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2021.3.22 修復腎移植再開のお知らせ


修復腎移植再開のお知らせ


徳洲新聞及び徳洲会病院HPに、「修復腎移植再開のお知らせ」が掲載されていますので転載します。

なお詳しくは、徳洲会病院に直接お問い合わせください。


以下徳洲会病院HPの抜粋


修復腎移植臨床研究とは




https://www.uwatoku.org/renal_transplantation/

「腎摘出術による病気腎(小径腎腫瘍)を用いた

修復腎移植術に関する研究」 (先進医療) に参加ご希望の患者さまへ

https://www.uwatoku.org/renal_transplantation/details.php



「腎摘出術による病気腎(小径腎腫瘍)を用いた

修復腎移植術に関する研究」 (先進医療) に参加ご希望の患者さまへ

1本研究とは

2本研究にご参加いただけるレシピエント(移植希望の患者さま)

3本研究にご参加いただけるドナー(腎臓摘出後、提供希望の患者さま)

4本研究にご参加いただく際のレシピエント(移植希望の患者さま)のおおよその自己ご負担額

5本研究にご参加いただく際のドナー(腎臓摘出後、提供希望の患者さま)のおおよその自己ご負担額

6ご来院時にご準備、ご用意していただきたいもの

7お問い合わせ先

8マスコミ関係の方はこちらにお問い合わせください。


1本研究とは


本研究では、腎臓に腫瘍が確認された患者さまで腎臓摘出(腫瘍を含めて腎臓全部を取り除く)を選択され、摘出された腎臓を修復し、レシピエント(移植希望をされている腎不全の患者さま)に移植し、腎移植の有効性と安全性を臨床的に評価します。なお、レシピエント選定につきましては、診療情報、組織適合性試験の結果などを委員会が審議し、最終的な優先順位が決定されます。


2本研究にご参加いただけるレシピエント(移植希望の患者さま)


現在、透析治療中であるが、慢性透析治療の維持が困難であり、腎移植希望の患者さま

ご自分の意思で移植を希望され、ご家族、ご友人などの協力が得られる患者さま

現在、ご年齢が40歳以上の患者さま

麻酔による手術が可能な患者さま

修復腎を移植することのメリットやデメリットについて説明を受けて理解しており、修復腎移植のレシピエントとして妥当と考えられる患者さま

来院時、担当医等から説明文書及び同意書の説明を聞き、腎移植にご本人の同意いただける患者さま

※上記の基準を満たされていても、下記に1つでも当てはまる患者さまはご参加いただけません。

活動性の感染症、出血性潰瘍、悪性腫瘍のある患者さま

重症血管・循環障害(大動脈瘤、脳血栓、心筋梗塞、血栓症、肺塞栓)などがあり、移植により病状が悪化される可能性のある患者さま

上記以外に腎移植を行う医師等が参加不可能と判断した場合

本研究のご参加方法

本研究ご参加希望の患者さまは、以下の参加フォームでお申し込みください。

レシピエント参加フォーム

トラブル等防止のため、予め本研究の説明書等を郵送させていただきます。書類送付先のご住所、氏名、連絡先を送信いただきますようお願いいたします。ご送付する書類にて、詳細なご案内をご連絡いたします。


3本研究にご参加いただけるドナー(腎臓摘出後、提供希望の患者さま)


画像診断(腹部エコー、胸腹部CT又は腹部MRI)で評価可能な単発の腎細胞がんが疑われる小径腫瘍(直径7cm以下)が認められる、画像上他の病巣が腎以外に認められない患者さま(胸腹部CTなどにより遠隔転移が認められない患者さま)

腎部分切除は困難と判断される患者さま

ご年齢が50歳以上の患者さま

腎摘出の妥当性が理解されており、腎摘を希望されている患者さま

ご自分の病名・症状を告知されている患者さま

担当医の説明を聞き、研究参加にご同意いただける患者さま

※上記の基準を満たされていても、下記に1つでも当てはまる患者さまはご参加いただけません。

腎摘出の1カ月以内に抗がん剤(分子標的薬、サイトカイン等含む)などの投与された患者さま

摘出予定の腎に放射性照射がされた患者さま

悪性リンパ腫、肉腫などの腎腫瘍が疑われる、または腎以外に悪性腫瘍を有する患者さま

感染症(HIVHBVHCVなど)および重篤な疾患を合併している患者さま

上記以外に腎摘出を行う医師等が参加不可能と判断した場合


4本研究にご参加いただく際のレシピエント(移植希望の患者さま)のおおよその自己ご負担額


下記金額は患者さまのお体の状態によってご負担額が変動することがございます。

【腎移植の有無にかかわらず発生する自己負担額】

初回登録費用:約16万円※1(登録に必要な検査費用等として)

継続登録費用:約13万円※1,2(腎移植されるか、目標である42名の移植決定または本研究登録終了時まで1年毎に発生)

1の初回登録費用及びの継続登録費用は、腎移植の有無にかかわらず返金されませんのでご了承いただきますようお願いいたします。

2の継続登録費用につきましては患者さまのお体の状態等により変動いたします。

【腎移植が実施された場合に発生する額】

腎移植術目的での入院以降の自己負担額※3

:手術入院から退院まで(保険診療分)+(先進医療部分約129万円)、別途、腎臓搬送費が510万円程度かかります。

:退院後から5年間(保険診療分)

※3:③の腎移植自己負担額につきましては患者さまのお体の状態等により変動する場合がございます。国の高額医療費制度への申請や患者様がお持ちの各種受給者証に応じて、減額となる場合があります。


5本研究にご参加いただく際のドナー(腎臓摘出後、提供希望の患者さま)のおおよその自己ご負担額


●腎臓摘出治療分:約33万円※1(手術のための入院から退院までの概算・保険の3割負担分で算出)

1:患者さまのお体の状態、ご加入保険制度によってはご負担額が変動することがございます。

【注意】

本研究ご参加による報酬等はございません。

高額医療制度の対象となり、加入されている保険からいくらか返金される場合がございます。詳しくは加入されている保険窓口にご相談ください。


6ご来院時にご準備、ご用意していただきたいもの


医療保険証、各種受給者証

お薬手帳(お持ちの場合)

可能な場合、下記をご用意いただき、担当医の診察時にお渡しください。

直近の人間ドックの結果(可能な場合)

かかりつけ医からの紹介状及び検査データ(可能な場合)

※初回登録の際には、ご家族と一緒にご来院ください。


7お問い合わせ先


ご不明な点などございましたら、下記にお問い合わせください。

宇和島徳洲会病院 泌尿器科外来

住所:〒798-0003

愛媛県宇和島市住吉町2-6-24TEL0895-22-2811


8マスコミ関係の方はこちらにお問い合わせください。


一般社団法人徳洲会 広報部

住所 :102-0074

東京都千代田区九段南1-3-1東京堂千代田ビルディング14F

TEL:03-3262-3133

FAX:03-5213-3602




# by shufukujin-kaihou | 2021-03-22 22:15 | 3.3.22 修復腎移植再開のお知らせ

2.4.21 緊急報告


2.4.21 緊急報告


6月7日、いよてつ会館で開催予定

本年度(第12回)総会は中止

えひめ移植者の会との合同講演会も


新型コロナウイルスの感染拡大で、不要不急の外出や集会などの自粛が叫ばれている折から、6月7日(日)、

いよてつ会館(松山市大街道3丁目)で開催予定の当会の本年度(第12回)総会と、えひめ移植者の会との

合同講演会は、やむを得ず中止することにしました。


昨年度の事業報告、会計報告などは会報または報告書で正会員と役員の皆さんにお知らせする予定です。ご了解ください。


会への問い合わせは河野和博事務局長まで。電話089-970-3943








# by shufukujin-kaihou | 2020-04-22 14:43 | 2.4.21 緊急報告

NPO会報第33号(通算49号)


      NPO移植への理解を求める会 会報第33号       


  日本ではなぜ臓器移植が進まないか


  ~釧路生命倫理フォーラムで考えたこと

                   市立宇和島病院名誉院長 近藤 俊文先生


本題に入る前に、一般的に生命倫理が抱える問題について述べておきます。

〇生命倫理の党派性について

 倫理は人類一般に共通の基礎を持っていると錯覚されやすいのですが、現実はそれと真逆のようです。民族、部族、宗教、国家などの見地からしても、矛盾撞着摩擦に満ちています。子細に見れば、同じ宗教、宗派の中でさえ「倫理は一つ」(モラル・ユニティ)は成立しません。

 例を「臓器マーケットの可否」に取って考察すると、プロテスタントは腐敗したローマカトリック教会に反抗する運動から出発したキリスト教改革派ですから、プロテスタントには「臓器提供は市場原理に従ってマーケットでやりとする方が現実的かつ倫理的だ」とする倫理学者がいるのは納得できます。

 もちろん、それに反対を唱えるプロテスタント学者もいます。ところが、鉄のカトリックにさえ、強力に臓器マーケットを主張する倫理学者がいます。「マーケットの方がカトリシズムからしても倫理的なのだ」と主張しているのです。

 日本文化、特に仏教にも深い洞察を持つカトリック倫理学者マーク・チェリーがその人です(拙著「日本の腎不全患者に明日を」第8、9章、以下拙著と略す))。彼はまたモラル・ユニティはないとも主張しています(星野一正「生命倫理-日本と西洋の比較」)。


〇生命倫理の「倫理と論理」

 では、生命倫理には党派性しかないのでしょうか。本当にモラル・ユニティ、つまり普遍的倫理はないのでしょうか。もし、あるとすれば、それを担保する論理はどのようなものでしょうか。大変重要な問題ですが、、ここで取り上げるには紙幅が足りなないので、簡潔に私的見解のみを申し上げます。

 私はホモ・サピエンス(現生人類)に共通な倫理(論理)があり得ると思っています。それは単純に、モーゼの十戒、仏教の仏戒、儒教道徳の規律から共通項を抽出して調和させれば、道徳の最大公約数が得られるとプラグマティック(実用的)に考えています。


〇生命倫理を日本史上にどう位置づけることができるか

 日本人の倫理観を規定する思想としては、儒教、仏教、神道の三宗教があります。拙著では、仏教についてはある程度検討しましたが(第9章⑧)、神道と儒教については、ほとんど触れていません。倫理は政治イデオロギーと密接な関係があります。政治権力こそ、特定の論理を強要するからです。

 ここで、詳細に述べる余裕はないので、概論的に要約すると、神道は垂加神道(天皇信仰)、仏教は日蓮宗(田中智学イズム)、儒学は水戸学(尊王攘夷)を検討するのが手っ取り早いと思っています。この三原理は今なお、日本人の倫感に直結しているからです。

 結論は簡単です。これらの倫理宗教思想から、現代医療倫理学のゴールデン・ルールである欧州的尊厳概念とか、アメリカ憲法的自己決定権(オートノミー)が流出することは絶対にないと断言できます。

 1)なぜ日本は臓器移植医療の構築に失敗したのか。

 さて、本題に入りますが、この問題は大変根が深く、簡単には説明しきれないのですが、拙著で縷々解説はしたつもりです。ここでは拙著で十分触れなかったことについて、いくつか補足的に述べてみたいと思います。

 まず、構築失敗の決定的モーメントとなった札幌医大での和田心臓移植の背景について考察しましょう。


〇日本人は、いつ欧米流の現代臨床倫理を受容したのか。

 私の実体験から言えば、90年代中ごろと結論付けてよいのではないかと思います。インフォームド・コンセントや、病院の倫理委員会が定着するのが、そのころです。

 生命倫理などが医師の念頭になかった1991年、東海大学病院で安楽死事件が起きました。医療倫理原則の知識もない主治医は適切な指導医もいない混乱状態の中で、家族の安楽死要求を受け入れた結果、かわいそうに殺人犯にされてしまったと言われています。

 和田心臓移植が行われたのは、東海事件より23年も前の1968年でした。帝国陸軍が消滅して13年しかたっていません。和田教授は大正10年生まれで、昭和19年、医学部卒だから、軍歴はなかったでしょうが、帝国陸軍の軍陣医学の中にどっぷりと浸かって医学を勉強したはずです。だから、医学研究という正義のもとで、何の躊躇も罪悪感もなく脳死患者をでっちあげて、必要のない移植手術を行ったのでしょう。


〇帝国軍陣が育てた戦後日本の医療風土

 和田移植のバックグラウンドをもう少し掘り下げておきます。私が医学校を出たのが1958

(昭和33)年です。新米の私に臨床の手ほどきをしてくれたのは、ほとんどが軍隊帰り、つ

まり軍医さんたちでした。強兵をつくるために厚生省が設けられ、量産された医学専学校で軍

医に仕立て上げられて戦場に送り込まれた方々も多かったのです。

 日本帝国の軍陣医学がどのようなものだったのか、もうほとんど話題にもならなくなった

731部隊(関東軍防疫給水部本部、通称石井部隊)について考えてみます。

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整列した石井部隊の研究者たち(2018年、NHKスペシャル)


 この部隊は京都帝国大学病理学教室の石井四郎氏(正式所属は軍医学校教官、ちなみに岳父は学

習医院院長で枢密院顧問官を歴任した京都帝大総長、荒木寅三郎)が中心となって設立され、満州

の関東軍参謀部や満州医科大学と協力して細菌・化学兵器、低温軍陣医学の研究、細菌散布を実践

に用いた研究などを行ったとされています。そこでは多くの非日本人が、目をそむけたくなる、人

道上許されない人体実験の材料に使われていたことが暴露されました。彼らは人間ではなく「マル

タ(丸太)」として扱われたのでした。

そして悪者は石井四郎一人ということを、私どもは聞かされていました。

ところが調べてみると、京都関係者だけでも、後年のステータスですが、戸田正三金沢大学学長、吉村寿人京都府立医科大学学長、田部井和京都大学細菌学教授、岡本耕造京都大学病理学教授、石川太刀雄金沢大学がん研究所長など、そうそうたる学会指導者層が石井部隊の関係者だったことを知りました。彼らが京都・日本海側地の戦後医学界の重鎮として、医療界を指導していたのです。

 明治維新後は天皇の膝下に、陸海軍武官は参謀本部と軍令部、文官は東京大学補学部を頂点とするヒエラルヒー(ピラミッド型の階層)を構築していました。維新史を少しかじっていた私は石井部隊が京都帝大だけで完結するはずはないと睨んで調べてみると、案の定、東京帝国大学も深く関係していました

 特に長与又郎総長は親しく、731部隊に関与していたとされていたことが分かりました。それだけではなく、膨大な予算を持ち、日本中から研究者を動員し得た石井部隊が陸軍参謀本部の了解なしに機能することは考えらえません。

 歴史書を繙くと、これらのことが、たちどころに分かったのには驚きました。石井氏の独壇場と聞かされてきた「関東軍防疫給水部」は天皇の発する軍令「陸甲第七号」に法的根拠があったのです(常石敬一)。

 それだけではありません。石井氏は陸軍統制派の大物、永田鉄山軍務局長と直接接触を持っていたとされてもいました。

 「軍令」であれば、天皇直々の勅令とあって、総理大臣も統帥権の外に置かれ、軍部のやりたい放題が可能になるのです。軍部の暴走をチェックする装置が、そもそもなかったことになります。

 この軍令システムを創造したのが、伊藤博文に対抗した山県有朋であり、その法的根拠は伊藤がつくった帝国欽定憲法の天皇大権だったという、ややこしいが、なんだか滑稽感もある日本近現代史を象徴する経緯でした(伊藤は「公式令」を伊東巳代治に創設させて軍の暴走を抑えようとしたが、失敗に終わっています)。


〇和田移植の呪縛と臓器移植法というブレーキ

もちろん、和田移植のほかに、医師会、医学会、医療行政府の失敗にも目をそらすことはできません。しかし、とどめを刺したのは1997年の臓器移植法施行でした。

これらの問題については拙著で詳述しているので割愛します。しかし、あえて申し上げると、厚労省は日本には脳死患者はいないと規定し、例外として臓器提供をする場合だけ、忽然と脳死患者が現れるという、非論理的法論理を国民に強制しているのです。 


 2)なぜ、イスタンブール宣言の党派性を問わないのか。

 私は、イスタンブール宣言はブッシュ・ジュニア大統領のカトリシズム(テオコン)に主導されたのではないかと、強く疑っています。21世紀に入って、アメリカ共和党の右派思想集団(いわゆるネオコンとテオコンなど)は資本主義が共産主義に勝ったと錯覚した揚げ句、傍若無人にイスラエル右派と提携して、終わりのない新しい戦争を中東で始めました。

 アメリカ国内でブッシュ・ジュニアがエバンジェリカルズとカトリックの票に大きく依存していることは周知の事実で、その医学倫理における影響は拙著でも指摘したところです。

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イスタンブール宣言に政治的にかかわったのが、時のアメリカの国連大使ジョン・ボルトンだと、私は解釈しています。トランプ大統領の最高の政治顧問だったボルトンは、今は干されていますが、国連でカトリック的移植倫理推進の采配を振るいました。

 そのボルトンの下で、イスタンブール宣言を準備して成 功させたのがカトリック倫理に忠実なハーバード大学の移植教授、フランシスコ・デルモナコとカリフォルニア大学バークレー校のナンシー・シェパー=ヒューズ教授です。

オーガンズ・ウオッチを主催するアクティビストのナンシーがプロ・カトリックと断定するまでに時間がかかりましたが、今ではこの解釈に、私は自信を持っています。ナンシーはフランシスコと共著で、カトリック雑誌に臓器マーケット反対論を展開しています(拙著133ページ)。

 国連でのボルトンらの運動を具体的にフォローすると、   

 2001年、ブッシュ・ジュニア大統領当選:生命倫理に

カトリック指針を強要。

ジョン・ボルトン氏      2002年、デルモニコとシェパー=ヒューズが連名で臓器売買反対論文を「ナショナル・カトリック生命倫理学」(季刊誌)に発表(前述の共著論文)。

 2005年~06年、ボルトン国連アメリカ大使在任(議会の反対で就任が遅れる)。

 2005年? シェパー=ヒューズ、WHOの移植コンサルタントに就任。

 〃 ?  デルモナコ、WHOの移植コンサルタントに就任。

 〃    非公開WHOの移植会議がジュネーブで開催され、イスタンブール会議を準備。

 2008年 イスタンブール会議でイスタンブール宣言を採択

 【イスタンブール宣言】 「臓器取引と移植ツーリズムに関するイスタンブール宣言」の略称。2008年、国際移植学会が中心となってイスタンブールで開催された国際会議で採択された宣言。臓器売買、移植ツーリズムの禁止、自国での臓器移植の推進、生体ドナーの保護を提言している。
 この宣言を受けて、日本では臓器移植法の改正論議が高まり、2009(平成21)年に15歳未満の臓器提供を認める改正法が成立、2010(平成22)年7月に施行された。


3)なぜ、各国の身の丈に合った移植が全否定され、犯罪扱いされるのか

 中国共産党による法輪功信者(拙著285-291ページ)や新疆ウイグル独立主義者からの臓器略奪移植は、どのような倫理解釈からも許されないのは自明の理です。

 拙著「第10章ヒエラルヒーのなかの腎代替療法」で検証したように、各国にはそれぞれの歴史的、社会的、経済的、政治的な条件がいわば先験的に存在するわけで、各国、各社会はその与えられた条件に合わせて、それぞれの移植医療を構築してきた歴史があったはずです。

 その中でも、臓器売買移植の中心地と見られていたフィリピンについては、粟屋剛先生(岡山大学名誉教授=生命倫理学)の先駆的研究もあって、私には、医療としてのそれなりの合理性があるように思えていました。

デ・ラサール大学のダニロ・ティオング教授(生命倫理学)の言説を読んでからは、フィリピンでの腎売買は、もう少し工夫をすれば臓器市場の一つの在り方ではないかと考えるようになりました。

しかし、超大国に媚びるフィリピン当局は一挙にこのシステムを廃棄させました。私に同国のスラム住人のうめきが聞こえるように感じます。


4)日本の腎移植希望者が犯罪者の犠牲になっている現実

 移植医療について長年、精力的に取材、執筆活動を続けておられる作家でジャーナリストの高橋幸春氏によると、イスタンブール宣言以後の日本の腎移植希望者が国際移植犯罪組織と連携しているといわれる日本人の食い物にされている現実に恐怖を禁じ得ません。

マスコミのメジャー・ストリームも日本の臓器移植法の非論理的脳死既定の問題も含めて、一切この現実に目をつぶっています。

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5)遠い将来の希望的予測

 私は、臓器提供は善意による無償のものと、適切な謝礼金をドナーに渡して提供していただくものと、両方を併用するシステムがよいと考えます。どちらを選択するかは提供者サイドに優先権があります。

 適当な政府機関が専買者として臓器を集め、日本臓器移植ネットワークが公平適切に配分することが可能だと思っています。移植マーケットの理論的な問題は拙著第4章「buy or die 移植医療の経済学」で概説しています。

 ブッシュ・ジュニア大統領の生命倫理顧問でカトリック倫理学者のレオン・カスが「移植臓器に金を出すのは聞いただけでむかつく」と発言したのに対して、「200年前、生命保険は聞いだけでむかつくと非難されたが、今はどうだ。社会の必需品だ」と答えた2012年のノーベル賞経済学賞受賞者アルヴィン 

アルヴィン・エリオット・ロス氏 ・エリオット・ロス氏の話を紹介して講演を終わります。


昨年8月8日から3日間、北海道釧路市の観光国際交流センターで「修復腎移植と渡航移植」などをテーマにした日本生命倫理学会の「第6回釧路生命倫理フォーラム」が開かれ、会長の粟屋剛先生(岡山大学名誉教授、岡山商科大学教授)からの招請で、NPO法人移植への理解を求める会から、顧問の近藤俊文先生(市立宇和島病院名誉院長)と野村正良副理事長が参加しました。

そのなかで近藤先生が講演者の一人として「修復腎移植を巡って」と題し、ご講演されました。その内容を中心に「日本ではなぜ臓器移植が進まないか」として、近藤先生に要旨をまとめていただきました。


「命の贈りものPart3」出版

「ダブル移植の語り部」メインに

一人でも多くの人に移植への理解を深めていただこう-と、えひめ移植者の会が発行してきた小冊子「命の贈りもの」シリーズの3冊目「命の贈りものPart3~ダブル移植の語り部」=写真=が3月1日付で、創風社出版(松山市)から出版されました。 

内容は肝臓と腎臓を相次いで生体移植し、死の淵から生還した当会役員(関東支部長)の橋本英紀さん(東京都在住)と、その肝臓と腎臓を提供したダブルドナーの万紀子さん(同副支部長)ご夫婦の紆余曲折の体験を、妻の万紀子さんがつづった手記「ダブル移植の語り部」をメインとして

います。
 この中で、万紀子さんは進まない日本の移植医療に対する疑問や医療機関の患者に対する在り方にも一石を投じています。
 このほか、修復腎移植の報道、執筆、出版に奔走されてきた作家でフリージャーナリストの高橋幸春さん(東京都)や作家、青山淳平さん(松山市)の寄稿、また愛媛県の臓器移植コーディネーター、篠原嘉一さんによる移植の現状報告などが収録されています。ぜひ皆さんに手にとっていただきたい書です。(創風社出版、700+税)
 なお、出版費用は1冊当たり1,000円+税ですが、多くの人に読んでいただきたいため、定価はサービス価格としています。
 ちなみに、シリーズ1冊目は当会が1993年、松山市で開いた全国レベルの臓器移植シンポジウムの成果をまとめた「命の贈りもの~松山コロキウム~腎移植から多臓器移植へ『臓器移植新時代への展望』」(19951月、創風社出版、1,000円+税)。
 2冊目はカナダで心臓移植を受けた西谷直也さん(当時中学3年生、松山市出身)の母親、紀美子さんが渡航移植の苦労多い体験をつづった手記をメインとした「命の贈りものPart2~輝いて直也」(20076月、同、500円+税)です。どちらも在庫あり。
 問い合わせ、購入申し込みは、えひめ移植者の会事務局の野村(電話090-7626-0240FAX089-978-5434Eメールmasa-0331@sgr.e-catv.ne.jp)、または創風社出版(電話089-953-3153FAX089-953-3103)まで。このほか、購入は最寄りの書店も可です(この場合、注文になります)。

 この中で、万紀子さんは停滞する日本の移植医療に対する疑問や医療機関の患者に対する在り方にも一石を投じています。

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このほか、修復腎移植騒動が始まって以来、その取材、報道、出版に奔走されてきた作家でフリージャーナリストの高橋幸春さん(東京都)やNPO移植への理解を求める会に参加し「小説・修復腎移植」などの出版をされてきた作家、青山淳平さん(松山市)の寄稿、愛媛県の臓器移植コーディネーター、篠原嘉一さんによる移植の現状報告などが収録されています。ぜひ、皆さんに手に取っていただきたい書です。

 今回の出版は当会が発足30周年(当会発足は平成2年4月29日)を迎えたのを記念して計画しましたが、諸般の事情から、当初の予定より1年遅れの出版となりました。

発行部数は1,000部で、700部を当会が、300部を創風社出版が持つことになりました。 

 なお、1冊当たりの出版費用は1,000円超になりますが、より多くの人に読んでいただこうと、700+税のサービス価格としています。

          ◇まない日本の移植医療に対する疑問や医療機関の患者に対する在り方にも一石を投じています。
 このほか、修復腎移植の報道、執筆、出版に奔走されてきた作家でフリージャーナリストの高橋幸春さん(東京都)や作家、青山淳平さん(松山市)の寄稿、また愛媛県の臓器移植コーディネーター、篠原嘉一さんによる移植の現状報告などが収録されています。ぜひ皆さんに手にとっていただきたい書です。(創風社出版、700+税)
 なお、出版費用は1冊当たり1,000円+税ですが、多くの人に読んでいただきたいため、定価はサービス価格としています。
 ちなみに、シリーズ1冊目は当会が1993年、松山市で開いた全国レベルの臓器移植シンポジウムの成果をまとめた「命の贈りもの~松山コロキウム~腎移植から多臓器移植へ『臓器移植新時代への展望』」(19951月、創風社出版、1,000円+税)。
 2冊目はカナダで心臓移植を受けた西谷直也さん(当時中学3年生、松山市出身)の母親、紀美子さんが渡航移植の苦労多い体験をつづった手記をメインとした「命の贈りものPart2~輝いて直也」(20076月、同、500円+税)です。どちらも在庫あり。
 問い合わせ、購入申し込みは、えひめ移植者の会事務局の野村(電話090-7626-0240FAX089-978-5434Eメールmasa-0331@sgr.e-catv.ne.jp)、または創風社出版(電話089-953-3153FAX089-953-3103)まで。このほか、購入は最寄りの書店も可です(この場合、注文になります)。この中で、万紀子さんは進まない日本の移植医療に対する疑問や医療機関の患者に対する在り方にも一石を投じています。
 このほか、修復腎移植の報道、執筆、出版に奔走されてきた作家でフリージャーナリストの高橋幸春さん(東京都)や作家、青山淳平さん(松山市)の寄稿、また愛媛県の臓器移植コーディネーター、篠原嘉一さんによる移植の現状報告などが収録されています。ぜひ皆さんに手にとっていただきたい書です。(創風社出版、700+税)

 ちなみに「命の贈りもの」ちなみに、シリーズ1冊目は当会が1993年、松山市で開いた全国レベルの臓器移植シンポジウムの成果をまとめた「命の贈りもの~松山コロキウム~腎移植から多臓器移植へ『臓器移植新時代への展望』」(19951月、創風社出版、1,000円+税)。
 2冊目はカナダで心臓移植を受けた西谷直也さん(当時中学3年生、松山市出身)の母親、紀美子さんが渡航移植の苦労多い体験をつづった手記をメインとした「命の贈りものPart2~輝いて直也」(20076月、同、500円+税)です。どちらも在庫あり。
 問い合わせ、購入申し込みは、えひめ移植者の会事務局の野村(電話090-7626-0240FAX089-978-5434Eメールmasa-0331@sgr.e-catv.ne.jp)、または創風社出版(電話089-953-3153FAX089-953-3103)まで。このほか、購入は最寄りの書店も可です(この場合、注文になります)。
シリーズの1冊目は、当会が1993年、松山市で開いた全国レベルの臓器移植シンポジウムの成果をまとめた「命の贈りもの~松山コロキウムから腎移植から多臓器移植へ『臓器移植新時代への展望』」(1995年1月、)創風社出版、1000円+税)です。

 2冊目はカナダで心臓移植を受けた西谷直也さん(当時中学3年生、松山市出身)の母親、紀美子さんが渡航移植の苦労多い体験をつづった手記をメインとした「命の贈りものPart2~輝いて直也」(2007年6月、同、500円+税)です。どちらも在庫があります。

 購入、問い合わせは、えひめ移植者の会事務局、野村まで。電話090-7626-0240FAX 089-978-5434

購入は創風社出版(電話089-953-3153FAX089-953-3103)、または最寄りの書店(こちらは注文)でもできます。 


67日 総会と出版祝賀会 いよてつ会館

当会は本年度(第12回)総会を6月7日午前11時から、松山市大街道3丁目の「いよてつ会館」で開きます。また午後1時から、えひめ移植者の会と共催で、顧問の近藤俊文先生(市立宇和島病院名誉院長)のご講演「日本ではなぜ臓器移植が進まないか」と「命の贈りもPart3」の出版祝賀会があります。近藤先生のご講演では、今号でご紹介した内容をより詳しくお話しいただきます。なお、出版祝賀会は参加自由です。

報第33号

(通算49号)2020年

3月25日(水)発行

発行者 NPO法人移植への理解を求める会  理事長 向田 陽二

798-4101愛南町御荘菊川2290    電話085-74-0512

編集者                  副理事長 野村 正良

       〒791-8006松山市安城寺町1746-8    電話089-978-5434

発行所                  事務局長 河野 和博

       〒790-0925松山市鷹子町9282     電話089-970-3943



# by shufukujin-kaihou | 2020-04-22 14:29 | NPO会報33号(49号)

NPO会報第32号(第48号)


            NPO移植への理解を求める会 会報第32号      

6月・松山で第11回総会開く

「日本の腎移植はどう変わったか」

作家・フリージャーナリスト 高橋 幸春先生

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NPO法人移植への理解を求める会の2019年度(第11回)総会と記念講演会が6月2日、松山市大街道3丁目のいよてつ会館で開かれました。

総会は午前11時に開会。役員と正会員計約20人が参加、昨年度の事業報告や新年度の行事計画、予算などを審議しました。向田陽二理事長は親族のご不幸で欠席となり、野村正良副理事長が理事長を代行しました。

活動報告では、昨年7月、徳洲会グループが申請した修復腎移植の先進医療申請が厚労省の専門部会で承認されたこと、これを受けて9月13日に国会議員の超党派の会「修復腎移植を考える会」の成果報告会が参院議員会館で開かれ、向田理事長と野村副理事長が出席したこと、さらに今年1月31日、厚労省が修復腎移植の先進医療承認を官報で告示したことなどが報告されました。

新年度の事業では、引き続き、修復腎移植の推進事業や移植推進のための啓発活動などを進めていくことを確認しました。また香川県腎臓病協議会が8月4日に丸亀市で開く移植部学習会の講師に野村副理事長を派遣することなどを了承しました。

記念講演会は、当会の推進母体である、えひめ移植者の会と共催で、午後1時から開かれました。講師は作家でフリージャーナリストの高橋幸春先生。「日本の腎移植はどう変わったか」をテーマに、最新刊の著書の取材、執筆のエピソードや移植の話題について、お話しいただきました。








                          

 講演要旨    「日本の腎移植はどう変わったか」    


 修復腎移植騒動で万波先生取材

2006年に万波先生が修復腎移植の問題で日本移植学会やマスコミのバッシングを受け始めたとき、万波先生を知っている知人から「万波先生はあんな人じゃない」と聞いていた。そこで、万波先生のことを取材して雑誌に書こうと思ったが、学会やマスコミの非難の嵐の中で、ページを割いてくれる雑誌はなかった。そんななかで、女性自身の編集者がたまたま宇和島出身の人で「万波先生は、学会やマスコミが批判しているような人ではない。ぜひ宇和島に行って取材してください」と言われ、取材することになった。2007年の秋だったと思う。

 万波先生への取材申し込みは正攻法では駄目だと思って、特大の封筒に入れて手紙を出した。すると、先生から「何日の何時に来なさい」と連絡をもらったのだけど、先生を訪ねて行くと、取材ことをすっかり忘れていて、覚えておられなかった()

そこから取材を始めて、先生の部屋で話を聞いた。そのときにがんの腎臓を切ってどう移植するかを非常に分かりやすく説明してくれた。日本移植学会やマスコミは激しいバッシングを続けていたが、万波先生の話を聞くと、ずいぶん事実とは違うなと思った。また、取材をする前には、がんの腎臓を修復して移植をするという話に「ずいぶん乱暴だな」と思っていたが、移植を受けた患者さんに、がんの再発は一例もないと聞いて、それなら大丈夫だろうと思った。


文藝春秋に万波先生の手記掲載

そのころ、難波紘二先生(広島大学名誉教授)が修復腎移植を支持する論評をいろいろと書かれていて、それがずいぶん取材のバックボーンになり、役に立った。

また、患者さんの話を聞いた方がいいだろうと、野村さんや向田さん、がんの腎臓を移植した患者さんらにも会った。その結果を女性自身の「人間シリーズ」に書いた。

取材した結果、私の結論は「最終的な決断は患者にさせてほしい」というものだった。リスクがあっても、ベネフィット(利益)があれば移植をやってほしいという患者がいるのなら、最終的な判断は患者にさせてほしいというのが私の印象だった。

マスコミ関係者の中にも「万波バッシングは、やりすぎじゃないか」という考えはあったのだろうと思う。なんとかこの状況を変えなくちゃいけないということが私の頭にあって、有力なメディアは文藝春秋なので、女性自身で書いた後「修復腎移植は第三の移植として絶対に有効だから、書かせてくれ」と、文芸春秋の編集長に要望した。編集長は話を聞いて「やりましょう」とすぐ言ってくれた。そこで、万波先生の手記という形にして、構成を私がするということで、話が決まった。

そのときの編集長が出した条件は「移植学会の反論を求めよう」ということだった。その約束のもとに、万波先生の手記と言う形で、2013年8月号に掲載した。移植学会には編集長から「こういう記事が出るから」と学会幹部に連絡したのだと思う。すると怒ってきた先生が一人いたそうだ。裁判の被告になった一人の相川厚先生で、かなり激怒して、移植学会の資料を使うなと、さんざん言ってきたそうだ。でも一切無視して「反論を待っています」と伝えたら、移植学会は何にも言ってこなかった。私も、編集長も拍子抜けした。

学会幹部と論戦すれば、患者側に有利に働くなと思ったけど、学会は沈黙したままだった。それで、(文藝春秋の)次のページをどうするかということで、瀬戸内グループの記事を出した。このときも何も言ってこなかった。おそらくこの段階で理論的な決着はついていたのだろうと思う。現在に至るまで、学会関係者は修復腎移植がいいか悪いかということは言っていない。


万波先生を評価していた大島先生

その後、「修復腎移植を支持する立場で取材したい」と言って、学会幹部の被告5人に申し込んだら、大島先生だけが受けてくれた。会って、そのとき思ったのは、移植学会の側から見た修復腎移植はどんなふうに見えたのだろうかということだった。彼らが変わらない限り、この移植は進まない。

そこで大島先生に、話を聞いてみると、移植学会の中で一番、万波先生を評価していたのは大島先生だった。万波先生を頼りにしていたところが多分にある。厚労省で移植の会議があるときに、万波先生に「出てきてくれ」と再三、要請している。しかし、万波先生は宇和島を一日空けて東京に行くような人ではない。大島先生は、それは分からなかった。

結論を言うと、大島先生と万波先生が手を組んでいたら、今の移植の状況はずいぶん変わっていたと思う。

大島先生も移植学会の中では浮いた存在だった。先生も決して恵まれた家庭ではなかった。終戦直後の満州に生まれて、名古屋に引き上げてきて、お父さんが県庁に務めていたが、脳溢血で倒れて、その後は母子家庭になり、名古屋大学に入るけど、ありとあらゆるバイトをしている。専攻課程に進んだとき、父親の友人で中京病院の泌尿器科の医師が、病院の職員寮に住まわせ、卒業するまで面倒を見た。

その学生時代、医師について病棟を回っていて、慢性腎不全の患者の現状を見るようになる。60年代後半から透析治療が導入されるが、お金が尽きると透析を止めて、患者は死ぬしかない。その悲惨な様子を嫌というほど見て、移植医療へと進んだ。

アメリカに短期留学して勉強するが、移植が始まったばかりのころだったため、非常に苦労する。彼が医者になったのは70年で、一番最初の移植は73年。成績は悪く、思うようにいかない。70年代は失敗の連続で、患者の家族から責められることもたびたびだった。

そのように苦労して移植を進めてきた先生が、万波先生の批判をせざるを得なかったところに不幸というか悲劇がある。


「結論ありき」だった調査委員会

学会の万波批判のなかで、おかしいことの一つは、万波先生がインフォームドコンセントの書類を残していないことを挙げていたことだ。これは患者から訴えられたときに医者の言い訳に使うものだ。インフォームドコンセントが不十分だったというけれど、調査委員会は患者にそのことを確かめていない。つまり「結論ありき」だったわけだ。それが一番の問題だった。学会の関係者は「とんでもない医療が行われた」と頭から思っていたから、きちんと調査もしなかった。

もう一つおかしいのは、2004年に全米泌尿器科学会でデビッド・ニコルが万波先生と同じような修復腎移植の発表をしているのに、大島先生は「見たことも聞いたこともない」と裁判で証言したことだ。ニコル論文を掲載した小冊子を見せたら、「初めて見る」と言っていた。そこで「知らないではすまされない」「不勉強と言われてもしょうがない」と、非を認めている。

2004年の段階で万波先生と同じようなことをやっている医者がいるのに、結局、学会の先生方は「これは使えるかもしれない」と見抜けなかったということだ。それが私には信じられなかった。

閉鎖集団の中ではこういうことが起こりうるのかなと思った。情報に疎くなり、常識を覆すような論文には目が向かなくなるのだと思う。学会が歪んだ権威的な組織だということは大島先生も分かっているようだ。


原点に帰ってドナーを増やす努力を

日本では臓器が極めて不足しているなかで、やっと修復腎移植が認められた。しかし、臓器をいかに増やすかということを、もう一度原点に立ち返って考えないと、移植医療は衰弱していく気がする。臓器を増やすためには、私は時代を逆戻りさせた方がいいように思う。

医師や移植コーディネーターが家族を説得して提供された臓器は、一つはその関係病院で利用するという形が望ましい。そうでないと、公平に(人口比で)配分していると、人口の多い地域にほとんど持って行かれ、熱意がそがれてしまう。

国内で今の(深刻なドナー不足の)状況が続くと、何が起きるかというと、中国の移植が止まらない。今、パキスタンでもブローカーが間に入って、臓器を斡旋している。国際的な組織で、ロシアに連絡先がある。パキスタンで移植を受けた人たちの成績はよくない。

これから移植を受けたいという人たちにとっては、国内の状況は非常に厳しい。死体腎移植を増やさないと、どうにもならない。そういう現状にもかかわらず、学会は修復腎移植に顔をそむけて、海外での移植を黙認している。今の移植学会は解体した方がいいくらいだ。これからは、もっと患者が力を付けないといけないと思う。 ()


えひめ移植者の会 30周年記念総会と祝賀会開く

当会の第11回総会と記念講演会が開かれた6月2日、当会の推進母体である、えひめ移植者の会が、同じ会場のいよてつ会館で、同講演会の後、発足30周年を祝う令和元年度の記念総会と祝賀会を開きました。会員ら約30人が参加、会の足跡を振り返るとともに、今後の発展に向けて誓いを新たにしました。

総会では、平成30年度の決算、令和元年度の予算案、活動計画などをすべて原案通り、可決しました。このほか、小冊子「命の贈りものPart3」を年内に出版し、記念祝賀会を開催することを了承しました。

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このあとの祝賀会には22人が参加、なごやかに交流しました。アトラクションではハープ奏者の有森智子さん(腎移植者)と妹のオカリナ奏者、大川馨さんのコラボのほか、野村正良会長がフルートを演奏し、会場を盛り上げました。




 





 えひめ移植者の会の祝賀会であいさつする近藤俊文先生(市立宇和島病院名誉院長)

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    ハープの有森さんとオカリナの大川さん姉妹   

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  フルートの野村会長



報第32号

(通算48号)2019年

7月25日(木)発行

発行者 NPO法人移植への理解を求める会  理事長 向田 陽二

798-4101愛南町御荘菊川2290    電話085-74-0512

編集者                  副理事長 野村 正良

       〒791-8006松山市安城寺町1746-8    電話089-978-5434

発行所                  事務局長 河野 和博

       〒790-0925松山市鷹子町9282     電話089-970-3943


# by shufukujin-kaihou | 2019-07-25 15:00 | NPO会報32号(48号)

NPO会報第31号(第47号)

      NPO移植への理解を求める会 会報第31号       

6月2日・松山で第11回定期総会

「日本の腎移植はどう変わったか」

作家・フリーライター 高橋幸春氏がご講演

NPO法人移植への理解を求める会の令和元年度(第11回)定期総会と記念講演会を6月2日(日)午前11時から、松山市大街道3丁目のいよてつ会館で開きます。記念講演会は、当会の推進母体となっている、えひめ移植者の会(野村正良会長)との共催で、総会の後、昼食をはさみ、午後1時からの予定です。

定期総会では前年度の活動報告、決算報告、本年度の活動計画、予算案などを審議します。理事と正会員の方々の参加をお待ちしています。

NPO会報第31号(第47号)_e0163729_13185103.jpg記念講演会の講師は、作家でフリーライターの高橋幸春氏です。「日本の腎移植はどう変わったか」をテーマにお話しいただきます。高橋氏は2006年11月に修復腎移植の問題が表面化して以来、この問題と関わり、患者側の目線で精力的に取材、執筆活動を続けてこられました。

なかでも、相次いで出版された「透析患者を救う!修復腎移植」(2013年、彩流社)と、「だれが修復腎移植をつぶすのかー日本移植学会の深い闇」(2015年、東洋経済新聞社)は、私たちの活動の大きな後押しとなりました。

これらの書に続き、今年3月、「日本の腎移植はどう変わったか-60年から修復腎移植再開まで」(えにし書房)を出版され、日本の腎移植の流れを分かりやすく解説されています。講演では同書の内容や新たな移植の動きなどについて、語っていただきます。ご期待ください。(写真は高橋幸春氏=東洋経済オンラインより)

       (2ページに関連記事

高橋幸春氏略歴  たかはし・ゆきはる 1975年、早稲田大学卒業後、ブラジルへ移住。日系邦字紙パウリスタ新聞(現ニッケイ新聞)勤務を経て、1978年帰国。以後、フリーライター。高橋幸春名でノンフィクションを執筆。1991年に「蒼氓の大地」(講談社)で第13回講談社ノンフィクション賞受賞。2000年に初の小説「天皇の船」(文藝春秋)を麻野涼のペンネームで上梓。

………………………………………………………………………………………………………


<第11回定期総会と記念講演会日程> 

○総  会 午前11時~正午 (4階 カトレア)

    平成30年度活動報告/決算報告・監査報告

   令和元年度活動方針案予算案審議 /その他

○記念講演 午後1時~2時 (3階 ロビンルーム)

講 師 高橋 幸春氏(作家、フリーライター)

      テーマ 「日本の腎移植はどう変わったか」

○質疑・意見交換会

  問い合わせ 河野和博事務局長まで。089-970-3943

30周年記念祝賀会も えひめ移植者の会

なお、記念講演会の後、午後2時から同館アイビスホール(3階)で、えひめ移植者の会の令和元年度(第30回)総会と、会発足30周年記念祝賀会があります。求める会会員の方々の参加歓迎です。申し込みは野村会長まで。090-7626-0240



 出 版                                                           

修復腎移植再開までの経過、明快に

高橋氏「日本の腎移植はどう変わったか」出版

 

NPO会報第31号(第47号)_e0163729_13192700.jpg2006年秋、宇和島徳洲会病院の万波誠先生らが取り組んでいた修復腎移植が、同病院で起きた臓器売買事件の調査過程で明るみになり、学会幹部やマスコミによる理不尽なバッシングを受け始めて以来、この問題を丹念に追跡取材してきた、ノンフィクション作家・フリーライターの高橋幸春氏(東京都)がこの3月、「日本の腎移植はどう変わったかー60年代から修復腎移植再開まで」(えにし書房)を出版されました。


 国内における腎移植の黎明期から修復腎移植騒動が終息した現在までの足跡を分かりやすく紹介した力作です。  


 特に学会が万波先生らのバッシングを執拗に続ける中、追随する厚労省が修復腎移植を原則禁止とし、これに反発する私たち患者が万波先生らを支援する組織「NPO法人移植への理解を求める会」を結成。多くの支持を得て、徳洲会グループの先進医療申請が今年1月、正式に承認されるまでの動きが手に取るように分かる内容となっています。


 停滞する日本の移植医療の問題点と展望を見据えたすばらしい書です。ぜひ、皆さんにおすすめしたいと思います。
 (えにし書房、1800円+税)
 ちなみに、高橋さんが修復腎移植を取り上げた著書に「透析患者を救う!修復腎移植」(2013年11月、彩流社)、「だれが修復腎移植をつぶすのかー日本移植学会の深い闇」(2015年7月、東洋経済新聞社)があります。また「文藝春秋」「潮」などの月刊誌に修復腎移植の記事を再三、執筆されています。

<同書の帯から>

腎不全がほぼ死を意味した時代から、腎移植の道を切り開いてきた元日本移植学会副理事長の大島伸一医師の活動、和田移植の波紋、腎バンク、シクロスポリンの登場、愛知方式の確立、臓器移植ネットワーク、臓器移植法、万波誠医師と瀬戸内グループによる修復腎移植へのバッシングと「原則禁止」から再開まで。中国への渡航移植、人工透析の進歩と諸問題など日本の移植を巡る社会の変容を、長期にわたる綿密な取材で丁寧にたどり、多くの問題点を浮かび上がらせる傑作ルポ。



 新聞・雑誌報道から                                      

 病気腎移植「先進医療」官報に告示

       厚労省 臨床試験実施を承認

宇和島徳洲会病院(宇和島市)が臨床研究を進めてきた病気腎(修復腎)移植について、厚生労働省は6日までに先進医療と認めることを官報で告示した。徳洲会によると、臨床試験は適応症例があり次第、グループの宇和島と東京西の2病院で始める方針。先進技術部分は患者の自己負担だが、一般医療と共通する検査代や入院費などには保険が使えるようになる。告示は1月31日付。

 同移植の先進医療承認を巡っては、先進医療会議が昨年7月、慎重な立場を取っていた日本移植学会など関係5学会の推薦者をレシピエント(被移植者)の選定委員会に参加させることを追加条件として提示していた。

 厚労省によると、臨床試験は9年間の予定で実施。4年間で42例を目指し、5年間で安全性や有効性を確認する。21例目までに移植した腎臓が機能しないケースが4例になれば中止。他病院の参画は個別に審査するほか、先進技術部分への保険適用は、中央社会保険医療協議会が試験結果を踏まえて判断する。

 NPO法人「移植への理解を求める会」の向田陽二理事長(60)=愛南町御荘菊川=は「やっと患者の思いや努力が報われた」と喜ぶ一方、「早急に1例目を実施してほしい。徳洲会グループ以外の病院にも参加してもらいたい」と要望。県内などの臓器移植経験者ら約40人でつくる「えひめ移植者の会」の野村正良会長(69)=松山市安城寺町=は「一日も早く一般医療として認められるよう、関係者には努力してもらいたい」と話した。(多和史人)

                        2019年2月7日(木)付愛媛新聞 


病気腎移植臨床試験を一時中断 

徳洲会 移植実施責任者が退職

  国に先進医療として認められた病気腎(修復腎)移植の実施機関になっている徳洲会グループの宇和島(愛媛県)と東京西の2病院が、移植実施責任者の医師の退職を受け、臨床試験の一時中断を余儀なくされていることが12日までに分かった。ドナー(臓器提供者)が見つかり次第、1例目の手術に臨む方針だったが、実施体制を再構築中。グループ関係者は「3カ月で後任医師を確保できなければ、実施病院を変更して厚生労働省に再申請する可能性もある」としている。

 複数の関係者の話では、東京西徳洲会病院の実施責任者だった70代の男性医師が3月末で退職。責任者には移植認定医(または腎臓専門医)の資格や5年以上の腎移植経験などが必要で、要件を満たし同病院に常勤できる後任医師がグループ内では見つかっていない。6月末までグループ外でも求人する。

 関係者はドナー不足も懸念している。手術支援ロボット「ダ・ヴィンチ」を使った腎臓の部分切除が2016年度から保険適用になったことなどで、移植に利用可能な病気腎が減少。12日午後5時現在、ドナーは見つかっていないという。

 えひめ移植者の会の野村正良会長(70)=松山市=は「ようやく先進医療として認められ、期待して待っている患者さんがたくさんいるのに、中断してしまうのは非常に残念。一日も早く後任を決めて、移植ができるように体制を整えてほしい」と話した。

 グループ関係者は「後任医師を確保できたとしても、ドナーが増えなければ、厳しい状況は変わらない。グループ内外で臨床試験に参加してくれる病院があれば、出掛けて行って指導をするので、患者さんが病気腎移植を受けられる環境を残すために協力してもらいたい」と訴えた。

 厚労省によると、臨床試験は2月から9年間の予定で実施。4年間で42例の移植を目指し、手術後5年間で安全性や有効性を確認する。先進技術部分は患者の自己負担だが、一般医療と共通する検査代や入院費などには保険を使える。(多和史人)

                     2019413日(土)付愛媛新聞


「移植進める努力足りないのが問題」

週刊ポスト 透析中止問題、万波先生に聞く

NPO会報第31号(第47号)_e0163729_13220103.jpg 東京・福生市の公立福生病院で、人工透析の中止を選択して40代の女性などが死亡した報道が医療の在り方に一石を投じていますが、週刊ポスト(329日号)はこの問題で、宇和島徳洲会病院の万波誠先生へのインタビュー記事を特集し、先生の直言を引き出しています。                              

万波先生の結論は「透析中止判断は間違っていない」というもので、「移植を進める努力をしないで、透析でよしとする今の日本の医療の在り方が問題」としています。
 その通りですね。大事なことは患者を救う医療をいかに進めるかです。慢性腎不全の唯一の根治療法である移植医療に力を入れないで、「透析大国」に甘んじている日本の医療が、いつまでもこのままでいいはずはありません。国と医療界の怠慢であり、もっと本腰を入れて移植医療を進めなければいけないと思います。

 私たちもそうですが、透析患者の全国組織「全腎協」も、全国の移植者の会「NPO法人日本移植者協議会」も、もっと患者の立場に立って、声を上げていくべきです。(N





報第31

(通算47号)2019年

5月10

(金)発行

発行者 NPO法人移植への理解を求める会  理事長 向田 陽二

798-4101愛南町御荘菊川2290    電話085-74-0512

編集者                  副理事長 野村 正良

       〒791-8006松山市安城寺町1746-8    電話089-978-5434

発行所                  事務局長 河野 和博

       〒790-0925松山市鷹子町9282     電話089-970-3943


# by shufukujin-kaihou | 2019-05-10 13:26 | NPO会報31号(47号)