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緊急報告30.7.5 修復腎移植が先進医療に!


2018.7.6 itv Nスタ


緊急報告

修復腎移植が先進医療に!


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厚労省会議 条件付き承認、一部保険適用へ


徳洲会グループによる修復腎移植の先進医療申請が厚労省の専門家会議で5日、ようやく認められました。レシピエント(移植者)の選定委員に関係学会の推薦者を入れるという条件付きですが、これは問題なくクリアされる見通しです。
 最初の申請から7年、2007年にこの移植が禁止されてから11年。時間がかかり過ぎましたが、修復腎移植再開への大きな前進であり、徳洲会グループのご努力をはじめ、多くの団体、個人のご支援にあらためて感謝するとともに、先進医療の承認を皆さんと喜び合いたいと思います。

厚労省によると、徳洲会グループの宇和島病院と東京西病院で、9年間の予定で臨床研究を進め、4年間で42例の実施を目指し、5年間で安全性や有効性を確認するとしています。また、手術費用などを除く医療費が保険適用されるようになります。

今後は移植を待つ患者さんが一人でも多く救われるよう、一般医療としての早期再開を願いたいと思います。

それにつけても、これまで10年余り、先頭に立って移植医療を進めるべき学会の先生方が、一度も修復腎移植と真剣に向き合うことなく、その排除のために躍起となり、移植を望む患者を踏み付けにしてきた理不尽な態度は、忘れるわけにはいきません。先生方には深く反省し、二度とこのようなことがないよう、患者とともに歩む医療を進めていただきたいと思います。(写真:修復腎移植の先進医療申請を審議する専門家会議=5日・厚労省)



# by shufukujin-kaihou | 2018-07-07 18:16 | 30.7.5緊急報告 先進医療承認

緊急報告30.7.2 NHKETV特集・ドキメンタリー放映

30・7・2  緊急報告 NHKが修復腎移植の特番第2弾

緊急報告 

NHKが修復腎移植の特番第2弾

7月7日午後11時から、 Eテレで

  3月28日、NHK総合テレビ「ノーナレ」(ノーナレーションの意)で放映され、大好評だった特別番組「悪魔の医師か、赤ひげか~宇和島腎移植騒動の12年」。その第2弾として、7月7日(土)午後11時からNHKEテレで、宇和島徳洲会病院の万波誠医師らが進めてきた「修復腎移植」に再びスポットを当て、その真実に迫った特別番組(約1時間)が放映されます。

 2006年11月、宇和島徳洲会病院で起きた臓器売買事件の調査過程で、万波医師らの修復腎移植が明るみになると、「病気の腎臓を移植するなど、とんでもない」と、激しい万波バッシングを続ける日本移植学会やマスコミ。その批判に抗して、腎移植で命を救われた患者らが、万波誠医師支援のため、NPO法人移植への理解を求める会(事務局・松山市)を立ち上げ、修復腎移植の妥当性を訴え、10年余り、粘り強い運動を進めてきました。

その運動の広がりと、超党派の国会議員の会をはじめ、多くの団体、個人の後押しもあって、2007年に原則禁止されたままの修復腎移植は、昨年10月、厚労省の審査部会で条件付きながら、やっと先進医療として認められるまでになりました。

日常的医療としての再開が実現すれば、多くの透析患者を救済できる可能性を持つ修復腎移植と、患者救済のために努力を続けてきた万波医師らの真実の姿を知っていただくために、ぜひご覧いただきたいと思います。

修復腎移植 治療のために摘出した小さながんなどの腎臓を修復し、第三者に利用する移植医療。 


ETV特集HP       :http://www4.nhk.or.jp/etv21c/x/2018-07-07/31/11273/2259638/

               (71日より動画予告もご覧になれます)

NHKドキュメンタリーポータルサイト:https://www.nhk.or.jp/docudocu/program/20/2259638/index.html

               (前回「ノーナレ」への反響等もリンクからご覧いただけます)






# by shufukujin-kaihou | 2018-07-02 11:12 | 30.7.2緊急報告 NHKETV特集

NPO会報第28号(44号)


    


NHK総合テレビ 「ノーナレ」/ 悪魔の医師か赤ひげか(ノーカット版)

2018.3.28 OA
NHK総合テレビ・ドキュメンタリー「ノーナレ」(25分間番組)にて全国放送されました。
この動画は、前半約12分と後半約13分の2つに分けて掲載しています。

 


6月・松山で第10回定期総会

「愛媛大学の移植への取り組み」

愛媛大学医学部講師 宮内勇貴先生がご講演


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NPO法人移植への理解を求める会の平成30年度(第10回)定期総会と記念講演会を6月10日(日)午前11時から、松山市山越町の愛媛県男女共同参画センターで開きます。

記念講演会は当会の推進母体となっている、えひめ移植者の会(野村正良会長)との共催で、午後1時からの予定です。

定期総会では、前年度の活動報告、決算報告、本年度の活動計画、予算案などを審議します。 参加対象者の理事と正会員の方は、よろしくお願いします。

記念講演会の講師は、愛媛大学医学部附属病院泌尿器科講師の宮内勇貴先生(腎移植医)です。東温市志津川の同病院では県内の移植医療の提供体制充実を目指し、この4月から「臓器・組織移植センター」の運営を始めています。

移植医療に関わる診療科が連携し、患者の受け入れ体制を整え              

宮内 勇貴先生     るほか、不足する移植コーディネーターの育成に力を入れるということです。

講演では先生に、同大学の移植への取り組みや移植の現状などについてお話しいただく予定です。多くの方々の参加をお待ちしています。なお、講演会の後、同じ会場でえひめ移植者の会の平成30年度(第29回)総会があります。

宮内先生略歴 1972(昭和47)年3月、松山市生まれ。松山東高、愛媛大学医学部医学科卒。同学部附属病院、松山市民病院、市立宇和島病院、市立大洲病院、東京女子医科大学泌尿器科勤務などを経て、2011(平成23)年10月、愛媛大学医学部付属病院泌尿器科助教及び講師、現在に至る。医学博士。

日本泌尿器科学会専門医・指導医、日本臨床腎移植学会認定医、日本移植学会認定医、日本透析医学会専門医・指導医、日本泌尿器内視鏡学会泌尿器腹腔鏡技術認定医、日本内視鏡外科学会技術認定医(泌尿器腹腔鏡)、日本がん治療認定医機構がん治療認定医。

医学博士論文は「腎癌に対する加熱による腫瘍縮小効果の検討」。

著書に「腎移植におけるサイトメガロウイルス感染症対策(今日の移植)」「ABO血液型不適合移植の治療法と管理について(最新透析医療 先端技術との融合)」など

高校時代からラグビーに親しみ、少し前まで学生のOB戦などで試合にも出場。


            <第10回定期総会と記念講演会日程> 

○総  会 午前11時~正午

    平成29年度活動報告/決算報告・監査報告

    平成30年度活動方針案予算案審議 /その他

○記念講演 午後1時~2時 

講 師 宮内 勇貴先生(愛媛大学医学部附属病院泌尿器科講師

      テーマ 「愛媛大学の移植への取り組み」

      問い合わせ 河野和博事務局長まで。電話089-970-3943  

○質疑・意見交換会

 

ノーナレ「悪魔の医師か赤ひげか」

NHKの修復腎移植特番好評

3月28日夜、総合テレビで全国放送


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万波先生らが取り組んでこられた修復腎移植の問題を検証する特別番組が3月28日夜、NHK総合テレビの「ノーナレ」(ナレーションなしの意)で、全国放送されました(午後10時50分から25分間)。

タイトルは悪魔の医師赤ひげか」学会やマスコミの激しい批判にさらされてきた修復腎移植が厚労省の審査部会で先進医療として認められるまでの10年余りを振り返り、関係者の証言などによって、分かりやすく解き明かした番組です。視聴者に大変好評で、4月15日深夜、再放送されました。

NHKのホームページから、番組の内容や制作したディレクターの思い、視聴者の感想などを紹介します。


<番組の内容>

宇和島市の万波誠医師は2006年、日本初の臓器売買事件で身に覚えのない関与を疑われた。さらに腎臓の病変を取り除き移植する修復腎移植を行っていたことでマスコミや学会から「人体実験」と猛烈なバッシングを受けた。一方、患者たちは万波医師の活動継続を訴え続け、国は修復腎移植を条件付きで認める方向に転換するまでに。医療の最前線で揺れ動く正義とは? 万波医師、批判の急先ぽうにたった医師、雑誌記者などの証言で描く。

                    ◇

病気(修復)腎移植を支持する生命倫理学者・粟屋剛は「うつってもいいから腎臓が欲しいという人の願いを、なぜ叶えてあげないのか。それは患者の自己決定だと思う」と話す。
 2007年2月、患者団体は病気腎移植の再開を求めて6万人の署名を集めた。
 病理学者・難波紘二は、病気腎移植について42例全てを追跡確認。修復腎(移植)の生着率は、生体腎・45%、病気(修復)腎・40%、死体腎・16%だった。
 病気(修復)腎は10年以上、一般の医療としては認められてこなかった。
 2017年10月、病気腎移植について厚生労働省の専門家会議は、医療費の一部が保険適用となる先進医療に条件付きで承認できるとする見解をまとめた。
 万波医師を批判していた大島医師は、「本当に大事な問題はドナーをどうやって増やすか。こんな議論、全然できないまま10何年過ぎた。1年か2年で、エネルギーをそちらの方になぜ向けられなかったのかという風に思う」と話す。
 万波移植を追跡調査した病理学者・難波紘二、万波医師を批判した日本移植学会副理事長(当時)・大島伸一、宇和島徳洲会病院泌尿器科医・万波誠医師のコメント。


 <番組ディレクターの思い>

【この番組を企画したきっかけは?】

新聞記者の友人から「愛媛といえば、万波先生というお医師さんと腎臓移植をめぐる騒動が

あった」と聞いたことがありました。当時、激しい批判を浴びていた報道が頭にかすかに残っていた一方で、患者さんたちに話を聞くと、「患者のことしか考えていない先生だ」と口を揃えて話されていました。どんな方なのか、興味と不安が入り交じる中で、勇気を振り絞って、万波先生に取材を申し込みました。

 【番組の見どころは?】
 騒動から12年。渦中にいた万波医師、その万波医師を「人体実験」と激しく批判した元日本移植学会幹部の大島伸一医師、それぞれが、当時騒動の中で考えていたことを率直に語って下さいました。
人間の行為を単純に「善」「悪」で割り切ることはできるのか?誰がその分断を生んだのか?
そして、立場を超えたときに見えてくるものとは・・・

 【見てくださる方に一言】
 私たちがこの取材を続けている半年ほどの間にも、テレビや新聞では、あまたの“悪者”と

“ヒーロー”が生み出され、世間を賑わせていました。そうした伝え方は、私たちの社会を本当に豊かにしているのか?そんなことを考えながら見ていただければ幸いです。
                          (番組ディレクター 池座 雅之)


<みんなのレビュー>(視聴者の感想)

▼過去の重大な出来事をきちんと誠実に取材されていて、問題提起もしつつ、とてもすばらしかったです。この番組、もっと続けてほしい。(まいきぃ)

▼大島先生の十数年なんだったんだろう、とのコメント、涙がでました。(chao

▼非常に良質な番組でした。あの病気腎騒動の後、当事者たち、あらゆる立場の人たちを取材し、何が正しかったのか、ストレートに伝わり、また、深く考えさせられました。(まあや)

▼当時は報道を鵜呑みにし何も疑わなかった。この12年間の経過を知れた事に感動。内容を理解した上で、もう一度見たいです。再放送をお願いいたします。(鵜)

▼重い重い主題で避けていた方が楽だろうが、非常にいろいろ考えさせられた。NHKにはこういう番組を作る創意と勇気を途切れさせないようにしていただきたい。とても良い番組。(殿)

▼「がんの腎臓を移植するなんて、ひどい先生」と、偏見と誤解で見られていた万波先生と修復腎移植。それがこの番組で分かりやすく解き明かされ、「万波先生って、患者思いのすばらしい先生なんだ」と視聴者の方々に分かっていただけたのではないかと思います。短い時間枠で、修復腎移植の事情をコンパクトに紹介した、すばらしい番組です。(MN)

▼医師としての信条、時の風潮に流されやすいマスメディアの報道の在り方等、改めて考えさせられました。(ミケランジェロ)

▼医療や科学に関する一方的な報道は、本質を見失ってしまう(八幡)

▼私は断然、赤ひげ先生だと感じました。眼の前で苦しむ患者さんを見てはおれん。医者として出来ることがあれば最善であろうと思える事を尽くす。それが医師としての倫理の根幹で、外野は黙ってろ。批判をした学会のお偉いさんも実は赤ひげ先生を内心羨ましかったのではないかと感じました。地位が上がる程保守的になるのは否めないが、人の命が掛かっているのに決断をされ実行された凄い。(カイアシ)

▼偶然の視聴でしたが、身に詰まされる内容で就寝直前の時で最後まで視聴しました!どちらかと言えば、赤ひげに傾きます。人一人の掛け替えのない人生に、医者も人生を掛けて命の重みに全力で向き合っている信念が感じられた内容でした。(コガラちゃん)

▼私の祖父は、万波先生の手術で助けていただきました。親族や知人にも同じく命を救われた人がいます。万波先生は純粋に人を助けたい、救いたいと真摯に思っている医師であり、職人でもあるように思います。地元では評判の高い万波先生の腕を信じて、診療を希望している患者さんが続々います。それが真実に思えてなりません。(mikan

▼臓器売買事件により、病気腎移植という先進的な医療を行っていたことが発覚したため、この移植も悪と見なされた観があります。このため日本の移植医療が思考停止となり、今日に至っていることが、よくわかりました。(ルル)

報道しっぱなしの現場の完結をみた。当時は悪いことと記憶してたけど、今は正しいことになっている。常識って何なのと考えさせられた。(しろ)

▼NHK 見直しました。ただ一言 究極の報道です。世に真実を判断する絶対の存在はありません。おそらく自分自身にもないと思います。あるのは信念と慈悲の想念、使命感のみなのでしょうね。批判は易いけれど芥川は、世に正義ほど怖いものはない、正義はひとを殺す、と言いました。 まさにその通りだと思います。(ゲンキカトちゃん)

▼見ることができて本当に良かった。夫にもみてほしいので再放送をお願いしたい。(ベンジャミン)

今、目の前で苦しんでいる人を助けたい」という純粋な気持ちで、病気(修復)腎移植した万波先生を責める気持ちは無い。「人体実験」だと言った大島先生も立場上、そうとしか言えなかったのも分かる。10年後の生着率を見れば、明らかに間違った事をしていなかった事がはっきりした。やっと時代が、万波先生に追いついた。これで、患者さんの命が少しでも永らえたら、それでいい。(みっちゃん)


 経済紙コラムから                                 

病腎移植は万波医師の完勝に!

NHK「ノーナレ」臓器売買騒動を検証

肉体労働で月給250万円! 者がすぐに豪邸を建て、高級車が趣味…。これはNHKが放送したドキュメンタリーの一幕だ。荒海で松葉ガニを漁獲する漁民の、欲と危険を「荒海ゴールドラッシュ」の題で描いていた。ナレーション抜きの「ノーナレ」という手法で。

3月28日放送の「ノーナレ」は「『悪魔の医師』か『赤ひげ』か」だった。宇和島徳洲会病院の万波誠医師(77)が主人公。1977年以降、腎臓移植に取り組み、推定で1200例を手術した。医師個人としては世界一の症例(本県の患者団体の話)と推定される。

ところが2006年10月、宇和島市内で日本初の臓器売買事件が露見した。1か月後には、病気摘出の腎臓を移植し、医師は「人体実験」と集中攻撃された。それから12年。あの騒動は何だったのかと、渾身のドキュメントだ。


売らんかな週刊誌、逮捕も期待

番組は宇和島漁港などで「万波医師を知っていますか?」と問いかけるシーンでスタート。前任の市立宇和島病院へ赴任してから47年経ち、知名度は市長より高い。会社役員の患者が、腎提供の女性と金銭トラブルが表面化し、万波医師にも仲介の疑いがあるとして、大騒ぎに。週刊誌は「『狂った神の手』を追い詰めた…万波医師の猟奇的犯行」などと書き立てた。

日本移植学会など4団体が「病気腎移植は医学的に考えられない」と声明を発表する映像も。もちろん同医師は逮捕も起訴もなかったが、圧倒的に不利な状況だった。厚労省は2007年7月、臓器移植法の指針を改正し、病腎(修復腎)移植を原則、禁止した。

週刊誌記者が取材に応じていた。「(万波医師は)サンダル履き、ポケットに手を突っ込み、キャラとして(取材対象としても)魅力あふれる人。名前もいい。…逮捕してもいいんじゃないか」と、雑誌を売るネタにしたと吐露していた。

万波批判の急先鋒だった大島伸一医師(当時、移植学会副理事長)は、病気腎移植を「ルールから外れた医療」と言いつつも「人体実験などの言い方はヒステリックだった」と反省の弁を漏らした。


ドナー足りず苦渋の廃棄腎使用

糖尿病性腎症などで、人工透析を受けている患者は全国で32万人いる。体に合わない人も多い。1万2000人が移植を希望しているが、圧倒的にドナー(臓器提供者)が少ないのだ。万波医師は苦しむ患者を目の当たりにして「今度の症例で最後にしたい」と苦しんだとか。それで治療で摘出した腎臓からがんを除き、縫合して腎不全患者に移植した。「ひょっとしたら何年か先に、がんが出てくるかもしれないよ」と念を押して…。

病理学者によると、悪性リンパ腫や膠細胞腫などの病気以外は、がんは別人では発生しにくいそうだ。患者にとって、透析を止めると1週間で命が危ない。将来のおぼろげな危険性よりも、リスク承知で腎臓が欲しい。番組は娘の片腎を摘出し、父親に移植する手術を写したが、廃棄腎があるなら健康体にメスを入れなくても済む。

番組は2017年10月20日付の「愛媛新聞」1面トップ「病気腎移植 先進医療 条件付き容認」を写し出した。それまでの10年間に、病腎を安全化する薬(?)が開発された訳ではなく、客観的な条件も一切、変わっていない。万波医師や患者団体側が、最初から正しかったのだ。


失われた10年、患者と国民が損

実は病腎移植はそれまでも行われていた。愛媛新聞社編集委員だった野村正良氏(69)は2000年8月、重度ネフローゼ(腎臓病)で摘出した病腎の移植を受けている。個々の免疫タイプが違うので、野村氏にネフローゼは発症していない。今も元気に「えひめ移植者の会」会長として活躍中だ。同紙が野村氏から十分に聴取したなら、論調はかなり違っただろう。

なお現在は移植した病腎にがんが見つかった場合、DNA検査でドナー由来のがんか、被移植者の体で発生したのか究明できよう。ただ42例の病腎移植に明瞭な発生例がない(番組)ので分からない。

この番組に大島副理事長(当時)以外、病腎移植に反対した移植学会の医師は登場していない。でも騒動の真の敗者は、移植学会ではなく、腎不全患者と全国民だ。

これまでの10年間、活用できたはずの摘出腎が捨てられ、移植を受けないまま他界した人がいただろう。国民も、1人年間500万円かかる透析費用を税金で負担させられた。無駄に費やした10年間を痛感させた番組だった。(客員論説委員・宮住冨士夫)

            (愛媛経済レポート20184月23日号・よもやまジャーナル)


 新聞報道から                                     

入院仲間(エッセイ)  ――――― 久間 十義

6年前、腎臓病(ネフローゼ)を患って東京都杉並区の河北総合病院に2カ月ほど入院した。地域の中核病院だけあって、そこには近隣の患者が集まってきていて、実にフレンドリーな入院生活を送った。今でもそのときの年齢を超えた「入院仲間」との交遊が続いている。

 特に仲がいいのは櫻井武憲さんと佐藤良典さん。フェンシングの猛者である櫻井さんは、私が出た札幌の高校の先輩と判明。以来、すっかり甘えてお世話になっている。佐藤さんは「ウィザードリィ」というゲームソフトの日本版の製作者で、中国や韓国に進出して会社を経営していたが、帰国した折に病魔にとりつかれた。

 お二人とも透析生活に入り、佐藤さんはその後、生体腎移植手術を宇和島の徳洲会病院で受けることになった。「修復腎移植」で知られる万波誠医師の病院である。この手術をテーマに私が2014~15年に本紙朝刊に連載した「禁断のスカルペル」は万波先生の手術を受けた佐藤さんの勧めによって執筆した。今秋には文庫になるが、河北病院の「入院仲間」が背中を押してくれたからこそ書けたものと感謝している。

 櫻井さん、佐藤さん、近々、また近場の温泉に行きましょう。あと、同じく「入院仲間」の玉枝ママの酒場に繰り出して、カラオケもいいかな!(ひさま・じゅうぎ=作家)

                

(日本経済新聞5月1日付28面<文化面>)

報第28号

(通算44号)2018年

5月15日(火)発行

発行者 NPO法人移植への理解を求める会  理事長 向田 陽二

798-4101愛南町御荘菊川2290    電話085-74-0512

編集者                  副理事長 野村 正良

       〒791-8006松山市安城寺町1746-8    電話089-978-5434

発行所                  事務局長 河野 和博

       〒790-0925松山市鷹子町9282     電話089-970-3943


# by shufukujin-kaihou | 2018-05-17 16:50 | NPO会報第28号(44号)

NPO会報第27号(43号)

      NPO移植への理解を求める会 会報第27号       

2018.3.28 OA
NHK総合テレビ・ドキュメンタリー「ノーナレ」(25分間番組)にて全国放送されました。
この動画は25分番組のうちダイジェスト版で約9分間です。

愛媛の移植40年を祝う

平成29年11月・宇和島 盛大に講演会と祝賀会

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昭和52年に市立宇和島病院で万波誠先生(現宇和島徳洲会病院)が愛媛初、四国でも初の腎移植を実施してから40年を迎えたのを記念して、NPO法人移植への理解を求める会と、えひめ移植者の会は昨年11月26日、JR宇和島駅ビルのホテルクレメント宇和島で記念講演会と祝賀会を開きました。

直前の10月19日には、徳洲会グループによる修復腎移植の先進医療申請が、厚労省の3度目の審査部会で条件付き承認となったことから、そのお祝いを兼ねた会となりました。

来賓の岡原文彰宇和島市市長をはじめ、移植医療に関わってこられた関係者の方々、両会の会員など約60人が参加。東京や広島、岡山など県外からも多くの方々がかけつけてくださり、盛大な記念イベントとなりました。

まず福田康彦先生(医療法人たかし会理事長、尾鍋外科病院院長=広島市)のご講演「愛媛の移植40年に思う」の後、祝賀会となり、万波先生や近藤俊文先生(市立宇和島病院名誉院長)らが愛媛を全国有数の移植先進県に育て上げ、多くの患者さんを救ってきたことに感謝と敬意を表すとともに、修復腎移植の先進医療承認を喜び合いました。

会場は終始和やかな雰囲気で、万波先生も積極的に発言され、大いに盛り上がりました。


  記念講演要旨                                   

「愛媛の移植40年に思う」

      医療法人社団たかし会尾鍋外科病院理事長・院長 福田和彦先生

 私は和田心臓移植が行われた昭和43年(1968年)に広島大学医学部を卒業いたしました。日本において臓器移植がまさに始まろうとする時期に医師となったわけです。そのころ広島の地では土肥雪彦先生(広島大学名誉教授)がアメリカ留学から帰国されて、血液透析を他の県に先駆けて土谷病院で始められていました。私は土肥先生の下で血液透析を学ぶ傍ら、腎臓移植の準備のお手伝いを始めていました。そして昭和46年(1971年)、今から47年前、広島大学第二外科で土肥先生を中心とした移植グループに加わり、第1例目の生体腎移植を行い、中四国地方初の成功例になりました。

 ▼愛媛の移植5例目までお手伝い

1977年に宇和島市民病院で万波先生は四国での第1例目の腎臓移植を実施されましたが、医学生時代から面識のあった万波先生と近藤先生(当時の宇和島市立病院副院長)から支援要請があり、5例目までの腎臓移植のお手伝いを土肥先生と一緒にさせていただきました。当時は良い免疫抑制剤が無いため、血液型、組織型がなるべく合った家族を選んでドナーになってもらうことが非常に大切でした。

私は臓器移植のための組織適合試験を研究対象にしていましたので、宇和島から送られてくる多くの血液を検査して、適切なドナー選択の結果を万波先生に報告するのが仕事でした。その後、宇和島市立病院の中で検査できる体制づくりをお手伝いして私のお役目は終わりました。

宇和島は今や腎臓移植のメッカに

 その後の万波先生と瀬戸内グループの腎臓移植への目覚ましい取り組みは、中四国臓器移植研究会などで聞き及んでいました。2015年度の愛媛県の腎移植件数は79件で、広島県の36件、岡山県と山口県の21件をはるかに凌駕する実績を上げておられます。また、2013年に万波先生は1000例の腎臓移植を達成されていますが、恐らく個人では日本で最も多くの腎臓移植を手掛けている医師と思います。

 この宇和島の地が今や腎臓移植のメッカになった感がある事実は、地方の、地域の、そして辺境の使命感に燃えた優れた医師たちの存在こそが、地域医療の根幹であることを改めて認識させられました。その地域には、医師たちを応援し、支援する市民、施設、風土が備わっていたに違いありません。少子高齢化に伴う医療の過疎化への究極の答えを宇和島の腎臓移植は暗示しているように思えてなりません。

 

 ▼大きな曲がり角、日本の臓器移植

今、日本の臓器移植は大きな曲がり角にあります。その理由の一つは他国で臓器移植を受けることが難しくなりつつあり、ドナーは自国で提供することが求められていることです。また、腎臓移植を必要とする透析患者の増加を許容できる経済状態ではなくなり、腎臓移植の増加が国家的命題になりつつあります。

2010年の臓器移植法の改正、アメリカでの小児心移植への保険適応、そして修復腎移植の先進医療としての認可など、従来では考えられない矢継ぎ早の対策を国は打ち出しています。ただ、それらは国民的議論もなく、理念を欠いた目先対応にすぎないとも感じられます。再び国は臓器移植対応を誤った方向に導くのではないかと危惧しています。

 臓器移植の分野だけでなく、もはやこの国の社会福祉、医療は国に任すのではなく、地域で考えざるを得ない時代になっています。腎臓移植もドナー腎が全国から贈られてくることは期待できず、自分たちの地域で腎提供をしていただくほか、ありません。愛媛県は生体腎移植が大半であり、今後は死後の腎提供を促進する必要があると思います。また、中国四国で広域的、かつ密な連絡網をつくりあげて互いに腎臓移植推進に協力することも大切だと思われ、微力ながら私も尽力したいと考えております。

 貴県のますますの臓器移植推進を祈念して講演を終わります。ありがとうございました。

           (この講演要旨は、福田先生にお願いし、まとめていただきました)

    ……………………………………………………………………………………………

 ふくだ・やすひこ 昭和18年10月、山口県柳井市生まれ。同43年、広島大学医学部卒業。同医学部第二外科助教授、同臨床教授などを経て、平成15年、県立広島病院副院長(救命救急センター長、腎臓総合医療センター長兼務)。同21年、JA広島総合病院院長、同24年、同名誉院長、特別顧問。同25年から医療法人たかし会理事長・尾鍋外科病院(広島市)院長。ほかに、ひろしまドナーバンク評議員。広島県で草分けとなる臓器移植に携わる傍ら、消化器外科、血管外科、透析の専門医としても数多くの手術を経験。医学博士。著書に「腎移植の知識」など。

    ……………………………………………………………………………………………

<次ページに、記念講演会の模様を報道した愛媛新聞記事(11月27日付4面>

 

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  話   題                                                                      

NPO会報第27号(43号)_e0163729_14250718.jpg臓器移植と修復腎移植推進を訴え

2月県議会 代表質問で県議の横田弘之先生

2月27日に行われた2月定例愛媛県議会の代表質問で、県議の横田弘之先生(愛媛維新の会代表)が40年の節目を迎えた愛媛の移植医療と昨年10月、厚労省の審査部会で先進医療に認められた修復腎移植の推進を訴えました。
 横田先生はえひめ移植者の会とNPO法人移植への理解を求める会の顧問のお一人で、特にえひめの会では発足以来、30年お世話になっています。この問題を議会で取り上げていただき、心より感謝を申し上げたいと思います。

この日、先生は、安倍政権の外交姿勢や愛媛の文化・スポーツへの取り組みなど5項目を取り上げ、それらの中で3番目に、移植医療の推進の問題について質問しました。

横田 弘之先生    これに対し、理事者側(山口真司保健環境部長)から「修復腎移植の今後の先進医療の進展を注視しながら、引き続き関係団体と緊密に連携し、一人でも多くの患者が臓器移植を受けられる環境づくりに取り組んでいきたい」と前向きの答弁がありました。 

「修復腎移植推進と理解を広める活動を」

<横田先生の質問(全文)

愛媛県は全国有数の移植先進県として知られています。その背景には、献身的に移植医療に取り組み、多くの患者さんを救ってきた、宇和島徳洲会病院の万波誠医師と、万波医師を支え、長年、移植の環境づくりに奔走してきた市立宇和島病院の元院長、現在、名誉院長の近藤俊文先生の大きな功績があります。

アメリカで腎移植術を学んだ万波医師は昭和52年、市立宇和島病院で四国初の生体腎移植を手掛け、以来、現在までに千数百例の腎移植を実施してこられました。現在、宇和島徳洲会病院に勤務し、77歳になる今日も現役で、年間50例近くの腎移植を執刀しており、まさに超人的な医療活動をされています。

昨年12月には、万波医師が市立宇和島病院で第一例目の腎移植を執刀してから40年の節目を迎え、患者会の主催により、宇和島市で記念講演会と祝賀会が盛大に開かれ、万波医師や近藤名誉院長の功績をたたえました。 

ところで、12年前の平成18年には万波医師が執刀した腎移植患者が臓器売買容疑で逮捕されるという不幸な事件が起きました。その調査過程で、治療のために取り出した腎臓を修復して他の患者に移植する、いわゆる修復腎移植を進めていたことが明らかになり、日本移植学会から「ありえない医療だ」などと批判され、「事件」としてマスコミをにぎわせました。

この移植はすべて当時の厚生省に保険申請し、正当な手続きのもとに承認されてきたものでしたが、学会に追随した厚労省が翌年、この移植を禁止し、「不正請求」のかどで、万波医師の保険医取り消しと関係病院の保険診療停止の方針を打ち出しました。

ご縁があって、「移植者の会」の顧問であった私は当時、県議会議長でありましたので、厚労省に出向きました。かつて私が厚生大臣秘書官を務めていたころの古い友人たちが事務次官や局長などの要職にありましたから、面会のうえ、経過を説明し、保険診療停止の解除を求めましたが、一定期間のペナルティーはやむを得ないだろうとの返答でありました。

そこで患者団体が急きょ、万波医師を支援する「移植への理解を求める会」を結成し、修復腎移植の妥当性と早期再開を訴える全国的な活動に乗り出し、さあに国会議員による「修復腎移植を考える超党派の会」をはじめ、愛媛、香川、宮城の各県議会が厚労省に修復腎移植の推進を求める意見書を提出するなど支援の輪が広がりました。

厚労省はこれらの事情を踏まえ、事実上、万波医師や関係病院の処分を断念し、臨床研究を促す通達を全国の都道府県に出すなど態度を一変させました。これを受けて徳洲会グループは臨床研究として修復腎移植を再開し、患者さんの救済にも一役買ってきました。

一方、この修復腎移植は、海外の学会から「ドナー不足を解消するすばらしい医療」として称賛され、特にアメリカでは一昨年4月から、国を挙げて修復腎移植の推進を始めました。

こうした中、徳洲会グループは、一昨年の6月、修復腎移植の早期再開に向けて厚労省に先進医療指定の申請をし、昨年10月、3度目の審議で条件付きながらやっと承認されました。禁止から11年目にして、再開への道筋が見えてきたのであります。

しかしながら、国内の移植を取り巻く環境は厳しく、平成22年の改正臓器移植法施行で、臓器提供条件が大幅に緩和された後も、深刻なドナー不足が続いています。献腎はむしろ減少傾向で、透析患者は全国に33万人、毎年、5千人ずつ増えており、県内においても4千人いるといわれ、年々増えています。透析患者は週3回の通院、1回4時間の治療を受ける必要があり、患者の生活への負担感は多大であります。

完治は腎移植しかありませんが、移植希望登録者は約1万2千人に上り、平均16年待ちとされ、大半は親族からの生体移植に頼っているのが実情であります。

腎移植数を増やし、一人でも多くの透析患者を救うためには、臓器提供者を増やすことが不可欠であり、多くの国民に腎移植に対する理解を深め、移植を待つ多くの患者がいることを知ってもらうことが重要です。

そこで、献腎の呼びかけはもちろん、多くのドナーが期待できる修復腎移植の再開と、理解を広める活動が望まれています。

そこでお伺いいたします。県では多くの患者が待ち望む腎移植をはじめ

とする移植医療の推進について、どのように取り組んでいるのかお聞かせください。

「先進医療の進展注視し環境づくり進める」

 山口保健環境部長の答弁(全文)>

平成22年の改正臓器移植法施行により、提供者の年齢要件が拡大されますととともに、ドナーの家族の承諾で臓器提供が可能となるなど、移植医療を取りまく環境整備は進んでまいりましたが、平成9年の法制定後、脳死判定に基づく提供者数は県内で4件、全国でも510件程度にとどまっておりまして、臓器移植が広く普及するには至っていないのが現状であります。

県では移植医療の普及を図るため、関係団体等と連携し、意思表示カードを広める街頭キャンペーンや医療機関への啓発活動などを通じて、県民の理解促進に取り組んでおりますほか、ドナー発生時の円滑な移植医療体制を確保するため、県臓器移植支援センターと移植関連病院との連携協力体制を整え、移植を待ち望む患者の支援に努めているところでございます。

移植医療は提供者の善意の臓器提供があってはじめて成り立つ医療でございまして、その推進に当たっては、県民の理解と協力が不可欠でありますが、修復腎移植は臓器提供者の拡大に寄与する可能性を持つものと考えておりまして、県といたしましては、今後の先進医療の進展を注視しながら、引き続き関係団体と緊密に連携し、一人でも多くの患者が臓器移植を受けられる環境づくりに取り組んでまいりたいと考えております。


NHKが修復腎移植の特番

「悪魔の医師か赤ひげか」3月28日夜、放送


http://www4.nhk.or.jp/P4253/

万波先生らが取り組んでこられた修復腎移植にスポットを当てた特別番組(25分)が、3月28日午後10時50分から、NHK総合テレビの「ノーナレ」(ナレーションなしの意)で、放映されます。松山放送局の制作で、タイトルは「悪魔の医師か赤ひげか」。

2006年、修復腎移植が臓器売買事件の調査過程で明るみになって以来、学会やマスコミのバッシングを浴びてきましたが、患者会などがその正当性を訴え続け、11年後、やっと先進医療として認められることに。その過程をナレーションなしで、関係者の証言によって検証するというドキュメンタリー番組です。ぜひ皆さんに、ご覧いただきたいと思います。


報第27

(通算43)2018年

3月26日(月)発行

発行者 NPO法人移植への理解を求める会  理事長 向田 陽二

798-4101愛南町御荘菊川2290    電話085-74-0512

編集者                  副理事長 野村 正良

       〒791-8006松山市安城寺町1746-8    電話089-978-5434

発行所                  事務局長 河野 和博

       〒790-0925松山市鷹子町9282     電話089-970-3943


# by shufukujin-kaihou | 2018-03-26 14:46 | NPO会報第27号(43号)

NPO会報第26号(42号)

      NPO移植への理解を求める会 会報第26号       


愛媛の移植40年記念講演会

11月・宇和島 福田康彦先生(広島)がご講演

NPO会報第26号(42号)_e0163729_14444015.jpg今年は臓器移植法が平成9年7月に施行されてから20年を迎える節目の年ですが、愛媛県の移植関係者にとっては、もう一つ記念すべき年に当たります。

すなわち昭和52年12月、市立宇和島病院で県内初、四国でも初めての腎移植が実施されてから、40年を迎えることです。

当時、同病院の院長だった近藤俊文先生(現名誉院長)や泌尿器科医の万波誠先生(現宇和島徳洲会病院泌尿器科部長)らがこれまで移植医療の推進に奔走され、愛媛県を全国有数の移植先進県に育て上げられました。おかげで多くの患者の皆さんがその恩恵を受けてきました。

先生らに感謝込め祝賀会も

そこで、えひめ移植者の会と、当会が推進母体となっているNPO法人移植への理解を求める会では、県内で移植医療に関わってこられた先生方やスタッフの方々にあらためて感謝の意を表し、下記の通り、記念講演会と祝賀会を開くことになりました。

 ぜひ多くの皆さんにご出席いただき、ご交流いただければ幸甚です。        

と  き 11月26日(日)午後1時~4時

と こ ろ ホテルクレメント(JR宇和島駅ビル)

内  容 講演会 午後1時~2時

      講師 福田康彦先生(医療法人たかし会理事長・尾鍋外科病院院長)

演題「愛媛の移植40年に思う」(仮)

       祝賀会 午後2時~4時

 費 5、000円(講演会は無料)

 催 えひめ移植者の会、NPO法人移植への理解を求める会、

問い合わせ えひめ移植者の会事務局 野村まで 

携帯090-7626-0240 FAX 089-978-5434

 <福田康彦先生略歴> ふくだ・やすひこ 昭和18年10月、山口県柳井市生まれ。同43年、広島大学医学部卒業。同医学部第二外科助教授、同臨床教授などを経て、平成15年、県立広島病院副院長(救命救急センター長、腎臓総合医療センター長兼務)。同21年、JA広島総合病院院長、同24年、同名誉院長、特別顧問。同25年から医療法人たかし会理事長・尾鍋外科病院(広島市)院長。広島県で草分けとなる臓器移植に携わる傍ら、消化器外科、血管外科、透析の専門医としても数多くの手術を手掛ける。医学博士。著書に「腎移植の知識」など。

 新聞報道から                     

 昭和52年12月21日、市立宇和島病院で愛媛県内初、四国でも初の腎移植が行われたことを報じた愛媛新聞の翌年1月25日付記事と執刀した万波先生の紹介記事(いずれもコピー)を入手しました。その内容をご紹介します。(記事では移植者の男性とドナーの母親を実名で紹介していますが、個人情報のため、伏せました)

  四国で初のジン臓移植 

宇和島市立病院で母親から青年へ

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 宇和島市立病院(西河直院長)で、このほど四国でも初めてのジン臓移植手術が行われた。尿毒症の青年に母親から摘出したジン臓を移植したところ、拒絶反応も起きず、経過は良好。二月下旬には退院して社会復帰できる見通しとなった。

 ジン臓移植手術を執刀したのは同病院泌尿器科の万波誠医長(三七)。手術を受けたのは東宇和郡明浜町の団体職員Aさん(二)。四、五年前に慢性糸球体ジン炎を患い、尿にタンパクが出るなどジン臓機能が低下。昨年五月ごろには尿毒症を併発、体がむくんだり、ちょっとした運動で息切れがするなど重症となった。このため同病院で受診してすぐに入院、人工ジン臓で透析を受けていた。このままでは社会復帰が困難なため、万波医長のすすめで手術を受けることを決意した。

 同病院では昨年12月上旬、Aさんと母親(五六)=健康体=からそれぞれ採取したリンパ球を混合して培養。約一週間たっても培養液に拒絶反応が見られなかったことから、母親のジン臓を摘出することに決めた。

昨年十二月二十一日、Aさんと母親が同病院三階の手術室で、まず母親の左ジン臓を摘出。洗ったあと、Aさんの右側腸骨部(盲腸付近)にそう入、血管や輸尿管などを結び合わせ、手術は約五時間で終わった。そのあと拒絶反応を弱める副ジン皮質ホルモンなどを投与して、経過をみた。

母親のジン臓はAさんの体内でも正常に働き、尿を分泌しはじめた。手術から1カ月たった今でも拒絶反応が起こらず、Aさんは普通の人と同じ体に回復。

万波医長によると、急性の拒絶反応は術後三カ月以内に、慢性のものも五年以内に発生する可能性がある。今は少しずつ拒絶反応をおさえる薬を減らしている段階で、二月下旬までは入院が必要。三月以降は職場で平常勤務ができ、酒もたばこも飲めるようになるという。

人間にはジン臓が一対備わっているが、片方だけで十分機能が果たせる。母親も十二月末に退院、普通の生活を送っている。ジン臓移植は四十年ごろ、拒絶反応を防ぐ薬が開発されたため、成功例が増えているという。

万波医長の話 同僚の土山憲一医師が免疫反応を調べ、投薬に注意してもらったので、うまくいった。手術後の十日ほどは〝いつ拒絶反応が起きるか〟と心配して夜も眠れなかった。Aさんは薬の作用で体に抵抗力がない状態。もうしばらく様子を見たい。




<スポットライト> ジン臓移植手術を執刀した万波誠先生

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「手術そのものは、そんなに難しくありません。だがジン臓手術が少ないのは、拒絶反応に対す抜本的な方策が未開発だからなのです。今回の移植はやむにやまれないものでした。入院患者(二九)が諸条件から長くは人工透析が受けられないこと。本人は移植を希望したことなどで最善を尽くそう-と手術をしたわけです」と謙虚そのものの答え。

 「手術の前に一週間ほどかけて、ジン臓提供者の母親(五六)=健康体=と患者の間で、拒絶反応の有無を調べました。幸運にもほとんど拒絶反応があらわれなかった。患者にも手術に耐える体力がありましたから…。今回はイムランとプレドニンという薬で拒絶反応を抑えましたが、同時に患者の病原菌に対する抵抗力もおちています。早く良い薬を開発してほしいものですね」と願っている。

ジン臓機能に障害が起き、透析(人工ジン臓使用)によって、延命している人は多い。移植の成功はこれらの人にとって大変な福音になっている。

 岡山県に生まれ、山口大学医学部卒。山口県徳山市立病院に一年間勤務したあと、四十六年から宇和島市立病院泌尿器科に勤めている。白衣を着て〝医者らしく〟ふるまうのが嫌いな性格。白衣姿は手術や回診のときだけ。「どうも、これだけは〝拒絶反応〟がありまして…」と笑う。

 真冬でも裸足にスリッパばき。古い荷物用の自転車で通勤。クシを入れない頭に、岡山弁まる出し。患者と間違われることも多い。

 岡山県閑谷(しずたに)高校在学中は野球部のレギュラー。一塁手で四番を打っていた。現在でも病院の三番バッター。宇和島ではスキューバ・ダイビングを覚え、ボンベを背負っては宇和海に飛び込んでいる。研究熱心。「気合が入った」お医者さんである。三十七歳。





 講演要旨                                                 

中国の「臓器狩り」について

国際人権弁護士 デービッド・マタス先生

NPO会報第26号(42号)_e0163729_14534203.jpg私も他の調査者も、中国は数十万人の規模で移植用臓器を収奪するために良心の囚人を殺害しているという結論に達している。主な犠牲者は精神修養を基盤とした気功である法輪功の学習者だが、ウイグル人、チベット人、家庭教会の信者も含まれている。大量の証拠にあたり導かれた結論である。われわれが発表した数冊の本や原稿は数百ページにのぼり、脚注は数千項目に至る。

臓器狩りを通して大量虐殺が行われているという結論に至った数多くの証拠のなかの一つとして、その予防措置が中国内外で一切取られなかったことが挙げられる。移植技術を開発し広めた者は、それが良心の囚人を殺害するために利用されるとは想像もしなかったと確信する。このため予防措置はなかった。

われわれの最初の研究報告が発表される前は、中国への移植ツーリズムは一般に公表されているビジネスだった。ブローカーは中国での移植を手配すると広告を出し、エージェントは中国への移植ツアーを促進した。中国の保険制度はインターネットに価格表を出していた。われわれの報告書が発表されても、移植ツーリズムは続いた。彼らは地下に潜った。ウェブサイトは撤去され、広告は停止され、価格は個々に交渉されるようになった。移植ツーリズムはクチコミのビジネスと化したのだ。

数十億ドルのビジネス

無視できない大金が絡んでいる。中国への渡航移植は数十億ドルのビジネスである。多くの病院の主な資金源となっている。渡航移植から得られる収入は、日々の経営と職員への給与支払いのために、欠かせない状況にある。

中国での臓器狩り停止の動きは中国国内の中国人の手で行われるべきである。外部者は中国国内のことを事実上変えることはできない。しかし、外部者の助けは欠かせない。もし、今日中国国内での臓器狩りを停止するように要求したら、逮捕され無期限に拘束され、殴られ、拷問を受け、批判を撤回するという文書に署名させられることだろう。

外部者はそのようなリスクを負わない。安全な場所から中国共産党に説明を求めることができる。中国国内にいる者ができない批判を、この自由と安全を利用して行うべきだ。しかし、中国での臓器狩りに対する国外からの共犯を停止することは、別の話だ。共犯の停止は完全に私たちが左右する。私と他の調査者は、各国を訪問し、共犯を防ぐために積極的に関わってきた。

2016年の最新報告書のためのリサーチでは、デービッド・キルガーもイーサン・ガットマンも私も、特に日本に焦点を当てたわけではない。しかし、中国の病院に焦点を当てていく中で、日本に関する多くの情報が表面化した。

▼多い日本人の渡航移植

 日本人が中国の病院にいくと、日本語で全てのサービスが賄われることに気づく。中国の移植センターの訪問者は、日本人の患者を多く目にしている。中国の病院のホームページに掲載されている医師の履歴から、医師の多くが日本で移植の養成を受けていることが示される。多くの移植研究の報告書は日中の共同研究によるものである。

日本の移植医は中国の大学で講義するよう招へいされ、中国の移植医は日本の大学で講義するよう招へいされている。日本の移植医は中国での移植会議に参加し、中国の移植医は日本での移植会議に参加している。

日本移植学会の倫理指針には、国外での臓器狩りに共犯する問題に通り一遍の取り組みしか見受けられない。受刑者または死刑執行された者からの移植の禁止と臓器の売買の禁止は規定されているが、中国の移植専門家との関わりや移植ツーリズムに関しての患者へのカウンセリング、移植ツーリズムに関連する患者からの要請についての具体的な倫理的指針は見受けられない。

国際移植学会では、中国の移植医との交流に関して倫理基準を詳細に規定している。養成に関しては、「養成を受ける者が出来る限り(国際移植学会の倫理指針に示された)基準に従うことを意図して臨床上の仕事に取り組むように注意を払うべきである」としている。会議については「処刑された囚人からの臓器や組織が用いられたレシピエントのデータもしくは検体に関わる研究の提示は受け入れるべきではない」という基準が設けられている。

渡航移植の報告制度を

研究に関しては、「臨床研究の協力は、処刑された囚人からの臓器や組織が用いられたレシピエントに関与しない研究である場合のみ考慮すべきである」という基準である。中国でのイベントへの参加は、「このような参加が、処刑された死刑囚からの臓器を用いる移植を促進するものではないよう、できる限りの注意を払うべきである」とする。

一貫している指針は「国外の医師が中国の相手が臓器狩りに関わっていないと納得できる場合以外、中国の移植医と関わらない」というものである。しかし、中国の臓器移植における透明性の欠如を鑑みて、「納得」に達することは事実上不可能である。

臓器売買と移植ツーリズムに関するカナダ移植学会・カナダ腎臓学会の指針声明では、移植を要する患者へのカウンセリングで「臓器のために個人が殺害されている」国もあると忠告するよう勧告している。医療記録に関しては、カナダの指針声明は「国際的な人権基準を侵害する制度下で行われる臓器狩りを支援するために使われるという確信があり、患者もしくは臓器源に危害を加えるかなりの危険性がある場合、個々の医師は、患者の医療記録を患者に提供しない選択をとることができる」とする。処方に関しては「医師は購入された臓器の移植に使われる薬剤の処方もしくは薬剤入手を助けるべきではない」と勧告する。

日本移植学会が、国際移植学会の指針やカナダ移植学会・カナダ腎臓学会の方針を採用する必要はない。しかし、これらの機関が規定・勧告する問題を考慮すべきである。日本の長尾敬・衆議院議員が厚生労働省に「日本から何人の患者が中国に移植を受けに行くのか?」と質問したところ、「分からない」という返答だった。

渡航移植した患者を医療関係者が医療制度に報告することを義務付けるべきである。こうすることで、厚生労働省は中国に渡航移植に行く日本人の数を把握することができる。現在、報告制度はない。自主的な報告制度もない。

低い臓器狩りへの認識

日本では、中国での臓器狩りに対する一般の認識は低い。その理由の一つに日中記者交換協定が挙げられる。同協定は1964年に締結され、1968年に更新されている。1968年の合意は会談メモに記載された方針に基づくものだった。会談メモでは政治三原則を確認している。一つは中国に非友好的な態度を取らないことである[1]。日本のメディアは、この原則に合意しなければ、中国に事務所を設置して記者を送り込むことは許されない。

記者交換協定は日中貿易の取り決めを基盤とするもので、1973年に失効している。日本の外務省によると、197415日、これに代わる記者交換の取り決めを締結した。この取り決めの文書は一般に公開されていない。

1974年の取り決めが公表されていないため、中国に非友好的な記事を発行してはならない義務が今日まで続いているかは不明だ。続いているとしたら、記者でなく発行者への義務であろう。記者は好きなことを書けるが、発行者はそれを報道する必要はない。この場合、なぜ記者に記事を報道しないのかを説明する必要もない。1974年の取り決めのために、中国を批判する記事を発行者はボツにしているかもしれない。しかし記者がこの事実を知っているとは限らない。

1974年以前の中国に対して非友好的な報道はしないという義務が、形式上は継続しなかったとしても、その精神は受け継がれた。数少ない例外を除いて、日本のメディアは中国共産党が反中と捉える内容の報道は避けるという精神に浸け込まれている。

中国共産党は自己を中国とみなし、党への批判があれば、はばからずに反中というレッテルを貼る。臓器狩りの調査には、このようなレッテルが貼られた。

日本のメディアは沈黙

本当に中国が嫌いだったら、中国国内で無実の者が大量に殺害されていることには無関心でいられる。しかし、国家が組織化する中国での移植狩りに関する証拠は党に悪いイメージを与える。党にとってこれが一番重要な点である。その結果、日本では中国での臓器狩りに関する記事は、ほとんど存在しない。

この報道の欠如は、一般の認識の欠如につながっている。移植を必要とする人々、医療関連機関の職員、移植関連の職員の間での認識が欠如している。この報道と認識の欠如も、移植ツーリズムに対する移植倫理をぞんざいにする理由の一つである。

一般の認識を高める手段は、メディア報道だけではない。20166月、鎌倉市議会は中国政府が人権を向上させることを促す意見書を通過させた。人権侵害のリストの中には「国家による法輪功学習者からの強制臓器摘出」が記載されている。日本の他の地域の議員(逗子、名古屋、広島)も同様の行動を起こそうとしている。

市議会の意見書が、中国の臓器狩りを停止させることはできない。しかし一般の認識を高めることはできる。移植を要する人々のほとんどは、無実の人々が臓器のために殺害されていることを知ったら、中国への渡航移植を思いとどまると私は確信する。

「あえて見ようとしない」態度は、「無知」に輪をかけたものだ。中国での臓器狩りについて知らない者の中には、知りたくないから知らない者もいる。調査報告を読むことを拒否し、中国共産党のプロパガンダを繰り返し、調査内容を一蹴する。

中国での移植狩りがより広く知られるようになれば、「あえて見ようとしない」ふりをすることも難しくなる。中国での臓器狩りに対する日本での一般の認識を高めることは、国会議員、医療職員、移植医、患者の行動の前提条件である。

(6月18日、愛媛県男女共同参画センターで開かれた、NPO法人移植への理解を求める会とえひめ移植者も会合同の記念講演会から)

報第26号

(通算42)2017年

1020日(金)発行

発行者 NPO法人移植への理解を求める会  理事長 向田 陽二

798-4101愛南町御荘菊川2290    電話085-74-0512

編集者                  副理事長 野村 正良

       〒791-8006松山市安城寺町1746-8    電話089-978-5434

発行所                  事務局長 河野 和博

       〒790-0925松山市鷹子町9282     電話089-970-3943




# by shufukujin-kaihou | 2017-10-21 14:56 | NPO会報第26号(42号)