NPO会報第26号(42号)

      NPO移植への理解を求める会 会報第26号       


愛媛の移植40年記念講演会

11月・宇和島 福田康彦先生(広島)がご講演

e0163729_14444015.jpg今年は臓器移植法が平成9年7月に施行されてから20年を迎える節目の年ですが、愛媛県の移植関係者にとっては、もう一つ記念すべき年に当たります。

すなわち昭和52年12月、市立宇和島病院で県内初、四国でも初めての腎移植が実施されてから、40年を迎えることです。

当時、同病院の院長だった近藤俊文先生(現名誉院長)や泌尿器科医の万波誠先生(現宇和島徳洲会病院泌尿器科部長)らがこれまで移植医療の推進に奔走され、愛媛県を全国有数の移植先進県に育て上げられました。おかげで多くの患者の皆さんがその恩恵を受けてきました。

先生らに感謝込め祝賀会も

そこで、えひめ移植者の会と、当会が推進母体となっているNPO法人移植への理解を求める会では、県内で移植医療に関わってこられた先生方やスタッフの方々にあらためて感謝の意を表し、下記の通り、記念講演会と祝賀会を開くことになりました。

 ぜひ多くの皆さんにご出席いただき、ご交流いただければ幸甚です。        

と  き 11月26日(日)午後1時~4時

と こ ろ ホテルクレメント(JR宇和島駅ビル)

内  容 講演会 午後1時~2時

      講師 福田康彦先生(医療法人たかし会理事長・尾鍋外科病院院長)

演題「愛媛の移植40年に思う」(仮)

       祝賀会 午後2時~4時

 費 5、000円(講演会は無料)

 催 えひめ移植者の会、NPO法人移植への理解を求める会、

問い合わせ えひめ移植者の会事務局 野村まで 

携帯090-7626-0240 FAX 089-978-5434

 <福田康彦先生略歴> ふくだ・やすひこ 昭和18年10月、山口県柳井市生まれ。同43年、広島大学医学部卒業。同医学部第二外科助教授、同臨床教授などを経て、平成15年、県立広島病院副院長(救命救急センター長、腎臓総合医療センター長兼務)。同21年、JA広島総合病院院長、同24年、同名誉院長、特別顧問。同25年から医療法人たかし会理事長・尾鍋外科病院(広島市)院長。広島県で草分けとなる臓器移植に携わる傍ら、消化器外科、血管外科、透析の専門医としても数多くの手術を手掛ける。医学博士。著書に「腎移植の知識」など。

 新聞報道から                     

 昭和52年12月21日、市立宇和島病院で愛媛県内初、四国でも初の腎移植が行われたことを報じた愛媛新聞の翌年1月25日付記事と執刀した万波先生の紹介記事(いずれもコピー)を入手しました。その内容をご紹介します。(記事では移植者の男性とドナーの母親を実名で紹介していますが、個人情報のため、伏せました)

  四国で初のジン臓移植 

宇和島市立病院で母親から青年へ

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 宇和島市立病院(西河直院長)で、このほど四国でも初めてのジン臓移植手術が行われた。尿毒症の青年に母親から摘出したジン臓を移植したところ、拒絶反応も起きず、経過は良好。二月下旬には退院して社会復帰できる見通しとなった。

 ジン臓移植手術を執刀したのは同病院泌尿器科の万波誠医長(三七)。手術を受けたのは東宇和郡明浜町の団体職員Aさん(二)。四、五年前に慢性糸球体ジン炎を患い、尿にタンパクが出るなどジン臓機能が低下。昨年五月ごろには尿毒症を併発、体がむくんだり、ちょっとした運動で息切れがするなど重症となった。このため同病院で受診してすぐに入院、人工ジン臓で透析を受けていた。このままでは社会復帰が困難なため、万波医長のすすめで手術を受けることを決意した。

 同病院では昨年12月上旬、Aさんと母親(五六)=健康体=からそれぞれ採取したリンパ球を混合して培養。約一週間たっても培養液に拒絶反応が見られなかったことから、母親のジン臓を摘出することに決めた。

昨年十二月二十一日、Aさんと母親が同病院三階の手術室で、まず母親の左ジン臓を摘出。洗ったあと、Aさんの右側腸骨部(盲腸付近)にそう入、血管や輸尿管などを結び合わせ、手術は約五時間で終わった。そのあと拒絶反応を弱める副ジン皮質ホルモンなどを投与して、経過をみた。

母親のジン臓はAさんの体内でも正常に働き、尿を分泌しはじめた。手術から1カ月たった今でも拒絶反応が起こらず、Aさんは普通の人と同じ体に回復。

万波医長によると、急性の拒絶反応は術後三カ月以内に、慢性のものも五年以内に発生する可能性がある。今は少しずつ拒絶反応をおさえる薬を減らしている段階で、二月下旬までは入院が必要。三月以降は職場で平常勤務ができ、酒もたばこも飲めるようになるという。

人間にはジン臓が一対備わっているが、片方だけで十分機能が果たせる。母親も十二月末に退院、普通の生活を送っている。ジン臓移植は四十年ごろ、拒絶反応を防ぐ薬が開発されたため、成功例が増えているという。

万波医長の話 同僚の土山憲一医師が免疫反応を調べ、投薬に注意してもらったので、うまくいった。手術後の十日ほどは〝いつ拒絶反応が起きるか〟と心配して夜も眠れなかった。Aさんは薬の作用で体に抵抗力がない状態。もうしばらく様子を見たい。




<スポットライト> ジン臓移植手術を執刀した万波誠先生

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「手術そのものは、そんなに難しくありません。だがジン臓手術が少ないのは、拒絶反応に対す抜本的な方策が未開発だからなのです。今回の移植はやむにやまれないものでした。入院患者(二九)が諸条件から長くは人工透析が受けられないこと。本人は移植を希望したことなどで最善を尽くそう-と手術をしたわけです」と謙虚そのものの答え。

 「手術の前に一週間ほどかけて、ジン臓提供者の母親(五六)=健康体=と患者の間で、拒絶反応の有無を調べました。幸運にもほとんど拒絶反応があらわれなかった。患者にも手術に耐える体力がありましたから…。今回はイムランとプレドニンという薬で拒絶反応を抑えましたが、同時に患者の病原菌に対する抵抗力もおちています。早く良い薬を開発してほしいものですね」と願っている。

ジン臓機能に障害が起き、透析(人工ジン臓使用)によって、延命している人は多い。移植の成功はこれらの人にとって大変な福音になっている。

 岡山県に生まれ、山口大学医学部卒。山口県徳山市立病院に一年間勤務したあと、四十六年から宇和島市立病院泌尿器科に勤めている。白衣を着て〝医者らしく〟ふるまうのが嫌いな性格。白衣姿は手術や回診のときだけ。「どうも、これだけは〝拒絶反応〟がありまして…」と笑う。

 真冬でも裸足にスリッパばき。古い荷物用の自転車で通勤。クシを入れない頭に、岡山弁まる出し。患者と間違われることも多い。

 岡山県閑谷(しずたに)高校在学中は野球部のレギュラー。一塁手で四番を打っていた。現在でも病院の三番バッター。宇和島ではスキューバ・ダイビングを覚え、ボンベを背負っては宇和海に飛び込んでいる。研究熱心。「気合が入った」お医者さんである。三十七歳。





 講演要旨                                                 

中国の「臓器狩り」について

国際人権弁護士 デービッド・マタス先生

e0163729_14534203.jpg私も他の調査者も、中国は数十万人の規模で移植用臓器を収奪するために良心の囚人を殺害しているという結論に達している。主な犠牲者は精神修養を基盤とした気功である法輪功の学習者だが、ウイグル人、チベット人、家庭教会の信者も含まれている。大量の証拠にあたり導かれた結論である。われわれが発表した数冊の本や原稿は数百ページにのぼり、脚注は数千項目に至る。

臓器狩りを通して大量虐殺が行われているという結論に至った数多くの証拠のなかの一つとして、その予防措置が中国内外で一切取られなかったことが挙げられる。移植技術を開発し広めた者は、それが良心の囚人を殺害するために利用されるとは想像もしなかったと確信する。このため予防措置はなかった。

われわれの最初の研究報告が発表される前は、中国への移植ツーリズムは一般に公表されているビジネスだった。ブローカーは中国での移植を手配すると広告を出し、エージェントは中国への移植ツアーを促進した。中国の保険制度はインターネットに価格表を出していた。われわれの報告書が発表されても、移植ツーリズムは続いた。彼らは地下に潜った。ウェブサイトは撤去され、広告は停止され、価格は個々に交渉されるようになった。移植ツーリズムはクチコミのビジネスと化したのだ。

数十億ドルのビジネス

無視できない大金が絡んでいる。中国への渡航移植は数十億ドルのビジネスである。多くの病院の主な資金源となっている。渡航移植から得られる収入は、日々の経営と職員への給与支払いのために、欠かせない状況にある。

中国での臓器狩り停止の動きは中国国内の中国人の手で行われるべきである。外部者は中国国内のことを事実上変えることはできない。しかし、外部者の助けは欠かせない。もし、今日中国国内での臓器狩りを停止するように要求したら、逮捕され無期限に拘束され、殴られ、拷問を受け、批判を撤回するという文書に署名させられることだろう。

外部者はそのようなリスクを負わない。安全な場所から中国共産党に説明を求めることができる。中国国内にいる者ができない批判を、この自由と安全を利用して行うべきだ。しかし、中国での臓器狩りに対する国外からの共犯を停止することは、別の話だ。共犯の停止は完全に私たちが左右する。私と他の調査者は、各国を訪問し、共犯を防ぐために積極的に関わってきた。

2016年の最新報告書のためのリサーチでは、デービッド・キルガーもイーサン・ガットマンも私も、特に日本に焦点を当てたわけではない。しかし、中国の病院に焦点を当てていく中で、日本に関する多くの情報が表面化した。

▼多い日本人の渡航移植

 日本人が中国の病院にいくと、日本語で全てのサービスが賄われることに気づく。中国の移植センターの訪問者は、日本人の患者を多く目にしている。中国の病院のホームページに掲載されている医師の履歴から、医師の多くが日本で移植の養成を受けていることが示される。多くの移植研究の報告書は日中の共同研究によるものである。

日本の移植医は中国の大学で講義するよう招へいされ、中国の移植医は日本の大学で講義するよう招へいされている。日本の移植医は中国での移植会議に参加し、中国の移植医は日本での移植会議に参加している。

日本移植学会の倫理指針には、国外での臓器狩りに共犯する問題に通り一遍の取り組みしか見受けられない。受刑者または死刑執行された者からの移植の禁止と臓器の売買の禁止は規定されているが、中国の移植専門家との関わりや移植ツーリズムに関しての患者へのカウンセリング、移植ツーリズムに関連する患者からの要請についての具体的な倫理的指針は見受けられない。

国際移植学会では、中国の移植医との交流に関して倫理基準を詳細に規定している。養成に関しては、「養成を受ける者が出来る限り(国際移植学会の倫理指針に示された)基準に従うことを意図して臨床上の仕事に取り組むように注意を払うべきである」としている。会議については「処刑された囚人からの臓器や組織が用いられたレシピエントのデータもしくは検体に関わる研究の提示は受け入れるべきではない」という基準が設けられている。

渡航移植の報告制度を

研究に関しては、「臨床研究の協力は、処刑された囚人からの臓器や組織が用いられたレシピエントに関与しない研究である場合のみ考慮すべきである」という基準である。中国でのイベントへの参加は、「このような参加が、処刑された死刑囚からの臓器を用いる移植を促進するものではないよう、できる限りの注意を払うべきである」とする。

一貫している指針は「国外の医師が中国の相手が臓器狩りに関わっていないと納得できる場合以外、中国の移植医と関わらない」というものである。しかし、中国の臓器移植における透明性の欠如を鑑みて、「納得」に達することは事実上不可能である。

臓器売買と移植ツーリズムに関するカナダ移植学会・カナダ腎臓学会の指針声明では、移植を要する患者へのカウンセリングで「臓器のために個人が殺害されている」国もあると忠告するよう勧告している。医療記録に関しては、カナダの指針声明は「国際的な人権基準を侵害する制度下で行われる臓器狩りを支援するために使われるという確信があり、患者もしくは臓器源に危害を加えるかなりの危険性がある場合、個々の医師は、患者の医療記録を患者に提供しない選択をとることができる」とする。処方に関しては「医師は購入された臓器の移植に使われる薬剤の処方もしくは薬剤入手を助けるべきではない」と勧告する。

日本移植学会が、国際移植学会の指針やカナダ移植学会・カナダ腎臓学会の方針を採用する必要はない。しかし、これらの機関が規定・勧告する問題を考慮すべきである。日本の長尾敬・衆議院議員が厚生労働省に「日本から何人の患者が中国に移植を受けに行くのか?」と質問したところ、「分からない」という返答だった。

渡航移植した患者を医療関係者が医療制度に報告することを義務付けるべきである。こうすることで、厚生労働省は中国に渡航移植に行く日本人の数を把握することができる。現在、報告制度はない。自主的な報告制度もない。

低い臓器狩りへの認識

日本では、中国での臓器狩りに対する一般の認識は低い。その理由の一つに日中記者交換協定が挙げられる。同協定は1964年に締結され、1968年に更新されている。1968年の合意は会談メモに記載された方針に基づくものだった。会談メモでは政治三原則を確認している。一つは中国に非友好的な態度を取らないことである[1]。日本のメディアは、この原則に合意しなければ、中国に事務所を設置して記者を送り込むことは許されない。

記者交換協定は日中貿易の取り決めを基盤とするもので、1973年に失効している。日本の外務省によると、197415日、これに代わる記者交換の取り決めを締結した。この取り決めの文書は一般に公開されていない。

1974年の取り決めが公表されていないため、中国に非友好的な記事を発行してはならない義務が今日まで続いているかは不明だ。続いているとしたら、記者でなく発行者への義務であろう。記者は好きなことを書けるが、発行者はそれを報道する必要はない。この場合、なぜ記者に記事を報道しないのかを説明する必要もない。1974年の取り決めのために、中国を批判する記事を発行者はボツにしているかもしれない。しかし記者がこの事実を知っているとは限らない。

1974年以前の中国に対して非友好的な報道はしないという義務が、形式上は継続しなかったとしても、その精神は受け継がれた。数少ない例外を除いて、日本のメディアは中国共産党が反中と捉える内容の報道は避けるという精神に浸け込まれている。

中国共産党は自己を中国とみなし、党への批判があれば、はばからずに反中というレッテルを貼る。臓器狩りの調査には、このようなレッテルが貼られた。

日本のメディアは沈黙

本当に中国が嫌いだったら、中国国内で無実の者が大量に殺害されていることには無関心でいられる。しかし、国家が組織化する中国での移植狩りに関する証拠は党に悪いイメージを与える。党にとってこれが一番重要な点である。その結果、日本では中国での臓器狩りに関する記事は、ほとんど存在しない。

この報道の欠如は、一般の認識の欠如につながっている。移植を必要とする人々、医療関連機関の職員、移植関連の職員の間での認識が欠如している。この報道と認識の欠如も、移植ツーリズムに対する移植倫理をぞんざいにする理由の一つである。

一般の認識を高める手段は、メディア報道だけではない。20166月、鎌倉市議会は中国政府が人権を向上させることを促す意見書を通過させた。人権侵害のリストの中には「国家による法輪功学習者からの強制臓器摘出」が記載されている。日本の他の地域の議員(逗子、名古屋、広島)も同様の行動を起こそうとしている。

市議会の意見書が、中国の臓器狩りを停止させることはできない。しかし一般の認識を高めることはできる。移植を要する人々のほとんどは、無実の人々が臓器のために殺害されていることを知ったら、中国への渡航移植を思いとどまると私は確信する。

「あえて見ようとしない」態度は、「無知」に輪をかけたものだ。中国での臓器狩りについて知らない者の中には、知りたくないから知らない者もいる。調査報告を読むことを拒否し、中国共産党のプロパガンダを繰り返し、調査内容を一蹴する。

中国での移植狩りがより広く知られるようになれば、「あえて見ようとしない」ふりをすることも難しくなる。中国での臓器狩りに対する日本での一般の認識を高めることは、国会議員、医療職員、移植医、患者の行動の前提条件である。

(6月18日、愛媛県男女共同参画センターで開かれた、NPO法人移植への理解を求める会とえひめ移植者も会合同の記念講演会から)

報第26号

(通算42)2017年

1020日(金)発行

発行者 NPO法人移植への理解を求める会  理事長 向田 陽二

798-4101愛南町御荘菊川2290    電話085-74-0512

編集者                  副理事長 野村 正良

       〒791-8006松山市安城寺町1746-8    電話089-978-5434

発行所                  事務局長 河野 和博

       〒790-0925松山市鷹子町9282     電話089-970-3943




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# by shufukujin-kaihou | 2017-10-21 14:56 | NPO会報第26号(42号)

29.10.20 緊急報告 修復腎移植の先進医療承認


緊急報告 10月20

修復腎移植の先進医療承認

厚労省の審査部会、条件付きで



10月19日に開かれた厚生労働省の先進医療技術審査部会で、徳洲会グループによる修復腎移植の先進医療申請が条件付きで承認されました。その条件とは▽実施責任医師は泌尿器科や腎臓の専門医らが担う▽ドナーの適格性を判断する委員会に徳洲会以外の外部委員を加えるーなどです。


これまでの審査部会では3度も申請が不承認とされてきましたが、徳洲会グループの度々の修正申請によって、承認にこぎつけました。日本移植学会の反対と誘導により厚労省が臨床研究を除く修復腎移植を禁止してから10年。ここに来て、やっと再開への道筋が見えてきました。


これも、徳洲会グループをはじめ、これまで多大のご支援、ご協力をいただいてきた多くの皆さまのおかげです。あらためて感謝を申し上げます。


このあと、厚労省では年明けにも上部組織の先進医療会議で審査があり、認められれば、5例の試験結果を踏まえて可否が判断されることになります。このうえは、一人でも多くの患者さんが救われるよう、一日も早い再開を願いたいと思います。皆さまには引き続きご支援、ご協力をよろしくお願いいたしたします。


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# by shufukujin-kaihou | 2017-10-20 21:12 | 29.10.20緊急報告

NPO法人会報25号(通算第41号)

      NPO移植への理解を求める会 会報第25号 

      

29年度(第9回)総会開く

「修復腎移植と患者の自己決定」

6月・松山 粟屋先生(岡山大学名誉教授)がご講演

NPO法人移植への理解を求める会の29年度(第9回)総会と記念講演会(えひめ移植者の会と共催)が6月18日、松山市山越町の愛媛県男女共同参画センター視聴覚教室で開かれました。

総会は午前11時に開会。20人余りが出席し、28年度の活動報告、決算報告、29年度の活動計画、予算案などを審議し、すべて原案通り可決しました。

この後、午後1時から始まった記念講演会では、まず岡山大学名誉教授の粟屋剛先生(現岡山商科大学教授・生命倫理)に「修復腎移植と患者の自己決定」をテーマで、ご講演いただきました。

粟屋先生は「かつて病院では医療者が上から目線で医療の内容を決定していた。いわゆるパターナリズム(父権主義、温情主義的権威主義)だ。しかし、今はアメリカで生まれた生命倫理の考え方か ら、パターナリズムに代わって患者の意思が優先される時代になってきた。インフォームド・コンセントはこれを保証するもの」と説明。そのうえで、修復腎移植について「医学的に妥当性であるかどうか、リスクがあるかどうかは関係なく、患者が『QOLの改善のために透析より修復腎移植を望む』といえば、これは認められるべきだ」として、修復腎移植を否定する医学界に疑問を呈されました。    

                    2ページ以降に講演要旨



中国の『臓器狩り』について」

マタス先生国際人権弁護士もご講演

続いて、国際人権弁護士のデービッド・マタス先生(カナダ在住)に「中国の『臓器狩り』について」のテーマで、ご講演いただきました。先生は中国共産党政府の非人道的な臓器狩りをストップさせるための調査と告発活動を続ける国際ネットワークの創設者で、通訳を同ネットワーク日本担当の鶴田ゆかりさんがされました。

先生は中国政府が法輪功のリーダーなど政府を批判する人たちを政治犯として処刑し、その臓器を収奪。日本人を含め渡航移植にやってくる患者に移植している実態を紹介されました。また日本に対して、医療者や患者が結果的に中国の臓器狩りに協力をしていること、その歯止めのための有効な対策を取っていないこと、国民の関心が薄いことなどを指摘し、もっと関心を持ってほしいと訴えられ              

ました。(マタス先生の講演要旨は次号でご紹介します) 



     

  講演要旨                                      

修復腎移植と患者の自己決定

                  岡山大学名誉教授 粟屋 剛 先生

 修復腎移植について、医学界は、医学的な妥当性がないという。しかし、仮にそうだとしても、だからといって修復腎移植を駄目だと言えるのかどうか。私は、最初から修復腎移植は容認されるべきだと思っていたわけではない。実は当初は、疑っていた。しかし、調べていくうちに、これは問題ないのではないかと思えるようになった。最初に断っておくが、もちろん、私は万波先生らとの利害関係はない。

その後、先生と知り合った後で分かったことだが、万波先生はお人柄など、とてもすばらしい。お金や利権や出世などばかりを考える人が多い世の中だが、先生はそれらとは無縁な人だ。私は尊敬する人はほとんどいないが、万波先生は、凡人である私には真似のできない、筆頭の尊敬の対象だ。


 ▼医療は患者が決める時代に

具体的な修復腎移植の問題に入る前に、まず、一般論を述べる。私の考えは生命倫理の視点から来るものだ。私は生命倫理の一学者として、論理と倫理に従って考えを述べたい。

医療倫理は「医療」の「倫理」だが、生命倫理というのは「生命」の「倫理」ではない。Bioethics(バイオエシックス)という英語の訳語(造語)だ。つまり、生命倫理は倫理の一分野ではない。この点、誤解が多い。医療や生命科学などに関する倫理問題、法律問題、社会問題を学際的に扱うのが生命倫理だ。医療倫理と生命倫理は部分的に重なり合うものだ。

では、生命倫理のルーツは何か。昔は患者さんが病院などで手術を受けるかどうかは、患者さんではなく、医師が決めていた。いわゆるパターナリズムだ(これは後で少し詳しく述べる)。それはおかしい、ということで、アメリカでその考え方を変える運動が始まった。大雑把に言えば、それが生命倫理(バイオエシックスBioethics)のルーツだ。50年前のことだ。生命倫理が扱う対象は安楽死・尊厳死、脳死・臓器移植、生殖医療、医学研究、再生医療、遺伝子医療、人体論、人間論、優生学、エンハンスメント(能力強化)論、人間改造論等々、多岐にわたる。

生命倫理においては「人間の尊厳」(人間は他の動植物と比べて特別に尊厳ある存在だという考え)がその中核的概念の一つとなっている。もう一つは自己決定原理。個人の自己決定を尊重せよというわけだ。では自己決定とは何か。「自分のことは自分が決める」という、ごく当たり前のことだ。例えば、疲れて夜、歯を磨かずに寝る。すると、虫歯になる。しかし、大人になっていれば、それは周りからとやかく言われることではない。虫歯になるのは言わば自分の勝手、ひいては自業自得、自己責任というわけだ。

輸血を拒否することも、手術を受けないことも、すべて本人の自由。臓器移植を受けるかどうか、臓器提供をするかどうかも、基本的に、自分が決めることだ。自分の勝手だ。つまり、修復腎移植を含めて、臟器移植は自己決定の問題だ。しかし、それが今、少しおかしくなってきている。臓器の提供について、2009年の法律(臓器移植法)改正によって、嫌だと言っていない限り、提供させられてしまう可能性が出てきた(ただし、家族の同意は必要)。それは「自己決定権の空洞化」という現象であり、私はそこまでするのはよくないのではないかと考えている。

私には、無理して臓器を集めようとしているようにしか見えない。私は、それはやり過ぎだと考えている(外国にもそのような制度を持つ国もあるが)。臓器が欲しい側からはそこまでしてでも臓器を集めたいだろうけれど、もともと誰も臓器を提供する義務はないし、誰ももらう権利はない、というのが大原則のはずだ。

人体実験の被験者になるかどうかも、自分が決めることだ。「先生にはお世話になりましたから、多少めまいがするくらいの実験なら参加していいですよ」などというのは原則的には成り立ち得る。

ただ、「あいつは憎いから殺す」というのも自己決定だが、これは自己決定権の正当な行使ではない。いつ、どこで、誰と、どのように死ぬかも、基本的に自己決定の範疇のはずだ(「誰と」は半分、冗談だが)。もちろん、制約が多いのは当然だが。自殺は法的には自由だ。自殺ほう助は犯罪だが、自殺は犯罪ではない。ただし、倫理的には生命の軽視につながったり家族や愛する人を悲しませてしまったりするので問題があるのは当然だ。

性転換の問題については、今は手術で可能な時代となったが、「男でいるのは飽きた。女になりたい」といっても、現行法上は勝手にはできない。「性同一性障害」という認定を受けていることが必要だ。しかし、私は、性転換も基本的には自己決定の問題だと考えている。

入院手術の問題でも、患者が手術前日の夜中の12時に、「手術が恐くなったので帰りたい」と言えば、医療側は帰さざるを得ない。患者の治療拒否権(延命治療拒否権を含む)という自己決定権があるからだ。ただし、医療側はもちろん、生じた損害の賠償請求はできる。

自己決定と対立するものがある。それがさきほど触れたパターナリズム(父権主義、温情主義的権威主義)だ。パターナリズムとは、父親が、本人の意思にかかわらず子供の行動に上から目線で介入するようなことを指す。簡単に言えば、「悪いようにはしないから俺に任せておけ」というのが、パターナリズムだ。昔は日本でも外国でも、医師は患者さんに手術するかどうかについてあまり説明しなかった。それを決定するのは医師だった。現代では、医師は患者さんにきちんと説明して承諾を得なければならない(それは法的には医師の説明義務とか承諾取得義務とかと呼ばれる)。すなわち患者が決める時代になった。これはさきほど述べたアメリカのバイオエシックス(生命倫理)から入って来たものだ。この患者の自己決定権を担保するものがインフォ-ムド・コンセント(説明を受けた上での同意)と呼ばれるものだ。

生命倫理には自己決定では片付かないテーマもある。クローン人間を造っていいかどうかとか、山中教授のiPS細胞の技術で同一人物の精子と卵子を作り、それらを受精させて子供を造ることはどうかとか(これはクローン人間をつくるのと似たようなことになる)、遺伝子操作や受精卵の選択をして、より優秀な人のみを造り出すこととか。これらに明確な答えを出せる人は世界中に一人もいない。ここでは、文明論をベースとした新しい生命倫理、すなわち「文明論的生命倫理」の構築が必要になってくる。


臓器移植とカニバリズム論

ところで、今、臓器移植だけではないが、「人体の資源化(ひいては商品化)」という現象がある。これは、程度の差はあれ、さきほど述べた「人間の尊厳」を侵害するものといえる。心臓の弁(一つ70万円程度)を取り換えれば助かるといったように、人間の体が部品、資源、商品になる。それが進むと「人間とは何か」といった根本的なこと、つまり人間の概念そのものが問われるようになる。

実は移植のコンセプトそのものには、疑問もある。皆さんは移植に大賛成で、あまり疑問を持っておられないと思うが、移植についてカニバリズム(人肉食)論を唱えた人がいる。輸血や臓器移植の形で血液や臓器を摂取しても、誰も何も非難はしない。しかしながら、カニバリズムとどこがどう違うのか、というわけだ。臓器移植は他者の体の一部を自己の体に取り込むという意味でカニバリズムと同じではないか、臓器移植の本質はカニバリズムだ、と。

文化は本質を隠蔽するのだ。昔、小学校の女の先生が子ども(小学生)に鶏をさばいて(殺して)食べさせる授業をしていて、大問題になった。その先生は、我々は他の動植物の命を奪って生きているという、命の本質を教えたかったのだ。しかし、そんなことをすると、子どもたちはそれがトラウマになって鶏肉を食べられなくなる。これは何を示唆するのか。人類は都合よく、文化(ここでは食事の文化)という形で野蛮という本質を隠しているのだ。

その話を移植医の先生にすると、「そうではない。提供した親族の腎臓は他人の体の中で生き続ける。すばらしいでしょう」と言われる。これは、良い悪いは別にして、アニミズム(精霊崇拝)的な発想だ。臓器のリサイクル思想だ。

臓器移植は欲望の産物であり、脳死問題を含めて批判はあるが、再生医療などの新たなテクノロジーが完成するまで、やめられない、とまらない。それはなぜか。より長く生きたいという欲望は人間にとって根源的なものであり、移植医療というテクノロジーはその欲望に奉仕するものだからだ。そもそも現代文明自体が欲望の充足システムであり、欲望の拡大再生産が進んで、とどまることを知らない。こうした状況を踏まえて、臓器移植を理解する必要がある。

臓器移植は、生とは何か、死とはなにか、人間とは何か、などといった根本的な哲学的問題を新たな視点から増幅させた。例えば、人間とは何か、に関してはこんな具合だ。人体は利用・交換できる「物」になった(物的人体論)が、人間は、将来的に人体冷凍保存技術が発達すれば、死んだら焼かないで冷凍保存され、必要なときに腎臓や心臓や血管や骨などを採り出す臓器貯蔵庫になってしまうのか、という具合だ。

臟器移植は具体的な倫理問題や社会問題も生み出した。大きい問題としては、臓器を誰に、どうやって分配するかという問題がある。例えばアメリカのシアトルという町に初めて透析機械が現れたときには、誰にどのような基準で透析を行うのか、ということで大きな議論を呼んだが、今、臓器を誰にどのように分配するのか、というのは大きな問題だ。アメリカのユーノス(UNOS:全米臓器配分ネットワーク)では、厳格に分配の法則を決めている。ただ、それでもインチキ(抜け駆け)する人がいる(いた)とも言われている。なお、日本でも、小児のアメリカへの渡航移植につき、順番飛ばし料(割り込み代)が噂されている(真偽のほどは定かではない)。


医師より患者の意思が優先

 前置きが長くなったが、背景を知っておいていただきたいので長々としゃべった。ここから本論に入る。最初に述べたように、修復腎移植は医学的妥当性がないという理由で否定された。しかし、患者の自己決定という視点からは、そのコンセプト(発想、概念)は肯定されそうだ。患者の自己決定という考え方は、先ほど述べたように生命倫理の中核概念だ。現在、日本でも患者の自己決定権は医療のさまざまな場面で定着しつつある。いわゆるインフォームド・コンセントは、まさに患者の自己決定権を担保するものだ。

病気腎、例えばがんの腎臓の全摘(全部切除)処置に医学的妥当性があるかどうかはケースバイケース。では、医学的妥当性がない場合、その処置は否定され、正当化されないのだろうか。そうではない。医学的妥当性がなくても、患者がきちんと説明を受けて納得し同意(承諾)していれば、すなわちインフォームド・コンセントがあれば、原則的に問題はない。もちろん、ドナーのインフォームド・コンセントも必要だ。例えば腎臓提供による諸種のリスクは、たとえそれがわずかであれ、必ず説明されなければならない。

 ついでに言えば、摘出された腎臓はその時点では患者のものだ。そこで患者がいらないと言った時点で、誰のものでもなくなり、最初に自己の支配下に置いた人、つまり、占有した人のものになる。そういう民法上の原理(無主物先占の法理)がある。したがって、患者の腎臓の所有権放棄の意思が確認されるまで、医師はその腎臓を勝手に処分してはいけない。

 がんの腎臓の摘出(切除)に関して、例えば医師が患者さんに「あなたの腎臓はがんに侵されている。その部分を摘出する必要がある。しかし、全摘する必要はない」と説明し、事実そうであったとする。そのとき患者さんは「そうはいっても転移するかもしれない。腎臓は二つあるので、一つで十分」という理由で全摘を決断した場合はどうか。その場合、医師が「全摘は医学的妥当性がない。それは愚かな決断だ」として部分切除するならば、それは正当化されない。なぜなら患者の同意がないからだ。一般論として、医師が患者さんの同意なく勝手に手術すると「専断的治療行為」として原則的に傷害罪が成立する。患者さんの決断が医学的に合理的でなくても、最終的には患者の意思が優先されなければならない。これがまさに患者の自己決定権だ。

 逆に病気腎の全摘処置に医学的妥当性があっても、患者の同意がなければ、緊急の場合を除いて、その処置は正当化されない。さらに言えば、医学的妥当性がないのに、あると説明(虚偽説明)して患者の同意を得る(そして手術を実施する)行為は患者の自己決定権を侵害するものであり、倫理的に正当化されない。法的にももちろん、説明義務違反として損害賠償の対象となり得る。

 一般論として、ある医学的処置によって治る見込みがない場合、その処置に医学的妥当性がないとはいえない。治癒しなくても、延命やQOL(生活の質)改善の可能性があれば、医学的妥当性はあると言わなければならない。例えば、仮に、提供された腎臓ががんで移植後再発の可能性が高い場合、そのような腎臓の移植は医学的妥当性がないと言えるだろうか。たとえ一時的でもQOLの改善があるなら医学的妥当性があると言えなくもなさそうだが、一般的には妥当性なしと判断されるだろう。ここではそれを前提にする。

では、がんの腎臓の移植は、医学的妥当性がないことを理由に否定されるのだろうか。倫理的に正当化されないのだろうか。そうではない。医学的妥当性がなくても、患者がそのことの説明をきちんと受けて納得、同意(承諾)していれば、すなわちインフォームド・コンセントがあれば、原則的には問題はないと考えられる。ここではもちろん、先ほど述べたように、ドナーのインフォームド・コンセントも必要だ。

例えば、修復腎移植では一定の確率でがんが再発するかもしれない(実際には確率1%以下とされる)が、患者が苦しい透析から逃れるために、あえて移植を選択するというケースを考える。仮にがんが再発して命が短くなるとしても、おいしいビールを飲んで普通の人と同じように暮らしたいと考える(私だったら、間違いなくそう思う)のだ。この場合、患者の意思が優先されなければならない。まさに自己決定の問題だ。リスクはもちろん、患者が引き受けるわけだ。つまり、自己責任だ。なお、医師の中には自己の信念から、そのような移植はしたくないと考える人がいるかもしれない。もちろん、そう考える医師は、そのような移植を強制されることはない。嫌だと思う医師はやらなければいい。


修復腎移植の否定は疑問

個々の修復腎移植について、「がんが再発しないからその移植は正当化される」というわけではないことに注意する必要がある。つまり、その移植が正当化されるかどうかは、がんが再発するかどうかという医学上の問題ではなく、生命倫理、自己決定の問題なのだということを理解する必要がある。

つまり、がんが再発しないに越したことはないが、個々の修復腎移植でがんが再発したとしても、また、仮にがんが再発する可能性が高いとしても、インフォームド・コンセントがあれば正当化されるということだ。「がんが再発してもよい。それでも修復腎移植を受けたい」という患者さんの希望をなぜ医学界は受け入れないのか、というのが、私の根本的な疑問だ。

 以上のように、患者の自己決定という視点からは、医学的妥当性がないという理由によって修復腎移植のコンセプトを否定することはできないと考えられる。

 かつて、エホバ信者輸血拒否(東大医科研)事件というのがあった。「輸血すると悪魔が入ってくるから、輸血するくらいなら死んだほうがいい」との信念から患者は輸血を拒否した。しかし、医師は当該輸血処置に医学的妥当性があり、輸血しないと手術できないため、仕方なく輸血したという事件だ。患者が損害賠償を求めて訴訟になったが、わが国の最高裁は患者の自己決定権(ないし意思決定権)を優先させて患者の訴えを認めた。画期的な判決だった。

私は医療のあらゆる分野において、医学的妥当性よりも患者の自己決定権が優先すると考える必要があると思う。医学的妥当性がないという理由で患者の自己決定権を無視してしまうのはまさに、医療パターナリズムだ。

アメリカのバイオエシックス(生命倫理)は患者の自己決定権を武器に、医療パターナリズムと闘ってきた。基本的に、パターナリズムは自己決定権に道を譲らなければならない。修復腎移植の場合もまさにそうだと思う。

ただし、もちろん、移植医療を含め、医療においてパターナリズムが全面否定される謂われはない。高齢者が薬漬けになるケースでは「そんなに薬を飲まないほうがいいですよ」と、まさに、医師が上から目線でパターナリスティックに言ってあげる必要があると思う16。そんなときにだけ患者の自己決定権を尊重し、「患者さんが望むから薬を出してあげるんです」とするのはよくないと思う。自己決定権を悪用してはいけない。



あわや・つよし 1950年山口県美祢(みね)市生まれ。1969年山口県立大嶺高等学校卒業、1973年九州大学理学部卒業、1978年同法学部卒業、その後、宇部短期大学助手、西南学院大学大学院法学研究科博士課程、徳山大学経済学部教授等を経て、2002年4月より岡山大学大学院医歯(薬)学総合研究科生命倫理学分野教授。2016年3月、定年退職、同大学名誉教授。同年4月より岡山商科大学法学部教授、放送大学客員教授。

専門は生命倫理及び医事法。現在、日本生命倫理学会理事、日本人権教育研究学会名誉理事、日本医学哲学倫理学会評議員等。ほか、国際臨床生命倫理学会(International Society for Clinical Bioethics)副会長[前・会長]、アジア生命倫理学会(AsianBioethics Association)副会長[日本代表]。著書多数。



中国の『臓器狩りを考える会』開く4月・松山

画像に含まれている可能性があるもの:1人以上、座ってる(複数の人)、画面、室内NPO法人移植への理解を求める会と、えひめ移植者の会は416日午後、松山市総合福祉センターで「中国の『臓器狩り』を考える会」を開きました。中国政府の非人道的な臓器狩りを告発する国際ネットワーク制作の映画「知られざる事実」を観賞した後、同ネットワーク顧問のエンヴァー・トフティー氏(元外科医)が同ネットワーク日本担当の鶴田ゆかりさんの通訳で現状を報告。善良な市民を対象にした中国政府による「臓器狩り」が行われていること、その臓器を求めて中国に渡り移植を受ける日本人たち、その手引きをするブローカーや相談に乗る医師たちがいること…。結果的に中国の臓器狩りに協力しているこうした日本の現状を変えないといけないと訴えられました。


報第25

(通算41)2017年

8月 25日(金)発行

発行者 NPO法人移植への理解を求める会  理事長 向田 陽二

798-4101愛南町御荘菊川2290    電話085-74-0512

編集者                  副理事長 野村 正良

       〒791-8006松山市安城寺町1746-8    電話089-978-5434

発行所                  事務局長 河野 和博

       〒790-0925松山市鷹子町9282     電話089-970-3943


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# by shufukujin-kaihou | 2017-09-04 16:01 | NPO会報第25号(41号)

NPO会報第24号(通算第40号)

      NPO移植への理解を求める会 会報第24号       

先進医療またも継続審議

修復腎移植 徳洲会が3度目の申請

修復腎移植の先進医療適用の可否を審議する厚生労働省の技術審査部会が3月16日、東京・霞が関の同省で開かれ、NPO法人移植への理解を求める会から向田陽二理事長と野村正良副理事長が傍聴しました。残念ながら「3度目の正直」はならず、昨年8月に続く徳洲会グループの3度目の申請は、またも継続審議となりました。                                            

深刻なドナー不足のため移植のチャンスがなかなかやって来ない透析患者の皆さんにとって失望感は大きく、10年余り運動を進めてきた私たちも「海外では絶賛されているのに、なぜだ」と怒りを抑えられません。いまだに先頭に立って反対する日本移植学会の無理解、理不尽さをのろわしく思います。徳洲会の安富祖副理事長は「患者のみなさんに申し訳ない。あきらめずに継続して努力する」とコメントしました。私たちも、一日も早く修復腎移植が再開されるよう、後押しをしていきたいと思います。

  新聞報道から                                   

病気腎再び継続審議 先進医療指定「評価体制不十分」

宇和島徳洲会病院(宇和島市住吉町2丁目)が臨床研究を進めている直径4センチ以下の小径腎がんを用いた「病気腎(修復腎)移植」について、費用の一部が保険適用となる先進医療指定の可否を判断する厚生労働省・先進医療技術審査部会(山口俊晴座長)の2度目の審議が16日、東京・霞が関の同省であった。2016年8月の前回審議で出た指摘を踏まえた研究計画の修正を評価しつつ、結果の評価体制などに「不十分な点がある」として再び継続審議となった。

病院側は前回指摘を踏まえ、申請医療機関を実質責任医師のいる東京西徳洲会病院に変更。「腎臓摘出へ誘導されかねない」「患者に分かりにくい」などとされたドナー(提供者)やレシピエント(移植者)への説明文書を見直し、ドナーとなり得る対象を「腎部分切除が困難」な場合に限定するなどとした。

部会には医療や法曹分野の14人が出席。修正を受け「一歩前進」としたが、研究計画で定めた

移植の有効性や安全性の評価方法などに曖昧な点が多く、院内の倫理委員会の体制にも改善すべき点があるなどと指摘。再修正を求めた。

徳洲会の安富祖久明副理事長は「一生懸命対応してきたのに非常に残念だ。臨床研究で修復腎移植をしてきたが、(移植者は)6、7年たっても人工透析をせずに済んでいる。継続審議は透析で困っている患者に申し訳ない」とした上で「指摘を点検し、諦めずに継続して対応する」と語った。

NPO法人「移植への理解を求める会」(松山市)の向田陽二理事長(59)は「期待していただけにショックは大きい」と早く認めるよう要望。えひめ移植者の会の野村正良会長(67)は落胆の表情で「米国など海外では修復腎移植が評価されており、日本も患者のことを考えて一日も早く前向きにとらえてほしい」と訴えた。(伊藤絵美、松本尚也) (3月17日付愛媛新聞)

                       

6月・松山で第9回定期総会

「修復腎移植と患者の自己決定権」

岡山大学名誉教授 粟屋剛先生がご講演

NPO法人移植への理解を求める会の平成29年度(第9回)定期総会を6月18日(日)午前11時から、松山市山越町の愛媛県男女共同参画センターで、また記念講演会を午後1時から同センターで開きます。講演会は当会の推進母体となっている、えひめ移植者の会(野村正良会長)との共催です。

定期総会では、前年度の活動報告、決算報告、本年度の活動計画、予算案などを審議します。 参加対象者の理事と正会員の方は、よろしくお願いします。

講演会では、まず岡山大学名誉教授で現在、岡山商科大学教授の粟屋剛先生(生命倫理学、医事法)に「修復腎移植と患者の自己決定権」のテーマで、お話しいただきます。先生は、海外での臓器移植の事情に詳しく、また修復腎移植の問題については「患者の自己決定権の視点から肯定されうる」として、求める会の活動にご理解、ご支援をいただいています。

講演の趣旨(粟屋先生のコメント)

修復腎移植は「医学的妥当性がない」という理由で否定されてしまう(倫理的に正当化されない)ものであろうか。「患者の自己決定」という視点からは、むしろ、修復腎移植―とりわけ、そのコンセプト―は肯定されそうである。

 この「患者の自己決定」という考え方は、アメリカ流の生命倫理(バイオエシックス)の中核概念である。現在、日本でも「患者の自己決定(権)」は医療のさまざまな場面で定着しつつある。なお、いわゆる「インフォームド・コンセント」はまさに、患者の自己決定権を担保するものである。

 本講演では、この「患者の自己決定」という視点からは修復腎移植のコンセプトは肯定されうる(倫理的に正当化されうる)ということを述べてみたい。

 あわや・つよし 1950年山口県美祢(みね)市生まれ。1969年山口県立大嶺高等学校卒業、1973年九州大学理学部卒業、1978年同法学部卒業、その後、宇部短期大学助手、西南学院大学大学院法学研究科博士課程、徳山大学経済学部教授等を経て、2002年4月より岡山大学大学院医歯(薬)学総合研究科生命倫理学分野教授。2016年3月、定年退職、同大学名誉教授。同年4月より岡山商科大学法学部教授、放送大学客員教授。

専門は生命倫理及び医事法。現在、日本生命倫理学会理事、日本人権教育研究学会名誉理事、日本医学哲学倫理学会評議員等。ほか、国際臨床生命倫理学会(International Society for Clinical Bioethics)副会長[前・会長]、アジア生命倫理学会(AsianBioethics Association)副会長[日本代表]

2006年11月、第18回日本生命倫理学会年次大会を主催。2011年11月、第41回日本医事法学会年次大会を主催。ほか、日本国内にて複数の国際学会を主催。

 1990年代、EBB(Evidence Based Bioethics) を標榜し、インド、フィリピンにおける臓器売買、中国における死刑囚からの臓器移植、アメリカにおける人体商品化などについての実態調査を行う。インドの臓器売買調査については、ワシントンポスト紙やロサンゼルスタイムズ紙にも紹介されている。中国の死刑囚移植については、1998年6月、アメリカ連邦議会(下院)に招かれ、証言及び意見陳述を行う。アメリカの人体商品化調査等については概要を『人体部品ビジネス』(1999年、講談社選書メチエ)に報告している。

著書は、単著、編著、共著を含めて約40冊。単著論文約100篇。それらの一部は、北海道大学、山口大学、高知大学などの入学試験問題としても使われている。最近では、2007年1月、アメリカの「生命倫理百科事典(Encyclopedia of Bioethics)」全5巻3000頁の翻訳[約300人の分担翻訳]を編集代表として出版。その後、生命倫理学の最高峰とされる 「シリーズ生命倫理学 全20巻」 [総執筆者約250人] を編集代表としてリリースした(2013年配本完結)。

教育面においては、教材として「生命倫理学/医療と法 講義スライドノート」を開発したほか、学生が選ぶ第1回岡山大学ベストレクチャー賞(講義名:生命倫理学入門[オムニバス形式])を受賞(201311月)した。

 社会活動(社会貢献)としては、2013年に主催した生命倫理国際シンポジウム(北海道釧路市)をきっかけに、北海道釧路市や釧路市医師会とタイアップして国際生命倫理サマースクールを総責任者として開催(年1回、8月)している。また、生命倫理の専門家として内閣府に招かれ講演したほか、科学研究費助成事業の審査委員も長く務めるなどしている。

「中国の『臓器狩り』について」

カナダの弁護士 D・マタス先生もご講演

粟屋先生のご講演に続いて、受刑者の生体、死体から臓器を収奪し、移植(臓器売買)をしている中国政府の「臓器狩り」をストップさせるための活動を進めている「中国での臓器収奪停止EOP国際ネットワーク」の創設者、デービッド・マタス先生(弁護士、カナダ在住)に「中国の『臓器狩り』について」(仮)と題し、お話しいただきます。

マタス先生は今年6月に来日し、国内で講演活動を予定しています。そこで当会の総会に合わせて、松山でもご講演をお願いすることになりました。

デ-ビッド・マタス 国際人権弁護士。カナダ・マニトバ州ウィニペグ在住。 2010年、カナダの民間では最高栄誉に当たるカナダ勲章を 受章。同年、アジア外交担当大臣デービッド・キルガ-氏とともにノーベル平和賞受賞候補にノミネートされる。 同氏とともに、2006年初め、国際人権団体の依頼を受けて、中国強制収容所における収監者からの臓器摘出売買の実態を調査。 2007年、 52件の医師や被害者の証言・証拠に基づいてまとめた調査報告書「戦懐の臓器狩り」を発表。続いて書籍「中国の移植犯罪国家による臓器狩り」「中国臓器狩り」を出版。同著書の中で、 2000年から2008年までに「無実の囚人」 65000人が臓器移植のために生体のまま臓器を収奪され殺害されたと指摘。さらに臓器狩りの犠牲者は主に中国共産党から迫害を受けている法輪功学習者であると断言している。

NPO法人移植への理解を求める会総会&記念講演会>

と  き 6月18日午前11時~午後3時

とこ ろ 松山市山越町450番地 愛媛県男女共同参画センター

089-926-1633)

内  容 

○総  会 午後3時~4時

   平成28年度活動報告/決算報告・監査報告

  平成29年度活動方針案 予算案審議 /その他

○記念講演 午後1時~3時 

講 師 粟屋 剛先生(岡山大学名誉教授、岡山商科大学法学部教授)

      テーマ 「修復腎移植と患者の自己決定権」

      講 師 デービッド・マタス先生(弁護士、EOP国際ネットワーク創設者)

      テーマ 「中国の『臓器狩り』について」

問い合わせ 河野和博事務局長まで。電話089-970-3943  

………………………………………………………………

中国の「臓器狩り」を考える会

国際ネットワーク 4月16日、松山で上映会

中国政府の「臓器狩り」をストップさせるための活動を続けているEOP国際ネットワークによる上映会と交流会を下記の通り、4月16日午後3時半から、松山市若草町の市総合福祉センターで開きます。

同ネットワークによると、中国の非人道的な移植の恩恵を受けている日本人は少なくないとみられています。さらに、中国の移植医は日本で移植医療を学んだ人たちで、免疫抑制剤も日本から輸入しているとのことです。これでは、日本が中国の非道な移植に手を貸しているようなものです。私たちが訴えている修復腎移植の再開に反対し、一方で、中国に渡って移植を受ける日本の人たちの便宜を図っている医療関係者がいるとしたら、私たちはこれを見過ごすことはできません。

同ネットワークはNPO法人移植への理解を求める会とその推進母体である、えひめ移植者の会の存在を知り、私たちとの接触を求め、中国の「臓器狩り」を告発するDVD「知られざる事実」の上映会と交流会の開催を打診してこられました。そこで「中国の『臓器狩り』を考える会」として会を開くことになりました。ご案内が遅くなりましたが、皆さんのご参加を期待しています。

<中国の「臓器狩り」を考える会>

と   き 4月16日午後3時半~

と こ 松山市若草町8-2 市総合福祉センター5階・母子児童交流室

        電話089-921-2111

内   容 「知られざる事実」上映会と交流会

講  師 エンヴァー・トフティー氏(元外科医、EOP国際ネットワーク顧問) 

通  訳 鶴田ゆかり氏(同ネットワーク日本担当)

主   催 NPO法人移植への理解を求める会、えひめ移植者の会

問い合わせ 河野和博事務局長まで。電話089-970-3943 

報第24

(通算40)2017年

4月 7日(金)発行

発行者 NPO法人移植への理解を求める会  理事長 向田 陽二

798-4101愛南町御荘菊川2290    電話085-74-0512

編集者                  副理事長 野村 正良

       〒791-8006松山市安城寺町1746-8    電話089-978-5434

発行所                  事務局長 河野 和博

       〒790-0925松山市鷹子町9282     電話089-970-3943



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# by shufukujin-kaihou | 2017-04-14 09:55 | NPO会報第24号(40号)

NPO法人会報第23号(通算39号)

      NPO移植への理解を求める会 会報第23号       

10年過ぎた修復腎移植推進活動

学会今もかたくなに否定

求める会高原前理事長らに質問状

移植への理解を求める会(2008年6月にNPO法人化)が修復腎移植の推進を訴え、2006年11月に活動をスタートしてから10年が過ぎました。しかし日本移植学会は今もかたくなに修復腎移植を否定し、私たちの訴えを無視し続けています。

ご承知のように、学会の猛反対によって厚生労働省は2007年7月、臓器移植法のガイドラインを改正し、臨床研究を除き、修復腎移植を原則禁止としました。

それまで修復腎移植は、万波先生らのグループによって保険診療として進められていました。しかし、2006年10月に宇和島徳洲会病院で起きた臓器売買事件の捜査の過程で表面化したことから、異常反応した移植学会が偏見と予断で激しく批判し、関連3学会とともに「現時点では医学的妥当性がない」とする共同声明を発表しました。これを鵜呑みにした厚労省が十分な検討をすることなく原則禁止にしたというのが現実です。

この措置に対し、私たちの会をはじめ、支援してくださる「修復腎移植を考える超党派の国会議員の会」(会員約70人)や愛媛、香川、宮城の各県議会などが修復腎移植の再開を求める意見書を厚生労働相に提出しました。厚労省はこうした動きに対し態度を軟化させ2009年1月、臨床研究を促す通達を全国の都道府県や政令都市に送付しました。これを受け、徳洲会グループが同年12月から臨床研究に着手し、現在までに第三者間13例、親族間4例計17例の修復腎移植を実施しています。

しかし、保険診療による日常的医療としては、いまだに再開のめどが立っておらず、助かるはずの多くの患者さんが次々と見殺しにされています。こうした事態を見て見ぬふりの学会の責任は極めて重大です。

一方、海外では万波先生らの論文発表により、修復腎移植が「ドナー不足を解消するすばらしい医療」と絶賛され、オーストラリアではクイーンズランド大学のデビッド・ニコル教授らが修復腎移植を日常的に実施し、成果を上げていることが報告されました。また米国ではUNOS(全米臓器配分ネットワーク)が修復した臓器利用の有効性を認め、昨年4月から国を挙げて修復腎移植などの推進に乗り出しています。

こうした状況にもかかわらず、日本移植学会はいまだに「ドナー、レシピエント双方にリスクを与える恐れがある」などとして、反対を続けています。移植医療を率先して推進するべき立場の移植学会が、この問題と真剣に向き合おうとせず、この10年間、まるで他人事のように放置してきたことは、移植を切望する患者にとって理不尽この上なく、不可解な態度としか言いようがありません。

さらに、徳洲会グループが臨床研究の成果をもとに、2011年10月と昨年6月の二度にわたり厚労省に先進医療の申請をしましたが、初回には、学会が厚労省に対し「申請を認めないように」との意見書を提出し、妨害工作をする始末です。また先進医療採否の審査では、厚労省が委嘱した担当委員らが学会と口裏を合わせたように反対の主張を繰り返しています。こんな審査の方法では何年たっても申請は認められそうにありません。

厚労省は学会の息のかかったような委員の選任や審査の方法を抜本的に改め、その場で真剣な議論ができるようにすべきだと思います。

求める会は、日本移植学会の厚い壁を跳ね返すため、やむを得ず学会幹部5人を相手取った訴訟を患者有志に呼びかけ、これを全面的に支援する活動も進めてきました。訴えの趣旨は、幹部らが虚偽の発言により、修復腎移植の悪宣伝をして厚労省の禁止を導き、患者の生存権と医療の選択権を侵害したというもので、修復腎移植の妥当性を証明し、学会の態度を変えさせるのが目的でした。

2008年12月の提訴から7年余りを費やしたこの訴訟は、残念ながら一審、二審とも原告の敗訴に終わりました。また訴訟の準備の段階から結審までの間に原告を予定していた2人と、原告7人のうちの4人の方々が相次いで亡くなるという悲しい事態が起きました。皆さん、修復腎移植に望みを託し、元気になって社会復帰したいと切望していました。その無念の思いを私たちは決して忘れることはできません。この方々の遺志を受け継ぐためにも、また多くの患者さんが一日も早く救われるためにも、修復腎移植が再開される日まで、私たちは引き続き粘り強い運動を続けていく考えです。また10年の活動の軌跡を詳細に記録し、今後の活動に生かしたいと考えています。

そこで、あらためて移植学会に対する疑問をただすため、昨年11月から12月にかけて、高原史郎前理事長ら関係者4氏に相次いで質問状を送付しました。その内容をご紹介したいと思います。ちなみに回答が返ってきたのは1人だけで、それもまったく内容のないものです。相変わらず誠実

な対応をされない学会幹部の態度にあきれてものが言えません。                                              

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修復腎移植の有効性認めながら沈黙

ニコル論文紹介した公文・堀江両氏

 新見公立大学副学長の公文裕己氏(前岡山大学医学部教授=泌尿器科)と堀江重郎氏(順天堂大学医学部・大学院医学研究科教授=同)は、2004年5月にサンフランシスコで開かれた第99回全米泌尿器学会に出席し、オーストラリアのデビッド・ニコル教授が発表した修復腎移植の論文を日本にいち早く紹介しています。公文氏は同学会のハイライト集の編集幹事を、堀江氏はこのハイライト集に掲載されたニコル教授の論文の翻訳、解説を担当し、ともに修復腎移植の有効性についてコメントしています。

つまり、万波先生らが進めていた修復腎移植を、日本移植学会の幹部が「見たことも聞いたこともない医療」「人体実験だ」などと非難していたとき、二人は既に米国の学会で発表されていたニコル教授の修復腎移植論文を紹介し、その有効性を指摘していたのです。

しかし、学会が激しい非難を繰り広げるなかで、何ら発言せず沈黙したと想像されます。あるいは学会関係者から強く口止めをされたのかもしれません。いずれにせよ、このとき、両氏がニコル論文のことを発言していれば事態は大きく変わっていたかもしれないだけに、残念でなりません。そこで、両氏に当時、どんな対応をされたのか、どんな事情があったのかを聞くため質問状を送付しました。

   公文氏への質問状                                                                         

                               平成28年11月14日

新見公立大学副学長

公文 裕巳様

修復腎移植に関する質問について

NPO法人移植への理解を求める会

理事長 向田 陽二

拝啓 医学の普及と発展のために、先生が日ごろ多大のご努力をされていることに対し、心から敬意を表します。

さて、突然このような文書をお送りする失礼をお許しください。

 私たちは慢性腎不全患者の救済に大きな期待が寄せられている修復腎移植の再開を訴え、2006年11月、移植への理解を求める会(事務局・松山市、会員1400人)を結成し(2009年8月にNPO法人化)、署名活動をはじめ厚労省への陳情、講演会、シンポジウムの開催などさまざまな活動を進めてきました。

 ご承知の通り、2008年12月には修復腎移植再開を切望する透析患者と移植者計7人が、日本移植学会幹部の先生方5人を相手取り、「虚偽の発言によって修復腎移植の妥当性(安全性と有効性)を否定し、厚労省による禁止を誘導、患者の生存権と選択権を侵害した」として松山地裁に提訴し、私たちの会がこの訴訟を全面的に支援してきました。結果は、一昨年10月、同地裁が原告の訴えを棄却、二審の高松高裁も今年1月、同様の判決を下し、原告の敗訴に終わりました。

 しかしながら、もともと保険医療で認められていた修復腎移植が禁止となり、多くの透析患者が見殺しにされている現実は絶対に容認できないことであり、私たちは修復腎移植が一般医療として再開されるまで、引き続き粘り強い運動を続けていくつもりです。

 そこで、今後、活動を進めていくに当たって、先生にぜひ教えていただきたいことがあり、この文書をしたためました。

 一昨年2月25日、松山地裁での証人尋問に出廷された日本移植学会広報委員長の吉田克法先生は、原告側弁護人に修復腎移植に関する海外の事例を問われ、オーストラリアのデビット・ニコル医師が実施した45例の修復腎移植について「(ニコル医師の)論文は、我々もすぐに入手して、移植学会でも取り上げた」と証言されました。

 しかし当時、日本移植学会副理事長だった大島伸一先生は、吉田先生とはまったく異なる発言をされています。大島先生に取材したノンフィクションライター・高橋幸春氏の著書「透析患者を救う! 修復腎移植」(彩流社)によると、ニコル医師の論文が掲載された第99回全米泌尿器科学会(2004年、サンフランシスコで開催)のハイライト集を、高橋氏が大島先生に提示したところ、先生は「(論文を)初めて見る」と答え、「不勉強と批判されても仕方ない。当時、そうした情報が上がってきたという記憶もない」と述べておられます(高橋氏のこの著書は裁判で証拠採用されました)。

 また一昨年318日、松山地裁での本人尋問に出廷し、高橋氏の著書について「事実関係に問題(事実とは異なる記述)があるかどうか」と原告側弁護士に問われると、「一言一句正確かと言われれば自信はないが、書いてある内容に、私としては、違和感はない」と答え、第99回全米泌尿器科学会のハイライト集については「知らなかった」と証言されました。

公文先生は、このハイライト集の編集幹事を務め、ニコル論文について「移植の領域では、移植免疫に関する研究のほかに、腎癌の小病巣が偶発発見され摘出された腎臓は腎移植の供給源となりうるという報告や(中略)臓器不足の解消や適応の拡大に取り組む移植医の努力と苦悩がうかがわれた」とコメントを記されています。

そこで次の二つの質問について、先生にご回答をいただきたいと思います。

<質問1> 2006年11月、宇和島徳洲会病院の万波誠先生らが実施していた修復腎移植が臓器売買事件の調査過程で表面化すると、日本移植学会が厳しく批判し、新聞や週刊誌が「事件」としてセンセーショナルな報道を続けたのはご承知の通りです。当時、大島先生は修復腎移植について「見たことも聞いたこともない医療」などとマスコミに発言されました。

 一方、前述のハイライト集に記された公文先生のコメントによると、先生は修復腎移植の可能性について十分認識されていたと思われます。修復腎移植が日本移植学会の批判を浴び、大騒動となっている折、先生はこのハイライト集を日本移植学会に送付するなどして、ニコル医師の論文を学会関係者に紹介されたのでしょうか。もし、そうされなかったとしたら、なぜされなかったのか、その理由をお教えください。

<質問2> ニコル論文の翻訳を担当された堀江重郎先生に、当時、マスコミ数社の記者が取材を申し入れたところ、移植学会の関係者からニコル医師の移植についてはコメントを控えてほしい旨の連絡が先生にあったことを告げられたと伝え聞いています。

公文先生にも同様に、ニコル論文へのコメントについて移植学会関係者から何らかの働きかけがあったのでしょうか。お教えください。

 7年余りを費やした修復腎移植訴訟は原告の敗訴に終わりました。提訴直前には原告を予定していた2人が亡くなり、原告団に加わった仲間も、7人のうち4人が係争中に相次いで亡くなりました。全員、透析患者で「修復腎移植を受け、元気になって社会のお役に立ちたい」と強く望んでいました。

 修復腎移植が禁止されてほぼ10年。この間に修復腎移植が再開されていたら、皆さんの多くが助かっていたはずです。そのことを思うと無念でなりません。これら仲間の遺志を受け継ぐためにも、移植を待ちわびている多くの患者の皆さんのためにも、私たちは運動の継続とともに、活動の詳細な記録を残しておく必要性を強く感じています。

 以上、私どもの思いをご理解いただき、どうかご協力をよろしくお願いいたします。

 なお、ご多忙中、まことに恐縮ですが、この文書到着後2週間以内にご回答をいただければ幸甚です。                                      敬具

 →回答なし

   堀江氏への質問状                                

                               平成28年11月14

順天堂大学医学部・大学院医学研究科

教授 堀江 重郎様

修復腎移植に関する質問について

NPO法人移植への理解を求める会

理事長 向田 陽二

                           

拝啓 医学の普及と発展のために、先生が日ごろ多大のご努力をされていることに対し、心から敬意を表します。 (中略=公文氏への質問状と同文)

 堀江先生はこのハイライト集に掲載されたニコル論文の翻訳を担当し、この論文について「移植希望の透析患者が家族にいるT1腎がん患者では今後ドナーのオプションになるかもしれない」と、コメントを記されています。

そこで次の二つの質問について、先生にご回答をいただきたいと思います。

<質問1> 2006年11月、宇和島徳洲会病院の万波誠先生らが実施していた修復腎移植が臓器売買事件の調査過程で表面化すると、日本移植学会が厳しく批判し、新聞や週刊誌が「事件」としてセンセーショナルな報道を続けたのはご承知の通りです。当時、大島伸一先生は「見たことも聞いたこともない医療」などとマスコミに発言されました。

 一方、前述のハイライト集に記された堀江先生のコメントによると、先生は修復腎移植の可能性について十分認識されていたと思われます。修復腎移植が学会の批判を浴び、大騒ぎとなっているとき、先生はこのハイライト集を日本移植学会に送付するなどして、ニコル論文を学会関係者に紹介されたのでしょうか。もし、そうされなかったのなら、その理由をお教えください。

<質問2> 当時、マスコミス数社の記者が堀江先生に取材を申し入れたところ、移植学会の関係者からニコル医師の移植についてはコメントを控えてほしい旨の連絡が先生にあったことを告げられたと伝え聞いています。移植学会関係者から先生に、どのような働きかけがあったのか。お教えください。

7年余りを費やした修復腎移植訴訟は原告の敗訴に終わりました。提訴直前には原告を予定していた2人が亡くなり、原告団に加わった仲間も、7人ののうち4人が係争中に相次いで亡くなりました。全員、透析患者で「修復腎移植を受け、元気になって社会のお役に立ちたい」と強く望んでいました。

 修復腎移植が臨床研究を除き、禁止されて10年。この間に修復腎移植が再開されていたら、皆さんの多くが助かっていたはずです。そのことを思うと、無念でなりません。仲間の遺志を継ぐためにも、移植を待ちわびている皆さんのためにも、私たちは運動の継続とともに、活動の詳細な記録を残しておく必要性を強く感じています。

以上、私たちの思いをご理解いただき、ぜひご協力をよろしくお願いいたします。

 なお、ご多忙中、まことに恐縮ですが、この文書の到着後2週間以内にご回答をいただければ幸甚です。                                    敬具

→回答なし

「ニコル論文、即取り上げた」は本当か吉田氏

 日本移植学会広報委員長の吉田克法氏(奈良県立医科大学附属病院教授=泌尿器科)は松山地裁での修復腎移植訴訟の証人尋問で「ニコル教授の修復腎移植の論文をすぐに入手し、移植学会でも取り上げた」と断言しました。しかし、当時、学会副理事長だった大島伸一氏は同訴訟の本人尋問で「(論文を)初めてみる」と発言しています。この矛盾を明らかにするため吉田氏に聞きました。

   吉田広報委員長への質問状                              

                              平成28年11月14日

日本移植学会広報委員長

吉田 克法様 

修復腎移植に関する質問について

NPO法人移植への理解を求める会

理事長 向田 陽二

拝啓 医学の普及と発展のために、先生が日ごろ多大のご努力をされていることに対し、心から敬意を表します。

さて、突然このような文書をお送りする失礼をお許しいただきたいと思います。

私たちは慢性腎不全患者の救済に大きな期待が寄せられている修復腎移植の再開を訴え、2006年11月、移植への理解を求める会(事務局・松山市、会員1400人))を結成し(2009年8月にNPO法人化)、署名活動をはじめ厚労省への陳情、講演会、シンポジウムの開催などさまざまな活動を進めてきました。

 ご承知の通り、2008年12月には修復腎移植再開を切望する透析患者と移植者計7人が、日本移植学会幹部の先生方5人を相手取り、「虚偽の発言によって修復腎移植の妥当性(安全性と有効性)を否定し、厚労省による禁止を誘導、患者の生存権と選択権を侵害した」として松山地裁に提訴し、私たちの会がこの訴訟を全面的に支援してきました。結果は、一昨年10月、同地裁が原告の訴えを棄却、二審の高松高裁も今年1月、同様の判決を下し、原告の敗訴に終わりました。

 しかしながら、もともと保険医療で認められていた修復腎移植が禁止となり、多くの透析患者が見殺しにされている現実は絶対に容認できないことであり、私たちは修復腎移植が一般医療として再開されるまで、粘り強く活動を続けていくつもりです。

 そこで、今後、活動を進めていくに当たって、先生にぜひ教えていただきたいことがあり、この文書をしたためました。

 一昨年2月25日、松山地裁での証人尋問に出廷された吉田先生は、原告側弁護人から修復腎移植に関する海外の事例を問われ、オーストラリアのデビット・ニコル医師が実施した45例の修復腎移植について「(ニコル医師の)論文は、我々もすぐに入手して、移植学会でも取り上げた」と証言されました。

 しかし当時、日本移植学会副理事長だった大島伸一先生は、吉田先生とはまったく異なる発言をされています。大島先生に取材したノンフィクションライター・高橋幸春氏の著書「透析患者を救う! 修復腎移植」(彩流社)によると、ニコル医師の論文が掲載された第99回全米泌尿器科学会(2004年、サンフランシスコで開催)のハイライト集を、高橋氏が大島先生に提示したところ、先生は「(論文を)初めて見る」と答え、「不勉強と批判されても仕方ない。当時、そうした情報が上がってきたという記憶もない」と述べておられます(高橋氏のこの著書は裁判で証拠採用されました)。

 また一昨年318日、松山地裁での本人尋問に出廷した大島先生は、高橋氏の著書について「事実関係に問題(事実とは異なる記述)があるかどうか」と原告側弁護士に問われると、「一言一句正確かと言われれば自信はないが、書いてある内容に、私としては、違和感はない」と答え、第99回全米泌尿器科学会のハイライト集については「知らなかった」と証言されました。

吉田先生も、大島先生も、法廷での証言に先立ち「真実のみを述べる」と宣誓した上で証言をされました。しかし、お二人の証言は食い違っています。どちらが真実なのでしょうか。お教えください。

吉田先生がニコル論文を「すぐに入手して、移植学会でも取り上げた」のであれば、その日時、出席者名、議事録を提示してくださるようお願いいたします。

 またハイライト集に掲載のニコル論文を翻訳した堀江重郎先生に、当時、マスコミ数社の記者が取材を申し込んだところ、日本移植学会の関係者からコメントを控えてほしい旨の連絡が先生にあったことを告げられたと伝え聞いています。移植学会の側から、堀江先生になんらかの働きかけをされたのでしょうか。お教えください。

 7年余りを費やした修復腎移植訴訟は原告の敗訴に終わりました。提訴直前には原告を予定していた2人が亡くなり、原告団に加わった仲間も、7人のうち4人が係争中に相次いで亡くなりました。全員、透析患者で「修復腎移植を受け、元気になって社会のお役に立ちたい」と強く望んでいました。

修復腎移植が禁止されてほぼ10年。この間に修復腎移植が再開されていたら、皆さんの多くが助かっていたはずです。そのことを思うと無念でなりません。仲間の遺志を受け継ぐためにも、移植を待ちわびている多くの患者の皆さんのためにも、私たちは運動の継続とともに、活動の詳細な記録を残しておく必要性を強く感じています。

 以上、私どもの思いをご理解いただき、どうかご協力をよろしくお願いいたします。

 なお、ご多忙中、まことに恐縮ですが、この文書到着後2週間以内にご回答をいただければ幸甚です。                                      敬具  

   吉田広報委員長の回答                                                                          

NPO法人移植への理解を求める会

理事長 向田 陽二様                           

成28年11月21日

拝啓

向寒の候、ますますご清栄のことと慶び申し上げます。

さて、ご質問の件ですが、ニコルの論文に関しては松山地裁での証言が当時の記憶であります。その余の事については、回答する立場にないので回答を差し控えていただきたいと思います。どうぞご理解のほど宜しくお願いします。

                                         敬具

                                     吉田克法

米国での修復腎移植推進どう思うか高原氏

米国の臓器分配ネットワーク(UNOS)が修復腎移植の推進をスタートしたたなかで、今もか

たくなに反対を続ける移植学会。高原史郎前理事長にその考えを聞きました。

   高原前理事長への質問状                               

                               平成28年12月 15日.

大阪大学大学院医学系研究科泌尿器科

先端移植基盤医療学

教授 高原 史郎様

修復腎移植に関する質問について

NPO法人移植への理解を求める会

理事長 向田 陽二

拝啓 医学の普及と発展のために、先生が日ごろ多大のご努力をされていることに対し、心から敬意を表します。

さて、突然このような文書をお送りする失礼をお許しいただきたいと思います。

私たちは慢性腎不全患者の救済に大きな期待が寄せられている修復腎移植の再開を訴え、2006年11月、移植への理解を求める会(事務局・松山市、会員1400人))を結成し(2009年8月にNPO法人化)、署名活動をはじめ、厚労省への陳情、講演会、シンポジウムの開催などさまざまな活動を進めてきました。

 ご承知の通り、2008年12月には修復腎移植再開を切望する透析患者と移植者計7人が、日本移植学会幹部の先生方5人を相手取り、「虚偽の発言によって修復腎移植の妥当性(安全性と有効性)を否定し厚労省による禁止措置を導き、患者の生存権と選択権を侵害した」として松山地裁に提訴し、私たちの会がこの訴訟を全面的に支援してきました。結果は、一昨年10月、同地裁が原告の訴えを棄却、二審の高松高裁も今年1月、同様の判決を下し、原告の敗訴に終わりました。

 しかしながら、もともと保険医療で認められていた修復腎移植が禁止となり、多くの透析患者が見殺しにされている現実は絶対に容認できないことであり、私たちは修復腎移植が一般医療として再開されるまで、粘り強い活動を続けていくつもりです。

 そこで、今後、活動を進めていくに当たって、先生に次の3点について、お教えいただきたく、この文書をしたためました。ぜひご回答をいただければと思います。

質問1、米国では、全米臓器移植ネットワーク(UNOS)が修復腎移植を有力な医療と認め、今年4月から推進をスタートさせました。しかし、日本移植学会はいまだに、修復腎移植はドナーとレシピエント双方にリスクを与える恐れがあるなどとして反対しています。このことについて、ご見解をお聞きしたいと思います。

質問2、今年8月25日に開かれた先進医療を審議する厚労省の審査部会で、担当委員の一人から「ダビンチや内視鏡の登場により、腎がんは7センチくらいまで部分切除で取り出すことができるようになった。全摘の例は非常に限られており、先進医療の申請は意味がない」という趣旨の発言がありました。しかし、がんの部位や再発の可能性などを考えると、全摘が極端に少なくなるとは思えません。また「数が限られているから検討する意味がない」というのはおかしいと思います。なぜなら使えるものなら、1個でも無駄にすべきではないと思うからです。この委員の意見について、ご見解をお聞きしたいと思います。

質問3、患者が学会幹部の先生方を訴えた修復腎移植訴訟で、証人尋問に出廷された日本移植学会広報委員長の吉田克法先生は「ドナーの癌が持ち込まれる恐れが、たとえば0・1%でもいけないのか」との原告側弁護人の質問に対し、「移植の場合は、数字が非常に低くても駄目だと思う」と肯定する発言をされました。しかし、世界で100例以上行われている小径腎がんの修復腎移植では、がんが伝播した例は1例も確認されていません。また透析をずっと続けることのリスクの方が修復腎移植によるがん伝播のリスクよりはるかに大きいと私たちはと思います。この吉田先生の発言について、ご見解をお聞きしたいと思います。

 7年余りを費やした修復腎移植訴訟では、提訴直前に原告を予定していた2人が亡くなり、原告団に加わった仲間も、7人のうち4人が係争中に相次いで亡くなりました。全員、透析患者で「修復腎移植を受け、元気になって社会のお役に立ちたい」と強く望んでいました。

 修復腎移植が禁止されてほぼ10年。この間に修復腎移植が再開されていたら、皆さんの多くが助かっていたはずです。そのことを思うと無念でなりません。これら仲間の遺志を受け継ぐためにも、移植を待ちわびている多くの患者の皆さんのためにも、私たちは運動の継続とともに、活動の詳細な記録を残しておく必要性を感じています。

以上、私どもの思いをご理解いただき、ご協力をよろしくお願いいたします。

 なお、ご多忙中、まことに恐縮ですが、この文書到着後2週間以内にご回答をいただければ幸甚です。 

                                         敬具

 →回答なし

報第23

(通算39)2017年

1月26日(木)発行

発行者 NPO法人移植への理解を求める会  理事長 向田 陽二

798-4101愛南町御荘菊川2290    電話085-74-0512

編集者                  副理事長 野村 正良

       〒791-8006松山市安城寺町1746-8    電話089-978-5434

発行所                  事務局長 河野 和博

       〒790-0925松山市鷹子町9282     電話089-970-3943

  


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# by shufukujin-kaihou | 2017-01-28 09:52 | NPO会報第23号(39号)

NPO法人会報第22号(通算38号)


 NPO移植への理解を求める会 会報第22号       

先進医療、継続審議に

修復腎移植厚労省が審査部会開催

先進医療適用の可否を審議する厚生労働省の先進医療技術審査部会が8月25日、東京都港区の航空会館で開かれました。医療、法曹関係の委員16人が出席し、協議した結果、徳洲会が再申請した修復腎移植は、残念ながら承認には至らず、「継続審議」となりました。

修復腎移植の先進医療適用について審議が行われたのは2012年8月の専門家会議以来、4年ぶりです。今回の協議では4人の担当委員から「腹腔鏡やダビンチの導入により、腎がんは7センチくらいのものまで部分切除で対応できるようになった。全摘は極めて限られており、修復腎移植の申請は疑問」「ドナーへの腎全摘基準の説明があいまい。全摘を誘導する恐れがある」といった趣旨の否定的な意見が相次ぎました。

しかし、厚労省の担当者から「徳洲会は、委員の先生方の意見を踏まえ、内容を修正して再申請する強い意欲がある」と擁護する発言があり、かろうじて継続審議となったというのが実情です。

徳洲会では「継続審議となったことは非常に残念」としながらも、「移植を待つ患者さんのために、厚労省の関係部局の指導を仰ぎながら、もう一度、先進医療適用の申請をしたい」としています。

協議は「茶番」広く議論できる

厚労省の審査部会の協議を傍聴した感想を一言で言うと、結論ありきの「出来レース」であり、「茶番」と言えるものでした。担当委員は全員、移植の現場やこれまでの経緯を知らない門外漢で、学会の主張に合わせておけば間違いないと思っているのか、それとも学会に吹き込まれたのか、出てくる意見は学会の受け売りのようなものばかりでした。

したがって、私たちにとって納得のいかない意見ばかりです。「全摘の症例は極めて限られており、修復腎移植は疑問」という発言も、修復腎を否定するために学会が新たに唱え始めたことです。仮に今後、全摘の症例が減少していくとしても、まだまだ捨てられている腎臓は少なからずあるはず。移植を待つ患者さんの命を救うためにこれらを1個たりとも無駄にせず、役立てるべきです。委員らはその1個の重みをまったく分かっていないようです。

「全摘基準の説明があいまいで、ドナーに全摘を誘導する恐れがある」という意見も、私たちには言いがかりのように思えます。臨床の現場では全摘の基準は自ずとはっきりしているのではないでしょうか。ドナーへの全摘誘導も、第三者機関がチェックすれば起こり得ないと思います。

また協議の中で、海外の移植関係者の間で修復腎移植が絶賛され、アメリカでは全米臓器配分ネットワーク(UNOS)が修復腎の利用を始めたことなどは一切話題にされませんでした。委員らは修復腎移植を取り巻くこうした事情についても、理解が乏しいように思えました。

厚労省は先進医療の適用について公平な判断をするために、審査部会の委員の構成や人選を一から見直すべきではないでしょうか。委員には移植の臨床現場を知る医師や生命倫理学の専門家などを加え、幅広く議論ができる場にすべきだと思います。事実上、4人の担当委員の意見だけで判断が決まるような審査ではあまりに公平さを欠くように思います。

ただ審査部会を通じ、厚労省が修復腎移植に対して、前向きに考えていることが分かったことは、大きな収穫でした。今後の対応に期待したいと思います。(N)

 評論 難波紘二・広島大学名誉教授                         

「腎全摘必要ない」と委員

厚労省の先進医療技術審査部会

では生体腎移植はどうなのか?

期待していた厚労省「先進医療技術審査部会」での「修復腎移植臨床研究」の審査が、移植学会関係者により「ダビンチの登場によりロボットで部分切除できるようなったから、小径腎がんの全摘は必要ない」という意見が強い中、厚労省の医系技官の異議申し立てにより、「却下するのではなく、継続審議にして、出された問題点をさらに改良すべき」という意見でかろうじて「継続審議」になったという。

 この人たちは当初、「腎臓がんの腎臓を移植に用いたらがんが移るから、絶対に禁忌」だと、居丈高に主張した。それが元学説の提唱者ペンの学説が誤りであり、世界中ですでに100例以上行われた修復腎移植でドナーのがんが再発した例は1例もない。(逆に移植腎にレシピエント由来のがんが発生した例は何例かある。)

 すると今度は、「もともと小径腎がんは、部分切除すれば治癒するので、ドナーに過剰な負担をかける全摘術はやるべきでない」と主張し始めた。

 ならば「健康なドナーから腎臓を摘出する生体腎移植」はもっとも非人道的行為ではないのか?日本の腎移植の80%が「生体腎移植」であるという、状況は誰に責任があるのか?

 2006/11月に「修復腎移植」が公表されて以来、これを禁止するために彼らが口にする言説は完全に矛盾している。そうまでして誰の、どういう権益を守ろうとするのだろうか?

 いま、最後の追い込みにかかっている「第6章:国内の反応:学会と厚労省」用に用意しているゲーテのアフォリズムを紹介しよう。

「およそ完全に矛盾したことは、愚者にも賢者にも等しく神秘的に聞こえますからね。あなた、学芸の道は、昔も今もおんなじだ」(ゲーテ「ファウスト」第一部)

 臨床研究の症例数も前回の倍近くになり、経過追跡も5年以上がかなりある。小川先生の英語論文もすでに2本が国際誌に発表されている。

 修復腎移植が「TOD(治療的臓器提供)」という名の下に米UNOSの政策として採用され、ヨーロッパででも公認されている。まともに考えれば、承認するのが当然だろう。

 恐らく猿田座長らは「合理的・理性的判断」ではなく、山本七平がいう「空気」をつくりだして「空気の支配」のもとに、「何となく却下」をねらっているのだと思われるが、「委員会決定という名の無責任決定=空気の支配」を許してはいけない。

 臨床研究主体の徳州会にはまだ苦難の道が続くが、指摘されたマイナーな欠陥には誠実・柔軟に対応し、「却下」という最悪の事態に至ることだけはさけてほしいと願う。

 そのうちにUNOSの「TOD」政策による「修復腎移植」の2016年データが公表されるはずだ。これが出れば、確実に流れは変わるだろう。(病理学・生命倫理学)


 ニュース報道から                           

病気腎移植 継続審議に 先進医療指定 説明体制「曖昧」厚労省部会

 宇和島徳洲会病院(宇和島市住吉町2丁目)が臨床研究を進めている直径4センチ以下の小径腎がんを用いた「病気腎(修復腎)移植」について、厚生労働省の先進医療技術審査部会(座長・猿田享男慶応大名誉教授)は25日、費用の一部が保険適用となる先進医療指定の可否に関する審議を始めた。腎摘出に伴うリスクや治療法選択に関するドナー(提供者)への説明体制に「曖昧な点が多い」などとして申請内容の修正を求め、継続審議となった。
 部会には医療や法曹分野の16人が出席。事前評価した部会メンバーは、小径腎がんの治療では部分切除が推奨されている点を強調し「ドナーへの説明文書に十分な記載がなく、腎摘へと誘導されかねない」「腎摘が妥当な場合の医学的条件を明確にする必要がある」などと指摘した。
 猿田座長は「日本中で移植を待っている人がいるのは分かる。非常に大切な問題で、早急に対応してほしい」と話し、指摘した点の検討を病院側に求めた。
 傍聴した徳洲会担当者は「今後の方針を検討したい」とコメント。修復腎移植を推進するNPO法人「移植への理解を求める会」の向田陽二理事長(58)は「全摘が少ないと言うが、実際に捨てられている腎臓はある。命がかかっている患者のことも考え、前向きな言葉がほしかった」と述べた。 

【写真】病気腎移植の安全性や倫理的問題などを審議した厚生労働省の先進医療技術審査部会=25日午後、東京都港区               (2016年8月26日付、愛媛新聞)


 コラムから     
                                                                                      

廃棄の腎臓 透析患者へ活用ぜひ

塩崎厚労相、解禁すれば金字塔に

 食品スーパーの片隅で、よくB品のバナナを売っている。医療関係者がって「痛んだ所を切り捨てる場合でも、食品としては医学的に妥当性がない」と邪魔して、廃棄を命じたらどうか。消費者や店は怒るだろう。こんな話が腎臓移植の世界では起きているのだ。

苦しい透析生活、巨額医療費も

 年を取れば動脈硬化は進む。毛細血管のかたまりである腎臓がダメになる。また糖尿病が悪化しての糖尿病性腎症もある。多くの人は無関心で腎臓が背中に位置する事も知らない。機能が約15%に落ちるまで自覚症状がないので、だるさや頭痛、吐き気で気付いた時は手遅れだ。「他人事だよ」と思ってはならない。毎年3万人が新規に透析に入る。動脈硬化、高血圧、糖尿病を持つ人は立派な予備軍だ。

 透析には二つ方法があるが大半は血液透析。2日に1回、4時間ほどクリニックのベッドに横になり、太い針で血を抜いて機械で浄化する。費用は年間500万円。全国で31万人が透析中。身障者手帳を持つので医療費1兆5千億円は税金で負担している。

 透析機器は「尿」を作れない。水分の除去が苦手なので、患者は一日コップ数杯しか飲めない。果物や野菜はカリウムが多いのでほとんど口にできない。透析スケジュールに縛られるので、国内旅行さえ困難になる。

リスクは患者、自己決定に委ねよ

 本来は腎臓を移植すれば良いのだが、国内では人の死は「心臓死」か「脳死」か、という論争に陥った挙句、第三者からの臓器提供は極めて少ない。がんなどで切除される腎臓を腎不全患者に利用する「修復腎(病気腎)移植」は日本移植学会と厚生労働省がストップをかけ、臨床研究以外は認められない。修復腎移植の解禁と保険適用を願う患者団体が、移植学会を訴えて裁判も起こした経緯がある。

 腎臓は1個切除しても浄化能力は7割程度保てるので(腎臓がんなどになった場合は)片方の全摘が多いそうだ。こうして廃棄される腎臓を縫合して患者に移植すると、透析から解放される。拒絶反応を抑える薬は欠かせないが、水も飲め、不通に働けるようになる。小さながんは、個々人の免疫の型が違うので再発の例はないそうだ。仮にエイズや肝炎患者の腎臓なら、同じ病気を持つ透析患者に移植すればどうか。透析クリニックへの補償や転業促進は別途考えれば良い。患者団体によると、年間2000個の廃棄腎が確保できるという。

私には、移植医が廃棄腎の移植に反対する理由が分からない。リスクを負ってでも移植を受けたいという「自己決定」の原則をなぜ移植医が妨げるのか、その論拠を知りたい。。廃棄腎がダメなら、厚労省や移植学会が年2000個の腎臓を手配して欲しい。

疑り深い私には、1人年間500万円という医療費に医師、製薬や機器メーカー、天下り先を求める官僚がむらがっていないかと邪推してしまう。あるいは突出した実績の医師に「やっかみ」があるのかもしれない。 

医療費は大幅減、2千人に幸せが

厚生労働大臣は愛媛1区選出の塩崎恭久氏だ。彼は現在の職務でどんな実績があるのだろうか?

ここで参考になるのが井出正一厚生大臣(在任1994~95年)だ。旧長野2区で、さきがけから当選。井出大臣はトップダウンで病・医院の診療科目を拡大し、リハビリテーション科、リウマチ科の標ぼうを認めた。おかげでリウマチの場合、患者はすぐに専門医にアクセスが可能になり、感謝されている。

本年2月に共同通信が報じたのだが、米臓器移植ネットワーク(UONS)が「治療目的で摘出された病気の臓器(腎、肝)が、他の患者体内で機能する場合は、捨てずに移植医療に生かす」という趣旨で指針改正案をまとめ、4月から実施し始めたそうだ。

アメリカの考え方が日本に波及するのは時間の問題だ。もし塩崎厚労大臣が前倒しで廃棄腎の活用を解禁すれば、透析患者や家族から終生、感謝されるだろう。健康保険の財政負担も軽減する。透析クリニックの転業促進や補償は別途考えれば良い。

塩崎大臣が先取りして廃棄臓器の移植を解禁し、大きな実績に加えていただきたいと思う。

                           (客員論説委員・宮住冨士夫)

(2016年7月25日付、愛媛経済レポート第2018号「よもやまジャーナル」)

 

報第22号

(通算38号)

2016年

9月26日(月)発行

発行者 NPO法人移植への理解を求める会  理事長 向田 陽二

798-4101愛南町御荘菊川2290    電話085-74-0512

編集者                  副理事長 野村 正良

       〒791-8006松山市安城寺町1746-8    電話089-978-5434

発行所                  事務局長 河野 和博

       〒790-0925松山市鷹子町9282     電話089-970-3943



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# by shufukujin-kaihou | 2016-09-26 15:46 | NPO会報第22号(38号)

NPO法人会報第21号(通算第37号)


 NPO移植への理解を求める会 会報第21号 
        

来月・松山で第8回定期総会

NPO法人移植への理解を求める会は、6月19日(日)午前11時から、松山市道後姫塚のにぎたづ会館(電話089-941-3939)で、第8回定期総会を開きます。総会では、前年度の活動報告、決算報告、本年度の活動計画、予算案などを審議します。

 講演会やイベントはありません。参加対象者の理事と正会員の方は、よろしくお願いします。

問い合わせは河野和博事務局長まで。電話089-970-3943   


ニュース報道から                         

宇和島徳洲会病院の「病気腎移植」

進む臨床研究17例に

 がんなどの患者から腎臓を摘出し、病気の部分を取り除いて別の腎臓病患者に移植する「病気腎(修復腎)移植」の臨床研究を医療法人徳洲会が続けており、2009年以降、これまで17例が実施された。
 国は「原則禁止」としており、保険は適用されていないが、徳洲会側は来年初めにも、一部保険適用を求め厚生労働省に先進医療の適用を再申請する方針だ。
 病気腎移植は06年、宇和島徳洲会病院(宇和島市)の万波誠医師(74)らが実施していたことが明らかになり、妥当性が議論になった。万波医師らは透析患者を救う、生体腎・死体腎移植に次ぐ「第3の道」と主張したが、日本移植学会などは、がん再発のリスクを指摘し、安全性が認められていないと批判。厚労省は07年、「現時点では医学的に妥当性がないとされている」とし、臨床研究として実施する場合以外は禁止すると決めた。
 徳洲会によると、臨床研究は親族間では臓器提供者(ドナー)の病気を限定せず、第三者間では腫瘍が4センチ以下の小径腎がんが対象。移植を受けた17人のうち1人が術後に、2人は透析を再開した後に亡くなった。がんの再発例はないという。
 徳洲会は第三者間の10例の経過をまとめ、「移植して32~58カ月経過するも腎機能は良好で、がん再発はない」とする論文を今年8月、移植の国際専門誌に発表した。
 先進医療は11年10月に申請したが、厚労省の専門家会議は12年8月、手術後の健康状態のデータが不十分などとして認めなかった。病院側は10例の論文データも添え、来年初めにも再申請する計画。
 臨床研究の責任者、東京西徳洲会病院(東京都)の小川由英医師は「移植を切望する透析患者にとって推奨できる治療法で、ドナー不足の解消にも役立つ」と話す。
 日本移植学会は「一般的な治療としての病気腎移植は認めていない」との姿勢を変えていない。

 夫から妻へがん摘出腎の現場 「透析患者の希望」

 目の前のコンピューター断層撮影(CT)画像には男性の右の腎臓が映る。医師が示した丸い出っ張りはがん。この腎臓は腫瘍を取り除き、妻に移植される。7月に宇和島徳洲会病院で実施された16例目の臨床研究手術に立ち会った。

 手術前日の7月7日、同病院の診察室。既に入院していた臓器提供者(ドナー)の東京都東村山市の団体職員島田道明さん(65)と移植を受ける妻久仁さん(63)を前に、万波誠医師が手術の説明を始めた。腎臓の模型を手にしている。

 「この下に植え付ける」。右の腎臓の下を指さす。「血管が腫瘍にひっついとる。ただ、私らは成功する以外ないと思っとる」と言われると、夫婦はうなずいた。
 久仁さんは2012年に腎不全で食事制限を始めた。体調は悪化し、睡眠障害や食欲不振になり、14年9月に透析に。道明さんは腎臓の提供を決めたが、検査で右の腎臓に2・7センチの腫瘍と0・9センチの結石が見つかった。
 手術について何度も説明を受けたという久仁さん。「他人の体に移植すればがんが再発する可能性は低いと聞いた。不安はありません」
 国内の慢性透析患者は30万人を超える。日本臓器移植ネットワークによると、腎移植の希望登録者は約1万2千人だが、実際に移植を受けられるのは1%程度という。
 万波医師は「日本は本当に臓器不足なんよ。小さいがんなら取れば再発せんといわれている。捨てる腎臓が使えれば臓器不足を解消する手段になる」と繰り返し語った。
 7月8日午前11時50分、道明さんの体にメスが入った。執刀医らが手術台を囲み、腎臓周りの組織を外していく。
 午後2時20分ごろ万波医師が現れ、隣の手術室で、砕いた氷を容器に入れ、その上にガーゼを敷いた。取り出した腎臓を冷やす準備だ。
 「いつでも取れます」。声が上がる。腎臓が取り出された。
 隣室に運ばれた腎臓は氷の上で冷やし、血管から保存液を入れる。万波医師が腫瘍の周りを小さなはさみで小刻みに切る。「思ったより大きいな」。薄い灰色の腫瘍は15分ほどで切り取られた。
 保存液を流し、漏れがある血管の傷を見つけ糸で縫っていく。結石も取り出した。そして腎臓は久仁さんの体内に。素早く血管をつなぎ午後9時50分、手術は終了した。

 久仁さんの経過は良好で、8月11日に退院し、現在も腎臓は正常に機能している。「体が軽く、こんな元気なのは久しぶり。移植を望む透析患者の希望になるのではないかと思う」。声が明るかった。

一般治療と認めていない

 【日本移植学会広報委員長で奈良県立医科大の吉田克法病院教授の話】 日本移植学会の意見は変わっておらず、病気腎移植を一般的な治療とは認めていない。腎臓を丸ごと摘出するのは臓器提供者(ドナー)に不要な負担をかける。4センチ以下の腎がんであれば、術後の腎機能が良好に保たれるので腫瘍だけを切除するのが望ましい。今後の経過を慎重に見ていきたい。かつてあれだけ議論を巻き起こしたので、研究過程や患者の経過を積極的に情報公開してほしい。

患者の自己決定権尊重を
 【岡山大の粟屋剛教授(生命倫理学)の話】 かつては論争があったが、今では国際的には病気腎移植を受けた患者にがんが転移する可能性は極めて低いとされ、国内の臨床研究でもがんの再発は見られていない。仮に病気腎であっても苦しい透析から逃れるために移植を受けたいという患者の自己決定が医療者や医学界によって否定されるとすれば、生命倫理の視点から問題だと思う。第三者間で実施する場合、臓器の配分が公正に行われる仕組みづくりも必要になるだろう。

                    (2015年12月8日付、愛媛新聞)                   


治療摘出臓器を移植に

米国組織が指針改正案まとめる

 【ワシントン共同】米臓器移植ネットワーク(UNOS)は7日までに、治療目的で摘出された臓器を別の人に移植する医療の推進に向けた移植指針の改正案をまとめた。臓器提供者が恒常的に不足する中、移植医療に生かされず捨てられる臓器を少しでも減らすのが狙いで、年内にも適用される。
 摘出された病気の臓器でも、移植を受けた患者の体内では機能する場合がある。日本では宇和島徳洲会病院の万波誠医師らが、腎がん患者などから摘出した腎臓の病変部分を切除して移植する「病気腎移植」として臨床研究を進めているが、日本移植学会などは「医学的妥当性がない」と反対している。
 UNOSの既存指針では、臓器提供者にとっては健康上の利点がない生体移植と同じ扱いで実施条件が厳しいが、必要な手続きを一部簡素化し「摘出手術を受けた患者が、より簡単に提供者になることを選択できるようにした」(UNOS関係者)とし、正規の移植医療として位置付ける。
 提供される臓器は、腎臓がん患者の腎臓や、メープルシロップ尿症患者の肝臓なども想定している。主には、肝臓移植を受けた患者から摘出した肝臓を別の重病患者に玉突き式に移植する「ドミノ肝移植」の増加を期待しているとしている。     (2016年2月8日付。愛媛新聞)


 病気腎 先進医療審査へ 

宇和島徳洲会再申請 厚労省受理方針

 腎臓がんなどの患者から摘出した腎臓を腎不全患者に移植する「病気腎(修復腎)移植」について、厚生労働省は14日までに、先進医療の適用を求める宇和島徳洲会病院(宇和島市)の再申請を受理する方針を固めた。6月にも同省部会で有効性や安全性などを審査する。(3面に関連記事)
 病気腎移植は臨床研究としての実施は認められているが、保険は適用されていない。先進医療に指定されると、治療費のうち、手術を除く入院、投薬などの費用に保険が適用される。病院側は臓器提供者不足が解決できると主張しているが、日本移植学会はがん再発のリスクを指摘し、安全性は認められていないとの見解を示してきた。
 病院側は2011年10月に先進医療への申請をしたが、厚労省の専門家会議は12年8月、手術後の健康状態のデータが不十分などとして認めなかった。
 徳洲会グループはその後、10例の手術の経過をまとめ「がんの再発はない」とする論文を海外の専門誌に発表するなど、再申請に向けて準備を進めていた。

「今度こそ承認を」 喜びと期待の声

 2012年8月に病気腎(修復腎)移植の先進医療への適用が不承認と判断されて以降も、臨床研究を続けながら厚生労働省と折衝を重ねてきた宇和島徳洲会病院。厚労省が再申請を受理する方針を固めたことを受け、患者団体は14日、喜びの声を上げ、臨床研究に携わる同病院の万波誠医師(75)は冷静に受け止めた。
 同移植を推進するNPO法人「移植への理解を求める会」(松山市)の向田陽二理事長(58)は「待望の知らせ。苦しむ人を一日でも早く救うため、患者の気持ちに寄り添い、今度こそ承認してもらいたい」と期待。年間2万人の透析患者が死亡しているという現状に触れ「全国からまだかまだかという声を聞く。命を助けられる医療がある以上、否定するだけでなく一つずつクリアして実現に向かってほしい」と力を込めた。
 えひめ移植者の会の野村正良会長(67)は「先進医療への申請が移植再開の第一歩」と安堵(あんど)。米国では治療で摘出した臓器の移植が進んでいると指摘し「患者を第一に考え、国内でも前向きな努力が進むよう願う。審議を見守りたい」と述べた。
 万波医師は「患者さんのためにも早く保険適用されたらいいという思いだけ。修復腎は今まで行ってきた医療の延長上にあり、とてつもないことでも何でもない」と話した。(伊藤絵美)

(2016415日付、 愛媛新聞)


出版
                               

修復腎移植めぐる医療ドラマ

「禁断のスカルペル」が単行本に

日本経済新聞に昨年7月から今年5月末まで約1年間にわたり連載された久間十義氏の小説「禁断のスカルペル」が、日本経済新聞出版社から単行本で出版されました。修復腎移植をめぐるドラマで、主人公の女医が万波先生をモデルにした医師のもとで修復腎移植にかかわっていくという設定です。「医療とは何かをテーマとした小説で評判を呼びました。

 <内容紹介> 東京での不倫騒動の末に、離婚で子供を引き離されてしまった女性主人公が流れ着く「伊達湊市」は311の地震と津波で甚大な被害を被った架空の港町。東北の太平洋側を主な舞台に311をはさんで15年間の物語が紡がれる。主人公が「医療とは何か」を突き詰めることになるのは、この病院で行われていた病気腎移植のチームに加わってから。腎臓疾患の患者から捨てられてしまう腎臓を、病変部分を取り除いたうえ

で人工透析を必要とする慢性腎不全患者に移植する手

術は「修復腎移植」と呼ばれる。実際に現在の医学界でも公には認められていないが、人工透析の負荷に耐えられない患者側からは待望論は日に日に高まるばかり。き

わめてデリケートでホットなテーマを扱った野心作である。

本作では、臓器売買疑惑に女性主人公が巻き込まれることで、地方の小都市で行われていた、知られざる病気腎移植の実態が明るみに出て、国との暗闘が繰り返され、訴訟合戦ともなり、といった「医療とは何か」という赤ひげ先生から変わらない普遍のテーマを巡って物語は展開していく。そこに肉親の情が絡まり、感動の予想外のクライマックスを迎える。 連載中は多くの医療関係者の注目を集めた。クライマックスでの移植学会のボスのつぶやきは、現在の日本の医療に対して大きな疑問を投げかけている。(Amazonより)

報第21

(通算37)2016年

5月18日(水)発行

発行者 NPO法人移植への理解を求める会  理事長 向田 陽二

798-4101愛南町御荘菊川2290    電話085-74-0512

編集者                  副理事長 野村 正良

       〒791-8006松山市安城寺町1746-8    電話089-978-5434

発行所                  事務局長 河野 和博

       〒790-0925松山市鷹子町9282     電話089-970-3943


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# by shufukujin-kaihou | 2016-05-22 14:50 | NPO会報第21号(37号)

NPO法人会報第20号(通算第36号)

     
         NPO移植への理解を求める会 会報第20号        
               
病気腎訴訟 二審も敗訴
高松高裁「被告主張違法と言えぬ」

e0163729_22401265.jpg修復腎移植を否定する日本移植学会幹部の虚偽発言が厚労省の禁止方針を導き、患者の医療を受ける権利と生存権を侵害されたとして、患者有志4人(注1)が当時の学会幹部5人(注2)を相手取り、計2750万円の慰謝料を求めた訴訟の控訴審判決が1月28日、高松高裁であり、裁判長は原告の訴えを退けた一審判決を支持し、控訴棄却を言い渡しました。 判決理由の骨子は①学会幹部らが(修復腎移植を否定するために)誇大な発言や誤った発言をしたとしても、違法とまではいえない②修復腎移植の禁止は厚労省の主導と責任において行われたものであり、被告の言動と(修復腎移植を禁止する)ガイドライン改正の間に相当因果関係があるとは認められない―というものです。
 NPO移植への理解を求める会の会員をはじめ、多くの方々のご支援を力に裁判を続けてきました。また弁護人の先生方には裁判のための調査活動など多大のご尽力をいただきましたが、大変残念な結果となりました。しかし、裁判を通じ、修復腎移植の問題を社会にアピールし多くの人に理解を深めていただくという目的については一定の成果があったと思っています。
(注1)向田陽二、藤村由美(故藤村和義さんの訴訟承継人)、田中早苗、野村正良の皆さん
(注2)大島伸一、高原史郎、田中紘一、寺岡慧、相川厚の各氏、

上告はせず「理解広まり一定の成果」
 控訴審の判決を受けて、最高裁に上告するかどうかについては、2月9日までに原告団、弁護団、NPO移植への理解を求める会の役員に図った結果、全員一致で断念を決め、2月12日、番町クラブ(県政記者クラブ)で開いた記者会見で発表しました(記者会見には野村正良原告団長とNPOの河野和博事務局長、吉田亮三理事が出席しました)。
 上告断念の理由は①最高裁での勝訴は期待できない②訴訟を通じ修復腎移植の問題を社会にアピールし、多くの人に関心を持ってもらうという目的については、一定の成果があった③海外の動きや国内での理解の広がりなど修復腎移植を取り巻く環境が好転した―などです。
ただし、修復腎移植が一般医療として認められ再開するまで、推進活動はNPO法人移植への理解を求める会を中心に続けていく方針です。


修復腎移植推進講演会開く
宇和島 近藤先生がご講演

NPO移植への理解を求める会顧問の近藤俊文先生(市立宇和島病院名誉院長)が、停滞する日本の移植医療の推進策を提言した「日本の腎臓病患者に夜明けを―透析ガラパゴス島からの脱出」(創風社出版)を出版されたのを記念して12月5日、宇和島市で腎移植推進講演会と出版記念パーティーが開かれました。
講演会ではNPOの会員ら約70人を前に、近藤先生が書名と同じテーマで、腎移植の現状や日本の進むべき道について、お話しされました。また記念パーティーには約30人が出席、近藤先生を囲んで和やかに懇談しました。 
先生にご講演の要旨をまとめていただきましたので、ご紹介します。


「日本の腎不全患者に夜明けを」
                市立宇和島病院名誉院長 近藤 俊文先生

日本語ウイキペディアの「慢性腎不全の治療法」を検索すると、3年ほど前までは腎移植の「ジ」の字もありませんでした。英・独・仏、そしてあの中国語のウイキでさえ、きちんと腎移植が載っているというのに、透析一色でした。私がいろいろなところでそれを指摘した結果、今では腎移植も書かれていますが、日本の危機的な実情については何も指摘されていません。
慢性腎不全治療の第一選択は腎移植というのが世界の常識です(第5章)。しかし、日本の常識は「腎不全ですか、ハイ透析へ」でチョンです。透析か移植か、正確な情報が患者さんに伝えられることはまずありません。欧米では慢性腎不全治療開始のときに、腎移植と血液浄化療法について詳細に書かれた学会ガイドラインに沿って説明する義務を腎臓医に負わせています。同時にその地区の腎移植や血液浄化療法施設についての情報も渡されます。

脳死を認めない日本の社会
あろうことか、日本では透析患者の紹介(第2章⑦)や、引き抜きに大金が絡んだりしています(第5章⑦)。患者の治療権の第三者による売買としか言いようがありません。多くの生命倫理学者さんを含め、大メディアに現れる学者・文化人・作家・お坊さんたちは、現実には三猿主義(見ざる、聞かざる、言わざる)を貫いて、医学的根拠のない反脳死論に乗っかって反脳死臓器移植を発信し続けます。
 脳死は冷厳な医学的現実であり、思いつき的恣意に基づく仮説ではありません。その理解を助けるために、脳死と臓器移植の関係の歴史をまとめておきました(第7章)。日本社会は脳死を認めないために、周死期臨床において深刻な混乱を招いていますが、移植待機者もその被害者です。
ブッシュ・ジュニア大統領はその宗教的保守主義に立脚して、カトリック倫理医学者を座長とする生命倫理委員会を発足させて、脳死と臓器移植の再検定を命令しましたが、委員会の結論はブッシュのもくろみとは反対に、脳死臓器移植を是認するばかりでなく、心停止後臓器移植を推進する結論を出しました(第8章)。
 世界中で腎臓が余っている国は腎売買を国家が認めて、補助金まで出しているイランだけです。それ以外は臓器不足を臓器危機(オーガンクライシス)と認めて、いかにして移植臓器を増やすか、真摯な努力を重ねてきました(第3章)。

真剣に臓器マーケット論議
臓器危機をマーケットで、臓器売買で、解決しようという考えは古くからあります。今、世界では、カトリックでも、プロテスタントでも、イスラムでも、ユダヤでも脳死移植の推進はもちろんのこと、臓器マーケット論を真剣に検討していることを忘れてはなりません。臓器マーケットについての議論は、たえて日本では見かけませんから、少し詳しく書いておきました(第4章)。
日本の現行の医療制度は、国民皆保険と言われています。受益者自己負担が増えつつあると言っても、制度的には医療社会主義です。官僚や、メディア、実権を握っている人々の、利益業界の、つまり肝心な腎不全患者を除いたステーク・ホルダーの強大な意思に左右されています。腎不全患者だけが、蚊帳の外に置かれているのです。それは、あの病腎事件を見ればお分かりいただけるでしょう。患者の声なき声などは、学会・厚労省・メディアの権威で握りつぶす、という姿勢でした。日本のこのシステムは、「慢性腎不全の治療は透析である」と決めているとしか言いようがありません。

日本の移植システム再編を
もう一つの証拠が2010年の臓器移植法改正です。献体による腎移植を犠牲にして、わずかばかりの他臓器の脳死移植を増やしたのです(第1章①②)。こうして得られた日本の移植臓器の値段は、国際的常識から飛び抜けて高価についています(第3章②)。システムそのものが官僚的に運営されているからだと思います。現行システムの再編が喫緊の課題でしょう。私見を提言として巻末(提言)に収めました。
 さて、日本はどうしてこんな事になったのでしょうか? その最大の原因は和田心臓移植事件です。あれは、状況証拠からは、どうみても殺人事件でした。しかし、学会、検察はそれを隠蔽し、国民に拭いがたい疑念を持たせたのです。「脳死とは殺人じゃないか」と(第6章)。日本にはどう見ても、古来、欧米流の人権とか尊厳という概念が欠如していました(第9章)。その中でこそ和田事件が起きたのです。今、腎不全患者が透析に縛り付けられているのも、患者の治療権を無視した、悪しき伝統のためだとも言えましょう。

UNOSが修復腎移植推進
世界には多くの国家があり、多種多様な民族があり、それぞれ固有の宗教、文化を持っています。医療制度もまたしかりです。日本人は明治以来西洋崇拝の伝統に侵されていて、ルック・ウエスト一点張りでした(維新初期と戦時中を除いて)。ユダヤ・キリスト的思考に縛られない、その民族に適した対処法があるはずです。修復腎移植や臓器マーケットはその最たるものです。修復腎移植こそアジア・アフリカに適している方法です。
本書では、あえて修復腎移植の医学については触れていません。修復腎移植を医学的に、理論的に、また社会医学的に確立された難波先生に分担して貰うのがベストと考えているからです。
臓器マーケット論者としてひと言最後に申し添えます。イランについては第四章⑪で懐疑論も述べておきましたが、一昨年、アメリカの生命倫理学者のイラン移植情報探求記が出版されて 、疑問が解決しました。イラン方式は今のイラン人にとって必然的な方式だと分かりました。
最後に、朗報です。アメリカの臓器移植ネット/UNOS(ユーノス)が昨年秋に、「治療臓器提供」方式のパブリック・コメントをしました。 「治療臓器提供」はTherapeutic Organ Donationの拙訳です。ずばり「病腎移植」です。腎臓がんに限らず、どんな病腎でも、使えるものなら使おう、という万波式「病腎移植」です。

最後の最後にアピール。今の閉塞状況を破るのは腎不全患者さんとその家族の大声しかありません。私と野村さんの三十年以上にわたる経験から申し上げます。腎不全患者の治療選択権の奪還に大声を上げてください。友人や知人の患者さんや家族に立ち上がるようにお声をかけてください。遠慮をしていてはいつまでも闇夜です。拙著が少しはお役に立つと信じております。

  ニュース報道から
 
                                 
▼病気腎移植 二審も原告敗訴 「学会主張違法性なし」高松高裁
 病気腎(修復腎)移植をめぐる日本移植学会幹部らの発言で同移植を受ける権利を奪われたとして、県内外の腎不全患者らが当時の学会幹部5人に計2750万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、高松高裁(吉田肇裁判長)は28日、訴えを退けた一審松山地裁判決を支持し、原告側の控訴を棄却した。
 吉田裁判長は「(原告が)反論し是正する機会・方法は与えられている」などとして被告の発言は違法であるとまでは言えないとし、臨床研究以外での病気腎移植を禁じた厚生労働省のガイドラインとの因果関係についても「国の主導と責任で行われたとみるべきだ」と指摘。「病気腎移植が医学的に妥当であったとしても発言に違法性はない」として主張を退けた。
 原告側はがん転移の危険性などに関する幹部の言動に歪曲(わいきょく)や誤りが含まれ、生存率や生着率の解析も恣意(しい)的などと主張していた。
原告代理人側は「不当判決」とコメント。事実認定を争う上告は難しいが、原告らと対応を検討するとした。被告人代理人は「主張が認められた妥当な判決」と話した。日本移植学会理事会は「学会の主張が受け入れられた内容で、正しい判断」とのコメントを公表した。
病気腎移植をめぐっては、2007年3月、学会などが「現時点では医学的妥当性がない」とする共同声明を発表。腎不全患者と移植者の7人が08年12月に提訴し、4人が病死、うち1人の遺族が訴訟を承継していた。
 「社会に訴え一定成果」 提訴から7年余り。この間、透析を受けながら移植を待ち続けた原告4人が亡くなった。病気腎(修復腎)移植をめぐる損害賠償請求訴訟の控訴審判決で、28日に高松高裁から控訴を棄却された原告団は高松市で会見し、「社会に訴えかける意味では一定の成果の成果はあった」と前を向いた。
病気腎移植問題は宇和島市の病院を舞台に2006年に表面化した。深刻なドナー(臓器提供者)不足が解消されない現状に原告らは「生体腎、死体腎に続く第三の道」と主張し、普及を願ってきた。
国が「原則禁止」とする中で医療法人徳州会が宇和島徳州会病院(宇和島市)で臨床研究に取り組んでいるが、先進医療の承認は道半ばだ。原告団長の野村正良さん(66)=松山市=は日本移植学会の当時の幹部について「現時点では妥当性がない」と言ったまま放置している。移植を推進する立場の医師として本来の役割を果たしていない」と指摘する。
医学界の大論争に発展した問題だが、社会の関心も薄れてきていると感じるという。「命を懸けた戦い。修復腎移植の再開を見届けるまで運動を続けていきたい」。原告らは決意を新たにした。
                        (2016年1月29日付愛媛新聞)

報第20

(通算36)2016年

2月15日(月)発行

発行者 NPO法人移植への理解を求める会  理事長 向田 陽二

798-4101愛南町御荘菊川2290    電話085-74-0512

編集者                  副理事長 野村 正良

       〒791-8006松山市安城寺町1746-8    電話089-978-5434

発行所                  事務局長 河野 和博

       〒790-0925松山市鷹子町9282     電話089-970-3943





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# by shufukujin-kaihou | 2016-02-16 22:05 | NPO会報第20号(36号)

NPO法人会報第19号(通算35号)

     NPO移植への理解を求める会 会報第19号        


来年1月28日判決言い渡し

高松高裁 修復腎移植控訴審が結審

修復腎移植訴訟控訴審の第4回口頭弁論が10月18日、高松高裁で開かれ、原告側が申請した高原史郎被告(日本移植学会理事長)ら4人の証人尋問は採用されず、結審しました。判決は来年1月28日午後1時10分から言い渡されます。

口頭弁論では、原告側が高原被告と「高原データ」を分析したとされる日本移植学会の氏名不詳者、それに臓器移植法のガイドラインを改正し修復腎移植を禁止した当時の厚労省の戸口崇・健康局長と原口真・臓器対策室長の証人申請をしました。しかし、裁判長は「採用の必要はない」として、不採用としました。


8月5日に開かれた前回の第3回口頭弁論では、高原被告から提出された高原データに関する陳述書に対し、原告側が「疑問にきちんと答えていない」として「本人に証人として出廷し説明してもらいたい」と要請すると、被告側は「データを分析したのは学会の担当チーム。本人はそれ以上は説明できない」と、意外な答えが返ってきました。

そこで「それが事実なら、解析した者を明らかにし、その人に説明してもらいたい」と重ねて要請しました。これに対し、裁判長は「解析したチームの担当者を明らかにしたうえで、原告側は必要な証人申請をするように」と指示しました。そのうえで、次回の口頭弁論で証人の採否を判断すると述べました。

そうしたやりとりがあっただけに、証人の不採用は意外で、原告側としては肩すかしを食った思いでした。新たな展開があるものと期待して臨んだだけに大変残念でしたが、判決に期待したいと思います。


<高原データ>市立宇和島病院で行われた25例の修復腎移植のデータをまとめたもの。宇和島徳洲会病院などで行われた手術を含む全42例のデータをまとめず、たまたま全体的な成績が悪かった市立宇和島病院のデータだけを取り上げて生体腎移植と比較し、「病気腎移植は成績が非常に悪い」として、学会が修復腎移植反対の理由の一つに利用した。

元データはどういうものだったのか、解析方法はどうだったのかなど、不明な点が多い。さらに献腎移植ではなく、生体腎移植の成績と比較していることや、ドナー、レシピエントの年齢、移植回数なども考慮されていないなど疑問点も多い。 


なお、来年1月28日の判決言い渡し日にも、開廷前にデモ行進をしたいと思いますので、傍聴できる方は当日午後0時50分までに高松高裁前に集まっていただくようお願いいたします。

…………………………………………………………………………………………………

メモ>前回と同様、愛南町―高松高裁間で送迎バスを運行します。乗車を希望される方は、来年1月15日までに事務局(河野和博事務局長)=電話089-970-3943=まで、ご連絡ください。



腎移植推進講演会を開催

来月5日・宇和島 近藤先生がご講演  

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NPO移植への理解を求める会顧問の近藤俊文先生(市立宇和島病院名誉院長)が、このたび停滞する日本の移植医療の推進策を提言した「日本の腎臓病患者に夜明けを―透析ガラパゴス島からの脱出」(創風社出版)を出版されました。これを記念して12月5日(土)、宇和島市で腎移植推進講演会と出版記念パーティーを開きます。

講演会では「日本の腎臓病患者に夜明けを―透析ガラパゴス島からの脱出」をテーマに、近藤先生に、腎移植の歴史や現状と日本の進むべき道について、お話ししていただきます。多くの皆さんの参加をお待ちしています。


 近藤先生は市立宇和島病院の副院長、院長時代を通じ、長年、移植医療を推進し、育ててこられました。

その経験から、日本の移植医療が先進国の医療水準から大きく後退し低迷を続けていることを危惧し、同書を出版されました。先生のライフワークの総決算ともいえる書です。

 
 同書は、なぜ日本が世界に類を見ない「透析大国」となり、ガラパゴス化したのか、なぜ移植医療が低迷を続けているのかを、医学、生命倫理学、社会学、経済学、などさまざまな角度から詳細に分析したうえで、日本の移植ネットワークの再構築、移植関連施設への社会資本の投資、臓器マーケットの検討、臓器提供登録者への優遇措置、修復腎移植の推進―など多岐にわたる提言をしています。ぜひ、皆さんにご一読をおすすめしたいと思います。


<腎移植推進講演会と出版記念パーティー>

 と き 12月5日(土)午後3時から

 ところ 宇和島市丸之内3-6―20 ニュー兵頭サブライムホール 

電話0895-23-8888 

 講 師 近藤俊文先生(市立宇和島病院名誉院長)

 テーマ 「日本の腎臓病患者に夜明けを―透析ガラパゴス島からの脱出」

 入場料 無料

 ※講演会は一般公開し、事前の申し込みは不要です。パーティーは講演会終了後、午後4時から同ホールで開きます。会費5、000円。参加希望者は11月28日(土)までに事務局(河野和博事務局長)=電話089-970-3943=まで、お申し込みください。



 雑誌「医薬経済」ホームページから                               

 医薬経済」のホームページに「誰が修復腎移植をつぶすのか―日本移植学会の深い闇」を出版されたノンフィクションライター・高橋幸春さん(作家・麻野涼)へのインタビュー記事が掲載されています。修復腎移植の問題を分かりやすく解説した内容となっているので、ご紹介します。

著者インタビュー「誰が修復腎移植をつぶすのか」

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ノンフィクションライター 高橋幸春さん

がんなどの病気に罹った腎臓から病変部位を取り除いたうえで、腎機能が働かず人工透析を余儀なくされた患者に移植する「修復腎移植」(レストア腎移植)。かつて禁忌とされたが、近年は合理的な選択肢として、世界的に普及が進みつつある。この修復腎移植の先駆者が、宇和島徳洲会病院泌尿器科の万波誠医師を中心とする、「瀬戸内グループ」と呼ばれる移植医たちだった。しかし、2006年に発覚した臓器売買事件をきっかけに、万波医師ら手掛けてきた修復腎移植はスキャンダルとしてマスコミに取り上げられ、医療行為として事実上の禁止にまで追いつめられることになった。

だが、ドナー登録した遺体からの献腎移植のチャンスなど滅多にない日本の透析患者たちにとって、修復腎移植は現実的な選択肢であるはずだ。修復腎移植のパイオニアである万波医師は、なぜ「マッド・サイエンティスト」と貶められ、悪者扱いされたのか。「病気に罹った臓器を移植に用いるなどもってのほか」というかつての思い込みを排すれば、現実的な医療手段のひとつとして受け入れられて然るべき修復腎移植は、なぜ、世の中から「非倫理的な医療」というレッテルを貼られ、排除されつつあるのか。

 万波医師に対する一方的なバッシングに違和感を覚え、この問題について独自に取材を重ねてきたのがノンフィクションライターの高橋幸春氏だ。小誌『医薬経済』(1441日号~615日号)でも短期集中連載を手掛けた高橋氏がこのほど、『誰が修復腎移植をつぶすのか  日本移植学会の深い闇』(東洋経済新報社)を上梓した。


腎臓の説明をするときだけは、懇切丁寧だった

――そもそも、この「修復腎移植」について取材しようと思い立ったきっかけは何だったのですか?

高橋 別の取材で知り合った知人を通じて、万波()医師のことを知ったからです。その知人が言うには「万波誠は(マスコミに)あんな風に書かれているけど、本当はそんな男ではないよ。患者のことを思ってやっているのは間違いないけど、あの人は世間との対話の仕方を知らないんだ」と。臓器売買事件に続いて、当時は「病腎移植」と呼ばれていた修復腎移植はバッシングの最中にありました。 

 私だって、(初めて修復腎移植の報道に接したときは)危なっかしいことをする人がいるなぁと思いましたよ。万波医師に会いに行くまでは、半信半疑だったんです。そのときは修復腎移植のことはよく知りませんでしたが、単純に、日本人の3人に1人ががんで死んでいくという時代に、がんの臓器を移植するなんて、と思うじゃないですか。

 私は万波医師に取材をしたいと手紙を書いて伝えました。(読む前に捨てられてしまわないように)一番大きな、レントゲン写真が入るような封筒に便箋を入れて。取材に行って実際に会ってみると、確かにつっけんどんな人です。「好きに書いてくれ」「何を書かれてもいいから」と言われました。

 随分粘って、すったもんだの末にようやく、泌尿器科の彼の部屋に通してくれて、「何が聞きたいんだ」という話になりました。私は「まず、病腎移植とは何なのか説明してほしい」と頼みました。そうしたら面倒くさそうに、広告紙の裏側に、腎臓のイラストを描いて説明してくれたんです。

 ところが、とてもわかりやすかったんですよ、その説明が。腎臓の話をしているときは、話し方も懇切丁寧になるんです。こんなに口下手な人が、こんなにうまくしゃべることができるのは、患者に何度も説明しているからなんだろうと思ったわけです。患者から(病気の腎臓を移植に使うという)インフォームド・コンセントを取っていないという批判があったけど、単に書類として取っていないだけで、ちゃんと説明はしているのではないか、と。

 それで、何人かの患者や関係者を取材したら、実際にがんの修復腎移植を受けた人が手術時の傷を見せながら、全部話してくれた。「万波さんは、ちゃんと俺たちには説明してくれたよ」と。患者とのコミュニケーションはとれていたんですよ。万波医師は三十数年間、市立宇和島病院に所属していて、その後(現所属の)宇和島徳洲会病院に移りました。それだけ同じ地元でやっていると、二代に渡って治療を受けている人もいて、患者との関係は濃厚で蓄積がある。

 本当に大切なのは、医師と患者の間に信頼関係があったかどうかのはず。彼が修復腎移植を手掛けたのは主に1990年代のことですが、インフォームド・コンセントは2000年代以降に出てきた話です。書類が残っていないのは確かに手続き違反だったかもしれないけど、(修復腎移植に踏み切ったのは)一定程度のリスクを許容する患者と万波医師が話し合って、一歩駒を進めたということなんです。

 でも、そうしたことがなかなか世間に伝わらないまま、(病気の腎臓を臓器移植に使っていたという)事実だけが世に出てしまった。その前段として、臓器売買事件があったことも非常に不幸なことでした。それに、万波医師は学会発表にはまったく関心のない人だった。その3つが、バッシングの大きな原因だったと思う。


――宇和島徳洲会病院での問題が明るみになった当時、修復腎移植に関する論文や学会発表はまだなかったのでしょうか。

高橋 丁度出てくる頃だったんです。同時期にオーストラリアの医師が、第99回全米泌尿器学会で発表している。2004年頃のことです。日本移植学会の幹部のひとりは、そのことは知らなかったと言っていたが、それは本人も認めていたように、勉強不足なんですよ。(当時の全米学会には)日本からも泌尿器科の医師が、100人とか200人参加していたということですし。

 腎臓関連の医学教科書にも、「4センチ未満の小径腎がんの再発・転移の可能性は5%」だと出ているんです。このことを知っている泌尿器科の先生だったら、(腎臓を全摘して捨ててしまうのは)「もったいないな」と思ったのではないか。普通だったら部分切除で(がんだけ取れば)済むものを、「怖いから取って」という患者が圧倒的に多かったわけですからね。万波医師も最初、5%の確率だったらちゃんとがんを取れば移植に使えて、患者を救えるのではないかと考えて、修復腎移植に踏み込んでいるわけです。

 日本で行われている献腎移植は、毎年200件くらいです。移植医療は、医師にとって魅力のない医療になってしまっているのではないか。移植で患者を助けたいと思っても、手腕を発揮する場所がないわけですよ。

 一方で、(親族間などの)生体腎移植は、医師としてもいろいろなことを突きつけられる。やはり健康な体にメスを入れるというのは怖いし、良心的な医師であればあるほど、何のためにやるのかと突きつけられるわけですよ。拒絶反応があって、(移植臓器が)ダメになるリスクだってあるわけだし、手術台に挙がるドナーにも覚悟がいるのです。


 一度決まった行政通知やマスコミの論調を覆すのは難しい

――修復腎移植は2007年以来、原則として禁止の状況が続いています。2008年には、修復腎移植を希望する透析患者らが原告になって、日本移植学会幹部を相手取り、損害賠償請求訴訟を愛媛地裁で起こしましたが、一審は敗訴しました。

高橋 日本移植学会の妨害行為や厚生労働省の通知で、修復腎移植は(保険医療としては)潰されて、最後に残ったのが(保険が認められない)臨床研究という方法です。臨床研究は宇和島徳洲会病院が全部持ち出しでやっている。でも、これが国の「先進医療」になれば随分違ってくる。患者負担が少し増えるけど(一定の要件を満たせばほかの病院でも)できるんです。

 いまや世界的に、修復腎移植はそんなに珍しい医療ではなくなってしまった。具体的な名前は出せませんが、日本国内でも修復腎移植をやりたいと言っている病院はあると聞いています。実際に論文を取り寄せて、調べてみればわかるわけですから。

 厚労省が一度決めたことをひっくり返すのは容易ではない。でも、日本の医療費はどんどん増えていっているわけでしょう。透析患者は毎年1万人増えているわけだから、その医療費だって増えていく。厚労省内部でもそのうち、「なんで修復腎移植を潰したんだ」という話になると思うんですよ。

 WHO(世界保健機関)だって、インフォームド・コンセントを取って、がんが4センチ未満だったら大丈夫だと言っている。(献腎移植の順番を待つレシピエントの)待機時間が34年と日本より短い欧州でも、修復腎移植を始めているわけです。厚労省だって、こういう事実に気づいていると思うんですよね。

 裁判については、やることに意義があると思っていました。賠償責任まで認められなくても、判決で「移植学会はきちんと(修復腎移植の妥当性などを)検証すべき」と付け加えてくれれば、実質勝訴と言えるのではないかと思いました。でも、地裁判決ではそれもなかった。

 いまは高松高裁で控訴審に入ったところです。そこで、高原(史郎・日本移植学会現理事長)さんが自分の名前で発表した論文()について、どうやって5年生存率を算出したのか追及しているところです。高原さんが証人として呼ばれれば、さすがに自分は関係ないとは言えないでしょうから、責任は免れないと思います。だから、高松高裁がどこまで踏み込むかでしょうね。

()高原氏は2008年の日本移植学会誌『移植』(43巻第5)で、市立宇和島病院で行われた25例の修復腎移植について、「悪性疾患で腎摘された腎を移植された症例の5年生存率は48.5%と極めて低い」と指摘している。

 もう、原告7人のうち4人が亡くなってしまっています。これが現実で、移植を受けた人たちは生きているけど、移植を受けられず、透析をやっていた人たちは、みな亡くなってしまったということなのです。


――高橋さんは、「麻野涼」名義で、この修復腎移植問題をテーマにした小説『死の臓器』(文芸社文庫、今年7月にWOWOWでテレビドラマ化)も発表しています。

高橋 一番最初、私は、万波医師と修復腎移植のことを、『週刊女性自身』で書いたんです。このときはがんの腎臓(を使うことの是非)ではなく、あくまで患者(の選択権は尊重されるべきだということ)について。それで私としては一応やることはやったと思っていました。

 (医療の問題のなかでも)修復腎移植の勉強はとくに大変なんですよね。わからないことだらけで、ノンフィクションを書くのも辛い。そこで、小説として書くことにしたんです。もしかしたら、その方が世間に訴えかけやすいのではないかと。

 それから、改めていろいろなデータを集め始めて、書き上げたのが『死の臓器』という作品です。そのときに集めた資料のひとつが、広島大学の難波絋二名誉教授のメールマガジンでした。難波名誉教授や(万波医師と協力して修復腎移植を手掛けていた)「瀬戸内グループ」の香川労災病院の西光雄医師(現・坂出 聖マルチン病院名誉院長)たちに取材をするようになったのはそれからです。


 それで、修復腎移植を受けられなくなった患者たちが、大変な状況になっていることを知りました。ただ、『週刊女性自身』で書いて、小説も書きましたが、私自身は正直、この問題について、一体どれくらいの人がページを開いてくれるだろうかとも思いました。

 その頃はまだ、世の中では「万波さん、まだ医者をやっているの?」という声の方が圧倒的に多かった。なんとかできないかと思っても、やはり、マスコミの論調を変えるのは簡単なことではない。本を書きたいと持ちかけても、どこへ行っても断られっぱなしです。ようやく出版することができたのが、『透析患者を救う!修復腎移植』(彩流社)という本です。

 その後も、どうせやるなら当たって砕けろと思って、月刊誌『文藝春秋』でページをもらえないかとお願いしたところ、20138月号で万波誠の手記として書くことになった。編集部から移植学会に反論があるなら掲載するとオファーを出したけど、何も返って来なかった。

 今度は、翌9月号で「瀬戸内グループ」による移植学会に対する公開質問状というかたちで2回目を出したんですけど、それでも反論はなかった。結局、移植学会は沈黙してしまったんです。いまだに沈黙を保っています。まだまだこの問題は、レポートを常に出していかなければいけないと思っています。


KIFMEC事件があぶり出す、移植学会の不健全さ

――今年4月、神戸国際フロンティアメディカルセンター(KIFMEC)が行っていた生体肝移植を受けた患者8人中4人が死亡(6月にさらに1人死亡)し、インフォームド・コンセントや実施体制に問題があったことが指摘されました。報道を見る限り、移植学会はKIFMECに対してほとんどペナルティーを科していません。修復腎移植を問題視したときに、宇和島徳洲会病院や万波医師を、あれだけ徹底して糾弾したことと比べると、違和感があります。

高橋 私にも本当によくわからないんですよ。学会独特の権威主義なんでしょうか。(KIFMEC理事長の)田中紘一医師は、生体肝移植の世界的な権威です。(田中氏自身が1999年に手掛けた)「ドミノ肝移植」は、家族性アミロイド・ポリニューロパチーという神経障害の難病に侵された患者の肝臓を使う移植でした。要するに、病気の肝臓を使った移植です。

 修復腎移植が問題になった2006年当時、彼は移植学会の理事長でした。移植に病気の臓器を使うことについて、彼が一番ビビットに反応して然るべきだった。(修復腎移植を潰そうとした移植学会の対応に)ブレーキをかけて、ちゃんと調べるよう指示して然るべき立場だったのです。田中氏は今、かつて万波医師を斬った刃で、自分が斬られているのだと思いますよ。

 今回の神戸の事件で田中氏は(記者会見で)「ちゃんと患者の同意を得てやっている」と言っています。でも、日本肝移植研究会が行った調査報告は、「インフォームド・コンセントに問題があった」と指摘している。だから、移植学会としてもきちんと調査すべきなんです、宇和島徳洲会病院のケースと同じように。でも、それをしようとしない。決して健全ではないですよ、いまの移植学会は。

報第19

(通算35)2015

1115日(日)発行

発行者 NPO法人移植への理解を求める会  理事長 向田 陽二

798-4101愛南町御荘菊川2290    電話085-74-0512

編集者                  副理事長 野村 正良

       〒791-8006松山市安城寺町1746-8    電話089-978-5434

発行所                  事務局長 河野 和博

       〒790-0925松山市鷹子町9282     電話089-970-3943


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# by shufukujin-kaihou | 2015-11-15 16:17 | NPO会報19号(35号)

27.10.20緊急報告 控訴審結審

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27.10.20 緊急報告

来年1月28日判決言い渡し

高松高裁 修復腎移植控訴審が結審


修復腎移植訴訟控訴審の第4回口頭弁論が10月18日、高松高裁で開かれ、原告側が申請した高原史郎被告(日本移植学会理事長)ら4人の証人尋問は採用されず、結審しました。判決は来年1月28日午後1時10分から言い渡されます。

口頭弁論では、原告側が高原被告と「高原データ」を分析したとされる日本移植学会の氏名不詳者、それに臓器移植法のガイドラインを改正し修復腎移植を禁止した当時の厚労省の戸口崇・健康局長と原口真・臓器対策室長の証人申請をしました。しかし、裁判長は「採用の必要はない」として、不採用としました。


8月5日に開かれた前回の第3回口頭弁論では、高原被告から提出された高原データに関する陳述書に対し。原告側が「疑問にきちんと答えていない」として「本人に証人として出廷し説明してもらいたい」と要請すると、被告側は「データを分析したのは学会の担当チーム。本人はそれ以上は説明できない」と、意外な答えが返ってきました。

そこで「それが事実なら、解析した者を明らかにし、その人に説明してもらいたい」と重ねて要請しました。これに対し、裁判長は「解析したチームの担当者を明らかにしたうえで、原告側は必要な証人申請をするように」と指示しました。そのうえで、次回の口頭弁論で証人の採否を判断すると述べました。

そうしたやりとりがあっただけに、証人の不採用は意外で、原告側としては肩すかしを食った思いでした。新たな展開があるものと期待して臨んだだけに大変残念でしたが、判決に期待したいと思います。


<高原データ>市立宇和島病院で行われた25例の修復腎移植のデータをまとめたもの。宇和島徳洲会病院などで行われた手術を含む全42例のデータをまとめず、たまたま全体的な成績が悪かった市立宇和島病院のデータだけを取り上げて生体腎移植と比較し、「病気腎移植は成績が非常に悪い」として、学会が修復腎移植反対の理由の一つに利用した。

元データはどういうものだったのか、解析方法はどうだったのかなど、不明な点が多い。さらに献腎移植ではなく、生体腎移植の成績と比較していることや、ドナー、レシピエントの年齢、移植回数なども考慮されていないなど疑問点も多い。

                       

修復腎移植訴訟原告団






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# by shufukujin-kaihou | 2015-10-20 21:04 | 27.10.20緊急報告

NPO法人会報第18号(第34号)


      NPO移植への理解を求める会 会報第18号          

第3回口頭弁論は8月5日

修復腎移植訴訟の控訴審

 裁判長 高原被告の陳述書要請

 修復腎移植訴訟控訴審の第2回口頭弁論が、5月29日(金)午後、高松高裁で開かれました。 裁判を支援するNPO法人移植への理解を求める会は、今回も傍聴を希望する人のために、愛南町から高松高裁まで送迎バスを運行し、バス乗車の人たちを含め約20人が傍聴にかけつけてくれました。

 口頭弁論では、原告側から修復腎移植の保険適用の資料として、光畑直喜先生(呉共済病院泌尿器科部長)が保険診療として同移植を実施してきた医師の立場から、野村正良原告団長が同移植を受けた患者の立場から、それぞれ陳述書を提出しました。

 原告側が要請した3人の証人(高原史郎被告=日本移植学会

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      入廷前に行進する原告と支援者 529日、高松高裁)

理事長=の本人尋問と厚生労働省の戸口崇・健康局長、原口真・臓器対策室長=いずれも当時=の証人尋問)については、裁判長が「今回は保留とし、次回以降に採否を決める」と述べました。

ただし、高原被告の本人尋問については、原告側が指摘する高原データについての疑問に答える陳述書を提出するよう弁護人に要請し、その内容を見て証人申請の採否を決めるとしました。

 高原データは成績の悪い市立宇和島病院のデータだけを選んでいることや、データの原資料、分析方法についての疑問などもあるだけに、高原被告の陳述書の内容と、裁判所の判断が注目されます。

 なお、次回の第3回口頭弁論は8月5日(水)午後1時半からと決まりました。

                   

メモ> 前回と同様、開廷前に入場行進をしたいと思いますので、傍聴できる方は、午後1時15分までに高松高裁前に集まっていただくようお願いします。

なお、NPO法人移植への理解を求める会では、前回と同様、愛南町―高松高裁間の送迎バスを運行します。乗車を希望される方は7月31日までに事務局(河野和博事務局長)=電話089-970-3943まで、ご連絡ください。



第7回定期総会
5月31日・宇和島で開く

NPO法人移植への理解を求める会の第7回(2015年度)総会が、5月31日(日)午前11時から、宇和島市住吉町1丁目の市総合福祉センターで開かれました。

役員と正会員ら約20人が参加し、前年度の活動報告、決算報告、本年度の活動計画案、予算案などを審議し、すべて原案通り可決しました。

本年度の活動計画では 1)修復腎移植の推進、啓発活動 2)臨床研究のレント選定確認の開催 3)修復腎移植訴訟の支援活動 4)会報発行 5)ホームページの運営-などの事業を、引き続き進めていくことを確認しました。



  出 版                                       e0163729_17011425.jpg 

救える命見殺しにする移植学会

高橋幸春さん「だれが修復腎移植をつぶすのか」出版

 NPO法人移植への理解を求める会の活動を全面的に支援し、修復腎移植推進のために精力的な執筆活動を続けている作家・高橋幸春さんが、このほど「だれが修復腎移植をつぶすのか~日本移植学会の深い闇」を、東洋経済社から出版されました。

修復腎移植を取り上げた高橋さんの著書は、医療ミステリー「死の臓器」(文芸社文庫、麻野涼=ペンネーム、2013年2月)、ノンフィクション「透析患者を救う~修復腎移植」(彩流社、同11月)に続いて3冊目です。

前著の「透析当患者を救う~」は修復腎移植の問題の背景と経過を資料を交えて詳述するとともに、修復腎移植にかたくなに反対する日本移植学会の理不尽さを浮き彫りにした書で、今回の「だれが~」はその続編ともいえる書です。 

帯に「救える命を見殺しにする医療権力の正体」とあるように、幹部らが面子や既得権益維持などのために患者を見殺しにし、理屈抜きで修復腎移植を排除しようと暴走する学会の深い闇を鋭くえぐっています。

「万波医師はなぜおとしめられたのか」「立ち上がる患者たち」「世界に広がる修復腎移植」「執拗な修復腎移植つぶし」「拡大する日本移植学会の矛盾」など、9章で構成。最新の情報も盛り込まれ、読みやすく、分かりやすい書となっています。1、500円+

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<内容紹介>救える命」を見殺しにする医療権力の正体とは――。日経連載小説『禁断のスカルペル』のモデルにもなった“医療界のタブー”に迫った本格的ノンフィクション。 

000例を超える手術実績、海外からも高く評価される修復腎移植(下記)の先駆的な技術を持ちながら、不当なバッシングにさらされ保険医登録抹消寸前まで追い込まれた万波誠医師ら「瀬戸内グループ」の移植医療の真実の姿を、10年にわたる取材で詳細に明かす。 
 万波つぶしに狂奔し移植の機会を奪ったとして患者団に訴えられた日本移植学会幹部への取材も収録。現在31万人を超え、年々1万人増加している透析患者(1人年間500万円を国が負担)による財政圧迫の問題、「2兆円市場」となった人工透析にからむ利権問題にもメスを入れる。
 真に患者のQOL(生活の質)を優先する医療として世界的に評価される修復腎移植を世に問うとともに、日本の医学界のモラルと体質を厳しく追及する。 



出版社からのコメント

世界的潮流の修復腎移植を認めず、多くの患者の命を見殺しにしている日本移植学会の姿勢は、もはや「第二のミドリ十字事件」といってもいいのではないでしょうか。多くの「救える命」を救うためにも、この実態を知っていただきたいと思います。(以上、Amazonのホームページから)

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<内容紹介>「救える命」を見殺しにする権力の正体。患者に慕われるカリスマ医師・万波誠(宇和島徳洲会病院)はなぜ汚名を着せられたのか? 医療透析患者の希望の光であり、世界的な新潮流である修復腎(病気腎)移植の道を、なぜ日本移植学会と厚労省は閉ざすのか?―日経連載小説「禁断のスカルペル」のモデルにもなった医療界のタブーに迫る本格的ノンフィクション。

たかはし・ゆきはる 1975年に早稲田大学第1文学部を卒業後、ブラジルへ移住。邦字紙勤務を経ヘて1978年に帰国し、以後フリーライターとして活動。高橋幸春名でノンフィクションを執筆。1991年に「蒼氓の大地」(講談社)で第13回講談社ノンフィクション賞受賞。「悔恨の島ミンダナオ」(講談社)、「絶望の移民史」(毎日新聞社)、「日系人の歴史を知ろう」(岩波書店)など。
2000
年に初の小説「天皇の船」を麻野涼のペンネームで上梓。以降、小説は同ペンネームで刊行し、2003年、「国籍不明(上・下)」(講談社)が第6回大藪春彦賞候補。
 「文藝春秋」2013年8月号で万波誠医師の手記「私はなぜ『臓器売買・悪徳医師』にされたのか」を取材・構成。大反響を呼び、同誌の翌9月号で「日本移植学会よ、驕るなかれ」(瀬戸内グループから学会への公開質問状)を発表した。        
  (「BOOK」データベースから)



  お知らせ                                        

麻野涼(高橋幸春)著 医療サスペンス

「死の臓器」TVドラマ化

全5話 WOWOWで好評放映中

修復腎移植をテーマにした作家・麻野涼(高橋幸春)著の医療サスペンス「死の臓器」(文芸社文庫))がテレビドラマ化され、7月12日からWOWOWで好評放映中です。番組は「日曜オリジナルドラマ『連続ドラマW死の臓器』」(毎日曜日午後10時、全5話)です。ぜひ、ご覧ください。

小泉孝太郎さん、武田鉄矢さんら出演

監督は佐藤祐市、植田泰史、脚本は高山直也、鈴木智。出演は小泉孝太郎、武田鉄矢豊原功補、小西真奈美、小木茂光、川野直輝、新妻聖子、柴俊夫 といった顔ぶれです。

あらすじ)テレビ番組の制作会社のディレクター・沼崎恭太(小泉孝太郎)は、富士の樹海で女性の遺体を発見する。法医解剖で凍死と判断されたが、片方の腎臓が摘出されていることも判明。刑事の白井(豊原功補)は、心に何か引っ掛かるものを感じる。
一方、療聖会日野病院では、患者の高倉治子が人工透析を受けていた。治子の体は限界に近づいており、娘の裕美は主治医の日野誠一郎(武田鉄矢)に自分の腎臓を母に移植するよう懇願。しかし日野は頑として受け付けない。
 そんな中、救愛記念病院にけがをした男女が搬送されてくる。男女にあったそれぞれの手術痕から院長の大田勇(小木茂光)は、この男女の間で行なわれた腎臓移植を知る。そしてその腎臓が金で売買されたことを知り、警察に通報。執刀した日野は警察に任意同行を求められる。そのニュースに触発された沼崎は、樹海で見つけた遺体と臓器売買の関係について継続取材を決意。やがて医療現場の闇に近づいていく。


NPO設立9周年記念プリント作成

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NPO法人移植への理解を求める会が、旧求める会時代から通算して、発足9年目を迎えたのを機に、これまでの活動の写真を1枚にまとめた記念プリント(写真右)を作成しました。

作成したのはホームページの運営と写真を担当している理事の井手広幸さん(松山市)です。これまで撮りためた1000枚以上の写真データの中から、70枚を選び、4つ切り(縦25㌢、横36㌢)の写真用紙に「シャッフルプリント」(カラー)しました。

希望者には8月末まで800円、9月以降は1、000円で配布します。額縁付きは500円追加。申し込みは事務局(河野和博事務局長)=電話089-970-3943まで。この記念プリントが、これまでの活動の記念となり、今後の活動の励みになることを願っています



  新聞報道から                                        

親族間の修復腎移植4例目

   宇和島徳洲会 第三者間含め16例目 

 医療法人徳洲会は8日、宇和島市住吉町2丁目の宇和島徳洲会病院で、臨床研究として進めている病気腎(修復腎)移植の親族間4例目の手術を実施したと発表した。親族間は3月以来。第三者間を含めた移植は16例となった。
 同法人によると、生体腎移植の術前検査で小径腎腫瘍が見つかった東京都東村山市の男性(64)が、腎不全で人工透析を受けている妻(62)に腎臓を提供した。8日正午ごろから、同病院で万波誠医師らが執刀し、腎臓を摘出。腫瘍切除後に臓器を修復し、午後9時50分に移植を終えた。
 長時間に及ぶ手術となったが、ドナー(提供者)、レシピエント(被移植者)ともに術後の経過に異常はないという。                (
201579日付・愛媛新聞)


            報第18

(通算34)2015

7月15

(水)発行

発行者 NPO法人移植への理解を求める会  理事長 向田 陽二

798-4101愛南町御荘菊川2290    電話085-74-0512

編集者                  副理事長 野村 正良

       〒791-8006松山市安城寺町1746-8    電話089-978-5434

発行所                  事務局長 河野 和博

       〒790-0925松山市鷹子町9282     電話089-970-3943




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# by shufukujin-kaihou | 2015-07-14 17:13 | NPO会報第18号(34号)

27.7.7 TVドラマのお知らせ


麻野涼(高橋幸春)著医療サスペンス

「死の臓器」TVドラマ化

全5話12日からWOWOWで放映

修復腎移植をテーマにした作家・麻野涼(高橋幸春)著の医療サスペンス「死の臓器」(文芸社文庫))がテレビドラマ化され、7月12日からWOWOWで放映されることになりました。番組は「日曜オリジナルドラマ『連続ドラマW死の臓器』」(毎日曜日午後10時、全5話)です。

第1話は無料で視聴できます。ぜひご覧ください。

監督は佐藤祐市、植田泰史、脚本は高山直也、鈴木智。出演は小泉孝太郎、武田鉄矢、豊原功補、小西真奈美、小木茂光、川野直輝、新妻聖子、柴俊夫 といった顔ぶれです。

あらすじ)テレビ番組の制作会社のディレクター・沼崎恭太(小泉孝太郎)は、富士の樹海で女性の遺体を発見する。法医解剖で凍死と判断されたが、片方の腎臓が摘出されていることも判明。刑事の白井(豊原功補)は、心に何か引っ掛かるものを感じる。
一方、療聖会日野病院では、患者の高倉治子が人工透析を受けていた。治子の体は限界に近づいており、娘の裕美は主治医の日野誠一郎(武田鉄矢)に自分の腎臓を母に移植するよう懇願。しかし日野は頑として受け付けない。
 そんな中、救愛記念病院にけがをした男女が搬送されてくる。男女にあったそれぞれの手術痕から院長の大田勇(小木茂光)は、この男女の間で行なわれた腎臓移植を知る。そしてその腎臓が金で売買されたことを知り、警察に通報。執刀した日野は警察に任意同行を求められる。そのニュースに触発された沼崎は、樹海で見つけた遺体と臓器売買の関係について継続取材を決意。やがて医療現場の闇に近づいていく。


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# by shufukujin-kaihou | 2015-07-08 10:35 | 27.7.7 TVドラマのお知らせ

NPO法人会報第17号(33号)



NPO移植への理解を求める会 会報第17号          

第2回口頭弁論は5月29日(金)
修復腎移植訴訟の控訴審

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高松高裁前で行進する原告団                    修復腎移植訴訟控訴審の舞台・高松高裁

e0163729_0145530.jpg 修復腎移植訴訟控訴審の第2回口頭弁論は5月29日(金)午後1時半から高松高裁で開かれます。
 第1回口頭弁論が開かれた3月20日には、愛南町から高松高裁まで送迎バスをチャーターし、約20人の方々が乗り合わせて現地に着き、法廷で傍聴していただきました。
また入廷に先立ち、高裁前で「修復腎移植を認めよ!」と大書した横断幕を先頭に行進し、私たちの願いをアピールしました。今回も多くの方々に傍聴にかけつけていただければ幸いです。
前回の口頭弁論では、控訴状と控訴理由書の提出、証拠申し出と野村正良原告団長の意見陳述が行われました。証拠申し出では高原史郎被告(日本移植学会理事長)の本人尋問と、厚生労働省の戸口崇・健康局長、原口真・臓器対策室長(いずれも当時)の証人尋問が申請されました。
これに対し、裁判長は次回口頭弁論で修復腎移植の保険請求についての説明を求めるとともに、証人申請については「検討する」と述べました。
第1回口頭弁論で即日結審となる可能性も予想されていただけに、私たち原告側にとって控訴審が継続となったことは意義深く、「逆転判決」への期待感が広がっています。
なお、今回も、開廷前に入場行進をしたいと思いますので、傍聴できる方は、午後1時15分までに高松高裁前に集まっていただくようお願いいたします。
…………………………………………………………………………………………………
<メモ>前回と同様、愛南町―高松高裁間で送迎バスを運行します。乗車を希望される方は5月22日までに事務局(河野和博事務局長)=電話089-970-3943まで、ご連絡ください。

 

意見陳述
                                      
                          原告団長 野村 正良
私たちは、この裁判で修復腎移植の妥当性を証明するとともに、虚偽の発言で修復腎移植を否定し、厚生労働省による臓器移植法のガイドラインの改正、つまり修復腎移植の禁止を誘導し、患者の治療の選択権と生存権を侵害した被告の先生方の違法性を明らかにするのが狙いです。
慢性腎不全のため透析生活を余儀なくされている人たちの状況は苛酷で、大きなリスクがつきまとっています。健康を回復するためには腎移植しかありませんが、国内ではドナーが極めて少なく、移植を望んでも大半の人がそのチャンスに恵まれないまま亡くなっているのが現状です。
そこで、ドナーの大幅な増加に大きな期待が寄せられている修復腎移植が一日も早く再開され、透析患者の方々が一人でも多く救われることが、私たちの願いです。
治療のために摘出され、捨てられている腎臓を修復して利用する修復腎移植は、移植を望む透析患者の方々にとって宝の山であり、また移植した腎臓が将来駄目になる可能性がある移植者にとっても、頼みの綱なのです。

この裁判の原告になっていただいた透析患者の方々も、修復腎移植に最後の望みを託し、松山地裁でその妥当性と被告の言動の違法性を訴えてきました。しかし、体調が徐々に悪化し、裁判の期間中に次々と亡くなられました。本当に悔しく、無念でなりません。
昨年12月には、最後の一人だった広島市の藤村和義さんが、3度目の脳梗塞を発症し、入院中の広島市の病院で亡くなられました。68歳でした。藤村さんには、裁判の期間中、不自由な体を押して毎回のように松山地裁まで足を運んでいただきました。昨年3月には本人尋問にも応じていただきました。
しかし,透析生活が10年近くと長くなり、血管の石灰化が進むなど、体調が悪化していて、心配していたところでした。
藤村さんが亡くなられたことで、7人の原告のうち透析生活を送っていた4人の方々が全員亡くなられました。ほかの3人は香川県の長谷川博さん、岐阜県の花岡淳吾さん、愛媛県の二宮美智代さんです。
また原告になることを予定していて、提訴の直前に相次いで亡くなられた広島市の下西由美さんと兵庫県の有末佳弘さんを含めると、「犠牲者」は6人になりました。残った原告はいずれも移植者で、愛媛県の向田陽二さん、田中早苗さんと私の3人だけとなりました。
このような事態をみても、透析生活がいかに過酷で、リスクが大きいかということがよく分かると思います。
亡くなられた6人の方々は、修復腎移植が禁止されなかったら、あるいは早期に再開されていたら、全員助かっていたかもしれません。これらの皆さんは、修復腎移植の悪宣伝を行い、厚生労働省の禁止方針を誘導した被告の先生方に見殺しにされたようなものです。先生方の責任は大きいと思います。

移植を望む多くの透析患者の方々は、移植がかなわないまま、今も日々亡くなられています。透析患者の方々には、残された時間はあまりないのです。
それにもかかわらず、被告の先生方は、透析患者の声に耳を傾けず、事実とは異なる理由を次々と持ち出し、修復腎移植を否定してきました。しかも、この問題が表面化して以来、これまで8年余り、自らの言動の誤りを省みることもなく、修復腎移植の可能性などについても検討すらしていません。
移植医療を先頭に立って推進すべき先生方が、大きな可能性を持つ修復腎移植に真剣に向き合おうとせず、他人事のような態度を取っているのはなぜでしょうか。その姿勢はあまりにも理不尽で、私たちには理解できません。

私たちが特に申し上げたいことは、宇和島徳洲会病院の万波先生らが進めてこられた修復腎移植は、手続きの面などで問題がなかったとは言えませんが、修復腎移植そのものには問題はなく、海外の移植学会では「ドナー不足を解消するすばらしい医療」と絶賛されていることです。
また国内では、70人を超す超党派の国会議員の先生方で組織する「修復腎移植を考える超党派の会」が「修復腎移植は第三者機関がチェックすれば、何ら問題はない。患者さんのために推進すべきだ」との趣旨の意見書を厚生労働大臣に提出しています。香川県議会、愛媛県議会、宮城県議会も相次いで同様の意見書を提出しています。
さらに当初、学会と歩調を合わせていた厚生労働省も、その後、大きくスタンスを変え、修復腎移植の臨床研究を促す通達を全国の都道府県や中核市に出しました。これを受けて徳洲会グループが臨床研究に取り組んできました。一昨日には、宇和島徳洲会病院で15例目の手術が行われたばかりです。
こうした状況にもかかわらず、被告の先生方は学会の看板を盾に、修復腎移植をつぶしてしまおうと、相変わらずヒステリックな態度で反対を続けています。その姿は異様としか言いようがありません。

万波先生らの執刀によって修復腎移植を受けた人たちは、ほとんどが健康を回復し、社会復帰しています。私もその一人で、51歳のとき、ネフローゼの腎臓による移植を受け、今年15年目を迎えました。現在までトラブルはまったくなく、腎臓の機能は正常です。おかげで健康的な生活を送ることができ、定年まで元気に勤めることができました。おまけにその後5年間、嘱託として勤めることもできました。本当にありがたいことです。
万波先生から移植の話があったとき、先生はこう言われました。「移植する腎臓はたんぱくがぼろぼろ出ていて、成功率は五分五分。ダメもとでやってみんかな」と。私は「移植した腎臓が2年でも3年でも持てばその間、透析をしなくてすむ。それ以上持てばラッキー。ほかに助かる方法はない」と思い、二つ返事で承諾しました。
結果は想像以上で、修復腎移植のすばらしさを身をもって実感しています。それだけに、修復腎移植が一日も早く再開され、多くの透析患者の方々に、私と同じように元気になっていただきたいと願っています。

こうした事実を検討していただき、公正な判断をお願いしたいと思います。
                                      以上

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控訴審終了後の原告団の記者会見 



ニュース報道から     
病気腎訴訟 控訴審  学会側 棄却求める

宇和島徳洲会病院の万波誠医師(74)らの病気腎(修復腎)移植をめぐる日本移植学会幹部らの発言で同移植を受ける権利を奪われたとして、県内外の腎不全患者ら4人が学会の現・元幹部5人に計2750万円の賠償を求めた訴訟の控訴審の第1回口頭弁論が20日、高松高裁(吉田肇裁判長)であり、野村正良原告団長(65)が意見陳述し、学会側は請求棄却を求めた。 
野村原告団長は「修復腎移植が一日も早く再開され、透析患者が救われることが願い。患者に残された時間はあまりない」と主張。口頭弁論後の会見で原告弁護団の薦田伸夫弁護士は「一審は修復腎移植について賛否両方の評価を並べただけで証拠に基づいて認定していない。改めてほしい」と話した。
 松山地裁は2014年10月、「被告の言動に違法性はない」などと原告の請求を棄却。原告側が14年11月、判決を不服として控訴した。一審の原告7人のうち4人が病死し、うち1人の遺族が訴訟を承継した。              (2015年3月21日付・愛媛新聞)


病気腎移植 親族間3例目実施 
第三者間含め15例 宇和島徳洲会 

医療法人徳洲会は18日、宇和島市住吉町2丁目の宇和島徳洲会病院で、臨床研究として進めている病気腎(修復腎)移植の親族間3例目の手術を実施したと発表した。第三者間も含めた病気腎移植は15例となった。
 同会によると、腎臓に小径腫瘍が見つかった東京都の40代の女性が、腎不全で人工透析を受けている都内の50代の兄に腎臓を提供した。18日正午ごろから、同院で万波誠医師らが執刀。腫瘍を除去後、移植した。ドナー(提供者)、レシピエント(被移植者)ともに術後の経過を慎重に観察する。
 万波医師らと臨床研究に取り組む聖マルチン病院(香川県坂出市)の西光雄名誉院長は「(病気腎移植は)科学的なデータを見ても問題はなく、理解はされてきていると思う。先進医療への再申請もできるだけ早期に行いたい」とした。     (2015年3月19日付・愛媛新聞)
<ひとこと>
親族間の生体腎移植でドナーに小径腫瘍が見つかり、一般医療としては移植ができないため、宇和島徳洲会病院で臨床研究として、腎移植を行ったというこのニュースは、修復腎移植の禁止が親族間の移植にも、大きな影を落としていることを示しています。
このようなケースは、以前ではレシピエントの了解が得られていれば、一般の移植病院で問題なく手術が行われていたはずです。しかし、修復腎移植が禁止された現在では、今回のように、臨床研究という形でしか手術は行えません。
このごきょうだいは県外在住ということで、わざわざ愛媛まで来なければならなかったことは大きな負担になっていることでしょう。それでも移植ができたのだから、まだよかったかもしれません。大半のケースでは医師から「手術はあきらめてほしい」と断られるでしょうから、当事者の悩みは大きいと思います。こうした親族間の生体腎移植の面からも、修復腎移植の禁止は早急に解除されるべきだと思われます。(係)


お知らせ                                    

5月31日・宇和島で 第7回定期総会

NPO法人移植への理解を求める会は、5月31日(日)午前11時から、宇和島市住吉町1丁目の市総合福祉センター(電話0895-23-3711)で、第7回定期総会を開きます。総会では、前年度の活動報告、決算報告、本年度の活動計画、予算案などを審議します。
 講演会やイベントはありません。参加対象者の理事と正会員の方は、よろしくお願いします。
問い合わせは事務局の河野和博さん=電話089-970-3943 まで。

          
会報第17号
(通算33号)2015年
4月27日
(月)発行発行者 NPO法人移植への理解を求める会  理事長 向田 陽二
〒798-4101愛南町御荘菊川2290    電話0895-74-0512
編集者                  副理事長 野村 正良
       〒791-8006松山市安城寺町1746-8    電話089-978-5434
発行所                  事務局長 河野 和博
       〒790-0925松山市鷹子町928-2     電話089-970-3943




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# by shufukujin-kaihou | 2015-04-28 15:58 | NPO会報第17号(33号)

27.3.6 お知らせ 高松高裁第1回口頭弁論

NPO法人移植への理解を求める会ニュース(201536日)  


   

高松高裁へ傍聴に行こう!

3月20日に第1回口頭弁論



修復腎移植訴訟の控訴審 


 修復腎移植訴訟の控訴審がいよいよ高松高裁で開かれます。第1回口頭弁論は3月20日(金)午後1時半からと決まりました。ご多忙とは思いますが、ぜひ多くの方々に傍聴に駆けつけていただきたいと思います。

一審の松山地裁では、被告の日本移植学会幹部らが虚偽の発言により、厚生労働省の修復腎移植禁止を誘導したと、私たちが訴えたことに対し「厚労省が自らの責任と判断で決めたことで、被告らには責任がない」などとして「原告らの請求をいずれも棄却する」との判決を下し、原告側の全面敗訴となりました。

これでは私たち患者は救われません。日々、多くの透析患者の方々が亡くなっている現実を見て見ぬふりの学会幹部らは、修復腎移植を禁止に導いた責任の大きさを自覚するとともに、これまでの言動を反省し、患者救済のために修復腎移植再開に向けてしっかり努力してもらわないといけません。

そのために、私たち原告は、控訴審で修復腎移植の妥当性と被告らの言動の違法性をもう一度強く訴えるつもりです。また支援者の方々には大勢、傍聴に駆けつけていただくことが、訴訟への大きな援護射撃となりますので、よろしくお願いいたします。

この訴訟には言うまでもなく、私たち患者一人一人の命がかかっています。患者救済のために修復腎移植の早期再開を後押しできるような「逆転判決」を期待しています

弁護団の薦田伸夫先生によりますと、第1回口頭弁論では、控訴状と控訴理由書の陳述、証拠申し出と野村正良原告団長の意見陳述が予定されています。このうち証拠申し出にかかる証人尋問や本人尋問が採用されなければ,即日結審の可能性もあるということです。

当日は開廷の前に訴訟の関係者と支援者の方々で入場行進をしたいと思いますので、午後1時15分までに高松高裁の玄関前に集まっていただければ幸いです。



<メモ>当日、宇和島―高松高裁間で送迎バスの運行を検討しています(西予、大洲、松山などでピックアップします)。途中乗車を希望される方は3月18日までに事務局(河野

和博事務局長)=電話089-970-3943(携帯090-2786-5317)まで、ご連絡をお願いします。                    





 

意 見 書

                             原告団長 野村 正良

私たちは、この裁判で修復腎移植の妥当性を証明するとともに、虚偽の発言で修復腎移植を否定し、厚生労働省による臓器移植法のガイドラインの改正、つまり修復腎移植の禁止を誘導し、患者の治療の選択権と生存権を侵害した被告らの違法性を明らかにするのが狙いです。

慢性腎不全のため透析生活を余儀なくされている人たちの状況は苛酷で、大きなリスクがつきまとっています。健康を回復するためには腎移植しかありませんが、国内ではドナーが極めて少なく、移植を望んでも、大半の人がその機会に恵まれないまま亡くなっているのが現状です。

そこで、ドナーの大幅な増加など大きな期待が寄せられている修復腎移植が一日も早く再開され、透析患者の方々が一人でも多く救われることが、私たちの願いです。

治療のため捨てられている腎臓を修復して利用する修復腎移植は、移植を望む透析患者の方々にとっては宝の山であり、また移植した腎臓が将来駄目になる可能性がある移植者にとっても、頼みの綱なのです。

この裁判の原告になっていただいた透析患者の方々も、修復腎移植に最後の望みをかけ、松山地裁でその妥当性と被告の言動の違法性を訴えてきました。しかし、体調が徐々に悪化し、裁判の期間中に次々と亡くなられました。本当に悔しく、無念でなりません。

昨年12月には、最後の一人だった広島市の藤村和義さんが、3度目の脳梗塞を発症し、入院中の広島市の病院で亡くなられました。68歳でした。藤村さんには、裁判の期間中、不自由な体を押して毎回のように松山地裁まで足を運んでいただきました。昨年3月には本人尋問にも応じていただきました。

しかし,透析生活が10年近くと長くなり、血管の石灰化が進むなど、体調が悪化していて、心配していたところでした。

藤村さんが亡くなられたことで、7人の原告のうち透析生活を送っていた4人の方々が全員亡くなられました。ほかの3人は香川県の長谷川博さん、岐阜県の花岡淳吾さん、愛媛県の二宮美智代さんです。

原告になることを予定していて、提訴の直前に相次いで亡くなられた広島市の下西由美さんと兵庫県の有末佳弘さんを含めると、「犠牲者」はなんと6人になりました。残った原告はいずれも移植者で、愛媛県の向田陽二さん、田中早苗さんと私の3人だけとなりました。

このような事態をみても、透析生活がいかに過酷で、リスクが大きいかということがよく分かると思います。亡くなられた6人の方々は、修復腎移植が禁止されなかったら、あるいは早期に再開されていたら、全員助かっていたかもしれません。これらの皆さんは、修復腎移植の悪宣伝を行い、厚生労働省の禁止方針を誘導した被告の先生方に見殺しにされたようなものです。その責任は大きいと思います。

移植を望む多くの透析患者の方々は、移植がかなわぬまま、今も日々亡くなられています。透析患者の方々には、残された時間はあまりないのです。

それなのに、被告の先生方は、透析患者の切実な声に耳を傾けず、事実と異なる理由を次々と持ち出し修復腎移植を否定するだけで、この問題が表面化して以来8年余り、自らの言動の当否や修復腎移植の可能性などについて検討すらしていません。

先頭に立って移植医療を推進すべき先生方が、修復腎移植の問題に真剣に向き合おうとせず、他人事のような態度を取っているのはなぜでしょうか。その姿勢はあまりにも理不尽で、私たちには理解できません。

最後に申し上げたいことは、宇和島徳洲会病院の万波先生らが進めてこられた修復腎移植は、手続きの面などで問題がなかったとは言えませんが、修復腎移植そのものには問題はなく、海外の移植学会は「ドナー不足を解消するすばらしい医療」と絶賛していることです。

国内では70人以上の超党派の国会議員の先生方で構成する「修復腎移植を考える超党派の会」が「修復腎移植は第三者機関がチェックすれば、何も問題はない。患者さんのために推進すべきだ」との趣旨の意見書を厚生労働大臣に提出しています。

愛媛県議会、香川県議会、秋田県議会なども同様の意見書を提出しています。

実際に、万波先生らの手で修復腎移植を受けた人たちは、ほとんどの人が健康を回復し、社会復帰しています。私もその一人で、ネフローゼの腎臓の移植を受け、今年で16年目を迎えました。現在までトラブルはまったくなく、腎臓の機能も正常です。おかげで健康的な生活を送ることができ、修復腎移植のすばらしさを身をもって実感しています。それだけに、修復腎移植が一日も早く再開され、多くの透析患者の方々が私と同じように元気になっていただきたいと願っています。

こうした事実を検討していただき、ぜひ公正な判断をお願いしたいと思います。

                              以上



高松高等裁判所に提出する「控訴理由書」は、「関係者レポート」のコーナーに掲載していますので、併せて、ぜひご覧ください。




    

      


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# by shufukujin-kaihou | 2015-03-06 15:22 | 27.3.6 控訴審のお知らせ 

27.1.10 報告

27.1.10 報告

原告4人目藤村さん死去

          修復腎移植訴訟 透析10年脳梗塞で


ご報告が遅くなりましたが、修復腎移植訴訟の原告団のメンバーで、10年近く透析生活を送っていた広島市の藤村和義さんが、昨年12月15日、3度目の脳梗塞を発症し、入院中の広島市内の病院で亡くなられました。68歳でした。

突然の訃報に驚くとともに「修復腎移植が禁止されなかったら、早い時期に移植を受けて、助かっていたかもしれない」と思うと、本当に悔しく、残念でなりません。

11月下旬に、ご本人から「2度目の脳梗塞で広島県病院に入院した」と電話があり、数日後にお見舞いに駆けつけたばかりでした。その折には、脳梗塞のため、不自由だった右脚だけでなく、左脚もまひし、寝返りもできない状態でした。

訃報は、藤村さんの第二の職場で懇意にしていたという広島市内の友人の方から電話をいただいて、知りました。藤村さんは一人暮らしで、大阪に娘さんらが住んでおられ、17日に家族葬をして、遺骨は大阪に引き取られたそうです。

原告になっていただいた藤村さんには、松山地裁での訴訟が終わるまで5年余りの間、たびたび松山まで足を運んでいただきました。透析生活が長くなるにつれ、徐々に体調が悪化していただけに「しんどい思いだけをさせて、申し訳ありませんでした」と、心の中でおわびしています。

藤村さんが亡くなられたことで、7人の原告のうち透析をしていた4人の方々全員が亡くなられました。他の3人の方々は香川県の長谷川博さん、岐阜県の花岡淳吾さん、宇和島市の二宮美智代さんです。

提訴前に相次いで亡くなられた原告予定者のお2人、広島市の下西由美さんと兵庫県の有末佳弘さんも含めると、「犠牲者」はなんと6人になりました。残った原告はいずれも移植者で、愛媛県の向田陽二さん(NPO法人移植への理解を求める会理事長)と田中早苗さん、私・野村(同副理事長)の3人だけとなりました。

こうした事態をみても分かるように、透析患者の置かれている状況は過酷であり、大きなリスクがつきまとっています。根本的な治療のためには、やはり修復腎移植を含む早期の腎移植が必要であることを示しています。

亡くなられた方々は、修復腎移植が禁止されなかったら、あるいは早期に再開されていたら、全員助かっていたかもしれません。これらの皆さんは、修復腎移植の悪宣伝を行い厚生労働省の禁止方針を誘導したうえ、この8年間、その可能性について一切検討すらせず、修復腎移植つぶしに狂奔してきた学会幹部らに見殺しにされたようなものです。

私たちは、亡くなった方々の悲痛な思いを受け止め、高松高裁での訴訟では、修復腎移植の一日も早い再開のために、被告らが医師の良心を取り戻し、患者の救済を第一に修復腎移植と真剣に向き合うことを、強く訴えたいと思います。

                                 修復腎移植訴訟原告団

                                 団長 野村 正良


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# by shufukujin-kaihou | 2015-01-10 10:36 | 27.1.10 報告

NPO法人会報第16号(通算32号)


    NPO移植への理解を求める会 会報第16号          


修復腎移植訴訟 高松高裁へ


患者側控訴「一審判決は不当」

修復腎移植を否定する日本移植学会幹部らが虚偽の発言により、厚生労働省の禁止方針を導き、患者の医療を受ける権利と生存権を侵害したとして、患者有志7人が学会幹部5人を相手取り、計6、050万円の慰謝料を求めた修復腎移植訴訟は1028日、松山地裁で判決言い渡しがあり「原告らの請求をいずれも棄却する」という大変残念な結果となりました。

 これを受けて、原告団はNPO法人移植への理解を求める会の役員や支援者の方々に諮った結果、「原告の請求棄却は不当判決であり、承服できない」という意見が多かったことから、高松高裁に控訴することを決めました。1110日、弁護人を通じて、松山地裁に控訴申立書を提出しました。


「これでは患者は救われない」

控訴を決めた主な理由は次の通りです。

この裁判は、修復腎移植の妥当性(有効性と安全性)を明らかにし、虚偽の発言により修復腎移植を全面的に否定してきた学会の幹部に態度を変えてもらうのが狙いです。しかし、その願いは完全に退けられました。一審の判決がこのような結果では、学会はますます強硬に反対を続け、修復腎移植の再開はスムーズに運びそうにありません。そして移植を待ち望む多くの患者は、いつまでたっても救われません。そこで、二審の公正な判断を仰ぎ、修復腎移植再開への展望を少しでも開きたいというのが私たちの願いです。

判決理由を読むと、私たちの訴えたことが十分に理解されておらず、大きな不満があります。一つは修復腎移植の評価についてです。それによると「修復腎移植については肯定的見解と否定的見解があるうえ、倫理的ないし手続き的に問題のある実施例も見受けられたのであり、いまだ諸条件が整っているとは言い難い」としています。

 しかし、修復腎移植には、もともと問題性はなく、万波先生のグループが実施した42例の修復腎移植も、第1例から、すべて厚労省(当初は厚生省)が承認し、正当な手続きのもとに実施されてきたという事実があります。ところが、臓器売買事件の調査の過程で修復腎移植が表面化したため、最近の移植事情を知らない学会幹部らが問題視して、過去の事情を知らない厚生労働省の担当者と組んで修復腎移植つぶしを図り、ガイドラインの改正に至ったわけです。

 したがって、修復腎移植そのものは新しい医療でも、実験的な医療でもなく、何の問題性もなかったわけです。それなのに、学会幹部らのバッシングによって、ガイドラインが改正され、一般的治療としては禁止するということになってしまったわけですから、「いまだ諸条件が整っていない」という判決理由は被告側の意見をうのみにし、事実に目を向けていないといえます。

また修復腎移植が海外で評価されていることや、学会が反対の根拠として挙げている学説がいずれも時代遅れのもので、現在では通用しないことを訴えましたが、そのこともまったく考慮されていません。


「学会の主導的役割」を追求

 もう一つ納得できないのは、学会幹部らが虚偽の発言により、厚労省のガイドライン改正による修復腎移植禁止を誘導したと、私たちが訴えてきたことに対し、判決理由は「厚労省が自らの責任と判断で決めたことで、被告らには責任がない」としていることです。

しかし、ガイドラインの改正に至る過程では、学会の幹部らが修復腎移植を「とんでもない医療だ」「人体実験だ」などと非難して、修復腎移植つぶしの包囲網を張り、厚労省を動かすために主導的な役割を果たしたことは紛れもない事実です。

また、移植学会は任意団体ですが、移植の問題に関しては「権威」とされており、学会幹部らの発言がガイドライン改正に決定的な影響を与えたことは間違いありません。したがって学会幹部らにまったく責任がないという判決理由には、納得がいきません。

さらに、修復腎移植の手続きと修復腎移植そのものの妥当性とは別の問題なのに、手続きの不備も理由に加えて「修復腎移植は認められない」と両者を混同していることにも大きな違和感を覚えます。第三者によるチェック体制があれば、何も問題性はないのです。

もう一つ付け加えるなら、海外で「restored kidney」(修復された腎臓)と呼ばれている修復腎を、学会幹部らはいまだに「病気腎」「病腎」と呼んでいることです。修復腎は「修復されたきれいな腎臓」なのに、あえて病気腎と呼ぶことで「傷んだ悪い腎臓」をイメージさせているように思えます。この呼称は即刻やめていただきたいものです。

こうした点を、もう一度訴え、修復腎移植の正当性と、学会幹部らの責任を明らかにしたいと思います。  

                       NPO法人移植への理解を求める会

                          理事 長 向田 陽二                                         

                          原告団長 野村 正良



  寄稿                                        

修復腎移植訴訟判決に思う

                 健保連 大阪中央病院顧問 平岡  諦


<判決文から見た問題点>

(1)情報格差のある医師と患者という特殊な関係を考慮せず、一般的、対等な原告・被告関係として判断していること。

「本件各行動は修復腎移植の医学的妥当性について否定的意見を表明したものである。このような特定の事項に関する意見の表明が、異なる立場の者から、自説に対して批判的ないし無理解であると評価され、嫌悪なものとして受け取られたとしても、このこと自体は、自由な表現行為が当然に予定することろであり、許容されなければならない。(中略)違法な行為となるのは、(中略)ことさら反対意見を封殺すべく攻撃的言動に及ぶなど、社会通念上許容される範囲を逸脱した表現である場合に限られると言うべきである。」

「被告高原について;(中略)自ら調査研究した結果に基づいた意見を表明したものであることが認められる。そして、その表現態様等を全体的あるいは個別的に観察しても、原告らを攻撃する趣旨のものであるとは認められない。」

医師・患者間の関係において、医師が患者に対して「攻撃的言動」に及ばなくても、「攻撃する趣旨」のものでなくても、十分に、社会通念上許容される範囲を逸脱し得ることを前提に、裁判官は判断すべきである。それが後述の「高原レポート」である。

(2)原告らの各言動と、厚労省ガイドライン改正とは無関係だと判断していること。

「医学的評価の確立していない実験的医療である修復腎移植について、その有効性及び安全性の確立を図るために本件ガイドライン改正を行ったものである。」ガイドラインでは「病腎移植については、現時点では医学的に妥当性がないとされる。」

厚労省が修復腎移植を「医学的評価の確立していない実験的医療である」と判断する根拠、ガイドラインで「医学的に妥当性がない」と断定した判断根拠となったのは、原告らの各言動、とくに「高原レポート」の内容であろう。それ以外に判断する根拠がどこにあったのかが明示されていない。

(3)「高原レポート」について:

以上の結果、判決文に矛盾が生じている(あるいは、強引な論理の進め方が認められる)。

 「同人のレポートは、市立宇和島病院の25例を用いているところ、その過半数はカルテは破棄されており、使用したものは二次データで内容上誤りがあり」と裁判官も指摘している内容である。このような内容で修復腎移植の「否定的な見解」を述べることは、社会通念上、「原告らを攻撃する趣旨のもの」と理解できる。

「全部のカルテが残っていた呉共済病院と宇和島徳洲会病院の17例のデータを採用していないといった事情が指摘できる」と裁判官が述べているが、これは高原被告の故意を示すものであり、「高原レポート」が「原告らを攻撃する趣旨のもの」と理解できる。

このような「高原レポート」を含む高原被告の言動を、「ことさら反対意見を有する原告らを攻撃する趣旨のものであるといえない」と判断する点が、この判決の矛盾点(強引な論理の進め方)ではないだろうか。


<裁判全体について>

 臓器売買事件と修復腎移植はまったく関連のないものであり、臓器売買事件をキッカケに発覚するまでは、生体腎移植の一つとして保険診療として行われていたのであろう。臓器売買事件のようなキッカケで発覚することなく、また修復腎移移植が、ドナー・レシピエントへのインフォームド・コンセントを明確にするなど、倫理的に妥当な臨床研究として行われておれば保険診療として引き続き行われていたことと思われる。しかし、たまたまこのような事件をキッカケに、修復腎移植が倫理的に妥当な臨床研究と言えない点のあることが発覚した。

 和田心臓移植を経験している移植学会は倫理的に過敏となっている。そのため、修復腎移植の肯定面を認めず、否定的見解のみを発表した。その過程で、非科学的な(すなわち倫理的に問題のある)「高原レポート」が発表され、厚労省はそれらを取り入れたガイドラインを発表し、臨床研究としての修復腎移植のみを認め、保険診療による修復腎移植を行えなくしたのであろう。

 ガイドライン発表後、保険診療による修復腎移植が受けられなくなった腎不全患者らは、治療選択肢の一つが禁止された(人格的利益に係わる権利の侵害)と考えた。その原因を、否定的見解のみを発表した移植学会の幹部医師らと考え、訴訟を起こした。

もし上訴するなら(1110日上訴済み)、非科学的な(すなわち倫理的に問題のある)「高原レポート」を違法とすることができるかがカギになるものと思われる。

                             (20141113日)

※大阪中央病院顧問の平岡諦(ひらおか・あきら)先生から、修復腎移植支援のご寄稿をいただきましたので、ご紹介しました。ありがとうございました。(係)



 

 新聞報道から                                    

 

▼病気腎移植損賠訴訟 患者権利侵害認めず 松山地裁 原告の請求棄却


判決後に会見する野村正良原告団長ら(左から2人目)=28日正午ごろ、松山市大街道3丁目

 宇和島徳洲会病院の万波誠医師(74)らの病気腎(修復腎)移植をめぐる日本移植学会幹部らの発言で同移植を受ける権利を奪われたとして、県内外の腎不全患者らが学会の現・元幹部5人に計約6千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が28日、松山地裁であり、西村欣也裁判長は原告の請求を棄却した。

 西村裁判長は、被告側の各言動は意見表明で、反対意見を封殺するような攻撃的なものでなく、社会通念上許容される範囲内で違法とは認められないと判断した。争点となっていた原告適格や訴訟性の有無については「腎不全患者の置かれた状況を鑑みれば、修復腎移植への原告らの期待は法律上保護された利益と言える」と認めた。
 臨床研究以外での病気腎移植を禁止した厚生労働省のガイドライン改正と学会幹部の言動との因果関係はないとした。
 原告は、同学会幹部らによる「移植に使える腎臓なら摘出するべきでなく、摘出しても患者に戻すべきだ」「がんの腎臓を移植すれば、高い確率で再発する」などの発言を虚偽だとし、患者が同移植を受ける権利を侵害されたなどと主張。被告側は「医師の良心に従って発言した」などと争う姿勢を示していた。
 訴訟は2008年12月、患者ら7人が原告となり提訴。係争中に2人が死亡した。
 病気腎移植をめぐっては07年3月、同学会などが「現時点で医学的妥当性はない」とする共同声明を発表。厚労省は同7月、臨床研究以外での禁止を盛り込んだ臓器移植法改正運用指針を都道府県などに通知している。
 会見した原告団の野村正良団長は「不満が残る判決で失望している。支援者の意見を聞いて控訴するかどうかを決めたい」と話した。
 医療法人徳洲会の安富祖久明専務理事は「臨床研究や(一部保険適用となる)先進医療への再申請の準備を進めており、残された道で修復腎移植の有効性や安全性を明らかにする」とした。
 日本移植学会は「主張が受け入れられた内容で、松山地裁が正しい判断をした」との理事会コメントをホームページで公表した。


「希望つぶされた」 6年越しの訴え届かず
 「患者たちの希望がつぶされた」―。日本移植学会幹部らの発言で病気腎(修復腎)移植を受ける権利を奪われたとして、腎不全患者らが賠償を求めた訴訟。請求棄却の判決が言い渡された28日の松山地裁で、原告と傍聴席を埋めた支援者らは6年越しの訴えが届かず、肩を落とした。
 当初原告に名を連ねた7人のうち、2人は判決を待たずに鬼籍に入った。うち1人は病気腎移植に望みを託したが、かなわず腎不全が原因で死亡した。
 2度の病気腎移植を受けて、今は巻き網漁で生計を立てる男性(61)=愛南町=は「普通の人と同じ仕事や生活に戻れた」と強調。「みんな期待しとったのにあっけない」と判決内容に嘆息した。
 NPO法人「移植への理解を求める会」理事で、透析が週3回必要な妻を支える井手広幸さん(57)は、100パーセント安全でなければ認めないという学会側の考えを批判した。「朝8時に家を出て治療が終わるのは午後1時ごろ。透析の日はしんどいと夜まで寝たまま。患者のことを思ってくれていない」
 多くの病気腎移植を手掛けた宇和島徳洲会病院の平島浩二事務局長は、厚労省のガイドライン改正と学会幹部の言動との因果関係はないとした判決に「学会が厚労省に対し相当な影響力を持っているのは間違いない」と反論する。「患者が納得すれば選択する権利はある。少しでも早く一般医療として認められることを強く望む」と、今後を見据えた。
 判決後に松山市内で会見した弁護団の薦田伸夫弁護士は、判決末尾に「慢性腎不全に対する優れた治療法の実施に向けたさまざまな取り組みがなされることを望む」と添えられた点を一定評価しつつも「この程度の表現を付けるにとどまった」と述べた。
 「命が懸かっている患者を一人でも救うために今後もがんばっていく」。会場で同NPOの向田陽二理事長が力を込めると、支援者らの拍手に包まれた。
 一方被告側は、代理人1人が判決を見届け、そのまま地裁を後にし、日本移植学会のホームページ上でコメントするにとどまった。 

20141029日付愛媛新聞)


▼「移植と手続き別問題」病気腎訴訟控訴

 病気腎移植を否定する日本移植学会幹部の発言などで、移植を受ける権利が奪われたとして、損害賠償を求めた移植患者らの訴えを退けた松山地裁判決を不服として、控訴に踏み切った原告団。10日、原告団長の野村正良さん(65)らが県庁で記者会見を開き、「学会や裁判官には患者と修復腎(病気腎)にしっかりと向き合ってほしい」と訴えた。

 野村さんらは10月28日の判決後、原告らを支援するNPO団体と協議を進めて控訴を決意した。2007年に厚生労働省が改正した臓器移植に関する運用指針について、野村さんは「学会の意向が影響しているのは明らか」と強調。2審でも争点にする意向を示した。

 また宇和島徳洲会病院(宇和島市)などで行われた病気腎移植で、臓器提供者と移植患者に対する説明が不十分だったことに触れ、「修復腎の悪いイメージにつながったが、移植の手続きの問題と移植自体の問題は別の話。裁判官も混同していた」と話した。

20141111日付読売新聞)

▼「患者が救われない」病気腎移植禁止で原告、高松高裁に控訴へ

日本移植学会幹部らの発言の影響で、国が「病気腎移植」を原則禁止としたため、治療を受ける権利が侵害されたとして、岐阜、広島、香川、愛媛の腎臓病患者7人が幹部らに損害賠償を求めた訴訟で原告側は10日、請求を棄却した松山地裁判決を不服として、同日中にも高松高裁に控訴すると明らかにした。

 原告団長の野村正良さんは松山市内で記者会見を開き、控訴理由について「学会幹部が移植を『人体実験だ』などと非難して厚生労働省の判断を促したのは事実。一審では訴えが十分に理解されず、移植を待ち望む患者が救われない」と話した。

 病気腎移植は、がんなどで摘出した腎臓を修復し、別の患者に移植する。10月の松山地裁判決は、幹部らの発言に違法性はなく、厚労省に禁止の判断をさせたとも言えないとした。                    (20141111日付産経新聞)
   

▼病気腎移植損賠訴訟 原告患者ら控訴

 病気腎(修復腎)移植をめぐる日本移植学会幹部らの発言で同移植を受ける権利を奪われたとして、県内外の腎不全患者らが学会の現・元幹部5人に計約6千万円の損害賠償を求めた訴訟で、原告側は10日、訴えを棄却した10月の松山地裁判決を不服として高松高裁に控訴した。

 原告3人が病死し、控訴審では4人が計2750万円の賠償を求めた。

 会見した野村正良原告団長(65)は、臨床研究以外の同移植を禁じた厚生労働省のガイドライン改正に学会が主導的役割を果たしたとの訴えや、病気腎移植が医学的に問題ないという意見が受け入れられなかった点は不当だと主張。同移植が海外で評価され、学会幹部が依拠する学説は時代遅れな点などを訴える方針で「正当な判断をして、患者を救ってほしい」と期待した。

 同学会は「今のところコメントはない」とした。

                      (20141111日付愛媛新聞)

……………………………………………………………………………………………………………


地裁判決と原告控訴に対する日本移植学会の見解

 日本移植学会と理事会は修復腎移植についての松山地裁の判決に対する見解と、原告の控訴に対する見解をそれぞれ10月28日付と11月11日付で次の通り、発表しています

松山地方裁判所平成20年(ワ)第979号損害賠償請求事件の判決結果に対する日本移植学会・理事会の見解

 今回の判決結果は移植学会の主張が受け入れられた内容であり、日本移植学会・理事会は松山地方裁判所が正しい判断をしてくださったと考える

                          日本移植学会・理事会                                  


松山地方裁判所平成20年(ワ)第979号損害賠償請求事件の控訴に対する日本移植学会・理事会の見解

本会の理事の職に在った5名が平成26年11月10日付で控訴されました。「病腎移植」に対する日本移植学会・理事会の見解は従前から一貫したものであり、控訴審に於いても、松山地方裁判所における裁判の時と同様、適切に対処してゆく所存であります。

                         日本移植学会・理事会     



…………………………………………………………………………………………………………

訴訟維持へカンパのお願い

修復腎移植訴訟を支援するNPO法人移植への理解を求める会は、高松高裁に舞台を移す訴訟を維持、継続するため、支援者の皆さんにカンパをお願いしたいと思います。

NPO法人移植への理解を求める会の台所事情は、ひっ迫してきていますが、修復腎移植の早期再開のために、もうひと頑張りが必要です。そこで、1口1、000円から何口でもけっこうです。カンパをお願いできれば幸甚です。

会員以外の方にも、支援していただける方がいれば、呼びかけをお願いいいたします。その方に会員になっていただければ、さらに幸甚です。

振込先の口座番号と名義人は次の通りです。

 郵便振替 01640-9-60827 NPO法人移植への理解を求める会

 
                  
       

報第16

(通算32)2014年

1120

(木)発行

発行者 NPO法人移植への理解を求める会  理事長 向田 陽二

798-4101愛南町御荘菊川2290    電話085-74-0512

編集者                  副理事長 野村 正良

       〒791-8006松山市安城寺町1746-8    電話089-978-5434

発行所                  事務局長 河野 和博

       〒790-0925松山市鷹子町9282     電話089-970-3943


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# by shufukujin-kaihou | 2014-11-20 16:19 | NPO会報第16号(32号)

26.11.10 緊急報告 控訴 

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26.11.10

緊急報告

修復腎移植訴訟、高松高裁へ


原告側控訴
「請求棄却は不当」


先にご報告した通り、修復腎移植を否定する日本移植学会幹部らが虚偽の発言により、厚生労働省の禁止方針を導き、患者の医療を受ける権利と生存権を侵害したとして、患者有志7人が学会幹部5人を相手取り、計6、050万円の慰謝料を求めた修復腎移植訴訟は1028日、松山地裁で判決言い渡しがあり「原告らの請求をいずれも棄却する」という大変残念な結果となりました。

 これを受けて、原告団はNPOの役員や支援者の方々に諮った結果、「原告の請求棄却は不当判決であり、承服できない」という意見が多かったことから、高松高裁に控訴することを決めました。11月10日、弁護人を通じて、松山地裁に控訴申立書を提出しました。

控訴を決めた主な理由は次の通りです。

この裁判は、修復腎移植の妥当性(有効性と安全性)を明らかにし、虚偽の発言により修復腎移植を全面的に否定してきた学会の幹部に態度を変えてもらうのが狙いでした。しかし、その願いは完全に退けられました。一審の判決がこのような結果では、学会はますます強硬に反対を続け、修復腎移植の再開はスムーズに運びそうにありません。そして移植を待ち望む多くの患者は、いつまでたっても救われません。そこで、二審の公正な判断を仰ぎ、修復腎移植再開への展望を少しでも開きたいというのが私たちの願いです。

判決理由を読むと、私たちの訴えたことが十分に理解されておらず、大きな不満があります。一つは修復腎移植の評価についてです。それによると「修復腎移植については肯定的見解と否定的見解があるうえ、倫理的ないし手続き的に問題のある実施例も見受けられたのであり、いまだ諸条件が整っているとは言い難い」としています。

 しかし、修復腎移植には、もともと問題性はなく、万波先生のグループが実施した42例の修復腎移植も、第1例から、すべて厚労省が承認し、正当な手続きのもとに実施されてきたという事実があります。ところが、臓器売買事件の調査の過程で修復腎移植が表面化したため、最近の移植事情を知らない学会幹部らが問題視して、過去の事情を知らない厚生労働省の担当者と組んで修復腎移植つぶしを図り、ガイドラインの改正に至ったわけです。

 したがって、修復腎移植そのものは新しい医療でも、実験的な医療でもなく、何の問題性もなかったわけです。それなのに、学会幹部らのバッシングによって、ガイドラインが改正され、一般的治療としては禁止するということになってしまったわけですから、「いまだ諸条件が整っていない」という判決理由は被告側の意見をうのみにし、事実に目を向けていないといえます。

また修復腎移植が海外で評価されていることや、学会が反対の根拠として挙げている学説がいずれも時代遅れのもので、現在では通用しないことを訴えましたが、そのこともまったく考慮されていません。

 もう一つ納得できないのは、学会幹部らが虚偽の発言により、厚労省のガイドライン改正による修復腎移植禁止を誘導したと、私たちが訴えてきたことに対し、判決理由は「厚労省が自らの責任と判断で決めたことで、被告らには責任がない」としていることです。

しかし、ガイドラインの改正に至る過程では、学会の幹部らが修復腎移植を「とんでもない医療だ」「人体実験だ」などと非難して、修復腎移植つぶしの包囲網を張り、厚労省を動かすために主導的な役割を果たしたことは紛れもない事実です。

しかも、移植の問題に関しては、移植学会は「権威」であると見なされており、学会幹部らの発言がガイドライン改正に決定的な影響を与えたことは間違いありません。したがって学会幹部らにまったく責任がないという判決理由には、納得がいきません。

さらに、修復腎移植の手続きと修復腎移植そのものの妥当性とは別の問題なのに、手続きの不備も理由に加えて、修復腎移植は認められない」と両者を混同していることにも大きな違和感があります。第三者によるチェックができれば、何も問題はないのです。

もう一つ付け加えるなら、海外で「restored kidney」(修復された腎臓)と呼ばれている修復腎を、学会幹部らはいまだに「病気腎」「病腎」と呼んでいることです。修復腎は「修復されたきれいな腎臓」なのに、あえて病気腎と呼ぶことで「傷んだ悪い腎臓」をイメージさせているように思えます。この呼称は即刻やめていただきたいものです。

こうした点を、もう一度訴え、修復腎移植の正当性と、学会幹部らの責任を明らかにしたいと思います。 

                       NPO法人移植への理解を求める会

                           理事 長 向田 陽二                                         

                           原告団長 野村 正良

                              



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# by shufukujin-kaihou | 2014-11-10 11:09 | 26.11.10 緊急報告 控訴理由

26.10.28 修復腎移植訴訟 緊急報告


26.10.28

緊急報告

残念!原告の請求棄却
松山地裁 修復腎移植訴訟で判決

修復腎移植を否定する日本移植学会の幹部らが虚偽発言により、厚生労働省の禁止方針を導き、患者の医療を受ける権利と生存権を侵害したとして、患者有志7人が学会幹部5人を相手取り、計6、050万円の慰謝料を求めた修復腎移植訴訟の判決言い渡しが28日、松山地裁でありました。

判決は「原告らの請求をいずれも棄却する」というもので、私たち患者側にとっては、失望せざるを得ない、大変残念な結果となりました。

判決理由では、修復腎移植を否定する被告らの言動について「修復腎移植については肯定的見解と批判的見解があるうえ、倫理的ないし手続き的に問題になる事例も見られたのであり、いまだ同諸条件がそろっているとは言い難い。したがって、原告らに修復腎移植を選択肢の一つと認めたうえで、これを選択し、受ける権利があると認めることはできない」としています。

また、被告らが厚労省のガイドライン改正を誘導したと訴えたことについては「厚労省が自らの判断と責任で行ったもので、わが国の移植医療における日本移植学会のプレゼンスや被告らの当時の地位を考慮しても、被告らの言動がガイドラインを改正させたとは認められない」としています。

 ただ、最後に「慢性腎不全に対する治療方法の発展を願う患者ら及び医療従事者の真摯な思いを鑑みれば、国内での研究、議論の進展ならびに患者及び医療従事者の対話と相互理解によって、慢性腎不全に対する優れた治療方法の実施に向けたさまざまな取り組みがなされることが望まれる」と言及しており、原告側に一定の配慮をした内容となっています。

                      ☆

 しかしながら、修復腎移植の妥当性を明らかにし、これを否定する学会幹部のかたくなな態度を改めさせるという患者側の願いからは、抽象的な一般論にしていることに不満が残ります。これでは解決策にはなりません。具体的に「選択肢の一つとして修復腎移植の可能性も検討すべきである」としてほしかったと思います。

 私たちは、この判決にめげず、修復腎移植が一般医療として再開されるまで、今後とも粘り強く活動を続けていくつもりです。皆さまの一層のご支援とご協力をお願いいたします。                     

NPO法人移植への理解を求める会

                      理 事 長 向田 陽二

                      原告団長 野村 正良  






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# by shufukujin-kaihou | 2014-10-28 20:39 | 26.10.28 訴訟判決 緊急報告

NPO法人会報第15号(通算31号)


    NPO移植への理解を求める会 会報第15号          



修復腎移植訴訟いよいよ判決


10
28 松山地裁に結集しよう!

e0163729_21431885.jpg前号でご紹介した通り、修復腎移植を否定する日本移植学会幹部の虚偽発言により、厚労省の禁止方針を導き、患者の医療を受ける権利と生存権を侵害したとして、患者有志が学会幹部5人を相手取り、計6、050万円の慰謝料を求めた修復腎移植訴訟が7月1日、松山地裁で結審しました。いよいよ10月28日午前11時から判決言い渡しが行われます。

この訴訟は、修復腎移植を推進するNPO法人移植への理解を求める会の支援を受け、移植者と透析患者計7人が原告となり、2008年12月、松山地裁に提訴しました。以来、結審まで約5年半の間に13回の口頭弁論が開かれました。この間、弁護団の先生方が、献身的な努力により、被告の虚偽発言を裏付ける資料をはじめ、修復腎移植を取り巻く内外の現状を伝える膨大な資料を集め、同地裁に提出しました。これらの資料によって、被告の虚偽発言と厚労省の禁止方針を導いた背景がほぼ明らかにされました。

また2月25日と3月18日の口頭弁論で実施された証人尋問によって、学会幹部の修復腎移植に対する無責任な考え方や、根拠のない批判理由が浮き彫りにされました。

訴訟を通じて、修復腎移植の妥当性(安全性と有効性)を訴え、再開を願う私たちの切実な思いも、十分、届けることができたと思います。あとは公正な判決を待つだけです。

ただ、この間に、原告を予定していたお二人と、原告になっていただいた7人の中のお二人の計4人が亡くなられるという、悲しい出来事が相次ぎました。修復腎移植が禁止されなかったら、あるいは早期に再開されていたら、皆さん、助かっていたのではと思うと、無念でなりません。亡くなった人たちのためにも、早期再開に向けて、今後とも、みなさんとともに頑張っていきたいと思います。

さて、28日の判決はどのようなものになるのでしょうか。5年半の年月をかけた訴訟だけに、納得のいく、内容のある判決を期待したいと思います。

判決言い渡しの日は、平日ですが、できるだけ大勢の方々に結集していただき、みなさんとともに喜び合えることを、心から願っています。

<参加可能な方は、当日午前10時40分、松山地裁の玄関前にお集まりください>


                              

<メモ>

原 告 向田陽二(NPO法人移植への理解を求める会理事長、愛南町、生体腎移植者)、野村正良(同副理事長、松山市、修復腎移植者)=原告団長、田中早苗(宇和島市、修復腎移植者)、二宮美智代(同、同)、藤村和義(広島市、透析患者)、花岡淳吾(岐阜県高山市、透析患者)=死去、長谷川博(香川県多度津市、同)=死去。

原告予定者 有末佳弘(大阪府、透析患者)=死去、下西由美(広島県、同)=死去

原告弁護団 薦田伸夫、岡林義幸、山口直樹(以上松山市)、林秀信(修復腎移植者)=弁護団長、光成卓明(以上岡山市)。

被 告 田中紘一(日本移植学会元理事長)、大島伸一(同元副理事長)、寺岡慧(同前理事長)、高原史朗(同理事長)と相川厚(同理事)。               (以上、敬称略)

訴訟の目的 修復腎移植を否定する学会幹部らの違法性を明らかにし、修復腎移植の正当性を明らかにする。

訴状の骨子 修復腎移植医療の正当性の判断に当たって、その意見が社会的影響力を有する立場にある移植医療、泌尿器系医療などの専門家であり、かつ関係学会の幹部の地位にある者が、修復腎移植に関して、真実と異なり、もしくは真実を歪曲した不利な事実、意見を社会、関係する官庁、議員、学会、報道機関などに流布させる行為は、民法上の不法行為における「違法な侵害行為」に該当するものである。


  えひめ移植者の会26年度総会記念講演から                                       

 「日本の移植事情と課題」

               移植コーディネーター 篠原 嘉一氏


 死体腎移植は横ばい続く

提供可能な臓器と移植数について、心臓、肺、肝臓、膵臓、腎臓をみると、2012年の数字では、生体、死体合わせて年間2100件の移植が行われています。このうち、まず一番多い腎臓移植について、説明させていただきます。

腎移植の推移を見ると、2012年には年間1610件の移植が行われています。その10年前の2002年と比べると、生体移植は637件から1417件に、約2倍に増えています。これに対し、心停止後の提供による移植は、112件から116件と、ほとんど動きがありません。脳死下の提供による移植は77件と若干増えています。これらを合わせると193件となり、10年前に比べると、1・5倍に増えていることになりますが、最近、死体腎移植は200件前後で横ばいが続いています。

 人口比では、愛媛県は人口100万人当たり62・7ポイントで、愛知、東京、大阪などの地域と比べても、断然、腎移植が盛んな地域となっています。

 施設別では、万波先生のおられる宇和島徳洲会病院が一番多く、生体腎移植のみで2012年には63件の腎移植が行われています。県立中央病院が14例で、中四国では5番目に多くなっています。

 中四国の移植病院では、県内が4病院、高知は1病院といった状況です。

 病院別の腎移植数をみると、10年前は年間1~4例の少数の病院が全国的に多く、7割を占めていました。最近は少数の病院はほぼ半減し、年間20例以上の病院が全国の6割を占めるようになっています。また年間30例以上、実施している病院はは8病院です。

  生体腎移植を受けた人の年齢をみると、10年前は30代の人が最も多かったのですが、2012年には50代の人が一番多く、30代~60代が続いて多くなっています。

 死体腎移植を受けた人の年齢をみると、2002年には50代が多く、最近は60代が非常に多くなっています。2012年には、最高齢は85歳で腎臓の提供を受けています。


 増える配偶者間の腎移植

生体腎移植の場合の腎臓提供者は、2002年は両親の提供が65%で1位でした。最近は両親と配偶者がほぼ同率となっています。

生体腎移植の場合は、血液型が違っていても行えるということや、腎不全の人の年齢層が上がってきていることから、両親よりも配偶者が提供するというケースが多くなっています。

移植を受けた人の透析期間と術後の生着率の関係は、文献によると、透析期間が短いほど、生着率がよいということです。特に6カ月以上と6カ月未満で大きな差が見られるようです。また移植の直前だけ透析をした人、まったく透析をせずに移植を受けた人が、それぞれ11%います。こうした人が増えてきています。

腎移植を受ける対象となる、透析患者さんの数の推移をみると、右肩上がりが続いていて、2012年末の時点では、31万人の方が透析療法を受けられています。

県内では、昨年12月末の時点で、3761人の方が透析を受けられています。こちらも右肩上がりとなっています。その割合を人口比でみると、愛媛では384人に1人が透析療法を受けている勘定です。

地域的にみると、食生活の影響もあるかもしれませんが、西日本の方が多い傾向にあります。

次に、死体腎移植について説明します。全国では、年間200例前後の死後の腎提供がありますが、昨年は若干減っています。待機日数がポイントに反映されるということもあり、現在、平均の待機日数は14年と6カ月で、移植を受けられた方々の平均年齢は50歳となっています。

膵腎同時移植、肝腎同時移植を除いた腎移植では、腎提供があった同じ県内で腎移植がされるケースが8割前後となっています。それは腎臓の選択基準の中に、同じ県内だと6ポイント加算されるということがあるからです。したがって県内に提供者がいないと、なかなか移植は受けられないということになります。

腎移植の年代別生着率をみると、よい免疫抑制剤が開発され、治療法も確立していて、早期に対応できるので、年々成績がよくなっています。生体腎移植の平均生着率は10年で89%です。移植後1年の生着率は、90年代前半は96・6%でしたが、最近は98・4%と、高くなっています。

献腎移植の生着率は、移植する腎臓が終末期のものということもあって、生体移植に比べると、若干落ちます。最近のデータでは10年生着率は約5割となっています。

移植を受けられた人の、社会復帰の状況をみると、8割近い77%の人が発病前と同等の社会復帰をしています。中には「部分社会復帰」または「事務的労働なら可」という人が16%います。

合計すると、9割近い方々が社会復帰しています。

腎臓移植の方をまとめてみると、現在は血液型不適合でも腎移植が可能になったことから、最近は4組に1組の割合で、血液型不適合の移植が行われています。 


 法改正で脳死移植は増加

次に日本の移植事情ということで、他の移植についても、簡単に紹介させていただきます。

2010年に改正臓器移植法が施行となり、それ以降、国内での心臓移植が非常に増えています。国内でなかなか心臓移植が受けられないということで、海外に行って移植を受けられている方々の状況をみると、2008年に国際移植学会とWHOが渡航移植反対を目指し、イスタンブール宣言を出したため渡航移植を受ける数が大きく減っています。18歳以上の場合が特に減っています。

基本的には渡航移植受け入れ禁止となっていますが、アメリカの場合には、5%ルールというのがあって、提供された臓器のうち5%はアメリカ人以外の方にも移植されるケースがあるようです。しかし、年間5例程度しかチャンスはないようです。

心臓の場合には、移植した臓器が駄目になると、死に至るので、生着率と言うよりも生存率という表現になってきました。国際的には14年経過後の生存率が36%ですが、日本国内ではその倍の78%ということで、非常にハイレベルの移植水準を保っています。

心臓移植者の社会復帰状況をみると、フルタイムで仕事に復帰している方が41%、そして常時勤務が可能だけど仕事をしていない、または仕事がないという方が同じくらいいます。この辺りは、社会的理解がもっと広まっていかないといけないのかなと思います。

心臓移植については、法律改正で移植数が増えています。また本人の意思表示カードがなくても臓器提供が可能になったことで、小児の心臓移植も国内で可能となり、その歴史も始まりました。

続いて肝臓移植です。2005年ごろまでは生体肝移植の方が右肩上がりで増えていました。2005年以降は生体肝移植が若干少なくなってきています。反対に、改正臓器移植法によって、国内で脳死肝移植が可能になったことから、脳死肝移植が非常に増えています。

肝臓移植者の方の平均生存率は20年で68%と、70%近い状況になっています。生体、脳死移植とも、成績はほとんど変わらない状況です。そして約6割の方が発病前と同等の社会復帰をしています。また32%の方が部分社会復帰、家事や事務的労働は可としており、非常に多くの方が社会復帰しています。


 愛大病院 脳死肝移植OK

愛媛での肝臓移植のトピックスでは、愛媛大学病院が、最近は生体肝移植を年間7件前後手掛けてきました。昨年には、日本臓器移植ネットワークから、脳死肝移植の施設として認定されました。今年4月からは患者さんの受け入れを始めているようなので、今後、愛媛でも脳死肝移植が行われるようになるのではないかと思います。

肺移植についても、法改正に伴い、移植数が非常に増えています。移植者の生存率をみると、肺移植が始まった当初は、5年生存率が50%といった状況でした。最近は10年近くたっても50%を超えるような状況です。逆に移植が受けられないと、5年生存率が17%ということで、移植の意義が非常に大きいことが示されていると思います。

肺移植をした方の社会復帰状況では、半数の人が発病前と同等に社会復帰をしています。部分復帰は26%で、8割近い方が社会復帰を果たしています。肺移植については、これまで脳死移植の場合、病変がある肺は使いませんでしたが、昨年からは、病変を取り除いて、残りの部分を移植に使う取り組みが始まっています。ですので、臓器を提供する方のご家族の意思を最大限に尊重し、移植を待っている人たちを、一人でも多く助けようという取り組みが進んでいます。

膵臓移植も、法律改正以降、非常に移植数が増えています。膵臓移植には、膵腎同時移植と膵臓単独の移植がありますが、前者の方が非常に増えています。生着率は5年で7割近くなっています。

こちらも、6割近い人が発病前と同等の社会復帰をされています。そして部分社会復帰、家事事務労働可の人が21%、軽度の症状があるけど家事や事務的労働をしている人が7%で、87%の人がとりあえず社会復帰できている状況となっています。

膵臓移植の平均待機期間は3年9カ月です。膵臓移植が必要な方々は、もともと糖尿病を抱えていて腎不全を併発しているので、膵腎同時移植が非常に多くなっています。

最後に、数は少ないですが、小腸移植では、最近は脳死移植が中心に行われています。小腸移植を受けている方の年齢層は、18歳未満の若い方が6割を占めています。社会復帰状況をみると、6人のうち、半数の方が発病前と同等の社会復帰をしています。あとの半数は身の回りのことをするのに、何らかの援助が必要という状況です。生着率は、10年で50%となっています。


 臓器提供が家族の癒しに

最近は、年間100人前後の方から心停止後、または脳死後の臓器提供がありました。しかし、昨年は若干、臓器提供数が減っています。地域的にみると、全国的に平均して提供がありますが、人口的にみると、中四国は非常に多いように感じています。性別では、男性からの提供が若干多くなっています。

臓器提供者の年齢層は、法律改正前は、意思表示カードの所持が必要だったため、カードの所持率の高い若い方々、特に30代前後の方の提供が多い状況でした。しかし、最近は各年代とも平均的に提供が行われています。

本人の臓器提供の意思表示については、以前は臓器提供者のうち1割弱が意思表示カードの所持者でしたが、最近は運転免許証や保険証で意思表示が可能になっているので、意思表示をしている人が非常に多くなっています。

家族が脳死下の臓器提供を承諾した理由では①社会貢献(今までお世話になったので、社会への恩返しで)②本人の人となりを判断して(本人の意思が確認できたら、提供を望んだだろうと推測して)③突然の死に対して、体の一部だけでも生き続けてほしいとの願いで-などが多い状況です。

改正臓器移植法により、家族の意思によって臓器提供ができるようになったわけですが、提供家族にとっては、移植によって一人でも多くの人を助けることができるということが、癒やしにつながっている面があります。

アメリカでは1提供者当たり平均3人の方に移植が行われていますが、日本の場合は1提供者から平均4~5人の方に移植が行われています。国内では、ご家族への気持ちを尊重して、できるだけたくさんの人に移植ができるよう努力が払われています。

一方、臓器提供によって移植が行われたけれども、移植した臓器がすぐに駄目になったり、移植を受けた人が亡くなったりすると、提供家族に悲しいお知らせをしないといけないので、ご家族が二重の悲しみを味わうということもあります。それだけに、移植成績も、より向上することが求められています。

また提供された臓器の機能がよくても、他の臓器が駄目になって、移植を受けた人が死亡するといったケースもあります。しかし、移植した臓器の生着率はどの臓器も非常に高い状況です。

法律改正によって、脳死下の臓器提供が増え、移植を受けられる人が非常に増えています。1997年に脳死を認める臓器移植法ができて、1999年2月に、お隣の高知で、国内初の脳死提供が行われました。以来、この10年間で移植を受けられた方々は、心臓が3倍、肺も3、4倍、肝臓も3倍以上増えています。腎臓は横ばいですが、他の臓器移植を待っている方々にとっては、恩恵の大きい法律改正となっています。

このため、移植を希望する方々の数も増えています。肝臓を例に挙げると、劇症肝炎で余命1カ月程度と宣告されると、ひと月に1人程度しか提供がなかった以前は、なかなか移植を受けられませんでした。しかし、最近は毎週のように脳死下の臓器提供があり、移植を受けられる可能性が広がっているので、希望者が増えています。


 影響大きいマスコミ報道

次に今後の課題ですが、2010年の法改正以降、腎臓の場合、特に昨年は提供者数が減っています。その原因を、移植ネットワークや厚労省が調べていますが、臓器提供者の死亡原因は、国内では脳出血、脳血管障害が半数を占め、他には交通事故による脳頭部外傷などがあります。しかし、最近は脳血管障害による死亡者や交通死者、自殺者などが、社会的な努力でいずれも減少し、脳死臓器提供者の対象となる人たちがで減っていることが一因のようです。

臓器の提供は、家族からの申し出と医師の勧めによるものが中心ですが、前者はだんだん減ってきています。2010年と2012年には、法改正で、それぞれ12歳未満、6歳未満の子どもの提供が可能という報道で関心を呼び、提供が増えています。しかし、それ以降は年々、減ってきています。

「臓器移植に関心がある」「臓器移植について家族と話したことがある」という人は、アンケート調査をしても、年々大きな変化は見られませんが、これらの人たちは、そのきっかけとして、テレビやラジオなどマスコミで話題になったことが非常に大きいと指摘しています。

また身近に、移植者や移植希望者、ドナーがいることを理由に挙げた人も少数ですが、います。

こうした指摘から、マスコミの力も必要ですが、移植した人たちの口コミなども、移植に関心を持つきっかけとなってきます。

このほか、心停止後の腎臓提供は、年々減ってきていますが、脳死下の提供は横ばいか、若干増えている状況です。昨年度の内閣府の世論調査によると、「死後の臓器提供についてどう思うか」との質問では、心停止でも、脳死でも、あまり考え方に違いは見られません。

次に「あなたの家族が臓器提供の意思表示をしていた場合、どう考えるか」との質問でも、「尊重する」「たぶん尊重する」「分からない」「たぶん尊重しない」「尊重しない」の回答は、心停止後、脳死後でも、大きな違いは見られません。むしろ、脳死後の方が「尊重する」の回答が若干、多い状況です。

逆に、「家族が臓器提供の意思表示をしていなかった場合、どう考えるか」でも、脳死後、心停止後で、大きな差は見られません。ということはと、脳死に対する理解が進んだのかとも考えられます。しかし、脳死への理解を広める啓発活動が国内で盛んになっているかというと、学校教育で「命の教育」が徐々に広がってきているけれども、まだまだそれほどは進んではいません。

そこで、「臓器を提供するのであれば、一人でも多くの人を助けられれば」いう意識があるのではないかというのが考え方の一つです。

世界の臓器提供数をみると、少しデータが古いですが、人口100万人当たり、日本は0・8.韓国は2・9という状況です。韓国もほぼ同じ時期に臓器移植法が改正されて、内容もほとんど同じですが、最近は6ポイント前後になっています。韓国の場合、提供数が大きく伸びた理由として、脳死の患者さんが出た場合、病院が臓器提供機関に報告するよう義務付けられていることがあります。

またスペインで提供数が多いのは、国が法律で、臓器を提供したくないという意思表示をしていなければ、提供に同意しているとみなしていることがあります。

最近は、このスペインのシステムを取り入れ、スペインよりも提供率が高くなっているクロアチアの例もあります。


 意思登録増やす努力必要

日本では、意思表示をしている人が増えることが、臓器提供数を増加につながるので、意思表示を広げていくことを目指しています。内閣府の世論調査によると、約13%の方々が意思表示をしているということです。昨年、大街道で実施したアンケート調査では、意思表示カードに記入して所持している人は16%でした。全国に比べて県内の状況は決して低くないようです。

臓器提供の意思表示をしている場合には、9割近い人たちが「尊重したい」とアンケートに答えています。したがって、意思表示カードへの記入を増やす取り組みが必要です。

これまでは、厚労省が意思表示カードを発行し、皆さんに配ってきました。しかし、最近は健康保険証や免許証に意思表示欄があるので、これらに記入してもらう取り組みをもっと盛んにしていかないといけないと言われています。

またインターネットによる意思表示も可能で、登録している人は全国に12万人います。県内でも838人の方々がインターネット経由で意思登録をしています。県では県政広報番組で、移植者の元気な姿を紹介する取り組みもしています。

このほか、昨年から1、2件ですが、臓器提供にはつながらなかったけれど、家族がもう助からないと言われたとき、その腎臓をもらえないのかという問い合わせがありました。

 改正臓器移植法により、親族への臓器の優先提供が認められるようになりました。その場合には、提供する側は書面で意思表示をしていること、受ける側は臓器移植ネットワークに登録していることが必要です。そういう移植の方法もあるということを、皆さんに知っておいていただきたいと思います。

                      (6月22日、松山市総合福祉センター)

    
                  
       

報第15

(通算31)2014年

1020

(月)発行

発行者 NPO法人移植への理解を求める会  理事長 向田 陽二

798-4101愛南町御荘菊川2290    電話085-74-0512

編集者                  副理事長 野村 正良

       〒791-8006松山市安城寺町1746-8    電話089-978-5434

発行所                  事務局長 河野 和博

       〒790-0925松山市鷹子町9282     電話089-970-3943


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# by shufukujin-kaihou | 2014-10-20 21:45 | NPO会報第15号(31号)

NPO法人会報第14号(通算30号)

NPO法人移植への理解を求める会 会報第14号

修復腎訴訟 証人尋問終わる

7月1日最終弁論、秋にも判決


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修復腎移植訴訟の口頭弁論での証人尋問が、松山地裁で2月25日と3月18日に実施され、原告、被告計6人の尋問が、予定通りすべて終わりました。この後、7月1日に最終の口頭弁論が開かれ、結審の予定です。早ければこの秋にも判決が出るとみられています。

被告側の証人は、吉田克法日本移植学会理事(奈良県立医科大学准教授)と大島伸一同学会元副理事長(国立長寿医療センター総長)が出廷しました。2人の発言から、修復腎移植は何が何でも認めないという姿勢がよく分かりました。

また、この問題が表面化した2006年11月以降、学会は修復腎移植の「妥当性」などについて何の検討もしてこなかったことが証明されました。修復腎移植の再開を望む患者の切実な気持ちなどまったく頭になく、他人事のように無視し続けていることは、医師の態度として決して許されないことです。


 証人尋問から                           

証人尋問の発言の中から、その一部を紹介します。

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証人尋問を終え記者会見を行う難波、光畑、野村証人と弁護団



癌持ち込み0.1%でも駄目
 吉田 克法証人(日本移植学会理事)

柴田 崇弁護士(被告ら代理人) 病腎移植について、2006年~2007年当時は、どのような評価がなされていたか。

吉田証人 2006年に起きた臓器売買事件を機に、病腎移植が表面化した。移植学会と関係の腎臓学会、透析学会、臨床腎移植学会の4学会を含めた全5学会関係者は、その治療法について非常に驚いた。それで2007年に5学会は「病腎移植医は現時点では認められない医療である」とする声明文を出した。ただ、それには未来永劫、禁止されるような治療法とは書いていない。将来的に安全で、患者さんにとって有用であるということが確認された時点では、一般的な治療法として認められると思う。

 しかし、2006年~2007年の時期は、明らかに安全であるとか、患者さんにとって有益である、あるいは腎臓を提供された方に有益であるということが確認できていなかった。したがって、関連5学会は、その時点では病腎移植は認められないという声明文を出した。

○現在では安全性、有益性が確認されているか。

●当時も、現時点でも、癌の症例を含めて、患者さんにとって有益である、安全である、あるいは腎臓を提供された方にとって有益である、安全であるということは確認されていない。

○移植ができる患者を一人でも多くしていくという移植医療の視点で考えると、何が大切か。

●移植医療は非常にすばらしい治療法だが、問題は提供者が少ないことだ。そこで一番大事なことは、献腎移植を増やすことだ。学会はそのことに真剣に取り組んでいる。

○腎移植を増やすに当たって、気をつけなければならないことは。

●提供者の意思と家族の考えを最も大事にしなくてはいけない。提供者の安全性、家族の不安感をなくすのが一番大事だと思う。

○移植において、悪性腫瘍のある患者を提供者とすることについて、どう考えるか。

●病腎移植が行われていた時期、スタンダードな考えは、一部治癒した悪性腫瘍は別として、悪性腫瘍を持っている患者(担癌患者)さんからの移植、特に生体腎移植は禁忌というものだ。肝臓移植なども同様だ。現在も、その考えは変わっていない。、

○他人の癌は転移しにくく、病腎移植は安全であるという見解もあるようだが、この見解について、どのように考えているか。

●腎臓の癌は、血行性転移が多い癌の一つだ。したがって、腎臓の癌を摘出した後でも、われわれの経験上、あるいは論文でも、10年後、20年後に癌が再発したという報告も多数ある。腎臓の癌、特に今回問題となっている尿路系の腎臓の癌は結構、転移が多いので、転移、播種のないように手術するのが原則だ。

癌細胞は免疫力が弱ると発育してくる。したがって、他人の癌細胞であろうが、自分の癌細胞であろうが、免疫力が非常に弱い患者さんの場合、特に移植手術後、免疫抑制剤を大量に投与する患者さんは、抵抗力、免疫力が弱くなり、癌細胞が発育すると、われわれは教わっている。教科書にもそう書いてある。したがって、他人の癌は移りにくいという報告は見たことがない。

宮沢 潤弁護士(被告ら代理人) ドナーの癌の持ち込みの可能性が、仮に1%でもあった場合、移植医療として移植学会は推進、推奨することはできるのか。

吉田証人 それはできない。 

○危険性があるからということか。

●そうだ。

光成 卓明弁護士(原告ら代理人)ドナーの癌が持ち込まれる恐れが1%でも許容できないと言う話は、ずいぶん高すぎる数字だと思うが、たとえば0・1%でもいけないのか。

吉田証人 移植の場合は、数字が非常に低くても駄目だと思う。

○(病腎移植について)各病院での調査が終わってから現在に至るまで、学会に病腎移植についての研究グループ、あるいは研究チームは作られているか。

●移植学会の特別委員会で、検討している。しかし、病腎移植だけを対象とした委員会はない。そういう会合も行っていない。


生きる道は移植しかない 藤村 和義証人(透析患者)

薦田 伸夫弁護士(原告ら代理人) 

あなたは透析を始めて、どれぐらいになるか。

藤村証人 7年と11カ月になる。

○透析が長くなるにつれて、何か体に異状は出ていないか。

●おととしから、足の動脈硬化で血管が詰まって石灰化し、足の動脈を広げる手術を受けている。過去、5回(手術を)している。

○石灰化について、(主治医に)何か言われたことはあるか。

●CTの検査で腹部大動脈、胸部大動脈、両脚の辺りの動脈に石灰が沈着しているようで、石灰化が始まっていると言われた。

○石灰化が進むと、どうなるのか。

●心臓まで石灰化し、心筋梗塞で死亡するそうだ。

〇透析生活を続けてきて、体調が悪化してきているということだが、今の状態から抜け出すために,希望していることは。

●6年前、移植をしないと助からないと思い、(日本臓器移植ネットワークに)移植の希望登録をしようと考えた.。しかし、1万2000人が待っていて、待ち時間が長いと聞いて、修復腎移植の方が(実現の)確率が高いと思い、こちらに(徳洲会宇和島病病院で)希望登録をした。

○移植学会の人たちが(修復腎移植に反対して)いろいろ発言している。あなたはどう感じたか。

●私の生きる道は移植しかないので、移植学会の方々が反対しているのは、理不尽だと思った。なぜ、駄目なのか、理由を知りたい。


患者無視の学会は理不尽 野村 正良証人(修復腎移植者)

岡林 義幸弁護士(原告ら代理人) 腹膜透析を始めて2年半ぐらいたったときに死体腎(献腎)移植を受け、手術は成功したということだが、透析から解放されたときの気持ちは。

野村証人 透析期間中は一日中頭が痛くて、吐き気がして、階段を10段くらい上がっても、心臓がばくばくするような、そういう生活を送っていた。ところが、移植を受けた途端、元の元気な体に戻った。全然出なかったおしっこも出るようになり、それは快感だった。

○仕事にはどんな変化があったか。

●元気なころとほとんど変わらない仕事ができるようになった。スポーツもできるし、食事制限もなくなった。

○「命よみがえる」(愛媛新聞社、1990年)という本を出されているが、この本を書いた目的は。

●移植を受けて元気になり、移植とはこんなにすばらしいものかという実感を持ったので、ドナーが増えて透析をされている人が一人でも多く移植ができ、自分と同じように元気になっていただきたいという願いを込めた。これは使命感を持って書いた。

○「愛媛腎移植者友の会」(現えひめ移植者の会)という団体を設立されたが、その目的は。

●移植を進めるために、移植を受けた人たちが、もっと声を上げていこうというのが目的。実は市立宇和島病院の名誉院長(当時院長)、近藤先生から「患者会は組織できないのか」という話があって、移植のすばらしさを知ってもらうために、患者同士でそういう話ができる会にしようと立ち上げた。

○移植を受けて健康的な生活ができるようになったが、その後、腎炎が再発したとのこと。そのときの気持ちは。

●移植腎は半永久的に持つものではないので、「とうとう来たか」という気持ちだった。今の日本の状況では、献腎移植はほとんど望めないので、またつらい透析に戻り、何年生きられるか分からないけれど、とにかく頑張ろうという気持ちだった。

○透析を覚悟したけど、奥さんの臓器提供で2度目の移植を受けることになったとのことだが、その結果は。

●残念ながら、血液型不適合ということもあって、うまくいかず1週間で駄目になった。

○その時の気持ちは。

●家内が本当にかわいそうで、腎臓をもらうのではなかったという気持ちになった。生体腎移植がいかに大変かということが、よく分かった。献腎を増やして、多くの人が移植を受けられるようにしなければいけないと思った。

○奥さんからの腎臓提供による移植が失敗した後、万波先生から(修復腎)移植の話があったということだが。

●家内にもらった腎臓を取り出して2週間くらいたったころ、先生から話があった。「ネフローゼの患者さんが、いくら化学療法をやってもうまくいかないので、ご本人は『親族から腎臓をもらって移植を受けるので、腎臓を取り出してくれ』と言っている。その腎臓を移植する方法がある。たんぱくがぼろぼろ出ていて、成功率は五分五分だが、駄目もとでやってみないか」ということだった。

○どう返事したのか。

●私は「現状では一生、移植を受けるのは無理。2年でも3年でも持てば、その間だけでも透析をしなくてすむ。ひょっとして、もう少し長く持ったらラッキー」と思い、即「お願いします」と返事した。迷いはなかった。

○術後の経過は。

●最初は尿たんぱくが少し出ていて、やはり駄目になるのかなと思った。でも2、3カ月すると、たんぱくはピタリと止まって、それからは一切出なくなった。全く正常に機能している。

○今の生活はどうか。

●今年で14年目になるが、今も普通の人と変わらない生活ができている。以前のように元気になりで、定年まで働き、その後も嘱託で働いている。移植のおかげで、本当に快調だ。

○修復腎移植が表面化したときの日本移植学会の反応(バッシング)は、どう映ったか。

●一言でいえば理不尽。納得できない。万波先生のやり方が悪かったということは、多少はあると思う。ただ、その問題と修復腎移植の評価は別だと思う。自分自身がそういう腎臓をいただいて元気になっていて、だれからも文句は出ていない。なぜ全面的に否定するのか、理解できない。患者の声を全く聞いてくれないと思った。

○修復腎移植の問題が起きた直後、「移植への理解を求める会」を立ち上げた。その趣旨は。

●私を含め、移植手術によって、たくさんの人を救ってきた万波先生が、むちゃくちゃなことをやっていると非難され、医師免許を剥奪されそうな感じになっていた。私たちの会が加入している全国の移植者団体「日本移植者協議会」も、学会とまったく同じ論調で批判を始めたので、私たちが先生を支えないといけない、多くの人たちに真実を知ってもらいたいと、立ち上げた。

○患者の立場から見て、修復腎移植のメリットは。

●生体腎移植は、健康なドナーの体に傷をつけるため、提供する方も、もらう方も、心の葛藤がある。それに比べ、修復腎移植は治療のために捨てる腎臓を利用するわけだから、その葛藤がない。仮に手術が失敗しても、先生も患者も、気が楽ということがある。

○一度移植を受けた患者の立場からみた修復腎移植は。

●移植をすれば本当に長期間、元気で生活できる。移植は本当にすばらしいと分かっているので、こんな宝の山を、みすみす捨ててしまうのはもったいない。学会の先生方は何の検討もしないで、全部駄目だと言っている。その理由が理解できない。

○原告団のメンバーが移植を受けられず、次々と亡くなっている。どんな思いでいるか。

●裁判も5年目、この問題が起きてからは8年になる。その間にいろんな人が亡くなっている。早く修復腎移植を正当に評価し、再開していただきたい。海外では絶賛されているのに、日本の学会だけが「駄目だ、駄目だ」と言っているのはおかしいと思う。「現時点では妥当性がない」と言ったまま、その可能性を探ることもせず、かたくなに否定しているのは、医者としてどうかと思う。

患者さんを救うために移植を進めるのが移植学会のはず。古い医学的常識でバッサリ切って、後は他人事のように知らん顔。そんなことが許されるのか。厚労省はスタンスを変えて「患者さんのために臨床研究をやってください」と言っている。その臨床研究に対しても、足を引っ張るのは一体どうなっているのか。

○この裁判の判決に期待するところは。

●今どんどん亡くなる方々を一人でも早く助けていただきたい。学会の先生方が態度を変えざるを得ないような、温情のある判決をしていただきたいと思う。


医学的常識に基づき発言 大島 伸一証人(日本移植学会元副理事長)

被告大島代理人 修復腎移植、病腎移植に対する考えは。

大島証人 医学界は、それまでに行われていなかったような医療に対して、標準的医療と比べて、その医療がどういう水準にあるのかということを、社会にきちんと説明していく責任があると私は考えている。そういう点から、この問題をどう理解し判断したらいいかと考え、現時点ではこうすべきだと社会に説明してきたつもりだ。

 (この問題について)全体として、やめるべきだという意見が圧倒的に強かったが、私はどんな医療でも全面的禁止はするべきでないと発言した。100年前にすばらしいと言われていたことが何十年後かに、とんでもない医療ということになった例もあれば、その逆もある。そのことから考えれば全面的禁止はふさわしくないと発言している。

○万波先生が行ってきた修復腎移植を、どう見ているか。

●こう言うと「何だ調子がいい」と言われるかもしれないが、私は万波先生を移植医として高く評価してきた。私は一貫して普通の病院で医療を行ってきた。彼も私と同じような環境にいたので、本当に努力して移植をやってこられたと思う。

十数年前、私は厚労省の臓器移植委員会腎臓部会の委員長になった。そのとき、一番最初に万波先生を委員に推薦して、引き受けてくれた。委員はほとんどが大学関係者で、一般病院で移植をされている方は極めて少なかった。そういう意味で非常に高く評価していた。ただ、彼は委員会には一度も出席されなかった。

○悪性腫瘍を持つ腎臓の移植について、現代の医学界はどのように考えているのか。

●現在の見解がどうかは、私は知らない。長寿医療研究センタ-に移ってからは10年以上、長寿医療に専念していて、(移植医療の)論文も読んでいない。学会にもまともに出ていないので、現在の医療水準、医療状況がどうなのか、私には分からない。

 病腎移植が問題になったときは、担癌患者からの臓器移植はするべきでないというのが、医学界の常識だったと理解している。免疫抑制をすると、免疫機能が低下する。そして癌は免疫機能が抑制されると、増殖しやすいというのが通説だった。したがって、患者の臓器に癌がある場合は、その癌を取っても、普通の人よりはるかに高い確率で癌が再発する。そういう説が一般的なので、禁止されていたと理解している。

○ネフローゼの患者さんの腎臓を全摘して移植することについては、どうか。

●当時の医学の常識では、ネフローゼの患者さんの臓器が移植に使われたという例を知らなかった。腎臓学会や内科学会の中でも、移植に使っていいという根拠はどこにもないという見解もあった。

●最後に病腎移植の是非を、司法が判断することについて、どう考えるか。

●それは私の理解を超えたところだ。ただ言えることは、私は医療の専門家で、たまたま学会の副理事長といった立場で、社会と直接向き合うことになった。今、。社会ときちんと向き合って、どうしていくのかということを抜きに、医学界の存在価値はないと思う。

特に札幌医科大学で行われた心臓移植が問題になり、医療不信を招いてから、日本の移植医療は、世界の水準に比べ、30年ぐらい遅れたと私は思っている。あの経験から、社会の理解のもとに医療を進めていかなければ医療はあり得ないということを、私は学んだたつもりでいる。病腎移植の問題も、その考え方にのっとって対応すべきだろうと考えてやってきた。しかし、私たちは患者さんに訴えられた。本心を言うと、困ったな、なぜ訴えられなければいけないのか、と納得がいきにくいところがある。

薦田弁護人(原告ら代理人) 透析を受けている患者さんが、臨床研究として保険適用のない移植を受ける経済的余裕はあると思うか。

大島証人 非常に難しいと思う。

○「使える腎臓は元に戻せばいい」と発言されているが、現実には、自家腎移植はほとんど行われていないのではないか。

●少なくとも私は四十数例の経験がある。日本全体の実態はよく分からない。原則論を述べているだけだ。

○「腫瘍を取り除いても、かなり高い確率で再発する」「移植を受ける患者は免疫抑制剤を使うため、免疫機能が低下し、通常より癌になりやすい」「癌の臓器を(修復したものでも)移植することは常識でありえないし、医師として許されない」。これらの先生の発言の根拠は何か。

●それは当時の学会の常識といってよいのではないか。

○その常識の根拠は何か。

●その当時までの状況を見ると、そういった事実がある。

○その事実の根拠は何か。

●それはデータを見れば明らかだ。

〇どんなデータか、

●たとえば国際移植学会や日本移植学会のデータだ。

○先生は陳述書の末尾に「癌のある腎臓などの移植については、世界的に見ても、ようやく医学的検討が始まりかけた段階」と書いてある。その根拠は何か。

●私の耳学問の理解だと、その程度にとらえていただくと、ありがたい。この10年、私は移植の論文を読んでいないし、学会にも行っていない。

○ようやく検討が始まりかけた段階ではなく、世界的には既に認められているのではないか。

●私が現場から退いてから相当の時間がたっているので、自信を持って答えることはできない。

○部分切除と全摘の問題について、学会関係者は「部分切除が標準医療で、腎機能を温存すべきだ。全摘はドナーにとって不利益だ」と発言しておられる。先生も同じ考えか。

●もちろんだ。

○最後に、腎不全に苦しむ患者さんたちから提訴されたことについてどのように受け止めているか。

●こんな悲しいことはない。私も患者さんたちのために、家庭も何もかも犠牲にしてといえば大げさだけど、やってきたという自負はある。それなのに、患者さんから訴えられるとは。こんなつらいことはない。


リスクより利益が大きい 光畑 直喜証人(移植医)

山口 直樹弁護士(原告ら代理人) 「移植に使える腎臓なら患者に戻すべきだ」という批判、つまり自家腎移植を積極的に行うべきだという批判があるが、どう考えているか。

●(自家腎移植は)非常に患者さんの負担があるから、全国でも非常に少数例しか行われていない。大きな大学でも、腎癌に対しては、自家腎はほとんど行われていない。

○平成18年10月に臓器売買事件が発生するまで、修復腎移植はドナーの腎臓摘出、レシピエントへの腎臓移植、いずれも保険適用はされていたか。

●私のところでも、病腎移植は1991年から始めた。第1例は動脈瘤の患者さんで、当然、レセプト(診療報酬明細書)も請求も、ふつう通り行われ、受理されている。

○腎臓に癌ができた場合、直径4㌢以下の場合の全摘と部分摘出の比率はどのようなものだと認識しているか。

●現在は、どちらも標準治療だが、当時は70%ぐらいが、全摘だったと思う。

○修復腎移植を行っていた当時、他人の癌が移植によって移るかどうかという問題について、どのように考えていたか。

●絶対に移らないとは、患者さんらには言っていない。可能性は非常に少ないという事実に基づいて進めてきた。100%否定することはできない。、

○では、修復腎移植を希望する患者さんに対して、どのような説明をしていたか。

●リスクは絶対に否定できないが、リスクよりも、透析の患者さんが置かれている境遇、経済的、精神的、肉体的な疲弊などを考えると、ベネフィット(利益)がよっぽど大きいということで進めてきた。われわれの病院ではインフォームド・コンセントをしたうえで、患者さんの了解を得て、移植をしてきた。

 

日本発の世界に誇れる医療 難波 紘二証人(病理学者)

光成弁護士(原告ら代理人) 前回の証人尋問で、吉田さんが、癌がドナーからレシピエントに移る可能性が0・1%であったとしても、許容できないと言われた。これについてはいかがか。

難波証人 リスクはどんな医療でもある。透析患者さんの置かれている状況は、5年生存率が60%しかない、その現実を見た場合、社会復帰のためには移植をしたらよいということを、経験から知っている。今を生きるためには、リスクを少し許容して、ベネフィットを取るというのが鉄則だ。だから、0・1%(でも許容できない)というのは、全くナンセンスだ。リスクとベネフィットをどう考えるかということに尽きると思う。

○被告の高原史郎さんがされた修復腎移植の成績の解析には、どういう問題があるか。

●第1の問題は、瀬戸内グループが行った修復腎移植42例のうち、市立宇和島病院が絡んだ25件の症例しか扱っていないことだ。呉共済病院と宇和島徳洲会病院の症例が扱われていない。それから、統計に用いられた方法も明示されていないことがある。

○修復腎移植は海外の評価が高いと、陳述書に書かれている。それには、どんな理由があるのか。

●人口100万人当たりの死体腎の提供率は日本が0・6人、これに対して、スペインは50人。70倍近い差がある。世界を回ってみると、日本が移植先進国だなんて、だれも思っていない。日本の医学の他の領域では全部トップを走っているのに、何で移植医療だけが遅れているのかとみている。それが「ジャパン・プロブレム」という移植の世界の業界用語になっている。

 そこで「修復腎移植を日本が始めた」とか、「これでドナー不足を解消する方向に行く」と、評価が高い。日本が自助努力で問題を解決するだろうという期待感がある。そのために、万波論文が国際学会で表彰されたのだと思う。

○海外の学会関係者は、なぜ日本の学会が修復腎移植に反対するのかと、不思議に思っているようなこともあるのか。

●2007年にドイツのエッセンで開かれた臓器提供に関する学会で、米国カリフォルニア大学サンフランシスコ校の女医さんに「日本で臓器移植が進まないのは、本当のところ、パターナリズムを捨ててないのじゃないか」と言われた。

患者さんが理解して治療の方法を選ぶのではなくて、医者が最適の方法を選ぶというのが、パターナリズムだ。確かに、患者さんの立場に立った医療が行われていない。相変わらず、医者が「これはいい。これは悪い」と指示を出している。そういう意味では「口で言っていることと、心の中で思っていることが違うかもしれない」と、私は答えた。

○前回の証人尋問で、吉田証人が癌の持ち込みについて「0・1%でもあったらだめだ。数十年後でも1例も出ないと認められない」という趣旨の証言をされた。この見解はどうなのか。

●ばかばかしい。医療はそういうものじゃない。「0・1%の危険性があるから、医療行為をやめる」言われたら、患者さんに殴られる。

私の母は75歳のとき、脳動脈瘤が見つかり、主治医の先生に手術をお願いしたら、「成功率は7割。30%は悪いけど失敗したら命を落とすかもしれない。どっちにするか決めてください」と言われた。現場の医療はその程度のリスクで動いている。母は30%のリスクでも手術を受けたから、90歳まで生きられた。

○欧米では、日本より献腎が多いのに、ドナーの拡大にマージナルドナー(高齢者や糖尿病患者など少し枠から外れたドナー)を対象にするなど努力している。日本はドナーが圧倒的に不足しているのに、学会が修復腎移植の導入に反対する。その学会の反対理由を、どう見るか。

●これまでの展開をみると、大きな論点が三つあったと思う。4学会が声明を発表した時点では、修復腎移植を批判する論理は「見たことも聞いたこともない医療。海外では行われていない」というものだった。その後、「癌が移ったらどうするのか」という問題が出てきた。日本で最初に行われた腎移植は病気腎を使っている。したがって、病気腎移植を否定したら、自分たちの先人を否定してしまうことになる。先人を否定して、どうするのかということだ。

国内では過去、病気腎移植が70例ぐらい行われている。それが明らかになると、論点が変わってきた。「小径腎癌を移植すると癌が移る」というものだが、米国でも欧州でも、転移した例は一つもない。

 次に、徳洲会が厚労省に臨床研究の結果をもとに、厚労省に先進医療の申請をしたら、4学会が厚労省に、修復腎移植を認めるなという要望書を出した。そこで、また論点が変わっている。「ドナーの不利益になる」というものだ。「腎臓を全摘したら、命が短くなる」と言っている。それを言っちゃ、おしまいだろうと、私は言いたい。

それを言えば、健康なドナー、親族から腎臓を取っているのは、犯罪になってしまう。

つまり、自分たちがやってきた生体腎移植も否定しまうことになる。自己矛盾していると思わないのかと、私は思う。

 修復腎移植は「日本発の世界に誇れる医療」だ。透析患者さんは毎日、何十人と亡くなっている。それを、もう8年も見殺しにしているわけだから、早く公的な医療として再開することを期待したい。学会の言い分は、論理として全部破綻している。なんとしても修復腎移植禁止を貫きたいという執念の産物としか思えない。


 ニュース報道から                                   

 
▼病気腎移植賠償訴訟 原告・被告側の証人が賛否証言 松山地裁

病気腎(修復腎)移植をめぐる日本移植学会幹部らの発言で同移植を受ける権利を奪われたなどとして、県内外の腎不全患者らが学会の現・元幹部5人に計約6千万円の損害賠償を求めた訴訟の第15回口頭弁論が25日、松山地裁であり、学会幹部や移植者らが同移植に対する考えを証言した。
 原告側の証人で透析患者の藤村和義さん(67)=広島市=は、食事制限や1回4時間かかる透析の現状を説明し「移植を認めてほしい」と主張。14年前に病気腎移植手術を受けた原告団長の野村正良さん(64)=松山市=は「いつ死ぬか分からない状況だったので、病気の腎臓でも問題なかった。移植を受け、元気に生活できている」と述べた。
 被告側証人の吉田克法同学会理事(60)は「病気腎移植は未来永劫(えいごう)禁止されるとは考えないが、尿管がん(を取り除いた腎臓)を提供された患者の生存率が悪いなど現段階では安全が確認されていない。0・1%でも危険性があるならば推奨できない」と証言した。                           

(平成26年2月26日付愛媛新聞)


▼病気腎移植賠償訴訟 学会元幹部ら3人証人尋問 

病気腎(修復腎)移植をめぐる日本移植学会幹部らの発言で同移植を受ける権利を奪われたとして、県内外の腎不全患者らが会の現・元幹部5人に計約6千万円の損害賠償を求めた訴訟の第16回口頭弁論が18日、松山地裁であり、被告本人を含む3人の証人尋問をした。
 被告の一人で同学会元副理事の大島伸一国立長寿医療研究センター総長は、がんの腎臓を移植すれば再発するなどとの自身の発言について「当時の医療水準がどのようなものだったかを述べただけ」と主張。厚生労働省が同移植の原則禁止の判断を示したガイドラインについて、学会幹部らには「決定権がなかった」とし、発言とガイドライン改定の因果関係をあらためて否定した。
 原告側が申請した呉共済病院の光畑直喜医師は「移植によるがんの転移がないとはいえないが、透析患者の負担を考えればメリットが多い」と証言。広島大の難波紘二名誉教授は、移植でがんが転移した例は確認されておらず、欧米の研究者は危険性を否定していると指摘し「(病気腎移植は)日本発の世界に誇れる医療。公的医療として認められることを期待する」と述べた。訴訟は次回期日の7月1日に弁論終結予定。  (平成26年3月19日付愛媛新聞)




6月1日・宇和島6回定期総会開く

NPO法人移植への理解を求める会は、6月1日(日)午前11時から、宇和島市弁天町の「きさいや広場」研修室で、2014年度(第6回)定期総会を開きました。役員と正会員計16人が出席。2013年度の活動報告と決算報告、2014年度の活動計画、役員改選などの議案を原案通り、可決しました。

活動計画では 1)修復腎移植推進のための啓発活動 2)臨床研究のレシピエント選定確認委員会開催 3)修復腎移植訴訟の支援活動 4)会報発行 5)ホームページの運営-などの事業を、引き続き実施していくことを確認しました。



報第14

(通算30)2014年

6月20

(金)発行

発行者 NPO法人移植への理解を求める会  理事長 向田 陽二

798-4101愛南町御荘菊川2290    電話085-74-0512

編集者                  副理事長 野村 正良

       〒791-8006松山市安城寺町1746-8    電話089-978-5434

発行所                  事務局長 河野 和博

       〒790-0925松山市鷹子町9282     電話089-970-3943


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# by shufukujin-kaihou | 2014-07-07 19:18 | NPO会報第14号(30号)

NPO法人会報第13号(通算29号)

NPO法人移植への理解を求める会 会報第13号


被告側証人は吉田・大島氏
修復腎移植訴訟の証人尋問

2月25日と3月18日

前号(会報第12号)でお知らせした通り、2月25日と3月18日、松山地裁で修

復腎移植の口頭弁論が開かれ、いよいよ証人尋問が行われます。1月17日、同地裁で開かれた口頭弁論の打ち合わせで、実施の概要が次の通り、決まりました。

原告側は藤村・野村・光畑・難波氏

それによると、証人として出廷するのは、原告側が藤村和義氏(透析患者)、野村正良副理事長(修復腎移植者)、光畑直喜先生(呉共済病院泌尿器科部長)、難波紘二先生(広島大学名誉教授=病理学・生命倫理学)の4人。被告側が吉田克法日本移植学会理事(奈良県立医科大学准教授)、大島伸一同学会元副理事長(国立長寿医療センター総長)の2人です。

被告の同学会幹部は、田中紘一元理事長、大島元副理事長、寺岡慧前理事長、高原史郎理事長と相川厚理事の計5人ですが、証人として出廷するのは結局、大島元副理事長だけということになります。吉田理事は学会を代表しての証人ということです。

証人尋問では。それぞれの証人に対し、主尋問と反対尋問が行われます。予定はいずれも午前10時から午後5時まで、終日ですが、実際には少し早めに終わるとみられます。

証人尋問日程

2月25日 午前10時~ 吉田氏、

午後1時半~ 藤村・野村氏

3月18日 午前10時~ 大島氏

午後1時半~ 光畑・難波先生


皆さんに傍聴のお願い


修復腎移植訴訟は、2月25日と3月18日の証人尋問で、大きなヤマ場を迎えることになります。当日はぜひ、多くの皆さんに傍聴に参加していただきたいと思います。家族、知人、友人にも協力依頼ができれば幸いです。松山地裁前に長い行列ができるほど並んでいただき、訴訟への関心の高さと、修復腎移植再開への強い願いをアピールできればと思います。ただし、傍聴席は50人程度なので、希望者が多い場合は抽せんとなります。漏れた人には申し訳ありませんが、その場で解散となります。悪しからずご了承ください。集合は、両日とも午前9時半と午後1時にお願いします

 新聞報道から    

                             

今春にも先進医療再申請

修復腎移植 徳洲会、厚労省と事前相談

 宇和島徳洲会病院(宇和島市住吉町2丁目)が臨床研究として進めている病気腎(修復腎)移植について、同病院は早ければ今春にも厚生労働省に対し、一部保険

適用となる先進医療の再申請をすることが、25日分かった。
 同病院によると、前回申請で不承認の理由とされた移植患者を選定する委員会の透明性確保などの課題解消に向け、厚労省と事前相談をしており、話がまとまり次第、申請したいとしている。
 徳洲会関係者によると、移植費用は400万~600万円かかるが、先進医療に承認されれば、手術代など約80万円を除く入院、投薬費などに保険が適用され、患者負担は費用の一部となる。
 同病院は2011年10月、小径腎がんのドナー(提供者)の腎臓を摘出して修復し、慢性腎不全で透析中の患者へ移植する医療について厚労省に適用を申請、書類不備などを指摘され、12年6月に再提出した。しかし、8月に同省の先進医療専門家会議で病気腎移植の患者選定の不透明性などを理由に「医学的、倫理的な問題が多い」として認定されなかった。
 同会議では、構成員から「移植を希望してずっと待っている患者が多く、少しの『道』は残すべきだ」などと理解する声もあり、同病院は「却下ではない不承認であり、可能性自体が否定されたわけではない」とし、再申請を検討していた。
 同病院によると、現在、厚労省と事前相談しながら、同省に提出する患者データなどを準備中。当初は13年秋の再申請を目指していた。
 平島浩二事務長(49)は「(徳洲会グループの)公職選挙法違反容疑などによる捜査の影響はない。現場では患者のために医療に尽くしたい」と話した。執刀医の万波誠医師(73)は再申請について「詳しくは分からない」と述べた。
 同病院は臨床研究として第三者間と親族間を含め、病気腎移植を09年12月~13年3月に14例実施している。
 日本移植学会などは「病気腎移植は適正な医療とはいえず、国民の安全性を確保し(ドナー)患者の負担増大防止の観点が欠けており、先進医療として認めるべきではない。(ドナー候補の)腫瘍を部分切除して小径腎がん患者自身に腎臓を残すべきだ」と表明している。

   「明るい兆し」歓迎 患者団体
 宇和島徳洲会病院が病気腎(修復腎)の先進医療適用に向け、今春にも再申請する準備を進めていることに、患者団体からは歓迎する声が上がった。
 同移植を推進するNPO法人「移植への理解を求める会」(松山市)の向田陽二理事長(55)は「前回、厚労省に指摘された部分をクリアすれば認められると思っている」と期待を込め、「保険適用に結び付けば、透析で苦しんでいる人たちにとっても明るい兆し。(公選法違反容疑など)徳洲会の一連の問題はあるが、患者は大勢いるのは事実。患者のことを考え、一つの医療としてこの移植を見てほしい」と求めた。
 えひめ移植者の会の野村正良会長(64)は、腎移植希望者が日本臓器移植ネットワークに登録しても平均待機年数が約15年という現状に触れ、「移植を希望してもかなわないまま、毎年多くの人が亡くなっている」と説明。「修復腎移植が先進医療、保険診療として認められれば、多くの人の命が助かる」と話した。

                   (2014年1月26日付 愛媛新聞)



 出版 絶賛発売中                                  

作家の高橋幸春先生(東京都)が昨年11月、修復腎移植の問題を取り上げたノンフィクション「透析患者を救う!修復腎移植~万波誠医師・瀬戸内グループ医師団の業績と日本移植学会の闇」を彩流社(東京)から出版されました、

修復腎移植の問題が表面化して以来、現在に至るまでの動きを、資料を交え、詳しく解説しています。第3の医療として期待される修復腎移植の妥当性を訴えるとともに、患者の声を無視し、修復腎移植を何が何でもつぶそうと、理不尽なバッシングを続ける日本移植学会のモラルと体質を、厳しく追及しています1、890円。

第三の移植の道閉ざすな

「透析患者を救う!修復腎移植」

(高橋幸春著・瀬戸内グループ医師団監修・彩流社)

2008年、患者ら家族らで構成された「移植への理解を求める会」は移植学会幹部相手に訴訟を起こす(当初、厚労省も訴える予定だったが、同年、継続的に勉強会を重ねてきた国会議員68人が「修復腎移植を考える超党派の会」を発足させ、修復腎移植容認の意見を表明。厚労省は原則禁止を取り下げ、臨床研究として修復腎移植を認めたため、裁判は起こさず)。日本移植学会の主張の不当性と、修復腎移植医療の大きな可能性が、裁判を通して明らかになりつつある。

バッシングの背景に嫉妬と利権?
 2006年臓器売買疑惑に端を発した猛烈なバッシング報道、厚労省による「病腎移植原則禁止」処分など不当・過剰な圧力の背景には、がんなどで摘出した腎臓を透析患者に移植する画期的な「修復()腎移植」を42例も成功させていた市立宇和島病院、宇和島徳洲会病院の万波医師ら「瀬戸内グループ」に対する日本移植学会のメンツと嫉妬、2兆円にも上る透析医療の利権構造があった。

修復腎移植の大いなる可能性 1000例の手術実績、海外からも高く評価される技術を持ちながら、医師免許は剥奪寸前まで追い込まれた万波医師らの移植医療の真実の姿を、長年にわたる密着取材、丹念な調査で詳細に明かす。真に患者のQOLを優先する医療としての修復腎移植を世に問うとともに、日本移植学会のモラルと体質を、事実をもとに厳しく追及した骨太ノンフィクション。amazonHPから)

推進運動の軌跡追う

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「小説・修復腎移植」

(青山 淳平著・本の泉社)

松山市在住のノンフィクション作家で、NPO法人移植への理解を求める会の役員を務める青山淳平先生が、サクネン9月、「小説・修復腎移植」を、本の泉社(東京)から出版されました。

 透析患者を一人でも多く救おうと修復腎移植を進めてきた万波誠先生らのグループと、患者を置き去りにして修復腎移植をかたくなに否定し続ける学会幹部、そして万波先生らを支援し修復腎移植の再開を求めて立ち上がったNPO法人移植への理解を求める会、後押しをする医療法人徳洲会グループ、超党派の国会議員の会などの軌跡を追った物語です。小説の形を取っていますが、ストーリーは事実に沿って展開されています。限りなくノンフィクションに近い小説です。

 修復腎移植の問題が表面化してから、患者有志が学会幹部を相手取って裁判を起こすまでの経緯が、分かりやすく描かれています。1、890円。

読み応えのある一冊  2013/10/5  ByM

まだ記憶に新しい「病腎」移植問題。当時、この病腎移植はことさらセンセーショナルにマスコミに報道されていたことを覚えています。しかし、この「修復腎」こそが、患者にとっては命をつなぐ希望の光であることを認識し、そのために戦ってこられた人々のことに尊敬の念を抱きました。
 関わっている人々の日々の暮らしや思い等、淡々と、しかし優しいまなざしで綴られていて読み終わった後、清々しい気持ちになりました。その一方で、利権の汁につかろうとする一部の人々。当時の報道では知りえなかった真実に触れて、一気に読んでしまいました。続編があったら是非読みたいです。
amazonHPから)


報第13

(通算29)2014年

2月 5日

(水)発行

発行者 NPO法人移植への理解を求める会 理事長 向田 陽二

798-4101愛南町御荘菊川2290 電話085-74-0512

編集者                 副理事長 野村 正良

791-8006松山市安城寺町1746-8 電話089-978-5434

発行所                 事務局長 河野 和博

790-0925松山市鷹子町9282   電話089-970-3943


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# by shufukujin-kaihou | 2014-02-10 19:02 | NPO会報第13号(29号)

NPO法人会報第12号(通算28号)

NPO法人移植への理解を求める会 会報第12号


「小説・修復腎移植」出版
推進運動の軌跡追う
作家・青山淳平先生(松山)

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松山市在住のノンフィクション作家で、NPO法人移植への理解を求める会の役員を務める青山淳平先生が、このほど「小説・修復腎移植」を、本の泉社(東京)から出版されました。
 透析患者を一人でも多く救おうと修復腎移植を進めてきた万波誠先生らのグループと、患者を置き去りにして修復腎移植をかたくなに否定し続ける学会幹部、そして万波先生らを支援し修復腎移植の再開を求めて立ち上がったNPO法人移植への理解を求める会、後押しをする医療法人徳洲会グループ、超党派の国会議員の会などの軌跡を追った物語です。小説の形を取っていますが、ストーリーは事実に沿って展開されており、限りなくノンフィクションに近い小説です。
 修復腎移植の問題が表面化してから、患者有志が学会幹部を相手取って裁判を起こすまでの経緯が、とても分かりやすく描かれています。
 読者からは「感動的な小説」「一気に読んだ」などの声が上がっており、大好評です。ぜひご一読をおすすめします。定価1800円+消費税。
以下、読者の感想の一部を紹介します。(amazonのホームページから)


戦略と団結の勝利 2013/9/20  By KT
青山淳平氏の「小説・修復腎移植」を読ませて頂きました。事件と運動の経緯が平易に書かれているのであっという間に読み終えたという感じです。事実もほぼ記述されている通りに推移したのだと想像します。
 一番感じたことは,運動の主体となった皆さんが早い時期から事柄の重大さと大きさを見据えた戦略を考えて行かれたことが,今日の勝利を導いたのではないかということです。きっと当事者の方は「そう簡単ではなかった」とおっしゃるでしょうが,ことの本質を見据えての戦略があったからこそ,ぶれずに運動が進んだという気がしてなりません。
 そして,その中でも病院側の中央での支援に合わせて,文中の病理学者 高見沢敬三名誉教授の筋立てと貢献が非常に大きかったと思います。本当に運動の中に先生がいらっしゃらなかったら,未だいろんな紆余曲折があったかもしれません。
 根底にはもちろん文中の丸山誠医師(実名:万波誠医師)やグループのお医者さんの献身的な医療と患者さんたちの全面的支えがあったからこそですが、本当に皆さん全員で全国レベルの旧態依然の医療の壁をこじ開けられたのだと感心しました。
 この問題には前から関心があり,新聞の報道の度に心配はしていたのですが,これほどの運動が展開されていたとは…。心からの敬意をささげたいと思います。

多くの人に知ってもらいたいことがたくさん書いてある作品 2013/9/29  By 風太郎
腎臓が悪い人にとって、人工透析は命をつなぐ手段ですが、腎臓を移植すると普通の人と同じような生活をすることができます。主人公は移植学会が禁止している病気の腎臓(その後は修復腎と呼ばれるようになります)を移植しました。そしてこの修復腎移植の道が開かれることを願い運動を展開します。2006年10月におきた臓器売買事件とその後の病腎移植問題をモデルにした小説のようですが、ストーリーの展開が小気味よく、文章もさっぱりしていて、あっという間に読んでしまいました。  
親戚に腎臓の悪い人がいて、自分のことのように読めましたし、じんと胸に残る感動がありました。だれにも読み応えのある作品です。老い、医療、仕事などの問題にもせまった作品のように思いました。

引き込まれ主人公たちの戦いを応援していた13/9/30  By亀三郎
深い感動とともに読了した。「医療は患者のためにある」ことを忘れ、既得権益、権威にこだわり、地方の医師たちが素晴らしい技術によってうみだした新しい医療を押しつぶそうとする学会、行政さらに頭の固い連中ばかりのマスメディアの厚い壁を、患者さんたちが結束して打ち破ってゆく物語で、私も患者さんたちを応援していました。
綿密な取材、確かな人物造形など、心理描写もたくみで話の展開もスピードがあり、あっという間に読んでしまいました。ぜひみなさんにお勧めしたい作品です。

読み応えのある一冊  2013/10/5  ByM
まだ記憶に新しい「病腎」移植問題。当時、この病腎移植はことさらセンセーショナルにマスコミに報道されていたことを覚えています。しかし、この「修復腎」こそが、患者にとっては命をつなぐ希望の光であることを認識し、そのために戦ってこられた人々のことに尊敬の念を抱きました。
 関わっている人々の日々の暮らしや思い等、淡々と、しかし優しいまなざしで綴られていて読み終わった後、清々しい気持ちになりました。その一方で、利権の汁につかろうとする一部の人々。当時の報道では知りえなかった真実に触れて、一気に読んでしまいました。続編があったら是非読みたいです。


                 
来月24日・松山で出版記念祝賀パーティー
NPO法人移植への理解を求める会は、青山先生の著書「小説・修復腎移植」出版を祝って、11月24日(日)午後3時から、松山市一番町1-13、国際ホテル松山(電話089-932-5111)で記念パーティーを開きます。
会費6、000円。多くの方の参加をお待ちしています。
参加申し込み、問い合わせはNPO移植への理解を求める会の河野事務局長まで=電話・FAX 089-970-3943、携帯 090-2786-5317、メール kohno@lib.e-catv.ne.jp  =都合により、延期となりました=



文藝春秋が修復腎移植特集
8月号万波誠先生の手記
学会へ公開質問状9月号

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修復腎移植を特集した文藝春秋8月号(右)と9月号

月刊誌「文藝春秋」が、7月10日発売の8月号と、8月10日発売の9月号で、相次いで修復腎移植の問題を取り上げ、修復腎移植つぶしに奔走する学会の異常ともいえる行為を批判する万波誠先生の手記と、瀬戸内グループによる学会への公開質問状をそれぞれ特集として掲載しました。
8月号は「私はなぜ『臓器売買・悪徳医師』にされたのか<独占手記>」のタイトルで万波先生の手記を紹介しています。前文には「透析患者から第三の道を奪った学会と厚労省は。私は苦しむ患者を救いたいだけだ」とあります。記事は14㌻にわたっています。
また9月号は「日本移植学会よ驕るなかれ 万波手記に大反響」のタイトルで「瀬戸内グループ医師団」による、学会幹部への公開質問状として、取り上げています。前文は「透析患者を救う第三の道をなぜ閉ざすのか。修復腎移植を訴える医師たちから 学会への公開質問状」と記されており、記事は8㌻に及んでいます。

取材・構成は作家・高橋幸春先生(東京)

取材、構成はいずれも作家の高橋幸春先生(東京在住)です。先生は、今年2月、修復腎移植を題材としたミステリー小説「死の臓器」(文芸社文庫、720円+税)を、麻野涼のペンネームで出版されています。
「文藝春秋」が学会批判の記事を掲載し、修復腎移植支援の態度を鮮明にしたことは、学会関係者に大きな衝撃を与えたものと思われます。また私たちの活動への大きな後押しになる特集です。
まだ読んでおられない方は最寄りの図書館などでぜひ、目を通していただければ幸いです。


修復腎移植の本 相次ぎ出版
「透析患者を救う!修復腎移植」
ノンフィクション 高橋先生が月末にも

青山淳平先生の「小説・修復腎移植」に続き、作家の高橋幸春先生が10月末に、修復腎移植の問題を取り上げたノンフィクション「透析患者を救う!修復腎移植~万波誠医師・瀬戸内グループ医師団の業績と日本移植学会の闇」を彩流社(東京)から出版されます。
こちらは、修復腎移植の問題が表面化して以来、現在に至るまでの動きを、資料を交え、詳しく解説。第3の医療として期待される修復腎移植の妥当性を訴えるとともに、患者の声に一切耳を傾けず、バッシングを続ける日本移植学会のモラルと体質を、厳しく追及しています。


修復腎訴訟 来夏にも結審
2月と3月に証人尋問

 修復腎移植訴訟の口頭弁論打ち合わせが10月9日、松山地裁で開かれ、原告側、被告側双方から申請されている証人尋問について、裁判長から方針の説明と打診があり、下記の通り、証人の対象者や日程などの概要が決まりました。
それによると、来年2月と3月の2回に分けて証人尋問が行われ、早ければ来年夏にも結審の見通しとなりました。
1)証人尋問
・原告側 専門家の証人は3人以内で60分以内。原告本人は3人以内で60分以内。徳洲会と厚労省関係者は不採用 
・被告側 専門家の証人は3人以内で60分以内。被告本人は、5人以内で60分以内。申請のあった万波先生は不採用
2)今後の日程 
・来年1月17日(金)午前11時15分~ 口頭弁論準備
・〃 2月25日(火)午前10時~午後5時 証人尋問
・〃 3月18日(火)〃



会報第12号
(通算28号)2013年10月25日(金)発行
発行者 NPO法人移植への理解を求める会 理事長 向田 陽二
〒798-4101愛南町御荘菊川2290 電話0895-74-0512
編集者                 副理事長 野村 正良
〒791-8006松山市安城寺町1746-8 電話089-978-5434
発行所                 事務局長 河野 和博
〒790-0925松山市鷹子町928-2   電話089-970-3943
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# by shufukujin-kaihou | 2013-10-26 11:04 | NPO会報第12号(28号)

NPO法人会報第11号の2(続き)


NPO法人移植への理解を求める会 会報第11号の2(続き)


原稿の都合により、1度に掲載できませんでしたので、2回に分けました。続きを掲載します。



 出版                                     

「死の臓器」 麻野 涼
(文芸社文庫)
修復腎移植巡るミステリー

       書評 広島大学名誉教授 難波 紘二
   

久しぶりに良質の社会派ミステリーに接した。
 沼崎恭太はテレビ局の下請け会社でディレクターをしている。出版社で週刊誌の記者として働いていたときに、ある事件で手記を無理やり載せた若い女性が、その直後に自殺し、責任をとって退社したという過去をもつ。

 沼崎のチームが自殺の名所、富士山麓の青木ヶ原を取材に訪れ、偶然に若い女性の死体を発見するところから、全体のストーリーが始まる。死因は大量のハルシオンを服用し、凍死したものだったが、左の腎臓を摘出した跡があり、2年ほど前のものと鑑識された。

 それから半年後、日本初の「腎臓売買事件」が摘発された。舞台となった病院が「修復腎移植」の存在を公表する。現実に起きた事件をモデルにしているが、場所は熊本県A市にある「聖徳会日野病院」に置き換えられている。対立する「慈愛会病院」の院長太田有医師には分院を建てて、この病院から透析患者をうばい、資金を豊かにして代議士になる野望がある。

 ある日、慈恵会病院に躁うつ病の女性患者柳沢裕子が来る。「正徳会病院で、騙されて腎臓を取られた」と担当医に訴える。この話を若い医師から聞いた太田は「私が処理するから、口外するな」と指示する。間もなく、正徳会病院の泌尿器科医日野は警察から事情聴取を受けることになる。その間にも太田の新病院建設計画はすすむ。

 やがて慢性腎不全患者の奥村剛とその内妻が、柳沢裕子から腎臓を買ったとして逮捕される。その後の展開はほぼ実際に起こったとおりである。狭い町に押しかけるマスコミ、日野医師を犯罪者呼ばわりする日本移植学会理事長、日本透析医学会の理事として調査委員会にもぐり込む太田有。透析業界からワイロを受け取り、調査委員会を指揮して修復腎移植を禁止しようと動く厚労省の局長。修復腎移植を声高に糾弾する地元選出の代議士上原宗助。

 上原の資金的バックには共健製薬が付いている。上原の右腕といわれた営業部の船橋甫が急に退社した。連絡も取れなくなった。上原はかつて身内の腎不全患者について、日野に「医の道」に反する要望をして、にべもなく断られたことがあった。
 一方、修復腎移植についてのマスコミの一方的な報道に憤った沼崎は、青木ヶ原遺体について独自調査を開始する。摘出された腎臓は生体腎移植のためではなかろうか?沼崎には小学校長だった父親が、いじめ問題に対するマスコミの一方的報道により、勤務中に脳梗塞で倒れたという「メディア災害」の経験があった。それが彼を報道の世界に向かわせたのだった。

 厚労省の調査によると、過去2年間に聖徳会日野病院で実施された生体腎移植のドナーのうち、1例だけカルテが不明なものがあった。沼崎は樹海の凍死体とこの不明のドナーを結びつけ、「第二の臓器売買疑惑」というスクープを流してしまう。自分も加害者になったのだ。そこにかつて同じ出版社にいて恋人だった由香里が現れる。由香里は渦中の日野医師の娘だった。その手には行方不明のドナー・カルテがあった。父親に頼まれ由香里が厳重に保管していたのだ。由香里は沼崎の誤報をはげしくなじる。

 ドナーは暴力団の抗争事件で殺人の罪を犯して服役し出所した男で、妻とともに旧姓に戻った実の娘に腎臓を提供したものだった。そのことを知られたくない父が、極秘にしてくれるように日野医師に頼んだのだ。由香里は沼崎に、上原議員の後援会長が太田医師であること、上原の娘は慢性腎不全で透析を受けていることを告げる。

 上原の娘を取材した沼崎は、彼女が腎移植を上海で受けたことを知る。2年前だ。適切な謝礼はしたが、脳死体からの腎臓移植だと口ごもるように弁解する。会社に連絡し、急きょ上海の虹橋空港に飛んだ沼崎に、思いもよらぬ展開が待ち構えていた。
 国内における圧倒的な臓器不足、それを食い物にする透析業界、自己利益のために患者を顧みない学会幹部と厚生官僚、移植ツーリズム。慢性腎不全患者をとりまく社会的問題を背景に、国際的広がりをもつ舞台に、主要人物を配して物語を最後まで引っぱっていく作者の力量は確かである。よく取材もしてある。 (720円+税)


会報第11号  
(通算26号)2013年
6月 10日
(月)発行発行者 NPO法人移植への理解を求める会 理事長 向田 陽二
     〒798-4101愛南町御荘菊川2290 電話0895-74-0512
編集者                 副理事長 野村 正良
〒791-8006松山市安城寺町1746-8 電話089-978-5434 
発行所                 事務局長 河野 和博
〒790-0925松山市鷹子町928-2   電話089-970-3943
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# by shufukujin-kaihou | 2013-06-15 11:24

NPO法人会報第11号(通算27号)

  NPO法人移植への理解を求める会 会報第11号            


宇和島徳州会病院の万波誠先生
腎移植1,000例を達成


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4月・宇和島記念講演と祝賀会に86人

宇和島徳洲会病院の万波誠先生が昭和52年7月に腎移植の第1例を手掛けられて以来、3月7日に1,000例に達したことから、NPO法人移植への理解を求める会と、えひめ移植者の会の主催で、記念講演会と祝賀パーティーが4月14日、宇和島市内のパーティー会場で開かれました。両会の会員をはじめ、徳州会の関係者ら86人が出席し、ギネスブックものの記録をつくられた、先生のご苦労とご努力をたたえました。
講演会では、広島大学名誉教授の難波紘二先生(病理学、生命倫理学)が「修復腎移植の道のり」をテーマに、ご講演され、万波先生が第1例の腎移植を始めたときの背景や、修復腎移植のこれまでの経過などを紹介されました。先生は「海外では修復腎移植が次々と公認され、広がりを見せていることから、日本の学会が無視し続けることはできないだろう」と、強調されました。
この後、パーティーに移り、市立宇和島病院名誉院長で、両会の顧問、近藤俊文先生が、あいさつで「万波先生は80歳まで頑張ると言っておられる」などと紹介されました。これを受けて、万波先生は、修復腎移植の問題が表面化して以来、マスコミの取材態度の悪さや、無理解に対する憤りをぶつけるとともに、修復腎移植への思いを約20分にわたり、話されました。日ごろ、公の場ではあまりお話をされない先生の熱弁に、会場は拍手喝さいでした。参加者は飲食しながら、万波先生を囲み、交流を楽しみました。(写真は祝賀パーティーに参加した人たち)
なお、修復腎移植の推進に意欲を燃やしておられる、内閣総理大臣補佐官で参議院議員の衛藤晟一先生をはじめ、次の方々からお祝いのメッセージをいただきました。ありがとうございました
………………………………………………………………………………………………


▼衛藤晟一先生(内閣総理大臣補佐官、参議院議員)
万波誠先生、腎移植1.000例達成おめでとうございます。また、本日の記念祝賀パーティーが盛大に行われますことに心よりお祝い申し上げます。
 先生の国民医療に携わる直向きな姿勢には、改めて敬意を表しますとともに、先生こそ「平成の赤ひげ」とご尊敬申し上げております。
 私も修復腎移植を推進する立場から先生とともに戦ってまいりました。何とも理不尽な各学会の見解や厚生労働省の対応、薄っぺらなマスコミの誹謗中傷など、私たちの目指す移植を取り巻く環境は大変厳しいものがあります。
 しかし、医療も政治も国民の生命を守るためのもの。今後も私は修復腎移植の通常医療、保険適用が達成されるまで既存勢力と徹底的に戦うことをお約束いたします。
 先生もご健康に留意され、国家・国民のために益々ご活躍いただきますよう衷心よりご祈念申し上げ、御祝いの言葉とさせていただきます。
 先生、おめでとうございます。
内閣総理大臣補佐官
参議院議員
衛藤 晟一
………………………………………………………………………………………………


▼藤田士朗先生(移植医、米国ユタ州ソルトレイクシティー)
万波先生、腎臓移植1000例達成おめでとうございます。
腎臓移植数のはるかに多いアメリカにおいても、個人的に1000例の腎臓移植を達成するのは至難の業です。それを宇和島市という一地方都市で達成されたということは本当にすばらしいことだと思います。
移植医療は、移植医だけでなく、腎臓内科医、透析医、薬剤師、外来・病棟看護師、コーディネーター、ソーシャルワーカー、病院事務など多くの職種の人たちの協力なくしては成り立たないものですが、やはりカリスマ的な万波先生の患者本位の心情がこの長年の成果を生み出したものと思います。
近年は、臓器売買の疑惑に始まり、さらには病腎移植(修復腎移植)の問題が持ち上がりました。本来ならば、患者本位で移植を進める立場にあるべき、日本移植学会をはじめとする、いつかの学会が、この革新的な移植を真っ向から否定するという本末転倒のドラマを見せてくれています。海外から見ると、日本の移植医療、ひいては、医療全体の後進性を見せつけてくれた思いで、悲しくも恥ずかしい気持ちを抱いています。福島原発事故でも明らかになった原発村的なしがらみが、日本の医療界にもまだまだ充満しており、真の民主的な社会とはいえないことをあぶりだした構図です。開けた日本の医療界をなることを心から祈っています。
万波先生におかれましては、1100例、1200例へと、これからもがんばっていただきたく思いますし、また、後を継いで、第二の万波先生となる若手の医師が多く出てくることを大いに期待しています。本当におめでとうございます。
藤田 士朗
………………………………………………………………………………………………


▼江本克也先生(脳神経外科医、NPO移植への理解を求める会会員、広島市、)
NPO法人 移植への理解を求める会 事務局 御中
拝啓 平素より腎不全で悩んでおられる患者さんへの修復腎移植実現のためのご尽力を拝見し、甚だ感服しております。先般の修復腎移植の保険適応申請の却下は誠に残念ではありましたが、厚生労働省側の見解は全面的にこれを否定するものではなく、今後の経緯によっては保険適応への道を残しておくといった印象を受けました。
 これからも辛抱強く、この活動を続けられ、ぜひとも修復腎移植が晴れて腎不全患者への正当な手段となるように頑張っていただきたいと思います。義は我にあり、です。
 さて、このたびは万波先生 腎移植1000例達成 記念祝賀パーティーが開催されるとのこと。誠におめでとうございます。これもひとえに患者さんのために研鑽を積まれた賜物だと思います。今後とも第一線でご活躍頂きたいと願わずにおれません。
 本来であれば、この会に出席して、会の皆様方と面識を持ち、交流ができればいいなと思いましたが、先日怪我を負いまして、移動が自由になりません。出席がかなわず、ほんとうに残念です。
 またこういった機会がございましたら、参加させていただきたいと思います。
 万波先生と移植への理解を求める会の益々のご発展と、修復腎移植の早期保険適応実現を祈っております。                                  敬具 
……………………………………………………………………………………………


▼横田弘之先生(愛媛県議会議員、愛媛維新の会代表、両会顧問、松山市)

万波誠先生の「腎移植1,000例達成記念祝賀パーティーのご盛会をお慶び申し上げます。移植手術1,000例という前人未踏の偉業を讃え、謹んで敬意を表します
たくさんの命を救って下さった先生に心からの感謝を申し上げますとともに、日本の医学界を変えつつあることに大きな喜びと期待を覚えます。万波先生のますますのご活躍と祝賀会にご参加のお仲間のご健勝をお祈り申し上げます。    
元厚生大臣秘書官、愛媛県議会議員 横田 弘之
…………………………………………………………………………………………………


▼井上博幸様 (八幡浜市、えひめ移植者の会会員)

万波 誠先生、おめでとうございます。私たち患者の命をつないでいただき、ありがとうございます。わたくしも24年元気で過ごすことができています。先生もいつまどお元気で、一人でも多くの命を繋いでくださることを願っています。
                    愛媛県八幡浜市 井上 博幸
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


6月22日・松山で第5回定期総会を開催

NPO法人移植への理解を求める会は、6月22日(土)午後1時から、松山市本町6丁目11番5号の愛媛県視聴覚福祉センター3階会議室(愛媛県女性共同参画センター隣電話(089-923-9093)で、第5回定期総会を開きます。総会では、前年度の活動報告、決算報告、本年度の活動計画、予算案などを審議します。
 今回は、講演会やイベントはありません。参加対象者の理事と正会員の方は、よろしくお願いします。問い合わせは事務局の河野和博さん=電話089-970-3943



 新聞報道から                                 

 ▼病気腎移植推進に期待 患者会総会 坂出の医師講演 松山
臓器移植を受けた人や家族らでつくる「えひめ移植者の会」(野村正良会長)の2013年度総会が2日、松山市若草町の市総合福祉センターであり、病気腎(修復腎)を含む移植推進などの活動計画を決定。移植医による講演で知識を深めた。   
宇和島徳洲会病院の万波誠医師らと病気腎移植臨床研究に取り組んでいる西光雄・坂出聖マルチン病院名誉院長が講演。病気腎移植を1991年に広島県で初めて実施した際は報道でも好意的に受け止められたとし「臓器売買事件や徳洲会の特殊な事業形態もあり、色眼鏡で見られてしまった」と振り返った。
 宇和島徳洲会病院などが先進医療と厚生労働省に申請した小径腎がんを用いた第 三者間病気腎移植が、2012年の専門家会議で不承認とされたことについて「専門家会議の座長発言は修復腎寄りで、理解されてきたと思う」と再申請に期待。海外の論文や発表も引用し「移植の技術があればどこの医療機関でも可能で、大きく広がる可能性がある。医療の中心は医師でなく患者。皆さんが動いてほしい」と呼び掛けた。
総会では、会員として初めて腎移植から30年を迎えたとして、伊予市中山町の窪田功さん(61)が表彰された。(森田康裕) 
(2013年6月3日付愛媛新聞)
…………………………………………………………………………………………………

▼病気腎移植手術 第三者間12例目を実施 
医療法人徳洲会は29日、宇和島市住吉町2丁目の宇和島徳洲会病院で、臨床研究として進めている病気腎(修復腎)移植の第三者間12例目の手術を実施したと発表した。
 同会によると、ドナー(提供者)は小径腎がんの県外の70代男性。レシピエント(被移植者)は候補者5人のうち、院外医師ら5人でつくる修復腎移植検討委員会が血液適合の検査結果や全身状態などから、慢性腎不全で人工透析を受けている岐阜県の50代男性を選定した。
 29日午前11時ごろから県外の病院で腎臓を摘出後、午後6時半ごろから宇和島徳洲会病院で万波誠医師らが腫瘍を除去し移植した。ドナー、レシピエントともに経過は順調という。(高田未来)   
      (2013年3月30日付愛媛新聞)


「修復腎移植に理解、支援を」
えひめ移植者の会 日移協に要望


えひめ移植者の会は、2月16日、修復腎移植に対し、学会と同じスタンスで反対を続けている日本移植者協議会に、修復腎移植推進への理解と支援を訴える要望書を提出しました。2008年11月に続く2度目の要望書です。
同日、大阪市で開かれた日移協の幹事会に、えひめの会の野村正良会長が出席し、席上、山本登理事長に手渡しました。出席した理事や幹事計16人にも文書を配布し、理解を求めました。  
     
  
                              
 要望書 
           
                        
  2013年2月16日
日本移植者協議会
 理事長 山本  登様
修復腎(病気腎)移植推進について
(お 願 い)
                              えひめ移植者の会
                               会長 野村 正良
 拝啓 日ごろ、患者の立場から、移植医療の推進発展のために、ご尽力をされていることに、心から敬意を表します。 
 さて、えひめ移植者の会(会員70人)は、NPO移植への理解を求める会(事務局・松山市、会員約300人)とともに、腎移植のドナー拡大に大きな期待が寄せられている修復腎移植の再開を願い、その妥当性(安全性と有効性)を一人でも多くの方に理解していただこうと、活動を続けています。移植への理解を求める会は、えひめ移植者の会が母体となり、2006年11月に結成した全国組織の市民団体です。
私たちの願いは、修復腎移植が第三の医療として定着し、一人でも多くの腎不全患者の方々が救われることです。私たちはその願いを実現するため、厚生労働省をはじめ、関係機関、団体に要望や陳情をするなど、さまざまな活動を通じ、広く理解を訴えてきました。
そうした中、私たちの活動を支援してくださる「修復腎移植を考える超党派の会」(約80人)の国会議員の先生方をはじめ、多くの団体、個人の方々の後押しもあって、厚労省は2009年1月、全国の都道府県と中核市に対し、修復腎移植の臨床研究を促す通達を出しました。これを受けて医療法人徳洲会グループが、2009年12月から宇和島徳洲会病院で臨床研究を開始し、その成果を踏まえ、2011年10月、厚労省に先進医療の申請をしました。
ところが、昨年8月に開かれた厚労省の初の専門家会議では「ドナーの安全性やレシピエント選定の公平性に疑問があり、資料も不十分」などとして、申請を却下されるという残念な結果となったことはご承知の通りです。
この決定には、修復腎移植を全面否定する日本移植学会など5学会が、同会議に「修復腎移植を認めないように」との意見書を開催直前に提出したことが、大きく影響しています。しかし、この会議で猿田享男座長は「ドナーの問題さえクリアすれば、いい技術だと思う」「論点を検討して再提出すれば審議したい」と好意的な発言をしています。これを受けて、徳洲会は、新たな資料を準備し、再申請を表明していることから、早晩、先進医療の適応が認められるものと、私たちは大きな期待を寄せているところです。
一方、修復腎移植の問題が2006年11月に表面化して以来、この医療にかかわる内外のさまざまな事情が知られるようになり、修復腎移植への誤解や偏見はなくなりつつあります。2008年1月には、移植先進国である米国の移植学会で、万波誠先生(宇和島徳洲会病院)らの修復腎移植に関する論文が表彰され、さらに昨年の国際移植学会臓器獲得学会と今年のアジア泌尿器科学会では、徳洲会グループの修復腎移植に関する研究論文が相次いで表彰されるなど高い評価を受けています。これらの学会の席で、修復腎移植は「ドナー不足を解消する、すばらしい医療である」と絶賛されています。
こうした事情があるにもかかわらず、日本移植学会など5学会は、かたくなに修復腎移植を全面否定し続けています。その姿勢は私たち患者にとって、あまりにも理不尽であり、到底、受け入れることはできません。
これら5学会が専門家会議に提出した意見書によると、修復腎移植反対の理由は、1)修復腎移植は世界の標準医療から乖離している(世界中で実施している施設は徳洲会グループのみである) 2)レシピエントの不利益(癌がレシピエントに伝播する恐れがある) 3)ドナーの不利益(がんの治療は部分摘出が標準、全摘出は不利益。ドナーが不本意な同意をする恐れがあるなど)-の3点です。しかし、これらはいずれも事実に反しています。
1)は、現在と過去、米国や豪州、英国などの一部病院でも日常的に修復腎移植が実施されています。2)は世界中で4㌢以下の小径腎癌の修復腎移植は合計100例以上実施されていますが、癌がレシピエントに伝播したと確認されているものは1例もありません。3)は、私たちの会が支援する修復腎移植訴訟の弁護団が、訴訟相手である日本移植学会の幹部5人の先生方の関係する5大学7病院の過去10年間(1999年~2008年)の小径腎癌の手術について調べたところ、これらの移植先進病院でも全摘出が48%を占め、標準治療であることが明らかになっています。
また、日本泌尿器科学会は2007年から小径腎癌の治療として部分切除を推奨していますが、厚労省が国内の主要病院262病院を対象に実施した直近の調査によると、2011年においても、全摘出が47%(644例)と、一定の割合で標準治療となっていることが裏付けられています。全国の病院では年間千単位の全摘出が想定され、専門家会議での「全摘出術はなくならないが、レアケース」との発言が間違っていることは自明です。
また、「ドナーが不本意な同意をする恐れがある」という理由は、「インフォームドコンセントは意味がない」ということを言っているように受け取れます。セカンドオピニオンや第三者によるチェックができれば、問題ないといえます。それを理由に挙げるのなら、現在、日常的に行われているどんな手術でも、あり得ることではないでしょうか。
学会は「修復腎移植否定ありき」で、そのために、いろいろな理由をこじつけているとしか思えません。学会の偏見と誤解により、多くの助かる命が見捨てられるのを、手をこまねいて見ていることは、私たちにとって、しのびがたいことです。
こうした経緯を踏まえ、日移協に、以下のお願いをしたいと思います。移植を待ち望む多くの会員の方々の中に、修復腎移植を願う人たちは少なくないと思います。移植への道は一つでも多い方がよいと思います。学会のように修復腎移植を全面否定するのではなく、その可能性を探ることを望むのが、患者団体としてのあるべき姿と考えます。
日移協は、この問題が表面化した直後の2006年11月、全国腎臓病協議会などとともに「臓器移植関連団体協議会」(大久保通方代表幹事)の名で、修復腎移植を否定する声明を出されたことは、私たちも承知しています。
しかしながら、前述のように、修復腎移植を取り巻く状況は当時と比べ、大きく様変わりしています。そこで長年、移植推進活動に取り組んでこられた移植者の唯一最大の全国組織として、修復腎移植再開の道が閉ざされることのないよう、私たちの活動に対し、貴協議会のご理解とご支援をいただければ幸甚です。          敬具
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えひめ移植者の会が日本移植者協議会に要望した、修復腎移植推進への協力、支援の要望に対し、同協議会から5月12日付で「修復腎移植への意見」として、回答が届きました。
内容をみると、修復腎移植に対して、真剣に向き合おうという考えはまったくないようです。私たちには、きれいごとを並べているだけのように思えます。 
「私たちは医学の視点からではなく医療を受ける立場、患者の立場からこれまで病腎移植を考えてきました」とありますが、とても信じられません。それなら、「少しでも可能性があるのなら、検討してほしい」と学会に要望するべきです。学会幹部との親密な関係を考えれば、学会の意見に反対できないのかもしれませんが、患者の思いを汲もうとする姿勢がないのは、移植者の全国組織として情けない限りです。



 日移協見解                                 
平成25年5月12日
病腎移植に関する見解
 私たちは、臓器移植を受けた移植者およびその家族、待機者、支援者など約2000人で構成する患者団体です。1995年より共に力を合わせ一人でも多くの県人献腎移植待機者が人工透析から離脱できることを目的に広く国民に臓器移植、臓器提供の理解を求める臓器移植普及啓発活動を推進しています。
 私たちの悲願でありました改正臓器移植法が成立しまもなく3年を迎えようとしています。期待されるような臓器提供の増加がみられることなく推移していることに危機感を抱いています。欧米では日本の何倍もの臓器提供がなされていることはご存じの通りです。しかしながら欧米におきましても臓器移植、臓器提供の国民的合意を得るまでに10年、20年を経て現在に至っていることも事実です。
 私たちはこのことが良いと思っているわけではありません。一日も早く、一人でも多く献腎移植待機者が人工透析から離脱できることを強く望んで活動をし続いています。
 先の厚生労働省先進医療専門家会議において病腎移植の一部保険適用となる先進医療が審議され「否」と判断されましたことはご承知の通りです。医学に浅学な私たちは医学の視点からではなく医療を受ける立場、患者の立場からこれまで病腎移植を考えてきました。
 現在、小径腎癌の標準治療は世界的に推奨される腎部分切除術であり、私たちはこの術式を患者の将来の健康確保の視点から強く支持しています。
 病腎移植は2006年に発覚しました。この約7年間で小径腎癌の治療法も大きな進歩を遂げ、他の内科的治療も進み、これらを組み合わせることで小径腎癌の温存治療は更なる進歩を遂げてくことと推察します。
 私たちは如何なる病気であっても患者の利益が第一義とされる医療の提供を望んでいます。小径腎癌患者の将来の安心、健康の確保を考慮すれば小径腎癌の治療は腎摘出ではなく、腎移植が今後において一般治療として成さないと判断します。
 私たちは「ドナーご家族が胸を張って歩くことのできる社会」「移植を必要とする国民が日本人によって救われる社会」の実現を目指し、臓器移植でしか救われない患者の救命、辛苦の解放に向けて最大の努力をし続けてまいります。
                     特定非営利活動法人日本移植者協議会
                             理事長 山本  登 






会報第11号  
(通算26号)2013年
6月 10日
(月)発行発行者 NPO法人移植への理解を求める会 理事長 向田 陽二
     〒798-4101愛南町御荘菊川2290 電話0895-74-0512
編集者                 副理事長 野村 正良
〒791-8006松山市安城寺町1746-8 電話089-978-5434 
発行所                 事務局長 河野 和博
〒790-0925松山市鷹子町928-2   電話089-970-3943
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# by shufukujin-kaihou | 2013-06-15 11:04 | NPO会報第11号(27号)

NPO法人会報第10号(通算26号)

NPO法人移植への理解を求める会 会報第10号            


6月3日・宇和島で
第4回定期総会開く


NPO法人移植への理解を求める会は、6月3日(日)午前11時から、宇和島市弁天町の「きさいや広場」研修室で、第4回定期総会を開きました。役員と正会員約20人が出席。平成23年度の活動報告と決算報告、24年度の活動計画、役員改選などの議案を原案通り、可決しました。
24年度の活動計画では 1)修復腎移植推進のための啓発活動 2)臨床研究のレシピエント選定確認委員会開催 3)修復腎移植訴訟の支援活動 4)会報発行 5)ホームページの運営-などの事業を、引き続き実施していくことを確認しました。

監査委員に住田さん 役員改選

役員改選では、監査委員(2人)の一人、中矢敬二さん(亜裕美ちゃん基金代表)が今年4月に亡くなられたため、新監査委員に、会員の住田賢治さん(松前町)が選ばれました。他の役員は全員留任です。



 新聞報道から                               

病気腎の先進医療再申請厚労省に
宇和島徳洲会
 宇和島徳洲会病院(宇和島市住吉町2丁目)は20日、第三者間の病気腎(修復腎)移植の先進医療申請について、内容に不備があるとして今年4月にいったん病院に差し戻されていた申請書類を厚生労働省に再提出した。先進医療が認められれば、同移植手術の一部に保険が適用される。
 同日は平島浩二事務長(48)ら職員3人が松山市花園町の四国厚生支局愛媛事務所を訪れ、病名の記入漏れや添付した文献の補足説明など8カ所を訂正した書類を再提出した。
 平島事務長によると、2009年12月~10年8月に実施した臨床研究5例を症例として取り上げている。全て小径がんの腎臓の腫瘍部分を切除し、第三者の慢性腎不全患者に移植した手術で、いずれも経過は順調という。
 厚労省保険局医療課によると、書類に不備がなければ、専門家による「先進医療専門家会議」で適否を審議。一般的に申請から会議開催までの期間は約3カ月で、結果は郵送する。
 平島事務長は「修復腎移植は既に認められている一般医療の組み合わせ。申請が認められれば、最終目的の保険適用までのスムーズな流れができる」と話した。(森口睦月)    (2012年06月21日付 愛媛新聞)

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臓器移植推進活動方針決める
 えひめ移植者の会総会 


 臓器移植を受けた人やその家族などでつくる「えひめ移植者の会」(野村正良会長)の本年度総会が17日、松山市若草町の市総合福祉センターであり、移植推進や移植者の社会的地位向上に取り組むなどの活動方針を決めた。
 市立宇和島病院の近藤俊文名誉院長が「移植の現状と課題」と題して講演。「慢性腎不全の患者が臓器移植をすれば、人工透析と比べて、5年間で千人当たり50億円の医療費を削減できる」などと話した。
 また、「臓器の絶対数が不足している」と指摘し、「修復腎移植が認められれば大きな力になる」と強調した。
 このほか、移植後、長期間経過した会員を表彰した。(森口睦月)
                 (2012年06月18日付 愛媛新聞)

 ニュース 
                               
「先進医療適応は不適切」

修復腎移植 学会が厚労相に要望書


徳洲会グループが昨年10月末、修復腎移植の先進医療適用を厚生労働省に申請したのに対し、日本移植学会など移植関連5学会が2月16日、厚生労働大臣に「先進医療の適応は不適切」とし、申請に慎重な判断を求める要望書を提出しました。従来の否定的な主張を繰り返し、事実上、修復腎移植の禁止を訴えた要望書です。
この要望書は「小径腎患者をドナーとする病腎移植の先進医療適応に関する要望書」と題し、「以下の理由により、申請された病腎移植は先進医療として現時点では不適切と考え、厚生労働省がこの申請に対して、慎重な判断をされるよう要望します」と主張しています。
その理由として 1)国際的な指針や実際の医療との乖離 2)レシピエントの不利益 3)ドナーの不利益-を挙げ、1)では ①国際的な基準、指針として、悪性腫瘍を有する生体ドナーは適応外であることが明示されている ②現在、世界中で継続的に病腎移植を行っている施設は徳洲会グループのみである。
2)ではレシピエントに癌が伝播する危険性がある②移植した後で移植腎に癌が再発した例がある。
3)では  ①小径腎癌患者に対しては腎部分摘出が標準的治療として推奨されている ②小径腎癌の病腎移植を許可すると、良性腫瘍に対して腎全摘が行われる危険性が高まる-などを挙げています。

徳洲会が学会要望書に反論

日本移植学会など5学会が厚生労働大臣に提出した「小径腎患者をドナーとする病腎移植の先進医療適応に関する要望書」に対し、徳洲会グループは6月20日、同大臣に「5学会の要望書に対する意見書」と題した反論の意見書を提出しました。
この意見書は「修復腎移植は安全な医療であり、多くの患者を救う起死回生の『第三の医療』」であると強調するとともに、「学会の要望書は看過することのできない誤りが多く含まれており、自家憧着に満ちたものであり、この要望書によって、厚労省が判断を誤ることないよう要望したい」と述べています。
具体的な反論については、難波紘二先生(広島大学名誉教授、病理学・生命倫理学)の評論を参考にしていただければ幸いです。

 評論                                                                 
大ウソつき 日本の移植学会
厚労相に提出した「要望書」の中身

           ―難波 紘二広島大名誉教授

この2月、日本移植学会など5学会が修復腎移植の先進医療禁止を訴える「共同要望書」を厚生労働大臣に提出した。 その中に次の一節がある。
 <現在、世界中で継続的に病腎移植を行っている施設は徳洲会グループのみです。米国では年間5000例以上の生体腎移植が行われていますが、継続的に病腎移植を行っている施設は存在しません。欧州でも同様です。かつて病腎移植を行っていたオーストラリアのDr.Nicolのグループも現在では病腎移植を行っていません。>
 これを書いたのは高原史郞理事長とその子分、奈良県立医大付属病院の吉田克法準教授である。2人は2007年に厚労省から300万円の補助金を受けて「海外における病腎移植」というインチキ報告書を提出している。犯罪的である。
 これについては、すでに以下の論説で反論を提出している。
*      *      *
2006年11月に宇和島徳洲会病院が「病腎移植」を公表したとき、日本移植学会は「聞いたこともない医療だ」「世界のどこでも行われていない」と非難した。市立宇和島病院、宇和島徳洲会病院および呉共済病院で実施された合計42例の病腎移植のうち、悪性腫瘍例は腎がんが8例、尿管がんが8例、合計16例である1)。残りの26例は尿管結石、局所性腎盂腎炎、尿管狭窄などの病変を持った腎臓で、アムステルダム会議の趣旨にまったく合致したものである。2004年4月に行われたこの会議の報告書は、2005年冒頭にTransplantation誌に掲載されたのであるから、日本の移植関係学会指導者においては公知の事実でなければならなかった。にもかかわらず「病腎移植」を一括して、上述のような非難を行った」ことは、アムステルダム会議の内容を知らなかったか、知っていて、あえて「病腎移植は悪い医療である」という印象を与えるために、このような言説をなしたかである。
*      *      *
 今回の要望書は、米国の例を挙げて「年間5000例以上の生体腎移植があるのに、継続的に病腎移植をおこなっている施設はない」と主張しているが、要望書冒頭で提出者が自ら認めているように「腎提供が大きく不足しているという現状」は、日本と違い米国にはない。腎移植にはまず死体腎があり、ついで生体腎があるからである。しかし、もともと2005年に小径腎細胞がんを切除後移植した14例を、シンシナティ大学の「移植腫瘍登録例」の中から発掘し、「長期追跡によっても、再発・転移が認められない」と報告したのは、同大学のブエル教授らである。
 2007年10月、日本の「病腎移植」の成績が米国学会で発表されて以来、米国でも小径腎癌のある腎臓を用いる生体腎移植はいくつか実施されているので、それについて述べる。
まず2007年10月にはカリフォルニア大学サンフランシスコ校のウィトソンらのグループが、修復腎移植を報告している。次いで2009年にはマリーランド大学のウベロイらのグループが1996~2008年までに行われた小径腎癌切除後の腎移植5例を報告している。先のブエルらの報告からもうかがえるが、「修復腎移植」はすでに米国でも散発的に行われている。ただ正規に学会発表/学術論文として報告されていなかったのである。なお、このウベロイ論文にはニコル博士が「編集者コメント」を寄せ、賞賛している。
 この他に米国以外では、リトアニア(2007)、イラン(2007)、英国(2010)で実施されている。
 ニコル博士はオーストラリア・クイーンズランド州ブリスベーンの大学病院で「病腎移植」47例を行い、2008年に論文発表後、ロンドンのロイヤル・フリー病院の泌尿器科に招聘され、異動した。この病院では修復腎移植が行われ、バイクロフトらにより2010年に発表されている。彼がブリスベーンで行った41症例については、アデレードのグループが、1)健常な非血縁者間生体腎移植、2)移植待ち透析患者と比較して、5年間の追跡調査を行い、修復腎移植の成績が1)と遜色ない好成績であり、2)に比べると段違いに良いことを報告している。修復腎移植の非難論者が好んで取り上げる「1例に再発があった」症例は、患者が再手術を拒否しているため経過観察中だが、進展はないとされている。
 また英国ではロンドン以外でも、ニューキャッスル市フリーマン病院移植部のカッラム博士らは「腫瘍をもつ腎臓の腎移植」という総説論文を発表している。その冒頭で「透析に比べると腎移植がQOLと生存期間の点で優れているのは明白だが、移植用の腎臓不足が深刻である」と述べ、状況が最悪の国として「日本の16年待ち」を挙げている。この総説は腫瘍のある腎臓の積極的利用を呼びかけたものである。2011年秋、カッラム博士らは「良性、悪性の腫瘍のある腎臓を移植に用いるという新しいコンセプトが発展しつつある」と万波グループやニコル・グループのアイデアに支持を表明している。
 以上見てきたように、米国、オーストラリア、欧州で修復腎移植が行われていないという主張は、明白に虚偽である。また平均2年待てば待機リストの腎不全患者が何らかの移植用腎臓の提供を受けることができる、欧米の移植事情と、「平均16年待ち」のわが国を同列に見なして、修復腎移植を否定するのは大きな間違いである。
 ところが、この7月にベルリンで開催された「国際移植学会」で、さらに驚くべき事実が明らかになった。
 1)西オーストラリア・パースのグループが、2007年から5年間にわたり、24例の修復腎移植を行っていた。うち腎癌は19例が腎細胞癌である。24例ともレシピエントは高齢者で経過は「十分に満足できる」としている。オーストラリアのDr.ニコルはロンドンにスカウトされ、アデレードとパースにそれを引き継ぐ新グループが結成されていることが明らかになった。
 2)ドイツでは2006年1月からマインツ、ミュンヘン、シュツットガルト、フランクフルトの移植センターや大学病院が連携して、2011年12月までに244人の担癌ドナーから688臓器の移植(脳死移植)が行われた。全移植臓器の2.9%で、うち腎臓は330個である。  
 これで彼らがついたウソはさらに明白になった。今や移植後進国日本は、さらに世界の大勢から取り残されそうな形勢である。
 一体、日本の移植学会は、まともに国際交流をしているのか?
 学者の嫉妬で、万波移植を否定したばっかりに、日本移植学会はいまや世界の嘲笑をかっている。医師としての良心があり、本当に患者のためを考えているのなら、現執行部は即座に引責辞職するのが筋だろう。患者に謝罪し、裁判は和解することだ。
 これで移植学会がなんと言おうと、修復腎移植の先進医療への道は大きく開かれたと言えるだろう。
 

お知らせ                                 
修復腎移植訴訟第13回口頭弁論
9月4日午後1時半開廷

5月8日(火)の修復腎移植訴訟第12回口頭弁論に続き、第13回口頭弁論が、9月4日(火)午後1時30分から、松山地裁で開かれます。
傍聴される方は、当日午後1時15分に、同地裁に隣接する坂の上の雲ミュージアム前に、お集まりください。
また午後2時から、1番町の伊予鉄会館で記者会見を開きます。時間の許せる方はご参加ください。


事務局から 24年度会費について。

振込用紙を同封していますので、よろしくお願いします。 


会報第10号  
(通算26号)2012年
8月 30日
(金)発行発行者 NPO法人移植への理解を求める会 理事長 向田 陽二
     〒798-4101愛南町御荘菊川2290 電話0895-74-0512
編集者                 副理事長 野村 正良
〒791-8006松山市安城寺町1746-8 電話089-978-5434 
発行所                 事務局長 河野 和博
〒790-0925松山市鷹子町928-2   電話089-970-3943
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# by shufukujin-kaihou | 2012-09-09 19:57 | NPO会報第10号(26号)