私たちの訴えを無視し続けています。

ご承知のように、学会の猛反対によって厚生労働省は2007年7月、臓器移植法のガイドラインを改正し、臨床研究を除き、修復腎移植を原則禁止としました。

それまで修復腎移植は、万波先生らのグループによって保険診療として進められていました。しかし、2006年10月に宇和島徳洲会病院で起きた臓器売買事件の捜査の過程で表面化したことから、異常反応した移植学会が偏見と予断で激しく批判し、関連3学会とともに「現時点では医学的妥当性がない」とする共同声明を発表しました。これを鵜呑みにした厚労省が十分な検討をすることなく原則禁止にしたというのが現実です。

この措置に対し、私たちの会をはじめ、支援してくださる「修復腎移植を考える超党派の国会議員の会」(会員約70人)や愛媛、香川、宮城の各県議会などが修復腎移植の再開を求める意見書を厚生労働相に提出しました。厚労省はこうした動きに対し態度を軟化させ2009年1月、臨床研究を促す通達を全国の都道府県や政令都市に送付しました。これを受け、徳洲会グループが同年12月から臨床研究に着手し、現在までに第三者間13例、親族間4例計17例の修復腎移植を実施しています。

しかし、保険診療による日常的医療としては、いまだに再開のめどが立っておらず、助かるはずの多くの患者さんが次々と見殺しにされています。こうした事態を見て見ぬふりの学会の責任は極めて重大です。

一方、海外では万波先生らの論文発表により、修復腎移植が「ドナー不足を解消するすばらしい医療」と絶賛され、オーストラリアではクイーンズランド大学のデビッド・ニコル教授らが修復腎移植を日常的に実施し、成果を上げていることが報告されました。また米国ではUNOS(全米臓器配分ネットワーク)が修復した臓器利用の有効性を認め、昨年4月から国を挙げて修復腎移植などの推進に乗り出しています。

こうした状況にもかかわらず、日本移植学会はいまだに「ドナー、レシピエント双方にリスクを与える恐れがある」などとして、反対を続けています。移植医療を率先して推進するべき立場の移植学会が、この問題と真剣に向き合おうとせず、この10年間、まるで他人事のように放置してきたことは、移植を切望する患者にとって理不尽この上なく、不可解な態度としか言いようがありません。

さらに、徳洲会グループが臨床研究の成果をもとに、2011年10月と昨年6月の二度にわたり厚労省に先進医療の申請をしましたが、初回には、学会が厚労省に対し「申請を認めないように」との意見書を提出し、妨害工作をする始末です。また先進医療採否の審査では、厚労省が委嘱した担当委員らが学会と口裏を合わせたように反対の主張を繰り返しています。こんな審査の方法では何年たっても申請は認められそうにありません。

厚労省は学会の息のかかったような委員の選任や審査の方法を抜本的に改め、その場で真剣な議論ができるようにすべきだと思います。

求める会は、日本移植学会の厚い壁を跳ね返すため、やむを得ず学会幹部5人を相手取った訴訟を患者有志に呼びかけ、これを全面的に支援する活動も進めてきました。訴えの趣旨は、幹部らが虚偽の発言により、修復腎移植の悪宣伝をして厚労省の禁止を導き、患者の生存権と医療の選択権を侵害したというもので、修復腎移植の妥当性を証明し、学会の態度を変えさせるのが目的でした。

2008年12月の提訴から7年余りを費やしたこの訴訟は、残念ながら一審、二審とも原告の敗訴に終わりました。また訴訟の準備の段階から結審までの間に原告を予定していた2人と、原告7人のうちの4人の方々が相次いで亡くなるという悲しい事態が起きました。皆さん、修復腎移植に望みを託し、元気になって社会復帰したいと切望していました。その無念の思いを私たちは決して忘れることはできません。この方々の遺志を受け継ぐためにも、また多くの患者さんが一日も早く救われるためにも、修復腎移植が再開される日まで、私たちは引き続き粘り強い運動を続けていく考えです。また10年の活動の軌跡を詳細に記録し、今後の活動に生かしたいと考えています。

そこで、あらためて移植学会に対する疑問をただすため、昨年11月から12月にかけて、高原史郎前理事長ら関係者4氏に相次いで質問状を送付しました。その内容をご紹介したいと思います。ちなみに回答が返ってきたのは1人だけで、それもまったく内容のないものです。相変わらず誠実

な対応をされない学会幹部の態度にあきれてものが言えません。                                              

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修復腎移植の有効性認めながら沈黙

ニコル論文紹介した公文・堀江両氏

 新見公立大学副学長の公文裕己氏(前岡山大学医学部教授=泌尿器科)と堀江重郎氏(順天堂大学医学部・大学院医学研究科教授=同)は、2004年5月にサンフランシスコで開かれた第99回全米泌尿器学会に出席し、オーストラリアのデビッド・ニコル教授が発表した修復腎移植の論文を日本にいち早く紹介しています。公文氏は同学会のハイライト集の編集幹事を、堀江氏はこのハイライト集に掲載されたニコル教授の論文の翻訳、解説を担当し、ともに修復腎移植の有効性についてコメントしています。

つまり、万波先生らが進めていた修復腎移植を、日本移植学会の幹部が「見たことも聞いたこともない医療」「人体実験だ」などと非難していたとき、二人は既に米国の学会で発表されていたニコル教授の修復腎移植論文を紹介し、その有効性を指摘していたのです。

しかし、学会が激しい非難を繰り広げるなかで、何ら発言せず沈黙したと想像されます。あるいは学会関係者から強く口止めをされたのかもしれません。いずれにせよ、このとき、両氏がニコル論文のことを発言していれば事態は大きく変わっていたかもしれないだけに、残念でなりません。そこで、両氏に当時、どんな対応をされたのか、どんな事情があったのかを聞くため質問状を送付しました。

   公文氏への質問状                                                                         

                               平成28年11月14日

新見公立大学副学長

公文 裕巳様

修復腎移植に関する質問について

NPO法人移植への理解を求める会

理事長 向田 陽二

拝啓 医学の普及と発展のために、先生が日ごろ多大のご努力をされていることに対し、心から敬意を表します。

さて、突然このような文書をお送りする失礼をお許しください。

 私たちは慢性腎不全患者の救済に大きな期待が寄せられている修復腎移植の再開を訴え、2006年11月、移植への理解を求める会(事務局・松山市、会員1400人)を結成し(2009年8月にNPO法人化)、署名活動をはじめ厚労省への陳情、講演会、シンポジウムの開催などさまざまな活動を進めてきました。

 ご承知の通り、2008年12月には修復腎移植再開を切望する透析患者と移植者計7人が、日本移植学会幹部の先生方5人を相手取り、「虚偽の発言によって修復腎移植の妥当性(安全性と有効性)を否定し、厚労省による禁止を誘導、患者の生存権と選択権を侵害した」として松山地裁に提訴し、私たちの会がこの訴訟を全面的に支援してきました。結果は、一昨年10月、同地裁が原告の訴えを棄却、二審の高松高裁も今年1月、同様の判決を下し、原告の敗訴に終わりました。

 しかしながら、もともと保険医療で認められていた修復腎移植が禁止となり、多くの透析患者が見殺しにされている現実は絶対に容認できないことであり、私たちは修復腎移植が一般医療として再開されるまで、引き続き粘り強い運動を続けていくつもりです。

 そこで、今後、活動を進めていくに当たって、先生にぜひ教えていただきたいことがあり、この文書をしたためました。

 一昨年2月25日、松山地裁での証人尋問に出廷された日本移植学会広報委員長の吉田克法先生は、原告側弁護人に修復腎移植に関する海外の事例を問われ、オーストラリアのデビット・ニコル医師が実施した45例の修復腎移植について「(ニコル医師の)論文は、我々もすぐに入手して、移植学会でも取り上げた」と証言されました。

 しかし当時、日本移植学会副理事長だった大島伸一先生は、吉田先生とはまったく異なる発言をされています。大島先生に取材したノンフィクションライター・高橋幸春氏の著書「透析患者を救う! 修復腎移植」(彩流社)によると、ニコル医師の論文が掲載された第99回全米泌尿器科学会(2004年、サンフランシスコで開催)のハイライト集を、高橋氏が大島先生に提示したところ、先生は「(論文を)初めて見る」と答え、「不勉強と批判されても仕方ない。当時、そうした情報が上がってきたという記憶もない」と述べておられます(高橋氏のこの著書は裁判で証拠採用されました)。

 また一昨年318日、松山地裁での本人尋問に出廷し、高橋氏の著書について「事実関係に問題(事実とは異なる記述)があるかどうか」と原告側弁護士に問われると、「一言一句正確かと言われれば自信はないが、書いてある内容に、私としては、違和感はない」と答え、第99回全米泌尿器科学会のハイライト集については「知らなかった」と証言されました。

公文先生は、このハイライト集の編集幹事を務め、ニコル論文について「移植の領域では、移植免疫に関する研究のほかに、腎癌の小病巣が偶発発見され摘出された腎臓は腎移植の供給源となりうるという報告や(中略)臓器不足の解消や適応の拡大に取り組む移植医の努力と苦悩がうかがわれた」とコメントを記されています。

そこで次の二つの質問について、先生にご回答をいただきたいと思います。

<質問1> 2006年11月、宇和島徳洲会病院の万波誠先生らが実施していた修復腎移植が臓器売買事件の調査過程で表面化すると、日本移植学会が厳しく批判し、新聞や週刊誌が「事件」としてセンセーショナルな報道を続けたのはご承知の通りです。当時、大島先生は修復腎移植について「見たことも聞いたこともない医療」などとマスコミに発言されました。

 一方、前述のハイライト集に記された公文先生のコメントによると、先生は修復腎移植の可能性について十分認識されていたと思われます。修復腎移植が日本移植学会の批判を浴び、大騒動となっている折、先生はこのハイライト集を日本移植学会に送付するなどして、ニコル医師の論文を学会関係者に紹介されたのでしょうか。もし、そうされなかったとしたら、なぜされなかったのか、その理由をお教えください。

<質問2> ニコル論文の翻訳を担当された堀江重郎先生に、当時、マスコミ数社の記者が取材を申し入れたところ、移植学会の関係者からニコル医師の移植についてはコメントを控えてほしい旨の連絡が先生にあったことを告げられたと伝え聞いています。

公文先生にも同様に、ニコル論文へのコメントについて移植学会関係者から何らかの働きかけがあったのでしょうか。お教えください。

 7年余りを費やした修復腎移植訴訟は原告の敗訴に終わりました。提訴直前には原告を予定していた2人が亡くなり、原告団に加わった仲間も、7人のうち4人が係争中に相次いで亡くなりました。全員、透析患者で「修復腎移植を受け、元気になって社会のお役に立ちたい」と強く望んでいました。

 修復腎移植が禁止されてほぼ10年。この間に修復腎移植が再開されていたら、皆さんの多くが助かっていたはずです。そのことを思うと無念でなりません。これら仲間の遺志を受け継ぐためにも、移植を待ちわびている多くの患者の皆さんのためにも、私たちは運動の継続とともに、活動の詳細な記録を残しておく必要性を強く感じています。

 以上、私どもの思いをご理解いただき、どうかご協力をよろしくお願いいたします。

 なお、ご多忙中、まことに恐縮ですが、この文書到着後2週間以内にご回答をいただければ幸甚です。                                      敬具

 →回答なし

   堀江氏への質問状                                

                               平成28年11月14

順天堂大学医学部・大学院医学研究科

教授 堀江 重郎様

修復腎移植に関する質問について

NPO法人移植への理解を求める会

理事長 向田 陽二

                           

拝啓 医学の普及と発展のために、先生が日ごろ多大のご努力をされていることに対し、心から敬意を表します。 (中略=公文氏への質問状と同文)

 堀江先生はこのハイライト集に掲載されたニコル論文の翻訳を担当し、この論文について「移植希望の透析患者が家族にいるT1腎がん患者では今後ドナーのオプションになるかもしれない」と、コメントを記されています。

そこで次の二つの質問について、先生にご回答をいただきたいと思います。

<質問1> 2006年11月、宇和島徳洲会病院の万波誠先生らが実施していた修復腎移植が臓器売買事件の調査過程で表面化すると、日本移植学会が厳しく批判し、新聞や週刊誌が「事件」としてセンセーショナルな報道を続けたのはご承知の通りです。当時、大島伸一先生は「見たことも聞いたこともない医療」などとマスコミに発言されました。

 一方、前述のハイライト集に記された堀江先生のコメントによると、先生は修復腎移植の可能性について十分認識されていたと思われます。修復腎移植が学会の批判を浴び、大騒ぎとなっているとき、先生はこのハイライト集を日本移植学会に送付するなどして、ニコル論文を学会関係者に紹介されたのでしょうか。もし、そうされなかったのなら、その理由をお教えください。

<質問2> 当時、マスコミス数社の記者が堀江先生に取材を申し入れたところ、移植学会の関係者からニコル医師の移植についてはコメントを控えてほしい旨の連絡が先生にあったことを告げられたと伝え聞いています。移植学会関係者から先生に、どのような働きかけがあったのか。お教えください。

7年余りを費やした修復腎移植訴訟は原告の敗訴に終わりました。提訴直前には原告を予定していた2人が亡くなり、原告団に加わった仲間も、7人ののうち4人が係争中に相次いで亡くなりました。全員、透析患者で「修復腎移植を受け、元気になって社会のお役に立ちたい」と強く望んでいました。

 修復腎移植が臨床研究を除き、禁止されて10年。この間に修復腎移植が再開されていたら、皆さんの多くが助かっていたはずです。そのことを思うと、無念でなりません。仲間の遺志を継ぐためにも、移植を待ちわびている皆さんのためにも、私たちは運動の継続とともに、活動の詳細な記録を残しておく必要性を強く感じています。

以上、私たちの思いをご理解いただき、ぜひご協力をよろしくお願いいたします。

 なお、ご多忙中、まことに恐縮ですが、この文書の到着後2週間以内にご回答をいただければ幸甚です。                                    敬具

→回答なし

「ニコル論文、即取り上げた」は本当か吉田氏

 日本移植学会広報委員長の吉田克法氏(奈良県立医科大学附属病院教授=泌尿器科)は松山地裁での修復腎移植訴訟の証人尋問で「ニコル教授の修復腎移植の論文をすぐに入手し、移植学会でも取り上げた」と断言しました。しかし、当時、学会副理事長だった大島伸一氏は同訴訟の本人尋問で「(論文を)初めてみる」と発言しています。この矛盾を明らかにするため吉田氏に聞きました。

   吉田広報委員長への質問状                              

                              平成28年11月14日

日本移植学会広報委員長

吉田 克法様 

修復腎移植に関する質問について

NPO法人移植への理解を求める会

理事長 向田 陽二

拝啓 医学の普及と発展のために、先生が日ごろ多大のご努力をされていることに対し、心から敬意を表します。

さて、突然このような文書をお送りする失礼をお許しいただきたいと思います。

私たちは慢性腎不全患者の救済に大きな期待が寄せられている修復腎移植の再開を訴え、2006年11月、移植への理解を求める会(事務局・松山市、会員1400人))を結成し(2009年8月にNPO法人化)、署名活動をはじめ厚労省への陳情、講演会、シンポジウムの開催などさまざまな活動を進めてきました。

 ご承知の通り、2008年12月には修復腎移植再開を切望する透析患者と移植者計7人が、日本移植学会幹部の先生方5人を相手取り、「虚偽の発言によって修復腎移植の妥当性(安全性と有効性)を否定し、厚労省による禁止を誘導、患者の生存権と選択権を侵害した」として松山地裁に提訴し、私たちの会がこの訴訟を全面的に支援してきました。結果は、一昨年10月、同地裁が原告の訴えを棄却、二審の高松高裁も今年1月、同様の判決を下し、原告の敗訴に終わりました。

 しかしながら、もともと保険医療で認められていた修復腎移植が禁止となり、多くの透析患者が見殺しにされている現実は絶対に容認できないことであり、私たちは修復腎移植が一般医療として再開されるまで、粘り強く活動を続けていくつもりです。

 そこで、今後、活動を進めていくに当たって、先生にぜひ教えていただきたいことがあり、この文書をしたためました。

 一昨年2月25日、松山地裁での証人尋問に出廷された吉田先生は、原告側弁護人から修復腎移植に関する海外の事例を問われ、オーストラリアのデビット・ニコル医師が実施した45例の修復腎移植について「(ニコル医師の)論文は、我々もすぐに入手して、移植学会でも取り上げた」と証言されました。

 しかし当時、日本移植学会副理事長だった大島伸一先生は、吉田先生とはまったく異なる発言をされています。大島先生に取材したノンフィクションライター・高橋幸春氏の著書「透析患者を救う! 修復腎移植」(彩流社)によると、ニコル医師の論文が掲載された第99回全米泌尿器科学会(2004年、サンフランシスコで開催)のハイライト集を、高橋氏が大島先生に提示したところ、先生は「(論文を)初めて見る」と答え、「不勉強と批判されても仕方ない。当時、そうした情報が上がってきたという記憶もない」と述べておられます(高橋氏のこの著書は裁判で証拠採用されました)。

 また一昨年318日、松山地裁での本人尋問に出廷した大島先生は、高橋氏の著書について「事実関係に問題(事実とは異なる記述)があるかどうか」と原告側弁護士に問われると、「一言一句正確かと言われれば自信はないが、書いてある内容に、私としては、違和感はない」と答え、第99回全米泌尿器科学会のハイライト集については「知らなかった」と証言されました。

吉田先生も、大島先生も、法廷での証言に先立ち「真実のみを述べる」と宣誓した上で証言をされました。しかし、お二人の証言は食い違っています。どちらが真実なのでしょうか。お教えください。

吉田先生がニコル論文を「すぐに入手して、移植学会でも取り上げた」のであれば、その日時、出席者名、議事録を提示してくださるようお願いいたします。

 またハイライト集に掲載のニコル論文を翻訳した堀江重郎先生に、当時、マスコミ数社の記者が取材を申し込んだところ、日本移植学会の関係者からコメントを控えてほしい旨の連絡が先生にあったことを告げられたと伝え聞いています。移植学会の側から、堀江先生になんらかの働きかけをされたのでしょうか。お教えください。

 7年余りを費やした修復腎移植訴訟は原告の敗訴に終わりました。提訴直前には原告を予定していた2人が亡くなり、原告団に加わった仲間も、7人のうち4人が係争中に相次いで亡くなりました。全員、透析患者で「修復腎移植を受け、元気になって社会のお役に立ちたい」と強く望んでいました。

修復腎移植が禁止されてほぼ10年。この間に修復腎移植が再開されていたら、皆さんの多くが助かっていたはずです。そのことを思うと無念でなりません。仲間の遺志を受け継ぐためにも、移植を待ちわびている多くの患者の皆さんのためにも、私たちは運動の継続とともに、活動の詳細な記録を残しておく必要性を強く感じています。

 以上、私どもの思いをご理解いただき、どうかご協力をよろしくお願いいたします。

 なお、ご多忙中、まことに恐縮ですが、この文書到着後2週間以内にご回答をいただければ幸甚です。                                      敬具  

   吉田広報委員長の回答                                                                          

NPO法人移植への理解を求める会

理事長 向田 陽二様                           

成28年11月21日

拝啓

向寒の候、ますますご清栄のことと慶び申し上げます。

さて、ご質問の件ですが、ニコルの論文に関しては松山地裁での証言が当時の記憶であります。その余の事については、回答する立場にないので回答を差し控えていただきたいと思います。どうぞご理解のほど宜しくお願いします。

                                         敬具

                                     吉田克法

米国での修復腎移植推進どう思うか高原氏

米国の臓器分配ネットワーク(UNOS)が修復腎移植の推進をスタートしたたなかで、今もか

たくなに反対を続ける移植学会。高原史郎前理事長にその考えを聞きました。

   高原前理事長への質問状                               

                               平成28年12月 15日.

大阪大学大学院医学系研究科泌尿器科

先端移植基盤医療学

教授 高原 史郎様

修復腎移植に関する質問について

NPO法人移植への理解を求める会

理事長 向田 陽二

拝啓 医学の普及と発展のために、先生が日ごろ多大のご努力をされていることに対し、心から敬意を表します。

さて、突然このような文書をお送りする失礼をお許しいただきたいと思います。

私たちは慢性腎不全患者の救済に大きな期待が寄せられている修復腎移植の再開を訴え、2006年11月、移植への理解を求める会(事務局・松山市、会員1400人))を結成し(2009年8月にNPO法人化)、署名活動をはじめ、厚労省への陳情、講演会、シンポジウムの開催などさまざまな活動を進めてきました。

 ご承知の通り、2008年12月には修復腎移植再開を切望する透析患者と移植者計7人が、日本移植学会幹部の先生方5人を相手取り、「虚偽の発言によって修復腎移植の妥当性(安全性と有効性)を否定し厚労省による禁止措置を導き、患者の生存権と選択権を侵害した」として松山地裁に提訴し、私たちの会がこの訴訟を全面的に支援してきました。結果は、一昨年10月、同地裁が原告の訴えを棄却、二審の高松高裁も今年1月、同様の判決を下し、原告の敗訴に終わりました。

 しかしながら、もともと保険医療で認められていた修復腎移植が禁止となり、多くの透析患者が見殺しにされている現実は絶対に容認できないことであり、私たちは修復腎移植が一般医療として再開されるまで、粘り強い活動を続けていくつもりです。

 そこで、今後、活動を進めていくに当たって、先生に次の3点について、お教えいただきたく、この文書をしたためました。ぜひご回答をいただければと思います。

質問1、米国では、全米臓器移植ネットワーク(UNOS)が修復腎移植を有力な医療と認め、今年4月から推進をスタートさせました。しかし、日本移植学会はいまだに、修復腎移植はドナーとレシピエント双方にリスクを与える恐れがあるなどとして反対しています。このことについて、ご見解をお聞きしたいと思います。

質問2、今年8月25日に開かれた先進医療を審議する厚労省の審査部会で、担当委員の一人から「ダビンチや内視鏡の登場により、腎がんは7センチくらいまで部分切除で取り出すことができるようになった。全摘の例は非常に限られており、先進医療の申請は意味がない」という趣旨の発言がありました。しかし、がんの部位や再発の可能性などを考えると、全摘が極端に少なくなるとは思えません。また「数が限られているから検討する意味がない」というのはおかしいと思います。なぜなら使えるものなら、1個でも無駄にすべきではないと思うからです。この委員の意見について、ご見解をお聞きしたいと思います。

質問3、患者が学会幹部の先生方を訴えた修復腎移植訴訟で、証人尋問に出廷された日本移植学会広報委員長の吉田克法先生は「ドナーの癌が持ち込まれる恐れが、たとえば0・1%でもいけないのか」との原告側弁護人の質問に対し、「移植の場合は、数字が非常に低くても駄目だと思う」と肯定する発言をされました。しかし、世界で100例以上行われている小径腎がんの修復腎移植では、がんが伝播した例は1例も確認されていません。また透析をずっと続けることのリスクの方が修復腎移植によるがん伝播のリスクよりはるかに大きいと私たちはと思います。この吉田先生の発言について、ご見解をお聞きしたいと思います。

 7年余りを費やした修復腎移植訴訟では、提訴直前に原告を予定していた2人が亡くなり、原告団に加わった仲間も、7人のうち4人が係争中に相次いで亡くなりました。全員、透析患者で「修復腎移植を受け、元気になって社会のお役に立ちたい」と強く望んでいました。

 修復腎移植が禁止されてほぼ10年。この間に修復腎移植が再開されていたら、皆さんの多くが助かっていたはずです。そのことを思うと無念でなりません。これら仲間の遺志を受け継ぐためにも、移植を待ちわびている多くの患者の皆さんのためにも、私たちは運動の継続とともに、活動の詳細な記録を残しておく必要性を感じています。

以上、私どもの思いをご理解いただき、ご協力をよろしくお願いいたします。

 なお、ご多忙中、まことに恐縮ですが、この文書到着後2週間以内にご回答をいただければ幸甚です。 

                                         敬具

 →回答なし

報第23

(通算39)2017年

1月26日(木)発行

発行者 NPO法人移植への理解を求める会  理事長 向田 陽二

798-4101愛南町御荘菊川2290    電話085-74-0512

編集者                  副理事長 野村 正良

       〒791-8006松山市安城寺町1746-8    電話089-978-5434

発行所                  事務局長 河野 和博

       〒790-0925松山市鷹子町9282     電話089-970-3943

  


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by shufukujin-kaihou | 2017-01-28 09:52 | NPO会報第23号(39号)
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