NPO法人会報第4号(第20号)

NPO法人移植への理解を求める会 会報第4号

        
修復腎移植 法的に問題ない
第2回総会と記念講演会開く 
小林先生(法学博士)が強調


NPO法人移植への理解を求める会は5月30日(土)、宇和島市の総合福祉センターで、第2回総会と記念講演会を開きました。向田陽二理事長と顧問の近藤俊文先生(市立宇和島病院名誉院長)のあいさつに続いて、明治大学法科大学院教育補助講師の小林公夫先生(法学博士)が「修復腎移植の正当化と可能性」をテーマに講演され、会員ら100人余りが熱心に耳を傾けました。
講演で小林先生は、修復腎移植の正当性について、「法的にはどこから見ても、問題ない」と指摘されました。その理由として①移植もがんの修復も、既存の手術であり、修復腎移植はその複合的手術である②手術を受けないと命が助からないという、患者にとっての緊急性がある③移植のほかに、患者が助かる方法がないーことを挙げられました。修復腎移植の早期再開を願う私たちにとって、大変心強いお話でした。

修復腎移植の推進アピール
臨床試験受けた患者さん3人


講演の後、宇和島徳洲会で修復腎移植臨床研究の手術を受けた男女3人のレシピエントの方々が登壇し、それぞれ、修復腎移植を受けて元気になった喜びを語るとともに、「修復腎移植によって一人でも多くの人が元気になってほしい」と、早期再開を訴えました。

修復腎移植特区申請など決める 総会

記念講演会に先立ち、同日午前11時から開かれた総会(理事と正会員約20人が参加)では、昨年度の活動報告、会計報告や今年度の活動計画、予算案などを審議、いずれも原案通り可決しました。事業計画では、中四国を中心とする複数県(愛媛、香川、広島県)をエリアとした移植特区の申請(提出先は内閣府)や、修復腎移植PR用リーフレットの作成などを決めました。
移植特区は、エリア内で修復腎移植の臨床研究を保険診療として行えるようにし、より多くの病院の参加を容易にすることで、結果的に早期の保険適用を実現するのが狙いです。
提案書には1)特区内での修復腎移植は保険診療を認める2)各県臓器バンクが連携し、腎提供施設と特区内の腎移植施設のネットワークを構築する3)各県配置の移植コーディネーターによるレシピエント(移植を受ける人)の選定や、インフォームドコンセント(十分な説明と同意)の第三者確認の支援などが盛り込まれています。

 理事長あいさつ 
                                 
本日は、皆さま、ご多忙のなか、私たちの会の第2回総会記念講演会に、多数、ご参加いただき、まことにありがとうございます。
 とりわけ、講師の小林先生には、本日の記念講演を。また地元宇和島市のコーラスグループの皆さんには記念演奏を、それぞれご快諾いただき、心から感謝を申し上げます。
私たちの会は、宇和島徳洲会病院の万波誠先生らが進めてこられた修復腎移植が一日も早く一般医療として定着し、移植を待ち望む患者さんが、一人でも多く救われることを願って、活動を続けています。
昨年6月には、NPO法人として、活動を再スタートし、1年がたちました。本日、第2回総会と記念講演会を開催することができるのも、皆さまの多大のご支援、ご協力のおかげです。心からお礼を申し上げます。
さて、修復腎移植の保険適用に向けて、待望の臨床研究が、昨年12月、徳洲会宇和島病院でスタートし、今月17日には早くも4例目の移植が行われました。2例目の夫婦間移植については、奥さんから修復腎の提供を受けたご主人が、入院中に心不全で亡くなられるというご不幸があり、大変、残念な思いをしていますが、他の3例については、経過は順調と聞いています。
これらの臨床研究の積み重ねによって、早期に修復腎移植の保険適用の道が開かれ、るものと、私たちは大きな期待を寄せています。
また患者原告団が、日本移植学会幹部を相手取って、松山地裁に提訴している裁判も、同時に進んでおり、次回の8月3日の口頭弁論では、松山地裁が何らかの方針を出すものと思われます。修復腎移植を推進する活動の一つとして、引き続き、会では、この裁判を全面的にバックアップしていく予定です。
私たちは、修復腎移植が一般医療として、定着するまで、粘り強い活動を続けていくつもりですので、今後とも一層のご支援、ご協力をよろしくお願いいたします。
本日は、ありがとうございました。
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6月に移植特区申請 求める会

NPO法人移植への理解を求め会は6月30日、内閣官房が窓口となって募集している「特区、地域再生集中受付」に対し、修復腎移植に関する特区の申請を行い、受理されました。

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臨床研究次々 5例目実施
7月24日 宇和島徳洲会病院
医療法人徳洲会(本部・東京)は、7月24日、宇和島徳洲会病院で臨床研究として再開している修復腎移植の5例目の手術を実施しました。第三者間では4例目です。徳洲会が同日、同病院で開いた記者会見で発表しました。
それによると、ドナーは愛媛県内の60代の男性、レシピエントは愛媛県内の60代の女性です。手術の経過は順調ということです。女性は約15年前に市立宇和島病院で親族間の生体腎移植を受けましたが、4年前から透析を再開していました。
この臨床研究では、3月に夫婦間で移植を受けた男性が亡くなった折に、遺族の希望で病理解剖できなかったことを受け、今後は、死亡時の解剖やCT撮影への同意を遺族に求めることを決めています。ただし、不同意の場合でも手術は実施し、遺族の意思を尊重するとのことです。
徳洲会では、親族間、第三者間の臨床研究をそれぞれ5例終えれば、1年間の経過観察の後、先進医療として保険が適用されるよう申請することにしています。

5例目も順位問題なし 判定確認委

修復腎移植の臨床研究5例目の手術に先立ち、NPO法人移植への理解を求める会は、徳洲会の依頼を受けて、7月21日、松山市内のホテルでレシピエントの選定確認委員会を開きました。座長の吉田亮三理事(愛媛大学法文学部名誉教授)と事務局の河野和博理事、外部委員の近藤俊文・市立宇和島病院名誉院長(内科医)、大岡啓二医師(移植医・泌尿器科医)、野垣康之弁護士の5人の委員全員が出席。徳洲会から送付されたレシピエント候補者の選定順位についてチェックしました。この結果、問題がないことを確認し、同会に報告しました。

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第6回口頭弁論は8月3日
松山地裁での修復腎移植訴訟
5月11日の修復腎移植訴訟第5回口頭弁論に続き、第6回口頭弁論が8月3日(火)午後1時半から、松山地裁で開かれます。
 傍聴を希望される皆さんは、午後1時15分、同地裁に隣接する坂の上の雲ミュージアム前に、お集まりください。30㍍ほど行進した後、入廷します。

 訴訟メモ                                    
<原 告>
野村正良(原告団長、修復腎移植者)、向田陽二(移植への理解を求める会理事長、生体腎移植者)、田中早苗(修復腎移植者)、二宮美智代(腎移植経験者)=以上愛媛県=、藤村和義(透析患者)=広島県=、花岡淳吾(同)=岐阜県=、長谷川フヂヨ(患者遺族、故長谷川博さん<透析者>の母)=香川県=の皆さん計7人。

<弁護団>
薦田伸夫、岡林義幸、山口直樹=以上松山市=、林秀信(弁護団長、修復腎移植者)、光成卓明、東隆司=以上岡山市=の各弁護士の計6人。

<被 告>
田中紘一前理事長、大島伸一前副理事長、寺岡慧理事長、高原史郎副理事長と相川厚理事の計5人。

<訴訟の目的>
修復腎移植を否定する学会幹部らの不法性と、修復腎移植の正当性を明らかにする。

<訴状の骨子>
学会幹部らに対し「修復腎移植医療の正当性の判断に当たって、その意見が社会的影響力を有する立場にある移植医療、泌尿器系医療などの専門家であり、かつ関係学会の幹部の地位にある者が、修復腎移植に関して、真実と異なり、もしくは真実を歪曲した不利な事実、意見を社会、関係する官庁、議員、学会、報道機関などに流布させる行為は、民法上の不法行為における『違法な侵害行為』に該当するものである」としている。

 お知らせ                                  
「修復腎移植の背景と経過」テーマに
8月29日 高松で腎移植勉強会
西先生(香川労災病院)が講演


 香腎協移植部の主催による第16回腎臓移植に関する勉強会が、柿の通り、8月29日(日)、高松市で開かれ、万波先生らとともに修復腎移植を進めてこられた西光雄先生(香川労災病院泌尿器科部長)の講演「修復腎移植の背景と経過」があります。、

と き 8月29日(日)午後1時半~3時半
ところ 香川県社会福祉総合センター 6階研修室
      香川県高松市番町一丁目10番35号(高松赤十字病院斜め東)
       電話087-835-3334
内 容 講演「病気腎移植の背景と経過」
     講師 独立行政法人労働者健康福祉機構 
香川労災病院泌尿器科部長 西 光雄 先生
     特別講演「臓器移植法改正について」
     講師 (財)香川いのちのリレー財団 
       臓器移植コーディネーター 藤本 純子 氏
    体験発表 腎移植者
参加費 無 料

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広がる修復腎移植推進の輪
宮城県議会が意見書採択
香川に続け 福島・山形も検討中
宮城県議会は3月17日、修復腎移植の推進を求める意見書を満場一致で採択。衆参両院議長、内閣総理大臣、衆参両院議長、厚生労働大臣などに提出しました。この意見書は、今野(こんの)隆吉県議が発起人となり、超党派の議員60人が参加する「移植への理解を求める県議の会」(会長・柏佑整県議)がまとめたそうです。
今野県議は1年ほど前から透析を導入していたこともあり、林秀信弁護士(修復腎移植訴訟弁護団長)の著書「修復腎移植の闘いと未来」を読んで、修復腎移植の必要性を痛感。香川県議会が昨年3月、いち早く意見書を採択していることも知り、思い立ったということです。今野県議は、東北各県の県議会にも意見書採択を呼びかけており、福島県と山形県の県議会は、それぞれ9月議会での採択を検討中とのことです。東北各県で修復腎移植推進の輪が着実に広がっています。
(今野県議は今年5月、宇和島徳洲会病院で親族間の生体腎移植を受け、健康を回復。現在、元気で議会活動を続けておられます)

修復腎移植の推進を求める意見書

我が国で慢性透析療法を受けている患者は、平成二十一年末現在で約三十万人となっており、毎年一万人前後増え続けている。
 一たん、慢性透析に陥ると、週三回、四~五時間に及ぶ透析治療を生涯受け続けなければならず、精神的にも肉体的にも相当な負担がかかり、日常生活に大きな支障を来すこととなる。
 透析治療を受ける患者の多くは、根本的な治療法である腎移植を望んでおり、現在、社団法人日本臓器移植ネットワークに腎移植を希望する登録者は一万二千人に上っている。
 しかし、我が国における腎移植は平成十八年に千百三十六例と初めて千例を超えたものの、欧米諸国に比べ極端に少なく、人口百万人当たりの移植数は欧米諸国の十数%~二十数%程度である。とりわけ、献腎・脳死体腎の移植数は二百例に満たず、人口百万人当たりの移植数は欧米諸国の二~五%程度にすぎない。
 このような事情を背景に、臓器提供者に恵まれない移植待機患者を一人でも多く救おうと、治療のため摘出した腎臓を修復して移植する、いわゆる修復腎移植が始まった。
 ところが、平成十九年七月、厚生労働省においては、臓器移植法の運営方針を一部改正し、修復腎移植については臨床研究の道は残すこととしたものの、原則禁止としたところである。
 移植腎の大幅な不足という状況の中で、修復腎移植の道を開くことは、重度の腎臓病に苦しみ生命の危機に脅かされている透析治療が困難な患者の方々にとって、健康回復への希望となるものである。
 よって、国においては、移植待機患者が一日も早く移植を受けることができるよう、修復腎移植が可能となるための環境整備を早急に行うよう強く要望する。
 右、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
平成22年3月17日
          宮城県議会議長 畠山 和純
参議院議長 あて
内閣総理大臣                 
内閣閣法第九条の第一順位指定大臣(副総理)
厚生労働大臣




会報第4号  
(通算20号)2010年
7月30日(金)発行発行者 NPO法人移植への理解を求める会 理事長 向田 陽二
     〒798-4101愛南町御荘菊川2290 電話0895-74-0512
編集者                 副理事長 野村 正良
〒791-8006松山市安城寺町1746-8 電話089-978-5434 
発行所               事務局・理事 河野 和博
〒790-0925松山市鷹子町928-2   電話089-970-3943
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by shufukujin-kaihou | 2010-07-30 19:25 | NPO会報第4号(20号)
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